2024夏アニメ 終盤前の状況 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年夏アニメも終盤に差し掛かろうとしています。今期は視聴対象作品、つまりランキング対象作品としていたのは36作品だったのですが、そのうち16作品は既に途中で視聴を打ち切っていますので、現在視聴を継続している作品は20作品です。これら視聴を打ち切った作品は視聴を打ち切ると決めた回の次のエピソードは一応見るだけは見るようにしており、そこで視聴復活したいと思えば視聴は復活させることにしていますが、今期は既に16作品のうち全作品を視聴復活することなく完全に視聴を止めています。

そうした視聴を打ち切った作品も含めて今期の視聴対象作品の36作品を現状のランク分けと順位を紹介していきます。個人的に面白いと思っている順位なので、あくまで個人の主観です。世間の人気度や作品のネームバリューなどは一切考慮していません。なお8月30日深夜にテレビ放送を録画した分までのエピソードの評価になってますので、それ以降のエピソード分は下記の評価には含まれていませんのでご了承ください。

話数をだいぶ重ねてきていますが、私の場合は1クールアニメとしての完成度を重視しているので、終わり方が大事です。終盤の展開が綺麗にまとまるかどうか、盛り上がるかどうかによって、ここから先、最終話までで実はかなり大きく順位が動くことも多いです。だから下記の順位は決して確定的なものではない。

また、終盤の動向の予想も含めて、各ランクごとに現時点の総評も添えておきます。

 

 

◆Cランク(苦痛だった作品)

 

36位 下の階には澪がいる

第4話で視聴打ち切り。

韓国原作の中華アニメで、ずっと時代遅れのトレンディドラマみたいで全く共感できない。スマホや看板が中国語だったり酷い。

 

 

35位 異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

第4話で視聴打ち切り。

異世界転生主人公が双子と一緒に無双するが、あまりにご都合主義で虚無な内容で、見ていて退屈で眠気に耐えきれなかった。

 

 

34位 ダンジョンの中のひと

第4話で視聴打ち切り。

ダンジョンものという良く知らない世界の裏話を描かれても興味ゼロで全く惹きつけられるものが無く見続けるのは無理だった。

 

 

33位 僕の妻は感情がない

第4話で視聴打ち切り。

機械に愛情を感じる話なら良いのだが愛情と共に性欲を感じるところは確かにリアルだがそんなリアルはキモすぎて要らない。

 

 

32位 疑似ハーレム

第4話で視聴打ち切り。

全くありきたりの学園ラブコメのショートストーリーを早見沙織劇場でただややこしくして見づらくしてしまった作品と思う。

 

 

31位 魔王軍最強の魔術師は人間だった

第4話で視聴打ち切り。

物語はテンポ良く進んでいるが、大して面白くなるようにも思えずキャラの魅力も全く無い。作画も悪く早々に見切りをつけた。

 

 

30位 恋は双子で割り切れない

第4話で視聴打ち切り。

主人公男と双子姉妹のジメジメした三角関係だけでも普通につまらない上に双子妹と主人公のオタクトークがウザすぎてキツい。

 

 

Cランクの現時点の総評

現時点で上記7作品がCランクで、全て既に視聴を打ち切っています。Bランク作品も現時点で既に全作品が視聴を打ち切っているので、おそらくこの7作品でCランクは確定だと思う。まぁ上記いずれの作品も視聴を打ち切った回までの内容に基づいた評価になっていますので厳密な評価とはいえません。

