2025夏アニメ 9月1日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2025年夏アニメのうち、8月31日深夜に録画して9月1日に視聴した作品は以下の3タイトルでした。

 

 

ウィッチウォッチ

第22話を観ました。

今回は3本立てで、まず最初はニコと守仁が魔法で小さくなってドーナツをお腹いっぱい食べようとする話。しかし小さくなってみたら筋力も低下してしまいドーナツが硬くて食べられない。それでもう飽きて元に戻ろうとしたところ、一緒に居て1人だけ元の大きさのままでいた伽羅のクシャミで吹き飛ばされてしまい、ニコは貯金箱の中に入ってしまう。このまま元の大きさに戻ると不測の事態となる恐れがあるため、魔法の効果が切れるまでのニコを貯金箱から出さなければいけなくなる。それで守仁は伽羅に助けを求めようとするが小さくなった守仁の声は伽羅に届かずどうしようもない。しかしシキが気付いてくれて守仁はシキの背に乗って飛んでいき間一髪、ニコを貯金箱から救出して元の大きさに戻ったのでした。

2本目は学校で黒和小麦というパン屋の娘の同級生がニコに魔法相談に来る。浜崎くんという、よく自宅の店にパンを買いに来る男子の気持ちを知りたいとのこと。ただ相手の気持ちを直接知る魔法は無い。そこでニコはパンで作った人形が浜崎くんの気持ちを代弁して会話してくれるという魔法を使う。ただ、このパン人形はパンなので語彙がパンの種類の名前しか無い。そういうわけでパン人形の喋るパン語を解読しながら浜崎くんの気持ちを想像していくことになる。普通人にはほぼ意味不明だが、小麦はパンに詳しいので何となく分かる。その結果、「好きな女子の名前」を聞いたところパン人形が「クロワッサン」と答えたので、小麦は自分のことだと思って喜ぶ。だが実際は浜崎くんには「黒岩さん」という彼女が居たというオチ。

3本目は守仁の誕生日を皆で祝った際、ニコが誕生日プレゼントの魔法として「些細な幸運が続く魔法」を守仁にかけてあげる。しかし間違えて「些細な不幸が続く魔法」をかけてしまう。ニコはそのまま「幸運が続く」と信じたまま散歩に出てしまった守仁をモニターしながら気の毒に思うが、次々と襲い来る些細な不幸なアクシデントを守仁は日頃の修業の成果で無意識に回避してしまうので全く不幸の自覚が無い。それでも荷物運びをやらされたり、服にペンキがかかったり、自分の頭上だけ雨が降ったり雷に打たれたり、明らかな不幸にも見舞われるが「ニコの魔法で幸運が続くはず」という先入観があるため、守仁はそれらを全て好意的に解釈して幸運だと思い込み「ありがたい」と感謝したりする。そうしているうちに結局本物のラッキーに恵まれてしまうが、最終的に守仁は全て他からの幸運で与えられたものばかりであることに物足りなさを感じるのであった。そういう感じで今回のお話は終わり次回に続きます。

 

 

瑠璃の宝石

第9話を観ました。

今回は瑠璃が凪に連れられて山奥にあるオパール産地に行った場面から始まります。しかしオパールを含む地層が完全に無くなってしまっており、凪は「見事に掘り尽くされているな」と感嘆する。この場所は昔は有名なオパールの産地だったらしいが、20年前には枯渇していたのだという噂もあり、今回の採集は実際のところはそうした産地の実態の調査という意味合いの方が大きかったようで、凪としては「20年前に枯渇していた」という噂がどうやら本当だったということが分かったことで目的は達成したみたいです。

ただ、もしかしたらオパールが少しは残っていて採集も出来るかもしれないとも思ったので瑠璃にも声をかけて「可能性は低いがオパールが採れるかもしれない」と言って誘ったのでした。瑠璃は「オパール」というものを実際に見たことは一度も無かったが、「オパール」という宝石が存在するということは知っていたので、キラキラしたものが手に入ると思って大喜びでついてきた。だが結局1つも見つからずガッカリしました。

