眈 | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
よろしかったら、画像をクリック、拡大して、筆勢などをご覧下さい。

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来年は寅年。

トラをモチーフにした作品やデザインが、目に多く入るようになりました。

私も一つ、トラの色紙をいただきましたので、紹介いたします。


この色紙は、先日「枯」のお話をしてくださった先生が描かれました。

毎年干支の色紙をいただくのですが、必ずテーマがあります。

今年は何か?

畳(たとう)を開けると・・・

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「虎視眈々(こしたんたん)」。

エッ!後ろ向き?

よ~く見ると右上方に紅い点が!

アレは何?

わかった!!

トラは、アレを見つめてるんだ!

あの、紅い点は何?

獲物だ。

狙いをつけて、時期を窺ってるんだ!

先生は、私の答えに、合ってるとも違っているともおっしゃらないで、ただ笑ってみえるばかり。


「眈(たん)」。

「冘」が、人に重い‘かせ’をはめて上から下へ押さえつけた様を示す会意文字。

「目」を加えた「眈」は、深く入り込む、欲深そうにみつめる、となります。

よく似た字に、「耽」がありますが、これも同じ意味。

耳を澄ませて、辺りを窺う意です。

重厚な書き振りが大好きな、呉昌石を真似て。


ボーッとして過ごすも一生、アンテナ張り巡らして過ごすも一生。

勇み足は危険ですが、しっかりと目標を定めて歩み続けたいものです。


帰り際、

「のり、お前の紅い点は何や?」

「そうですね、とりあえずは、ゆみちゃんとの二人展かな?」

聞いてくださった先生に、そう応えると、

先生は、背中を押してくださいました。

実現するか否かは別として、紅い点見つめて歩き続けたいと、強く感じました。