最下位の「下の階には澪がいる」は韓国原作の中華アニメだからなのか現代日本人の価値観とズレが感じられ登場人物の言動に気持ち悪い違和感が常にあった。全員日本人名のキャラになっているのに書き文字が全部中国語のままというのも手抜き感が酷くて見ていられなかった。「異世界ゆるり紀行」はあまりにも話の内容が薄くて、キャラの可愛さで勝負する作品なのかと思いきやキャラも可愛くなくて、双子なんかはあまりに人間味が無くてむしろ気持ち悪かった。「ダンジョンの中のひと」はまずダンジョンの裏方仕事というのが全く興味が湧かない内容であり、せめてキャラ萌えでも出来れば良かったんだが主人公は陰気クールキャラで全く愛すべき要素が無くてダメだった。「僕の妻は感情がない」はヒロインのロボットがいかにも機械というボディで、それに対して発情している描写が露骨な主人公に生理的嫌悪感を感じてしまい、話の内容が頭に入ってこないぐらい嫌だった。「疑似ハーレム」はラブコメとしては地味で普通な出来だったとは思うが、いちいち脈絡なく早見沙織の演技力の幅広さを見せつけようとする姿勢が別に早見沙織のガチオタではない私にはウザくて嫌悪感が湧いた。「魔王軍最強の魔術師は人間だった」はキャラ魅力も乏しくストーリーも作画も純粋に低レベルで、特に大きな嫌悪感があったわけではないが、ここまでレベルが低いとCランクが相当ではないかと思った。「恋は双子で割り切れない」はラブコメとしてそれなりの出来だとは思うが、とにかく登場人物がみんな性格が悪くて、しかも映画オタクの語りがウザくてウザくて不快感に耐えられなかった。

 

 

 

◆Bランク(退屈だった作品)

 

29位 ばいばい、アース

第4話で視聴打ち切り。

世界観が難解すぎてセリフのほとんどが理解不能で今どういうストーリーになっているのか不明な状況がひたすら続いて無理。

 

 

28位 この世界は不完全すぎる

第4話で視聴打ち切り。

今後は物語は盛り上がりそうだがゲーム世界とかデバッガーとかよく分からないし興味も湧かないので視聴継続は無理だった。

 

 

27位 新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。

第4話で視聴打ち切り。

主人公無自覚最強系のテンプレ的作品で、ありきたりな要素しか無い。最初はちょっとだけ笑えたがギャグ要素も薄くてダメ。

 

 

26位 「小市民」シリーズ

第4話で視聴打ち切り。

ミステリー内容が非常にショボくて推理も分かりにくい。メインキャラ2人もパンピーを見下して被害者面が鼻につく嫌な奴ら。

 

 

25位 異世界スーサイド・スクワッド

第6話で視聴打ち切り。

既存キャラを弄ることが出来ずストーリーに制約があり異世界モノとしても凡庸な作りで、そもそもメインキャラ達を知らない。

 

 

24位 魔導具師ダリヤはうつむかない

第6話で視聴打ち切り。

基本的には女性視聴者向けの作風で、魔導具師という仕事にも見ていて面白味は感じず、話もあまり盛り上がってこなかった。

 

 

23位 なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?

第6話で視聴打ち切り。

当初もっと盛り上がるかと期待してたが、特に惹かれるところもないまま折り返しまで来たのでもう見なくてもいいと思えた。

 

 

22位 真夜中ぱんチ

第7話で視聴打ち切り。

動画配信者の業界の独特のノリがよく分からない。またスラップスティックコメディのドタバタ劇があまり肌に合わなかった。

 

 

21位 時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん

第8話で視聴打ち切り。

当初はラブコメとして面白かったが生徒会長選挙編が始まってから急速につまらなくなりキャラの不快感も増したので切った。


 

Bランクの現時点の総評

現時点で上記9作品がBランクであり、全て既に視聴を打ち切っています。終盤にA-ランクから落ちてきそうな作品は、ちょっと不安な作品もあるんですけど、一応ここまで見た以上は最後まで見るとは思うのでA-ランクに留まると思われ、一応は見当たらないということにしておき、おそらくこの9作品でBランクは確定なんじゃないかと思います。ただ、いずれの作品も視聴を打ち切った回までの内容に基づいた評価になっていますので厳密な評価とはいえません。見るのが辛くて視聴を切ったCランク作品とは違って、Bランク作品は見ようと思えば最後まで見れる程度だが、わざわざ時間を割いて最後まで見る意義が無いので切った作品と考えればいいでしょう。