凪の方も可能性が低いことも分かっていたし、産地の実態が分かったことで満足すべきところだったのですが、瑠璃をせっかく誘ってガッカリさせてしまったのもあり、凪自身もやっぱりオパールを見つけたかったというのもあり、ちょっと残念に思いました。有名な産地だったというから掘り尽くされているのは仕方ないとしても、産地周辺の転石の中にオパールが少しぐらいは

残っているのを期待はしていた。だが、それも根こそぎ無くなっているというのは、よほど徹底して掘り尽くされたのだろうと思い、期待外れに終わった疲労感だけが残った。

そうしてオパール産地の調査は終わり、翌日、瑠璃は図書館で硝子と一緒に夏休みの自由研究のレポートを作っていた。だが瑠璃は居眠りしてしまい、先日のオパール採集が失敗に終わった悔しさがまだ消えていないのか、オパールの夢を見る。オパールの実物も知らないのでいい加減な内容だが、とにかく水晶みたいに透明でキラキラとしたオパールの宝石が見渡す限り広々と広がっている世界で浮かれてはしゃぎ回る夢でした。すると夢の中でサイレンの音が鳴り響いて、洪水が押し寄せてきてオパールの山ごと瑠璃を押し流してしまう。

ハッとして瑠璃が目を覚ますと、そこは図書館の机の上であり、向かいの席では硝子がレポートを作っている。そしてサイレンの音は現実の世界でも鳴り響いていた。外は台風の急接近で大雨となっており、降水量が多いためにダムからの放水量を増やすので下流の川の水位が急上昇するのだという警告を報せるための放送と共に流されているサイレンの音であった。そのサイレンの音のせいでせっかくの瑠璃の幸せな夢が変な内容に変わってしまったみたいです。

硝子はせっかくレポート制作のために図書館に来たのに居眠りばかりしている瑠璃に呆れるが、瑠璃は昨日は採集で山奥に行って疲れたのだと言い訳する。それで「採集」と聞いて興味を示した硝子が話を聞かせてほしいと言うので、瑠璃は昨日のオパール採集が空振りに終わってしまった顛末を硝子に説明する。それを聞いて硝子はたとえ採れなかったとしても挑戦出来たこと自体が羨ましく思い、「私も行きたかった」とこぼす。瑠璃は誘うのを忘れていたのを謝るが、硝子は別に今回誘われなかったことを怒ってるわけではなくて「私もまた何か採りに行きたいと思っただけ」と言う。

それで瑠璃は「晴れたら砂金を採りに行こう」と硝子を誘う。台風で大雨になっているから普段よりも上流から大量の石が流れてきており、砂金も多く採れるということは以前に凪と一緒に砂金採りに行った時に教えてもらった。だからこの雨が上がったら以前に砂金を採りに行った川に行ってみようと瑠璃は思い、硝子を誘ったのでした。

そうして数日後、瑠璃と硝子は砂金採りに出かけました。すると河原には自販機や自転車などが転がっており、数日前のあの台風の大雨で上流のダムから放水された水もあって相当に川の水位が上がって、その水で押し流された堤防内にあった様々なものが押し流されてしまい、水が引いた後にそれらが下流域に取り残されて、普段の川幅よりもだいぶ広範囲の堤防内の空間に散乱しているようだった。

瑠璃と硝子は砂金採りを開始、川砂を皿に取ってパンニングで選り分けていく。するとさっそく砂金が見つかったと言って瑠璃が喜ぶ。だが硝子がよくよく見ると、それは砂金ではなくて小さな黄鉄鉱の結晶だった。砂金と黄鉄鉱は見間違えやすいというのは瑠璃は凪から聞いて知っていたはずなのに、見事に間違えてしまったのでした。ただ、以前にこの場所で採集をした時は黄鉄鉱など採れなかったので、瑠璃も黄鉄鉱の存在を予想しておらず、それでついつい油断していたというのもある。

