2024年秋アニメのうち、11月28日深夜に録画して11月29日に視聴した作品は以下の5タイトルでした。
結婚するって、本当ですか
第9話を観ました。
今回は前回のラストシーンの、権田が大原にカオリーの件で自分を責めて泣く場面の続きから始まり、大原は権田にもう一度カオリーと話をするよう勧め、同時に自分ももう一度ちゃんと本城寺と話をしようと決意します。一方で本城寺もこのままではいけないと思い、大原に電話をしようとしますがなかなか踏ん切りがつかない。そこにナオがやって来て先日の本城寺の部屋での飲み会の記憶が酔っぱらってほとんど無いと言い謝ってくる。どうやら大原を呼びつけたことや、大原が来たことも覚えていないようです。それでナオはその時のお詫びも兼ねて、何か悩んでいる様子の本城寺の気分転換にガラス作りの体験をやってみないかと言って自分の務める工房で無料でガラス作り体験をさせてくれる。
そうして本城寺は生まれて初めてガラスでグラスを作りますが、高熱のガラスを扱う作業ですから気を抜くと危険であり、形も不格好にならないように必死で、とにかく作業に集中します。そうすると無心になれて、確かに作業中は大原の件での悩みなんて忘れてしまった。それで本城寺は「無心になる」というのは悪くないと思い、同時に「無心になる」というのと普段の自分がよくする「心をオフにする」というのは根本的に違うものなのだと気付く。
本城寺が「心をオフにする」というのはしっかり者の母親に「好きに生きていい」「貴方なら大丈夫」と期待されたことが不器用な本城寺にはむしろ「自分では母親をガッカリさせてしまう」というプレッシャーになってしまい、自分でもガッカリするような気持ちにならないように何も期待せず何もやらないというクセが身に着いてしまった結果でした。だから雑念を消して何かに集中して取り組んだ結果の「無心」とは全く違う。そのことに気付いた本城寺の作業の結果出来上がったグラスは歪んだ不格好なものでした。でもナオは「ガラス作りに正解は無いんです」と言って「本城寺さんの好きに作ればいいんです」と言って、その不格好なグラスを褒めてくれた。
その帰り道、ちょっと晴れ晴れとした気持ちで帰路についていた本城寺に母親から連絡が入り、久しぶりに会うことになったが、やはりインテリアコーディネーターとして独立してバリバリに働いている母親のバイタリティーに圧倒されてしまう。いつも前向きで正しいことを言う母親に会うと、やはり自分では母親の期待に応えることは出来ないというコンプレックスに苛まれてしまい、本城寺は心をオフにしたくなる。そういう母親との会話の中で「結婚はしないの?」とツッコまれてしまうが、特にそういう話は無いと答える。
そうして母親は帰っていくが、どうも母親は誰かに本城寺が結婚するという話を聞かされて、それで本城寺に探りを入れるために会いに来ていたようです。一方で本城寺は母親と会っている間に母親への対応に気を取られて大原から2度も電話の着信があったということに後で気付いて慌てます。それでどうしようかと困った本城寺は、そもそもどうして大原は自分と付き合いたいなどと思ったのだろうかと考える。それで、偽装の結婚話という特殊な状況下で大原が勘違いしたのだろうと思う。だから本当の自分が大した人間ではないことを知ったらきっと大原はガッカリするのだろうと想像する。
高校時代も男子生徒に呼び出されて怖くなって引きこもってしまい相手の連絡も無視し続けて傷つけてしまった。本当に愚かで、何も自分で決められず逃げてばかりのダメな人間なのだと思い返した本城寺は、自分がこんな恥ずかしい過去を今さら思い知る羽目になっているのは大原のせいだと逆ギレし、この恋愛の悪しき連鎖を断ち切らねばいけないと思い、大原のアパートに直接乗り込み、今からデートをしようと大原に言い放つ。そういうところで今回は終わり次回に続きます。
アオのハコ
第9話を観ました。