「ばいばい、アース」は世界観が難解すぎて話の内容がほとんど理解出来なかったんですけど、世界観さえ理解出来れば面白そうではあった。問題は世界観を理解したいと思うほどに興味が湧かなかったことだが、それは私の個人的問題だと思ったのでCランクではなくBランクとした。「この世界は不完全すぎる」はゲーム世界でデバッガーがアバターで冒険するみたいな話で、結構面白いらしいんですが、私がこの手のゲーム世界の作品が好みでない上にかなりガチで作ってあるので余計に興味が湧かなかった。「新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる」はありきたりな異世界最強主人公が無自覚という感じの作品で、ギャグが強めの作風なんですが、そのギャグがワンパターンでクサくて面白くなくてダメだった。ストーリーが時々アツかったのでCではなくBランクとした。「小市民シリーズ」は日常ミステリーがショボくて推理にも説得力が不足していて演出も変に凝っているせいで推理が分かりにくくなってしまい、何よりも主人公とヒロインが頭の良さを鼻にかけて小市民を見下してる風で性格が悪く感じられてダメだった。「異世界スーサイド・スクワッド」は根本的な問題だが異なる物語の悪役ばかり集めても奇をてらっただけでありマトモなストーリーにはならないと思う。その上にキャラも知らないのばかりだしストーリーも陳腐な異世界モノだったしつまらなかった。アクションだけは見れた。「魔導具師ダリヤはうつむかない」はストーリーはつまらないわけではなかったがとにかく地味で、途中から魔導具を作る場面も少なくなり、ちょっとヒロインに都合良すぎる展開も多く、やはり女性向け作品という印象を受けて見る気が無くなっていった。「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?」は当初はストーリーは面白くなりそうだと期待はしたのだが、基本的にはダラダラとバトル展開が続き、時々世界の謎の解明が進みそうになっては中途半端で終わり、他に見所も無い感じで飽きてしまった。「真夜中ぱんチ」は4話が神回だったりして基本的にはアツくてイイ話っぽいんだが、動画配信者ネタが私には面白く感じられず内輪ウケという印象を受けた。それにドタバタコメディがちょっと下品でやりすぎ感があって話の良さを台無しにしていると感じられて見るのがキツくなってきた。「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん」は当初はキャラの魅力がありコメディとして出来も良かったのだが、途中から生徒会長選挙の話が延々と続き、これが謎にエリート意識剥き出しの破綻した設定で、元々のなろうのクサみが増してしまい、もうこの先見ても面白くならないと思えてきてしまった。

 

 

 

◆A-ランク(普通に観れた作品)

 

20位 ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで

第7話まで視聴済み。<残り5話>

現状ありきたりな主人公最強系作品になっておりあまり話に興味が湧かない状況だがセラスがエロくて面白いので見ている。

 

 

19位 しかのこのこのここしたんたん

第8話まで視聴済み。<残り4話?>

ギャグはかなり飽きてきて凄くつまらないエピソードもある。だが面白い話もあり、ここまで来たら最後までは見ようと思う。

 

 

18位 グレンダイザーU

第8話まで視聴済み。<残り4話?>

細部は昭和チックな作りでさすがに時代遅れでガッカリだがキャラや物語には本質的な魅力はあって何だかんだ見れてしまう。

 

 

17位 モブから始まる探索英雄譚

第8話まで視聴済み。<残り3話>

ストーリーもキャラ描写も淡々としているが、全体的に可愛げがあって話のテンポも良くてノンストレスに楽しめている作品。

 

 

16位 負けヒロインが多すぎる!

第7話まで視聴済み。<残り5話>

キャラ描写が繊細で名作の趣がある。ただそのためにストーリーがあえて薄めになっているので個人的には物足りなさはある。



A-ランクの現時点の総評

現状でA-ランクの作品数が5作品というのはちょっと少ない印象だが、これはおそらくA-ランク以上は維持するだろうと期待していた「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん」と「真夜中ぱんチ」が予想以上にダメで途中で視聴を切ってBランクに落としてしまったことによる影響といえます。まぁしかし前クールも前々クールも最終的にA-ランクは5作品だったので、こんなものなのかもしれない。

