強い向かい風に逆らって自転車で出かけた先で、
はぁはぁ息を切らしながら見つけた白木蓮の固い花芽。
ゴツゴツとまるで老人の指のような枝から光に向かって上を向く。
今日の冷たい風の中、「春近し」と小さな声が聞こえてきそう。
「芽」。
「艸:植物」+「牙:ちぐはぐに噛み合う」の会意兼形声文字。
双葉が噛み合っている植物の め。
芽・きざし・めばえ・めぐむ等の意。
風に押されて楽々帰宅。
そんなところにタイミングよく友が、手には猫柳の枝をもって。
ふわふわと、ふんわりと。
なんて柔らかい・・・
触れずとも綿毛の手触りが蘇る。
きさらぎも下の旬。
待ちわびる温みを感じながら。