その後、硝子が川砂の中から小さな水晶の結晶を見つけ、更に瑠璃がまた黄鉄鉱の結晶を見つけて、ますます瑠璃は変に思う。大雨の後で採集量が増えるというのは、比重が重くて上流に留まっていた鉱物が増水による急流によって下流に移動してくるという現象であり、もともと下流で採れていた鉱物の量が増えるというだけのはずです。しかし、もともとこの下流域で採れていなかった黄鉄鉱や水晶がいきなり採れるようになったというのは単なる大雨による増水によるものだとすると不自然だと思えた。そういう違和感を瑠璃が口にしたところ、硝子が大学の研究室に行って曜子に相談してみようと言うので、瑠璃も凪に相談してみようと思い、帰りに2人で大学の研究室に行くことになった。

途中で大雨に降られて2人ともずぶ濡れになってしまったが、研究室に行くと凪もずぶ濡れになっていたので着替えたのだそうだが、着替えてもいつもと同じ白のカッターシャツにジーンズ姿だったので、あまりのお洒落っ気の無さに呆れた曜子が凪に色んな服を着せてお洒落をさせて遊んでいた。遂には学園祭で使ったというメイド服まで持ち出してきて、凪をメイド姿にして、凪も意外と機能的に出来ているメイド服を気に入って鉱物採集にも着て行けそうだと言ったりする。そんな中、凪の髪に着けたメイド用の髪留めの装飾が宝石だということに硝子が気付く。それを外して見てみた凪は「これはオパールじゃないか」と驚く。それで初めて瑠璃はオパールの現物を見ることになった。それは夢で見たような白色透明な輝きのある宝石であったが、それだけではなく内部に様々な色の光の粒々がある、虹色に見える綺麗な宝石であった。その美しさを見て、瑠璃は改めて先日のオパール採集が空振りに終わった残念さがこみ上げてきます。

そうしてコスプレ大会が一段落した後、凪は瑠璃に何の用で来たのかと問い、瑠璃は大雨の後で川で今まで採れなかった鉱物が急に採れるようになったという件を報告して、どういうことなのか意見を求める。すると凪は「新しい産地が出来たのかもしれない」と言い、どうやら興味が湧いてきたようで「明日にでも現地に行ってみよう」と言いだす。そして「気になることもある」と言い、オパールに関する本を開いてページをめくり始める。凪の言うには、その川の上流の山奥は、先日のオパールの産地の近くなのだそうで、もしあの川の上流で新しい鉱物の産地が出来たのだとすると、オパールも産出している可能性があるのだそうです。まぁ、あくまで「可能性がある」というだけであり、オパール自体は今回は川砂から見つかっているわけではないので、可能性は低めなんですが、産地が近いだけにちょっと気になるところではある。それを聞いて瑠璃は目を輝かせて、今度こそオパールを採集しようと張り切ります。

そうして翌日、瑠璃と硝子は凪と曜子に連れられて、先日の砂金採りに行った川の上流域の山中に行きました。そこに「新しい産地」が出来たかもしれないと凪が言っていたのは、つまり先日の台風による記録的な大雨で上流域で土砂崩れが起きて、その結果、これまでは地上に露出していなかった地下の鉱床が露出している可能性があるという意味であった。その露出した鉱床から新たに黄鉄鉱や水晶が地上に産出され、大雨に流されて川に流れ込み、下流で瑠璃や硝子によって発見されたのではないかと凪は推理したのです。

つまり土砂崩れの現場を発見すれば、そこに黄鉄鉱や水晶の新しい鉱床がある可能性が高い。そしてこの上流域近辺はかつてオパールの産地として有名な地域であったので、土砂崩れの現場には新たなオパールの産地も地上に露出している可能性もあり得ると凪は考えたのでした。だからまずは土砂崩れの現場を探そうということになり、手掛かりは新しめの倒木などになるので、川沿いを歩きながら山中にも注意を向けていると、瑠璃が河原でオパールが転がっているのを発見した。おそらく先日の大雨で増水した川の水に流されてきて、水が引いた後で河原に残されたものなのでしょう。こうなると先日の大雨でここから更に上流域で土砂崩れなどでオパールの新たな産地が現れたという可能性が高くなってくる。