今回はインターハイ県予選で負けてしまった大喜がその後凹んでしまうお話です。まずは県予選が終わって落ち込むヒマもなく1学期の期末テスト期間に入り、大喜はテスト勉強で頭を悩ませる羽目となる。ただ、負けて「一緒に全国に行こう」という千夏との約束を果たせなかった大喜としては、どうも千夏と喋り辛い気持ちもあったので、お互いにテスト勉強で忙しく、千夏の場合は更に全国大会に向けて練習もかなり追い込んでいて、忙しくて自宅でも喋る機会が無いのは内心では大喜としてはありがたかったといえます。
それでも大喜もテスト勉強をやりながら部活も頑張り、男子バドミントン部はシングルスで全国大会出場を決めた針生以外は県予選でひと段落ついたことになりますので、各自が目標を書いて体育館の壁に貼ることになった。その中で大喜が書いて貼った目標は「スマッシュの精度をあげる」でした。県予選では大喜は肝心の場面でラインギリギリのところを狙ったスマッシュを外してしまって、それが負けに繋がってしまいました。逆にシングルスの試合で大喜に勝った佐知川の1年生の遊佐はスマッシュの精度が安定していて、大喜はそれでポイントを奪われてしまった。やはりスマッシュの精度が大事なのだと再確認した大喜としては当面の目標として「スマッシュの精度をあげる」とするのは妥当といえます。
しかし、もともと大喜は県予選に臨む際には「インターハイ全国大会出場」が明確な目標であったはずです。そして県予選で敗退した後も「あと2年ある」と自分に言い聞かせていたはずです。来年ならば千夏と一緒に行くことが可能であり、2年越しに千夏との約束も果たせるはずです。ならば、やはり大喜の書くべき目標は「インターハイ全国大会出場」であるはずなのですが、せっかくの機会にそれを書かないのはどうも大喜らしくない。その様子をたまたま見ていた千夏も違和感を感じたようです。
その後、期末テストが始まり、大喜は部活をしながらテスト勉強に励み、睡眠不足で体調を崩して夏風邪をひいてしまいます。それでも何とか期末テストを乗り切ったところで熱が出てしまい、家にベッドに倒れこんでしまう。ただ家族は出かけていて、1人で心細くはあったのですが、間違っても全国大会を控えた大事な時期の千夏に風邪を伝染したりしないようにしなければいけないと思い、このまま部屋に閉じこもっていようと思った。そうすれば千夏とも会わずに済むとも思えた。
ただ、テスト期間中は頭の中が勉強でいっぱいだったので思い出すことがなかった県予選での悔しい記憶が、こうして病気で気弱になって1人で居ると嫌に鮮明に思い出されてしまう。そして千夏と一緒に全国に行こうと約束したことや、千夏や針生先輩たちに期待してもらっていたことも思い出され、その期待にも応えられず、千夏との約束も果たせず、あっけなく負けてしまった自分の無様な姿も思い出される。それで大喜が落ち込んで、ベッドに突っ伏したまま「俺ってカッコ悪い」と呟くと千夏が「そんなことないよ」と声をかけてくれた。
大喜は空耳だと思って気にも留めなかったが、千夏は大喜のおでこに手を当てて「熱い」と言う。それで大喜も現実に千夏が自分の部屋で自分のベッドの横に座っているのだということに気付いて慌てる。千夏は部活から帰ってきたら家に誰もいないので、灯りがついている大喜の部屋に来たようで、そうしたら大喜が帰宅した姿のままベッドに倒れこんで苦しそうにしているので心配になって様子を見ていたようです。
大喜は慌てて千夏から離れて後ずさりして、自分は風邪をひいているので伝染ったらいけないから部屋から出て行ってほしいと言う。だが千夏は「病人は静かにしてなさい」と大喜を制してベッドでちゃんと布団をかぶせて寝かせてから、台所でうどんを作ってくれて、風邪薬と一緒に大喜の部屋に持ってきてくれた。そうして大喜はうどんを食べますが、そういえばずいぶん久しぶりに千夏と近い距離に居るということに気付き、気まずさも感じるが同時に安心感も覚える。