Bランクはもう既に全作品とも視聴を切ってしまっているのでBランクからA-ランクに上がってくる作品というのは無い。逆にA-ランクからBランクに落ちそうな作品となると、「ハズレ枠の状態異常スキルで最強になった俺がすべてを蹂躙するまで」はまだ7話なのでまだ途中で視聴を打ち切ってBランクに落とす可能性はあるが、この作品はもう割り切って見ているのでこのまま最後まで完走するんじゃないかとは思う。また「しかのこのこのここしたんたん」も内容的にはかなりヤバいが、もう8話まで見終わっているし、時々面白いところもあるのでこのまま最後まで見ると思う。ただこの2作品とも最終話まで見てあまりにも酷い印象だったら完走した上でBランク扱いする可能性はある。

一方で現状のA-ランクからA+ランクに上がる可能性がある作品はせいぜい「負けヒロインが多すぎる!」ぐらいでしょう。「グレンダイザーU」と「モブから始まる探索英雄譚」はA+ランクに上がりそうな力は無いと思われ、A-ランクを維持したまま終わりそうです。「負けヒロインが多すぎる!」にしても終盤一気に話が盛り上がったりすればの話であって、この作品の特性上そうはならないだろうと思うのであまり期待はしていない。逆にA+ランクからA-ランクに落ちてきそうな作品は、A+ランクは現状は調子の良い作品ばかりなのであまり見当たらない。しいて挙げれば今後の展開が読めない「義妹生活」ならば終盤つまらなくなってA-ランクに落ちてくる可能性はあるでしょう。また「俺は全てをパリイする」は現在は快調だがもしかしたらここがピークで終盤ネタ切れするかもしれないのでその場合はA+ランクとA-ランクの境界線あたりに来るでしょう。

 

「ハズレ枠の状態異常スキルで最強になった俺がすべてを蹂躙するまで」は異世界の最強主人公追放と復讐モノであり序盤の主人公覚醒までは面白かったがそれ以降は主人公が慎重すぎて話がなかなか進まないし派手な戦いも不足している。このままでは面白くないまま1クール終わりそうだが、もう話の内容には期待せずエロい場面だけ期待して最後まで見ようと思っている。

 

「しかのこのこのここしたんたん」はシュール不条理ギャグアニメで、序盤は破壊的な面白さでSランク評価していたが3話から飽きたのか出オチだったのか急激に失速してしまい、それ以降は面白い話の方が稀な状況となっている。ただもともとシュールギャグなので面白くない話も何となくシュールで笑えるところもあり、一応最後まで見続けてもいいんじゃないかとは思う。

 

「グレンダイザーU」は昭和のスーパーロボットアニメのリブートであり何から何まで昭和チックな作りで古臭い残念な出来だが、古い要素が全て面白くないわけではないので、それなりに燃えて萌えて楽しめるところもある。旧作は人気作だっただけはあり本質的な物語やキャラには魅力はあり細部に違和感は覚えながらも物語の結末までは見届けようと思えるレベルにある。

 

「モブから始まる探索英雄譚」は大して強くない主人公が淡々とダンジョン探索していく現代設定の話で物語にあまり起伏が無くて盛り上がらないが、ヒロインたちに可愛げがありバトルも徐々に敵が強くなり装備も増えていったりして変化もつけてあり意外と楽しめてる。日常シーンでの正ヒロインとのラブコメも可愛らしく描かれており、全体的に最後まで追いかけたくなる。

 

「負けヒロインが多すぎる!」は覇権だとか言う人もいるがラブコメオタクにウケてるだけと思う。負けヒロインをメインに描くことで繊細な心情描写が出来ていて作画や演出でそれを増幅している良作だとは思うが、悪役だけ集めた某作品と同じく負けヒロインだけ集めるのはストーリーを犠牲にする選択だからストーリー重視の私の評価基準では高評価はどうしても出来ない。

 

 

 

◆A+ランク(満足できた作品)

 

15位 俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~

第9話まで視聴済み。<残り3話>

バカバカしいすれ違いコメディでかなりワンパターンではあるが振り切れていてコメディとして完成度が高い。キャラも良い。

 

 

14位 杖と剣のウィストリア

第7話まで視聴済み。<残り5話?>

王道の激アツ少年漫画という感じで尻上がりに面白くなってきて7話で最高潮に達した。ただ中途半端なところで終わりそう。

 