更に上流に遡っていくと、川を横切るように倒木が横たわっており、葉や根がついているのでまだ新しいものだと思われた。やはり最近土砂崩れがあったのです。その木が倒れてきたと思われる方向を見ると、予想通り、土砂崩れの現場があった。そして、そこには黄鉄鉱の結晶を含んだ岩石が転がっていた。つまり、ここが「新たな産地」なのだ。土砂崩れによって黄鉄鉱の鉱床が地上に露出して、鉱床の岩石が崩れた土砂と一緒にそこらへんに散乱しており、そのうちの多くは土砂と一緒に川に流れ込んで下流に流れていき、母岩が崩れて砂となって黄鉄鉱の結晶が露出して川砂と共に川底に溜まっていたものを瑠璃が掬い取って発見したのでしょう。おそらく硝子が見つけた水晶も同じような経過を辿ったのだと思われ、この「新たな産地」の散乱した岩石を探せば、その中には水晶の結晶を含んだ岩石もあるはずだ。

問題は、この「新しい産地」が黄鉄鉱や水晶と共にオパールも産出しているのかどうかだが、少し下流の河原でさっき瑠璃がオパールを見つけたことからも、その可能性は高いと思えた。だが、その「新しい産地」を探しても探してもオパールは見つからなかった。凪はその場に転がっている割れた岩石の断面を見て「どうやらここの岩石からオパールは期待出来そうにない」と言う。岩の断面には窪みがあった。それは岩の内部に空洞があったということだが、オパールはそうした岩石内部の空洞に形成されるものなのだという。

オパールは結晶構造を持たないため、厳密には「鉱物」ではなく「準鉱物」と分類される。ただ、中には結晶構造に近い構造を示すものもあり、それらは「鉱物」として扱われ、宝石としても扱われたりする。特にその中でも光沢があるものや、虹のような多数の色彩を示すものは宝石としての価値が高く「プレシャス・オパール」と呼ばれる。メイド服の髪飾りの装飾に使われていたものは「プレシャス・オパール」であり、さっき瑠璃が河原で拾ったオパールも「プレシャス・オパール」だった。

このオパールの原料となるものは「二酸化ケイ素」です。オパールは岩石の内部の空洞に地下水が流れ込んで溜まり、地下水の内部の二酸化ケイ素が沈殿して形成される。だからこの「新しい産地」の岩の内部が空洞のままでありオパールが形成された痕跡が無いということは、この場所は地下水の影響を受けなかったということを意味しており、それならばオパールはここでは形成されなかったということになる。だがオパールは確かに少し下流でさっき瑠璃によって発見された。ならば、この「新しい産地」とはまた別の「オパールの新しい産地」がここよりも上流域に先日の大雨の土砂崩れによって出来た可能性が高い。

ちなみに「二酸化ケイ素」は水晶や瑪瑙や玉髄の原料でもある。水晶などの石英類は高熱下で二酸化ケイ素の分子が強固に結合して結晶構造を成したものであり、オパールの場合は比較的低い水温の地下水の中で二酸化ケイ素が沈殿して形成されるものであり、二酸化ケイ素の分子の積み重なりの隙間に水が充満している。この二酸化ケイ素の分子の大きさが均一で規則的な構造で積み重なったものは銀化ガラスの時にも言及された「構造色」という現象によって光沢を帯び、中には虹色の色彩を帯びたりして、そういうものが「プレシャス・オパール」と呼ばれて宝石として価値が高いとされるのです。