だが、やはり風邪が伝染ったら申し訳ないし、もう身体も落ち着いたと思うので千夏には自分の部屋に戻ってほしいと伝えたところ、千夏は大喜が眠るまで部屋に居るとか言う。大喜がちょっと困惑して、あまり眠くないと言うと、千夏はじゃあちょっと話をしようと言い出す。県予選とか期末テストで互いに忙しくてあまり話せていなかったので久しぶりにゆっくり話をしたいのだとのことです。どうやら千夏はずっと大喜と話をしたかったみたいですね。その理由は、大喜が県予選の前に「県予選が終わったら1つ質問していいですか?」と言っていたからだと千夏は言う。
大喜はコンビニで千夏が「蝶野さんを見て羨ましいって思った」と言った言葉の真意を質問したかったのです。あれはもしかして「私も蝶野さんみたいに大喜とイチャイチャしたい」という意味だったのか、それとも単に「蝶野さんみたいに唐揚げを食べたかった」という意味だったのか、どっちなのか質問したいと思っていた。それで「県予選が終わったら質問したいことがある」と千夏に言い、千夏にしてみれば県予選が終わったのに大喜が何も質問してこないから不審に思っていたのです。
しかし大喜があの時にそんな突っ込んだ質問を千夏にしてみようという気になったのは「県予選で勝って全国に行って千夏に告白出来るかもしれない」「少なくとももっと距離が近くなるかもしれない」と少し舞い上がっていたからでした。しかし今の自分にはもうそんなことを質問する資格は無いし、質問する気にもなれなかった。それで大喜は適当にはぐらかしてしまう。すると千夏はそれなら自分から大喜に質問が1つあると言う。それは先日の体育館の壁に貼りだした男子バド部の各自の目標で、どうして大喜が「インターハイ出場」と書かずに「スマッシュの精度をあげる」と書いたのかという質問でした。
それに対して大喜は実際にスマッシュの精度が悪くて負けたので改善しようと思ったのだと答え、更に予選を戦ってみて自分にはインターハイはまだ遠いと思えたのだと説明する。自分は千夏とは違って覚悟が無く、ただ憧れていただけで、それであっけなく負けて、身の程知らずだったのではないかと思ってしまったのだと大喜は正直な自分の気持ちを答えます。それで「インターハイ出場」という目標を掲げることが恥ずかしくなってしまったのです。行きたいという気持ち自体は変わってはいない。諦めたわけでもない。ただ、それを公言するには自分はあまりにも準備不足ではないかと思い、それでまずは「スマッシュの精度をあげる」という目先の目標を達成し、その後で「インターハイ出場」という目標を掲げようと思ったのです。
それを聞いて、千夏は「遠くの目標を持ちつつ、近くの自分を見ればいい」と言ってくれる。そして、自分も「インターハイ出場」という遠い目標を掲げるのは辛かったのだと打ち明ける。覚悟があったからそういう目標を掲げられたのだと大喜は言ってくれたが、実際は覚悟があるからこそ、その覚悟が重圧となって余計に辛かったのだという。いっそ「インターハイ出場」なんて目標は掲げるのはやめて「とにかく目の前の試合に勝つことだけ」「とにかく良いプレーをすることだけ」と考えた方がよほど楽だと考えたこともあるのだと千夏は言う。
でも、そんな目先の目標だけでは厳しい練習の日々を乗り切ることは出来なかった。「インターハイ出場」という遠くの目標があったから朝一番に起きることが出来た。だから、そうした自分の経験を踏まえて、千夏は大喜にも「こうなりたい」「こうしたい」というのがあるならそれを大切にしてほしいのだと伝える。「遠くの目標を持つことを怖がらないでほしい」「どんなに身の程知らずでも、それが努力する原動力になるなら十分だと思う」と言うと、千夏は大喜の方を真っすぐ見て「そういう人を私は応援するよ!」と言ってくれる。
