おっと…忘れていました。
M3のレンタル試乗記、アップしてませんでしたね。
なにせ修理中にATSで"はしゃいじゃった"ので、
少々忘れてても仕方ないですよね?
修理が終わってしまうと流石にアウトオブデイトな気もするので、このタイミングで記事にすることにしました。
以下、それぞれの項目に沿って全くの私見でお送りします。
試乗車(レンタルしたクルマ)
BMW M3 Competition M xDrive:本体1410万円
オプション:不明(多分ほとんど無し)
仕様
寸法・重量
全長 4805mm
全幅 1905mm
全高 1435mm
ホイールベース 2855mm
車両重量 1800kg
エンジン
最高出力 510ps(375kW)6250rpm
最大トルク 66.3kg・m(650N・m)2750-5500rpm
直列6気筒DOHCターボ
総排気量 2992cc
燃料タンク容量 59リットル
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン
駆動系
タイヤサイズ(前) 275/35R19
タイヤサイズ(後) 285/30R20
駆動方式 AWD(FRに切替可)
トランスミッション 8AT
燃費
WLTCモード 9.8km/L
トランク容量 480L
最小回転半径 5.2m
ボディーカラー
ブラック・サファイア
この色の最大のメリット、それは
グリルが目立たないこと!!
どーしてもこの馬鹿でかい「鼻の穴」に馴染めない私。
ところがなんと言うことでしょう、
ボディーカラーがここまでグリルの主張を消してしまうだなんて!!
白(お借りした写真)
黒(撮影した写真)
明らかですね!
ちなみに同世代3人に見せた感想は全く同じ、
「黒でよかったね!」でした。
外観
と言うことで「色の黒いは七難隠す」まあ7つも無くてグリルの「一難」に尽きるのですが、その効果は個人的には大きかったです。ゴツゴツ系の厳ついデザインではありますが、このクラスの中で見ればこんなもの。C63だって相当なものですから。
ちょっと細かい話をしてしまうと、CSとボンネットのプレスを共通にしている弊害で、無くて良いプレスラインが残っていることでしょうか。これ、CSならダクトが付くのですが、穴が無いのに不自然過ぎます。要りませんー
ちなみにCSはこちら。(公式よりお借りしました)
全体的にはとてもバランスの良い伸びやかなデザインだと思います。まあ全長4.8m、全幅1.9mあればそうしたデザインもやりやすかったような気もしますが、結果としてキレイなバランスになっているのなら文句は無いです。
内装
内装は操作系を含めてシンプルです。もちろん今どきとしては、ですが。
ただウッドやカーボンなどの加飾がほとんど無いので、1400万円のクルマとしてはむしろ質素に見えてしまうかも。
エアコン等の、走行中に操作したいスイッチが独立して残されているのは好印象。
あと走行モードの設定は相当細かくできます。それを2種類ユーザメモリーに割当できて、ステアリングから手を離さずに切り替えられるあたりはビーエムの面目躍如と言ったところではないでしょうか。
シート
豪華では無くレーシーでも無いのですが、今回ロングドライブ等もこなした上で言うと「とても良い」です。
硬くない、へたらない、沈まない。
ベンチレーションが冷暖どちらも3段階切り替えまで付いていてラグジュアリー感も漂わせつつ、ホールド感も十分。それでいて普段の乗り降りに支障は感じさせず。
シートの座面のエクステンドとかにちょっとチャチさも見え隠れしてしまうのがご愛嬌ですが、機能的には気に入りました。
走行
ようやく本題?