とにかく上流域にオパールを産出した「新しい産地」が別に在るはずだということになり、4人はどんどん上流に向かっていった。だが、途中でダムに突き当たってしまった。瑠璃や硝子は初めて間近に巨大なダムを見て、その威容に魅了されてしまい、はしゃいで階段を登ってダムの上に行き、満々と水をたたえたダム湖を見て歓声を上げる。ダム湖には多くの流木が浮いており、先日の台風の際にはこのダム湖にも大量の雨水と共に流木も土砂も岩石も流れ込んできたのであろうと推察できた。それを見て、凪はオパールが何処から来たのか分かったような気がした。

瑠璃がオパールを拾った場所より上流には、このダムに至るまでの間に土砂崩れの跡はさっきのオパールのハズレの場所以外には無かった。つまり「新しい産地」は無かったのだ。それでも下流にオパールがあったということは、このダムからオパールが出てきたのだ。先日の台風の際にダムに流れ込む山の中の川の近辺でもおそらく土砂崩れがあって岩石がダム湖に流れ込んだのはダム湖に浮かんだ流木の量を見る限り間違いない。その岩石の中にオパールがあったのだろう。

そうしたオパールはダム湖の底に沈み、通常はダムから下流へ向けて流れ出てくることはない。しかし、先日の台風の際はあまりにも記録的な豪雨だったためにダム湖に貯まる水の量が増えすぎてしまい、そのままではダム自体が決壊してしまう危機となったために大量の水をダムから下流に向けて流す「緊急放流」が行われた。緊急放流の時に流れ出る水の量は通常の放水よりも遥かに多く、それだけ大量の水が一気に放流されればダム底にあったオパールも放流に混ざって川に流れ出てもおかしくはない。そう思ってダムから降りてダムの真下の川底を探してみたところ、さっそくオパールが1つ見つかった。

ただ、これは凪にも想定以上の成果だった。実際のところ、ダム湖に土砂崩れの岩石が流れ込んだとして、そこにどれほどのオパールが含まれているか分からないし、そうして湖底に沈んだオパールが緊急放流でどれぐらい流れ出てくるものかも分からない。それらは全て「そういう可能性もある」というぐらいの話であり、そんなに大量のオパールが見つかるような話ではなかった。もしかしたらさっき瑠璃が河原で拾ったものと、さっきたまたま凪が見つけたもの、その2つだけであってもおかしくない。そう凪は思ったが、瑠璃は自分もオパールを見つけようと張り切って駆け出していき、川底を探し始める。それにつられて硝子も曜子も探し始め、凪も一緒に探すことにした。

しかし、やっぱり川底や河原からはオパールはそれ以上見つからなかった。やはりダメかと思った凪は何となく「豪雨の時の状況がもう少し分かればな」と瑠璃に声をかける。すると、それを聞いた瑠璃は豪雨の数日後に下流の河原に行った時に転がっていた自販機や自転車のことを思い出し、「あの時は下流の方でも普段よりもずいぶん水位が上がっていた」と気付く。だったらこの上流の狭い川幅で、両側が崖みたいな岩場で囲まれて河原も狭い場所で、しかもダムからの緊急放流が降ってくるような状況では、あの日はこの場所は洪水みたいにものすごく水位が上がっていたはずだと瑠璃は思った。

そう思った時、瑠璃は「両側の崖みたいな岩場」の上がどうなっているのか急に気になってきた。あの日、もしこの場所の水位が急激に上がっていたとしたなら、その水面はその岩場の上まで達していたのではないかと気付いたのです。もしそうだとすると、当時の川幅は両側の岩場全体を合わせた広さに拡大しており、現在自分たちが居る狭い河原などはその広大な川幅の真ん中に引いた狭い線に過ぎない。だったら河原などを探すよりも岩場の上を探した方がよほどオパールが見つかる確率は上がるのではないか。そう思って瑠璃は岩場の上によじ登っていった。そうして岩場の上に立った瑠璃の眼前に、あの図書館で見た夢と同じ光景が広がった。そこには大量のオパールが水と一緒に溜まって広がっていたのです。