 

13位 義妹生活

第9話まで視聴済み。<残り3話>

リアル寄りの斬新な演出やキャラ描写が生み出す緊張感が心地良い恋愛心理劇ホームドラマ。話も普通に面白いが地味ではある。

 

 

12位 女神のカフェテラス(第2期)

第9話まで視聴済み。<残り3話>

日常ラブコメで物語的な進展は大して無いが、下ネタコメディから泣ける人情話まで幅広く完成度が高く安定感は抜群の作品。

 

 

11位 【推しの子】(第2期)

第20話まで視聴済み。<残り4話>

ハイクオリティで素晴らしい場面が盛り沢山ではあるがここまで本筋の話があまり動いてない。終盤次第でSランク復帰はある。

 

 

10位 かつて魔法少女と悪は敵対していた。

第8話まで視聴済み。<残り4話>

隙の無いハイセンスコメディで回を追う度に面白さを増してる。実質Sランク最上位級だが15分尺なので1ランク下げている。

 

 

9位 先輩はおとこのこ

第8話まで視聴済み。<残り4話>

緻密な心情描写と先の読めないストーリーや深いテーマが魅力のSランク級作品だがここ数話タメ展開が続いたので一旦下げた。

 

 

A+ランクの現時点の総評

現状A+ランクは7作品だが、このうち「かつて魔法少女と悪は敵対していた」は15分アニメなので1ランク分下げた順位にしているだけであり実質は現状では全体で3位ぐらい相当のSランク上位作品なので、現状の実質的なA+ランク作品は「俺は全てをパリイする」「杖と剣のウィストリア」「義妹生活」「女神のカフェテラス2期」「推しの子2期」「先輩はおとこのこ」の6作品ということになる。

これに加えて今後A-ランクからA+ランクに上がってくる可能性がある作品としては「負けヒロインが多すぎる!」ぐらいでしょう。ただ基本的に毎回ストーリーにもう1つ物足りなさを感じている作品なので終盤よほど充実しなければいけないが、そもそもそういう作風じゃないので難しそう。逆にA+ランクからA-ランクに落ちる可能性がある作品としては、今期の現状のA+ランク下位の作品はどれも上り調子の作品が多いので、あまり候補が見当たらない。「終盤がダメならば」という想定の上でならば「俺は全てをパリイする」「杖と剣のウィストリア」「義妹生活」あたりは可能性は一応はあるでしょう。3作品とも最新話で山場を超えた感があるので、ここから失速したり締め方に失敗したりする可能性はゼロではない。ただ個人的な感触としては、3作品ともここから更に面白くなりそうですけどね。

一方でA+ランク上位の作品でSランクに上がる可能性がありそうな作品は「先輩はおとこのこ」と「推しの子2期」の2作品でしょう。まず「先輩はおとこのこ」は実質Sランクのレベルの作品だとは思うのだが、物語の着地点が見えてこなくて、ちょっと心に刺さりすぎる描写が多くタメの展開が続いていて現状視聴していてあまり楽しくないので一旦A+ランクに下げているだけであり、終盤綺麗に物語がまとまってそれが不快な感じでなければSランクでフィニッシュするとは思う。「推しの子2期」の方は舞台編が長すぎて話もだいぶ散漫になってSランクから落ちてきたので、終盤がよほど良い出来でないとSランク復帰は厳しいかもしれない。ただ原作の内容は知ってるので、面白いとは思うのだがSランクは厳しいような予感はする。逆にSランクから終盤にA+ランクに落ちてくる可能性がある作品はあまり無さそうだが、「ATRI」「SHY 東京奪還編」「天穂のサクナヒメ」あたりは終盤がダメなら落ちて来そうではあるが3作品とも終盤は盛り上がりそうです。