今回は試乗コースと言うわけでは無いので、定点観測的なものではないですが、もちろんシチュエーションも色々味わえました。それらをうまく伝え切れるか自信がありませんが、しばらくお付き合いください。
その前提で、以下。
高速道路
まずは真価発揮?の高速道路から。
これは自制心が相当求められると覚悟していたのですが、案外大丈夫でした。理由はよく分かりませんが。
とにかくアクセルレスポンスは良いです。変に過剰ではないところがさらに良い。C36のアクセル開度と速度のイメージが残っているうちはその差に戸惑いましたが、基本的にはリニアなのでわりとすぐ慣れてしまいました。(C36に戻った時にアクセルが重過ぎ、全然加速しない気がして違和感を感じたほど)
まあ新東名の120km/h界隈では、どこからでも加速していきますね。タイムラグが無い。それでいて、速度一定の巡航も案外得意です。間違いなく長距離のグランツーリング適性は高いです。
ただしこれは同乗した家族の感想ですが、
足回り設定を柔らかめ(comfort)にしていたにも拘らず、ゴツゴツ硬かったと。普段のAMG C36の方が快適だと言われ、え、ほんと?と聞き返しました。
山坂道(ワインディング)
いつもの鎌倉の試乗コースと、千葉県木更津あたりのやや細い道でペースを上げ気味に走らせました。
鎌倉では何の破綻も無く走れてしまい、むしろ感想に困るくらい。箱根は行くつもりだったけど行き損ねました。
木更津では一部かなり細い道ではあったものの、距離はそこそこあり、快適に走らせることができました。
いや、こちらも良いですね。
エンジンに火をいれているアクセルワークの感触とパワーの盛り上がりが一致していて、とてもノッた状態で走らせられるんですよ。
しかも結構冷静に。もっとペースを上げたら視野狭窄も起きて緊張させられるんでしょうけれど、常識の範囲内でのトライアルではとても余裕をもっていられました。これは公道を走る上ではとても大切ですよね。
あと高速道路でありながら山坂道的でもある首都高速。
こちらの適性もなかなかのものでした。
料金所からの加速、ICでの合流、ジャンクションでの横Gなど、とにかく使いやすい。
そして何と言っても特筆すべき意外な適性、
それは渋滞耐性です。
神奈川県から木更津行きと言えばアクアライン。
アクアラインと言えば渋滞。
と言うくらい渋滞するのですが、今回このM3で渋滞突入して感じたのは、とてもストレスが少ないと言うこと。運転する側の気持ちの持ちようが大きいとは言え、これだけのハイパフォーマンスカーにして渋滞でストレスが少ないと言うのは、現実的に見たらかなりな美点では?
まとめ
正直に言って、乗る前より遥かに印象が良くなりました。それだけでも保険会社グッジョブ!(笑)です。
最近多い音の加飾も抑え気味で、なのにドライビングプレジャーはしっかり味わえるあたりがとても良かったですね。
なんだ、最近のビーエムってちっとも楽しくないと思ってたけど、Mは違ったんだねと素直に認める気にもなりました。
結果、グランツーリングとワインディングのall-in-oneとしてなかなか理想的で魅力的。これは日本の公道で走らせられる、実用的な人数と荷物が載せられるエンジン車の一つの理想に近いかも。と言うくらいに。
ただ、その視点で言わせていただくと、
なぜこのサイズなのか?!特に全幅1905mm
これって確実に行動範囲を狭めてしまうと思うんですよ。
日本に限らず、ヨーロッパだって道幅そんなに広くないじゃないですか。せっかくこれほどまでにオールマイティな(気持ち良さの領域まで含めて)性能を持たせているのに、行き先が制限されるなんてもったいない。
サーキットを主戦場にすることはもう無いし、もしそれであればCSモデルのように別のボディーを与えれば良いでしょう。
(M3CSはさらに拡幅されて1918mmもあります)
かつての3シリーズのように1700mmクラスとは言いませんが、せめて1800mm程度にならなかったんでしょうかね。
ちなみにM2でも最新型は1885mmに達しました。
一方、特に内装に色気がゼロと言うのは流石にいかがなものかと。走りだけに価値を求める人からは無駄と言うことになるかもしれないけれど、繰り返し言ってるようにこのクルマってオールマイティーなんですよ。だったら内装だって、(走りに興味があまり無い家族の視点でも)もう少し愛着を感じさせてくれても良いのでは?それともそれはBMW Individualプログラムとかで好きなだけお金をかけてカスタマイズしてね、と言うことかしら。