ノックノックス「照らす」あとがき | ノックノックス

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花と緑と音楽を愛する演劇ユニット ノックノックスです

 

 

 

 

 

 

 

 

撮影:勝見里奈

 

こんばんは。ヤストミです。

10月31日の公演後に書いたあとがきです。今となっては雑だなぁと思う部分もありますが、修正するのも違う気がしたのでそのまま載せます。

 

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今年の春に「かいじゅうのまち」の延期を決めた時は、配信公演も視野に入れなきゃいけないのかなぁ・・・くらいにしか思っていませんでした。時間が経てばコロナも治まるだろうと楽観的に見ていた部分もありますし、演劇はそもそも劇場で楽しむものなのに、映像で大丈夫なの・・・?ほんとに?それでお客さんには楽しんでもらえそうなの?ふーん。でもできるなら劇場で観たほうが面白いじゃん。と、多少引いていた部分もありました。(ごめんなさい。)

 

そんな中、劇場でのクラスターからはじまった煽りを受け、二回目の延期を決めた直後に配信公演を決めたわけですが、この時にはすでに「照らす」の構想はありました。構想に至るまでの課題はたった一つ、自分の中にあった「ふーん、でも劇場で観たほうが面白いじゃん」を超えること。配信は代替なんです、劇場へ行けないことの。行けないから配信でやって、行けるならきっとやらないんです。ってことは、その時点で配信の良さなんてないじゃん、ってことなんです。じゃぁどうすんの?を、それだけを考えていました。とにかく配信であることを仕方がないとか、マイナスに捉えない、配信ならやれるんだ!とプラスに考えることに専念しました。意外とアイディアは早くに出てきて、カメラ使うなら大好きな俳優をアップで観られるじゃん、しかも素を→劇場じゃできない。お客さん全員に強制的に舞台に上がってもらおう→劇場じゃできない。などなど。このあたりが固まってきてからはただただ楽しかったです。あとはクオリティの問題です。配信公演は必然的に映像作品になるので、舞台と同じ芝居ではいけませんし、画質や、音にも拘る必要があります。そして私がつくっているのは演劇ですので、カメラは俳優の一人となります。

 

キャスティングは所属事務所にお願いして藤田さんと田野さんの二人が決まり、構想を話して共感してくれた藤谷さんの協力で粟根さんと江戸川さんが決まりました。最高のメンツです。「照らす」はこれ以外考えられません。稽古のスケジュールを決めたのも8月末あたりでしょうか。この時点で10月の東京がどうなっているのか分かりませんでしたら、残念だけど色々心配になるから無観客、人となるだけ接触しないよう稽古は最小回数、よって形式はリーディング。でも歌いたいし、生演奏は必須、あとはじっと座ってるのはやだな・・・どうしよう、なんてそわそわしていたのを覚えています。座組に会えないまま本を渡し、ZOOMでの顔合わせを終え、実際に稽古で皆が顔を合わせたのは本番直前でしたから、稽古やってる時なんかは夢が叶ったような気持ちになりました。楽しかったなぁ。

 

ご覧になった方ならお分かりだと思いますが、「照らす」はお客さんを入れて上演することは不可能です。そのうえ再演するとなっても映像で?再演?えぇ?と思ってしまいますし、じゃぁ百歩譲ってお客さんを入れよう!となった場合、演出も、脚本もガラッと変えなけらばなりません。もうそれは「照らす」ではなくなってしまいます。めちゃめちゃ賞味期限の短い芝居をつくってしまったな、と思うのですが、だからこその強さはあると思います。

 

シブゲキのバラシを終えて、ヴィオラの角谷さん、写真家の勝見さんを送り届け、コンビニでビールを買い、そっと帰宅し(稽古から公演期間まで、ずっと息子を見てくれた妻へありがとう・・・)、ひとりでアーカイブを観ながらこれを書いています。みんなと打ち上げしたかったなぁ。芝居の本番を終えて打ち上げがないなんて、みんなと握手したり、ハグしたりせずにさよならするなんて、寂しいったらありゃしません。何だこれ。台詞で書きましたが、何も気にせず、みんなで笑って会える日が早く来てほしいです。それにしてもいい芝居ですね・・・たくさんの方に観て頂けますように。そしてすでにご覧になってくださった皆様、関係者の皆様、そのほかたくさんの皆様、「照らす」を支えて頂き、本当にありがとうございました。今度こそきっと、劇場でお会いしましょう。

 

ノックノックス代表

ヤストミフルタ