それを見た凪は驚いた。予想していたよりもオパールの量が遥かに多かったからです。しかも母岩の付いたオパールは1つも無くて、全て剥き出しのオパールばかりだった。透明な光沢で虹色に輝くオパールだけで一面に敷き詰められた光景はあまりに幻想的で不思議だと思えたが、凪は「そうか、これは不思議でも何でもないのだ」と気付いた。

オパールは「準鉱物」と言われるぐらい鉱物の中では特殊な存在で、比重が極端に小さい、つまり軽いのだ。結晶構造を成さずに隙間の多い構造ゆえに、そのぶん軽い。だから水に沈むのが遅い。だから大雨が降る中でダム湖の水中が大量の水や土砂が流入して攪拌される中で、オパールがなかなか沈まずに水中を漂い、そこにダムの緊急放流があったので大量のオパールが流れ出て、直下の川の水位が極端に上がっていたために両岸の岩場の上に大量のオパールが溜まったのだ。但し、ダム湖の中でも母岩付きのオパールは重いので湖底に早々に沈み、母岩無しの剥き出しのオパールだけが軽いので水中を漂い緊急放流に呑み込まれて流出したのだ。それで岩場の上には剥き出しのオパールだけがまるで選別されたかのように揃って広がったのだ。

しかし、それにしても母岩無しのオパールだけでもこれだけの量ということは、今回の台風の土砂崩れで流れ込んだ分だけでこれだけの量のオパールとなるはずがない。これはおそらく20年前に枯渇したという例のオパール産地のオパールなのだと凪は気付いた。あのオパール産地はこのダム湖の近くにあった。あそこはオパールの埋まっていた地層ごと、ごっそりと無くなっていて、転石すら残っていなかった。調査の時は「それだけ徹底して採掘されたのだろう」と思っていたが、おそらくそうではない。20年前に大雨でも降って土砂崩れでオパール産地ごとごっそりと流されてこのダム湖に沈んでいたのだ。だから20年前から急にオパールが採れなくなり「20年前に枯渇した」ということになっていたのだろう。そうしてダム湖の底には大量のオパールが20年間眠っていて、それが今回の記録的豪雨と緊急放流によって母岩無しの剥き出しのオパールだけが大量に流れ出て、一面にオパールが広がる奇跡のような光景を作り上げたのだ。

「副産物的ではあるが、ダムの働きが今この場所を生み出したんだ」と凪は感慨深げに言う。鉱物は自然の歴史を反映するものであるが、今回のオパールに関しては、自然の営みによるものは「ダム湖の底にオパールを沈めるまで」であり、その先の「剥き出しのオパールだけを一気に大量に流出させて一面に敷き詰める」という行程は、人工物であるダムの機能が無ければ成立し得なかった。これは自然と人工の合作のような奇跡の光景なのだ。

「ダムはそういう仕事をしてくれるのか」と瑠璃は感心するが、凪は「いやいや」と苦笑して「本来のダムの仕事は日常を守ることだ」と教える。例えば電力を生み出したり、水をせき止めて水害から人々を守ったりするのがダムの本来の仕事だ。今回のようにオパールを貯めて一面に敷き詰めたのはあくまで「副産物的な結果」に過ぎない。むしろ、この奇跡のような光景を豪雨のすぐ後にこうしてこんな場所まで見に来ることが出来て発見することが出来たのは「ダムが本来の仕事をしっかり果たして私たちの平和な日常を守ってくれたからこそ」なのだといえる。

それを聞いて瑠璃はダムのもたらした奇跡と、その奇跡を堪能できる平和な日常を守ってくれたダムへの感謝に想いを馳せ、皆でオパールを採集してから、オパールを敷き詰めた水面という奇跡のような場所を4人で散歩してから帰路に就き、帰りの車の窓からダムが守り抜いてくれた平和な日常の風景を眺め続けるのでした。そういう感じで今回のお話は終わり、次回に続きます。

 

 