それを聞いて大喜は、千夏が自分で悩んで苦しんで努力してきたからこそ他人の気持ちを理解して応援出来るのだと思い、千夏のそういうところを自分は好きなのだと実感する。そして千夏の言葉に勇気をもらった大喜は「貼り紙、書き足しておきます」と言う。改めて「インターハイ出場」という遠くの目標を掲げて、それを「スマッシュの精度をあげる」という目先の努力を続ける原動力としようと決めたのでした。その後、千夏がうどんを片付けようとして、大喜が自分で片付けるとか言って立ち上がり、フラついて千夏が慌てて大喜を支えようとしてもつれあって2人でベッドに倒れこんでしまい千夏が大喜を押し倒すような形になってしまい、大喜が慌てたところ、千夏が大喜の顔に手を触れて何やら妙な感じになったところで今回は終わり次回に続きます。
ダンダダン
第9話を観ました。
今回はセルポ星人との戦いが描かれましたが、凄いカオスな戦闘でしたね。セルポ星人の謎の力に拘束されて変身不能に陥り、チンポを切除されそうになってしまったオカルンの危機を救ったのは、いきなりアクロバティックさらさらの能力を覚醒させた愛羅でした。これはどういうことかというと、おそらく愛羅がアクさらのオーラを体内に入れて蘇生したので、アクさらの霊力が体内にある状態になっているからなのでしょう。ターボババアの霊力が体内にあるので変身できるオカルンと同じ現象ということになります。なんだか性格や口調が普段の愛羅とは違っているのも、オカルンの変身時と同じだといえる。
そうして愛羅はアクロバティックに舞いながらシャコ星人やセルポ星人と戦いますが、その間に全裸になってしまったオカルンは教室の中で何か履くものを探すが何も見つからない。そうしていると愛羅がセプロ星人の拘束技で捕まってしまい変身も解けてしまい、シャコ星人にぶっ飛ばされてしまいます。そこでオカルンは愛羅を救うために全裸のままで変身する。だがすぐにオカルンも愛羅も一緒に拘束されてしまい、変身が解けて動けないところをシャコ星人にぶちのめされそうになるが、そこに桃が到着してセルポ星人の念動力を押し返してオカルンが変身して反撃してシャコ星人をぶっ飛ばす。
そうして変身が復活したオカルンと愛羅の2人でセルポ星人と戦おうとするが、愛羅がオカルンのことを「高倉健様」と呼ぶものだから、いちいちそのたびに桃の集中が切れてセルポ星人の念動力を防げなくなり2人の変身が解けて拘束されてしまうというドタバタを繰り広げることとなる。セルポ星人の方は倒れたシャコ星人をリゲインを注射して強化改造して、コイツがやたら強かったんですがオカルンと愛羅の合体技で優勢に戦いを進める。しかし、そこで床も壁も天井も水になって、ネッシーがやってくる。だがネッシーは頭が悪くて雇い主のはずのセルポ星人を両断してしまい、無差別に攻撃を開始する。
そえで慌ててオカルンと桃と愛羅は逃げますが、シャコ星人の水中からの攻撃を喰らって愛羅が沈んでしまう。オカルンは変身して水中戦を挑もうとするがターボババアは泳げないことが判明し、オカルンの変身態は水中戦は出来なかった。それで逃げることになるが、このままでは愛羅が溺死してしまうので、桃が潜って超能力で助けるしかないが、シャコ星人が邪魔なのでオカルンが囮になるとか言い、それで方針を巡ってオカルンと桃が喧嘩を始める。
それで桃がオカルンと愛羅が中庭でくっついていたことを蒸し返して「どうでもいい」とか言い、それに対してオカルンが「気にしてるなら言い訳させてください」と言い返し、桃にはちゃんと自分のことを分かってほしいのだと伝える。それで仲直りして、桃は超能力でオカルンを水上ボートみたいに走らせてその上に乗り、愛羅の救出に成功する。そして桃と愛羅は下着姿になって水中で動きやすき格好となり、オカルンの上に乗って。追いかけてきたセルポ星人とシャコ星人とネッシーが合体した化け物と水中での決戦に突入する。