A+ランクの終盤の展開の全体的な予想としては、まず「俺は全てをパリイする」はここから物語が大きく展開しそうだが残り3話で原作も連載中だから中途半端な終わり方になる危惧はある。しかし上手くまとめてA+ランクは維持すると思うし、他の作品の状況次第では順位を上げる可能性もある。「杖と剣のウィストリア」は魔導大祭編の後どう話を展開させるのか次第だが、残り5話あるのでもう2つぐらい山場は作れるかもしれない。ただ壮大な物語で原作連載中の作品なので結局は物語の序章で終わりそうな印象。A+ランクは維持するだろうけど順位の上下は他の作品の状況次第でしょう。「義妹生活」は未知数の要素が多い作品なのでA-ランク落ちの可能性も無いことはないが、おそらく残り3話が更に盛り上がってA+ランク最上位ぐらいまでは視野に入る作品だとは思う。「女神のカフェテラス2期」は安定感抜群でA+ランク上位で終わる可能性が高いがSランクの可能性はさすがに無いだろうと思う。残り3話が盛り上がって綺麗に締まればA+ランク最上位で終わる可能性は十分ある。というか「先輩はおとこのこ」と「推しの子2期」がもし2作品ともSランクに上がれば、A+ランク最上位は本命が「女神のカフェテラス2期」で対抗が「義妹生活」あるいは「杖と剣のウィストリア」というところでしょう。「推しの子2期」はもしSランクに上がれなければA+ランク最上位でしょう。「先輩はおとこのこ」はおそらくSランクに上がるでしょうけど、もし上がれなければA+ランク最上位候補でしょう。ちなみに実質Sランク上位の「かつて魔法少女と悪は敵対していた」は見かけ順位がA+ランク最上位より上になることはないが、終盤の締め方がイマイチならば見かけ順位も少し落ちるかもしれないが、それでもA+ランク内ではあるでしょう。

 

「俺は全てをパリイする」は自分に才能が無いと思い込んだ世界最強の男が巻き起こす異世界冒険ファンタジーの勘違いコメディ。毎回同じようなノリが繰り返され、しかもかなりバカバカしい内容なのだがとにかくコメディとして振り切れていてかなり出来が良い。キャラもみんな前向きでちょっと抜けていて好人物ばかりなので見ていて気持ちが良い。ストーリーもあまり進んでいないがしっかりした内容です。勢いがあるので、このまま同じようなことを繰り返していってもA+ランクは維持するだろうけど物語が動くならもう少し順位も上がるかも。

 

「杖と剣のウィストリア」は魔法を使えない少年が魔法学園で頂点を目指していく王道少年漫画の趣があるバトルファンタジー学園ストーリー。ありがちな設定で王道のストーリーゆえに確かにストーリー的な意味でのサプライズには欠けるが、主人公のアツい物語がストレートに非常に魅力的。サブキャラもみんな魅力があり、人間ドラマはかなり見応えがある。そして魔法バトル作画が圧倒的に素晴らしい。序盤はバトル以外は地味な印象だったが5話以降物語が急激に盛り上がってきた。7話で頂点に達した感があるのでこの先どう盛り上げ締めるか注目。

 

「義妹生活」は親同士の再婚で義理の兄妹となってしまった同じ高校に通う男女のすれ違いラブコメではなく、互いに恋愛感情を抱いた2人を中心に描いたホームドラマであり恋愛心理劇。当初は日常を淡々と描写するだけの謎演出で1話切りしたがすぐ視聴復活し、その後は独特の構成と演出で2人の心情が描写されてくるとリアルな生活が描かれているゆえに定番の展開に捉われない何が起きるか分からない不思議な緊張感がクセになり順位も上がってきた。キャラは魅力的で普通にストーリーも面白い。ただ基本的に地味なので今後順位が上がるかは不明。

 

「女神のカフェテラス2期」は海辺の喫茶店を舞台としたハーレムラブコメでギャグ色が強めで下ネタも多くてB級感が強い作風ではあるがコメディとして非常に完成度が高く下ネタギャグが非常に上手く泣かせる人情話も得意で隙の無い作品。2期に入ってギャグ要員の新ヒロイン5人組も加わりパワーアップした。既存の5人もかなりキャラが立ち掘り下げも進んだ。各エピソードしっかりオチがつき完成度が高いが物語そのものは同じ状況が繰り返されていて大して進んでない。今期の終盤どう盛り上げて締めるか次第でA+ランク内の順位が変わりそう。

