雛 | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
よろしかったら、画像をクリック、拡大して、筆勢などをご覧下さい。

$心から


今年もとうとう、娘のお雛様を飾らないうちにこの日を迎えてしまった。

ちょうど娘の大学受験の時、次男も初赴任の先がどこになるか決まらず落ち着かなかったので、

その年だけ休憩のつもりが、ついそのまま飾らずじまいになっている。

その年にうさママさんが作ってくれたうさぎ雛。
$心から

それと義姉が作ってくれた色紙だけ飾って

今年はいつもより静かな桃の節句となっている。

雛人形が飾ってないことにも気づかないほど

娘は残り少ない学生生活を謳歌しているし、

我が家の男たちも、何も思ってもいない。

ただお昼のお寿司に店主が添えてくれた桃の花と

小さな雛餅だけが、雛祭りであることを思い出させてくれている。

そんなものかな・・・


掌に雛載せながら生まれし日思いだしたる その小ささを


私の兄は男の子二人の父。

私も上が男二人続いたので、3番目が授かった時一番大きな期待を寄せたのは母だった。

生まれたのが女の子だとわかった時、

一番喜んだのは主人だったけど、その次は母だった。

私よりも父と母の方が喜んだ。

その喜びのお雛様を今年も飾らず、ごめんね。

心の中でそう言いながら、雛寿司だけは一番で母に届けた。

来年こそは、きっと飾ろう。

確か去年もそう思ったのだけど、懲りずに今年もそう誓っている。


「雛」。

「芻」はぐっと束ねた草のことで、小さく引き締める、サイズを小さくするの意を含みます。

「雛」は「芻」+「隹:鳥」で、小さく体が引き締まったひな鳥のこと。

国字としては、お雛様の意。

また、小さい。愛らしいの意味を表す接頭語としても用いられます。