ここで桃はシャコが水上で本気のパンチを出すと身体が破裂そてしまうという科学の授業の内容を思い出し、敵を水上に誘い出して本気のパンチを打たせて自滅させることに成功する。しかしセルポ星人は桃を水中に引きずり込み溺死させようとする。だが愛羅の髪の毛で水中を走る道を作り、泳げないオカルンは水中を走ってセルポ星人を撃破して勝利し、元の空間に帰還するのだが、そこはいつもの学校であり、そこで全裸のオカルンや下着姿の桃や愛羅は変態扱いされてしまうというオチがつき今回は終わり次回に続きます。
ネガポジアングラー
第9話を観ました。
今回は台風が接近して天気が大荒れでエブリマートには全然お客さんがやってこない中、店員たちがダラダラする様子から始まります。シフトに入っているのは常宏と町田店長だが、台風なので早めに来た貴明やシフトが終わったけど台風のせいで帰れないアイスとアルア、店に住んでいるハナなどは店の奥でウダウダしているうちに鍋をやる流れになっていくが、そんな中、常宏はレジでヒマしながら釣り糸を結ぶ練習をする。
そこに以前に常宏が借金して返済できずにいた時に追いかけまわしていたヤミ金の3人組がやってきて常宏はビビリますが、もう借金は貴明が返済してくれていますから、ヤミ金3人組はたまたま台風で困って飛び込んできた店が常宏の働くエブリマートだっただけのことだった。このヤミ金3人組は根は良い連中で、もう常宏に危害を加える気は無く、以前のことは謝ってくれて、びしょ濡れになっていたので店の奥のシャワーを使わせてあげることになった。
そうしてシャワーを浴びたヤミ金3人組は、ハナたちが鍋の具をどうするか話し合っているのを見て、ちょうど借金の利子代わりといって押し付けられて処理に困っていたアンコウや野菜を提供してくれる。それでアンコウ鍋を作ることが決定し、アルアがアンコウを捌いて、ヤミ金3人組も一緒に一同が鍋を囲むことになり、酒も入って大いに盛り上がる。
そんな中で常宏も鍋に参加はするが一応はシフト中なので酒は飲まず、ずっと糸を結ぶ練習もしている。そして前々回の海釣り公園に行った時に大物を常宏が逃したという話になり、その時のルアーをチェックしたハナがそこに残った歯型を見て大型魚のサワラだと言う。それで常宏は自分も大物が釣れるのだろうかと希望を口にして、そこでようやくずっと何度も挑戦しては失敗していた釣り糸結びに成功して喜ぶ。
そうした以前とは全く違う前向きになった常宏の姿を見て、ヤミ金3人組は「また困ったらいつでも金を貸してやる」と言ってくれる。彼らも借金を取り立てるのが本業なのではなく、あくまで困っている人に金を貸して助けてやるのが本業なのだ。だが借りた金を返そうともしないいい加減な相手には厳しい対応をする。以前の自堕落に生きていた常宏はヤミ金3人組から見てもとても信頼のできる相手ではなかった。しかし今の常宏にならまた金を貸してやってもいい。それは彼らなりの常宏に対する賛辞と、立ち直れたことへの祝福の言葉なのだった。そうして明るいムードで今回は終わり次回に続きますが、こうした常宏のハッピーエンドのような流れでラスト3話に突入するということは、次回からいよいよ本筋が動き出すのでしょうね。今回は基本的にはグダグダした展開でしたが、クライマックス突入の前フリとしては良いエピソードであったと思います。それに、この独特のグダグダした感じが今回はちゃんとほのぼのとしたイイ話になっていたので良かったと思います。
トリリオンゲーム
第10話を観ました。
今回は老舗の花屋会社の蜜園フラワーにAIセレクトショップの「ヨリヌキ」を売り込みに行き、月商2千万円を達成すれば契約するという約束を見事に果たしたトリリオンゲームの3人の、その続きのお話から始まります。まぁ約束を果たしたといっても、実際はAIセレクトショップというのはハッタリでしかなくて、本当はAIではなくて元花屋のバイトであって凛々が客の注文を裏で捌いていただけだったのであり、蜜園フラワーから契約金を貰ったらその金で本物のAIを作ればいいとかハルは言っていました。だが、月商2千万円を達成して、いざハルとガクと凛々の3人で蜜園フラワー本社に乗り込むと、ハルはあっさりと蜜園社長に「凛々がハッタリAIをやっていた」ということをバラしてしまう。