ゲーセン少女と異文化交流

第8話を観ました。

今回はリリーの誕生日がやってきて、蓮司もリリーの書いた日本語の招待状を渡されて誕生会に参加することになります。ちなみにイギリスでは誕生日パーティーは本人が主催で開くものだそうです。一方でリリーのクラスメイト達の葵依や花梨や蛍たちも誕生会に招かれており、リリーへのプレゼントをどうしようか作戦会議を開く。とりあえずリリーが漢気コアラのグッズをたくさん持っているのでそれに被らないようにしようということで、漢気コアラ関連の商品は避けようということになる。

そうして誕生日当日となり、リリーの自宅で皆が集まり誕生日パーティーが始まります。なんだかイギリスでは誕生日ソングを歌った後、掛け声をかけるみたいです。参加者は蓮司以外はみんな女子中学生のリリーのクラスメイト達だけであり、1人だけ大学生男子の蓮司はリリーのクラスメイトのメガネちゃんやメカクレちゃんに興味津々の目で見られます。彼女らから見れば蓮司は初対面の葵依の兄ということになるのだが、妙にリリーと距離感が近くて、リリーの方からイチャイチャしてるように見えて、一体何者なんだろうと気になります。ちなみに家族の誕生会は明日やるのだそうで、例の蓮司を敵視しているリリーの父親は今日は仕事で不在だとのこと。

そうして皆で料理も平らげて宴もたけなわというところで突然リリーが用事があると言って母親と一緒に席を外す。自分の誕生日会だというのにどうしたのだろうと皆は不思議に思いますが、とりあえずリリー不在の間は皆でゲームをすることにしました。そうしていると、そこにリリーが「不思議の国のアリス」のアリスのコスプレをして戻ってくる。実はイギリスの誕生日会ではコスプレをして楽しんだりするらしい。

それでせっかくなので皆でコスプレすることになり、それぞれが「不思議の国のアリス」のキャラクターのコスプレをします。だが何故か蓮司だけ漢気コアラのコスプレになってしまう。でもリリーは嬉しそうです。そうして皆でコスプレ姿で記念写真も撮って、続いて皆がリリーにプレゼントを渡します。花梨はゲームのコントローラー、蛍は文房具セット、葵依はリップクリームを贈ります。

メガネちゃんは色々と迷った結果、日本の伝統食を贈ろうと思ったようで、梅干しを贈りましたが、リリーは何だか赤い木の実のようだと思い、美味しそうだと思ったようです。一方でメカクレちゃんはマーマイトというイギリスの伝統食を贈りました。色々と考えて親しみやすい食べ物が良いんじゃないかと思ったようです。冒頭の朝食シーンでもリリーたち家族はトーストにマーマイトを塗って食べていましたが、マーマイトはビールの酵母を原料とした独特の塩辛い味と香りのジャムみたいな食べ物で、イギリス人以外の外国人には悪評の高い食べ物です。しかしリリーには慣れ親しんだ味なので喜んで受け取ります。

最後に蓮司がプレゼントを渡すが、それは漢気コアラのハンカチで、リリーは喜んで受け取る。それを見たメガネちゃんとメカクレちゃんは蓮司がリリーがたくさん所持している漢気コアラグッズとの被りを恐れていないのを見て、よほどリリーの所有グッズを把握しているのだろうと思い、一体リリーとどういう関係なのだろうと色めきます。そうして最後は誕生会の日を間違って聞いていたリリーの父親が漢気コアラのコスプレで帰宅してきて、蓮司とコスプレが被っているのを見て激怒するというオチで誕生会は終わります。

そうして後日、リリーはプレゼントで貰っていた「赤い実」を朝食時に食べてみる。一方で蓮司も誕生会で見たマーマイトに興味を持って買ってみて初めて朝食でトーストに塗って食べてみる。そしてそれぞれがその独特すぎる味にビックリして「どうしてこんなものを食べているんだろう?」と不思議に思うというオチで今回のお話は終わり、次回に続きます。