 

「推しの子2期」は圧倒的なクオリティと技巧を凝らした構成による各話の完成度が高く、本筋であるアクアの復讐物語はSランク級の強力なコンテンツであるのは間違いないが、ここまでの2.5次元舞台編は描きたいことが多すぎて話が散漫になり本筋があまり動いていない印象。また肝心の劇中劇の「東京ブレイド」に魅力を感じないし舞台演劇の描き方も派手だが期待以下。これではこの作品のクオリティを加味してもSランク評価は難しい。やはり物語全体の中で過渡期のパートという印象。ただ地力は強い作品なので終盤の出来次第で挽回は十分可能。

 

「かつて魔法少女と悪は敵対していた」は魔法少女と悪の組織の参謀のやや無自覚な両片想いすれ違いラブコメ。15分アニメなので尺が足りないぶん1ランク分下げた順位としているが実質はSランク最上位クラスにある面白さの作品。話の内容は他愛もなくシュールだがギャグのセンスが天才的でずっとムチャクチャ面白い。しかもサブキャラの魅力も高いので回を重ねるごとに面白さが増してきている。物語も着実に盛り上がってきており結末が楽しみではあるが原作は作者急逝のため未完で終わった作品であり、アニメ版はどう締めるつもりなのか注目。

 

「先輩はおとこのこ」は女装男子の主人公と、主人公を好きな幼馴染男子と後輩女子の3人の恋愛模様を描いた一風変わったラブコメ。序盤は女装趣味がテーマのように見えたが中盤以降になり恋愛の本質や性や性愛についての自己認識に関わる深いテーマが描かれていることが分かりレベルの高い物語を楽しめるようになりずっとSランク評価だったが同時に独特すぎて先の展開が全く予想できず、デリケートなテーマゆえに現状モヤモヤする内容になっており、数話タメの展開も続いたので一旦A+ランクに下げたが大きな展開になればSランクに戻るだろう。

 

 

 

◆Sランク(大満足した作品)

 

8位 ATRI My Dear Moments

第7話まで視聴済み。<残り6話>

静かに立ち上がり前半はしっかり盛り上げ山場を作った。折り返しで後半に向け期待感も持たせたが真の山場はここからと思う。

 

 

7位 SHY 東京奪還編

第20話まで視聴済み。<残り4話>

独特の世界観でじっくり積み重ねた物語が上質だったが終盤のバトルとドラマが一気にボルテージが上がりSランクに上がった。

 

 

6位 天穂のサクナヒメ

第8話まで視聴済み。<残り5話>

序盤からずっと地味だが安定してエピソードの完成度が高い。ただバトル描写はイマイチなので終盤バトル展開は不安もある。

 

 

5位 菜なれ花なれ

第8話まで視聴済み。<残り4話>

序盤からずっと少女たちの日常を緻密な物語で可愛く描いて魅力的な世界観を確立してきた。それに加えて終盤のドラマに期待。

 

 

4位 戦国妖狐 千魔混沌編

第7話まで視聴済み。<今期分残り4話>

放送開始が遅めだったので折り返し時点では物語導入だったが折り返しが過ぎてから怒涛の盛り上がりで一気に躍進してきた。

 

 

3位 逃げ上手の若君

第8話まで視聴済み。<残り4話>

物語の大筋はムチャクチャ面白いがどうでもいい脱線も多くそれを超える強烈な名場面も多い。強い作品だがどう締めるか次第。

 

 

2位 2.5次元の誘惑(リリサ)

第9話まで視聴済み。<今期分残り4話?>

ストーリー構成がとても上手くて安定感が抜群。コメディとして完成度が高くてキャラも魅力的なアツい青春ドラマが楽しめる。

 

 

1位 異世界失格

第8話まで視聴済み。<残り4話>

異世界モノとして普通にハイレベルでありつつ捻りが効いていて文学作品のような物語の深みもあり各話の完成度が抜群に高い。

 

 