蜜園社長も「AIはハッタリで裏で人がやっているんじゃないか」とはとっくに見破っていたので特に驚いた様子はありませんでしたが、ガクはいきなりそれをバラしてしまうのかとハルの行動に驚愕する。ハルも蜜園社長から気付いてるんじゃないかとは思っていましたが、だからといって先にバラしたというわけではなく、最初からバラすつもりだったようです。そのあたりのハルの思惑については蜜園社長も生粋の花屋なのでよく分かっていたようです。
ハルは「契約金を貰ったらその金で本物のAIを作ればいい」とか言っていましたが、実際は「ヨリヌキ」が稼働している限りは凛々はもちろんハルもガクも手を取られてしまうわけで、金があってもAI制作になかなか労力を割くことが出来ない。だからいっそ蜜園フラワーにカラクリを全部バラしてしまった上で、凛々がこれまでAIのフリをしてやっていた「注文対応」の業務を蜜園フラワーの熟練の花屋スタッフにやってもらおうと考えたのです。彼ら熟練スタッフは単にバイトをやっていた凛々よりも格段にスキルは上ですからむしろ顧客満足度も上がりますし、凛々1人ではパンク気味だった注文対応も大量のスタッフで対応すれば余裕をもって対応出来で、より多くの注文にも対応出来るようになり売り上げも伸びます。
そして、そうして蜜園のスタッフの皆さんにハッタリAI役をやってもらっている間に、ハルとガクと凛々は祁堂院から出資してもらっていた3千万円を使って外注でAIを作ってもらうよう手配するわけですが、そのAIのプログラミングをする際に、こうして蜜園のスタッフがハッタリAIとしてお客様からの注文に対応したデータの蓄積が全てプログラミングのデータに化けるのです。実際のところ凛々のやっていた作業のデータだけではAIを作るためのデータとしては不足していたので、本当にAIを作るとなると、この蜜園フラワーを巻き込むプロセスは必須だったといえます。
それにしても、蜜園フラワーとしてはハルとガクに嘘をつかれて騙されていたわけですから、そのことを理由に契約はせずに関係を断つことは十分に出来たはずです。それでも、逆にハル達と一緒になって顧客を騙すようなハッタリAIに加担したというのは驚きの決断といえます。客に実害は無いとはいえ嘘をついているのは間違いないわけで商売の仁義は外れている。それをあえてやってまでAIショップの開設に賭けたのは、実は蜜園フラワーは自社ビルを手離すほど経営は苦しくなっていたからです。ビルを売った金で当面は会社を回せるようですが、それでも現状を変えなければいずれは業界最大手の「華ヴィーナス」に圧し潰されるだけ。だから賭けに打って出る必要があったのであり、ハッタリでもインチキでも不可能と思われた月商2千万円を達成したハル達と一緒ならば賭けに打って出ることが出来ると蜜園社長は踏んだのです。
そうして晴れてAIセレクトショップは蜜園フラワーに買い取って貰えることになり、トリリオンゲームは蜜園フラワーと1億円と売上の3%を貰えるということで契約を結んだ。そのことでガクは感動して涙を流します。金額の多寡の問題ではなく、もともと自分のただの地味な趣味だったものが、こんな価値があるものだと評価されるなんて初めてのことで「仕事」って凄いことなんだと感動したのです。これが「仕事の醍醐味」というものであり、普通は初任給とかでささやかな感動を味わうものなんですが、それを起業から社会人生活をスタートさせた3人はこういう特殊な形で味わうことになったのです。ただ、規模は違うけど、こういう感動は万人共通なものはあります。
その後、蜜園フラワーの「ヨリヌキ」は全国で売り上げを伸ばしていき、大ヒット記念パーティーが開かれた。その際、ハルとガクはちょうど大学を卒業した凛々のために「卒業」と「正式入社」もお祝いしてあげます。こうして全てが順調に運んでいるかと思われたのですが、その頃ドラゴンバンクの社長は様々なオンラインサービスを安く買い叩いて買収する事業を進めており「ヨリヌキ」もその標的とされてしまう。相手が買収を断れば、ノウハウを丸パクリした上で巨大メディアでステマしまくって顧客を奪って潰してしまおうという、巨大メディアを意のままに動かせる巨大資本ならではの横暴極まる遣り口でした。
当然、せっかく大切に育てあげてきた「ヨリヌキ」を横から搔っ攫われるわけにいかないとドラゴンバングの買収話を断った蜜園フラワーは、よりによって業界最大手の「華ヴィーナス」と手を組んだドラゴンバンクの「ヨリヌキ」そっくりそのまま丸パクリしたようなAIショップの巨大メディアでのゴリ押し宣伝によって顧客を奪われてしまい売り上げは激減してしまいます。それを見てガクも凛々も唖然とするが、ハルは何か考えている様子。一方でドラゴンバンクではキリカもハル達がこのまま終わるはずはないと見ていた。
蜜園社長はハルに「結局はメディア帝国にすり潰された」と自嘲して敗北を認めるが、ハルは「俺らがメディア帝国になればいい」と言い放つ。最初は慰めのための冗談かと思って笑って流そうとした蜜園でしたが、ハルが常にハッタリでしっかり結果を出す男だということを思い出し、ハルが本気で言っているのだと気付く。それで蜜園はハルが本気でメディア帝国を作るなら自分も乗ると言います。
そうしてハルは「メディア帝国」を作るとガクと凛々に宣言するのだが、2人には何のことかよく分からない。とにかくまずは「超大金をゲットする」とかハルは言います。現在会社には1億円があるが、それを何十倍にも膨らます必要があるのだと言い、そのためにはまずは「ソシャゲ」だとハルは言う。どう見てもハルがいつものノリで適当なことを言ってるだけにしか見えないのだが、それでもハルの場合それを何故か最終的にはなんとかしてしまうのだと知っているガクはとりあえずハルの目指す方向で動いてみようと思い、プロジェクトは動き出す。
まずは凛々がハルに求められてゲーム会社をリストアップして、てっきりゲーム会社に外注するという話なのかと思ったら、ハルはゲーム会社を買収するのだという。しかも大手から順番に回るという暴挙に出て、任天堂とかソニーに断られまくる。当たり前です。更に当面の敵であるドラゴンバンクにまで買収話を持ち掛けて断られたというのだから呆れる。それでようやく大手以外のゲーム会社を回り始めるのだが、最初からそっちからやればいいのに、本当にムチャクチャです。
しかし、そんなハルの姿を見て、ガクは会社を作る前に個人投資家を回りまくって断られまくっていた頃のことを懐かしく思い出す。そしてハルの本当に凄いところは交渉上手なところではなく、むしろそうやって「断られても断られても決して心が折れずに目標達成まで諦めず最終的に実現してしまうところ」だったのだと思い出し、ならばこんな程度の逆境で自分たちが潰されるはずがないのだと自信を深める。
そうしてハルはとある小さなゲーム会社に買収話を持ち掛けて、適当なことを言って買収に成功してしまう。彼らは桜というリーダー、それから双葉と七森と小倉という4人組だったが、「課金よりハートが大事」という、要するに金よりクオリティー重視派のゲームクリエイターみたいでした。この4人がトリリオンゲームにやってきて、さすがにもうガクのアパートでは狭すぎてガクは困ってしまうが、ハルが新しいオフィス「トリリオンキャッスル」を用意したと連絡してくる。それで全員で行ってみると、なんとそこは六本木ヒルズの高そうな広いオフィスで家賃は月300万円だとのこと。桜たちは「ゲームクリエイターは仕事より遊びが大事」と言って新オフィスで陽気に遊ぶばかりだし、ガク達は今後の金の心配をするが、ハルはゲームで何十億円も稼ぐのだと豪語する。今回はそういう感じで終わり次回に続きますが、毎回凄いテンポで先が読めないですね。やっぱり文句なしに面白い。