Sランクの現時点の総評

現時点でSランク作品が「ATRI」「SHY 東京奪還編」「天穂のサクナヒメ」「菜なれ花なれ」「戦国妖狐 千魔混沌編」「逃げ上手の若君」「2.5次元の誘惑」「異世界失格」というように8作品というのは、まぁちょっと多めという印象です。ただ、15分アニメなので1ランク分下げて現状A+ランク上位の10位に置いている「かつて魔法少女と悪は敵対していた」は実質的にはSランク3位ぐらいに評価している作品であり、これも準Sランク作品といえます。更に現状A+ランク上位の9位に置いている「先輩はおとこのこ」と現状A+ランク上位の11位に置いている「推しの子2期」の2作品はもともとSランク作品であったものを一旦A+ランクに下げたものであり、再びSランクに上がってくる可能性は十分ある。特に「先輩はおとこのこ」は再びSランクに戻る可能性は高いと思います。この準Sランクの2作品も加えた合計11作品がSランク圏内作品といえます。

序盤の頃にだけ「しかのこのこのここしたんたん」と「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん」の2作品がSランク圏内に居たという例外を除けば、だいたいこの11作品がずっとSランク圏内を占めてきたといえます。序盤から着実に面白くてSランク上位を占めていたのは「逃げ上手の若君」「2.5次元の誘惑」「推しの子2期」であり、それに次いで「異世界失格」があり、その下に「先輩はおとこのこ」「菜なれ花なれ」「天穂のサクナヒメ」はSランク下位に常駐しているという印象でした。「戦国妖狐 千魔混沌編」「SHY 東京奪還編」「ATRI」は当初は不安定な印象で、A+ランク上位とSランク下位のボーダーラインの作品という扱いでした。

それがクール中盤からこの終盤前までの間に、「推しの子2期」の勢いが落ちてA+ランクに落ちて、代わりに「異世界失格」が躍進して1位に立ち、「戦国妖狐 千魔混沌編」も一気にA+ランクから躍進してきてSランク上位に迫り、Sランク下位の方では「SHY 東京奪還編」と「ATRI」がSランクに上がってきて、一旦「先輩はおとこのこ」はA+ランク最上位に落とし、そうやって現状の形となったといえます。おそらく「先輩はおとこのこ」はSランクに戻ることになるだろうけど「推しの子2期」は微妙だと思う。だからおそらく最終的にSランクは見かけ順位がA+ランクの準Sランクの「かつて魔法少女と悪は敵対していた」を除けば全9作品というのが最も可能性が高そうな数字です。その場合にA+ランクが6作品以上にはなることも合わせて考えると、これは十分に豊作クールと言っていい数字でしょう。

また、今期は作品の質的にも前クールよりは豊作感は個人的には強く感じている。確かに前クールの「ガールズバンドクライ」「響け!ユーフォニアム3」のような最終的にSSランクに上がったような圧倒的な作品というのは無いので、それで「物足りない」「不作だ」などと言う人もいるかもしれませんが、今期は前クールに比べてSランク中堅から下位の作品のレベルは高いといえます。それらの作品には今期で完結する作品が多いので終盤に更に面白さが増す可能性が高いのですが、現状でも既に前クールのSランク中堅から下位だった作品のこの時点よりも面白い。そういう点で今期は豊作感が強いのです。
前クールは「ガールズバンドクライ」「響け!ユーフォニアム3」「夜のクラゲは泳げない」の三強が他のSランク作品にだいぶ差をつけて終盤に突入していき、しかもこの三強がいずれも完結作品であり、一方で他のSランク作品の大部分が完結作品ではなかったので、他の作品が三強に追いつく可能性は終盤前でほぼ無理だろうと予想がつき、実際にその通りの結果となった。だが今期は逆の構図になっていて、現在Sランク上位に居る「異世界失格」「2.5次元の誘惑」「逃げ上手の若君」「戦国妖狐 千魔混沌編」は今期で完結しないで物語途中で終わる作品であり、現在Sランク下位にある作品のうち「菜なれ花なれ」「天穂のサクナヒメ」「ATRI」は今期で完結する作品です。またおそらくSランクに戻ってくるであろう「先輩はおとこのこ」もおそらく今期で完結すると思われる。また完結作品ではない「SHY 東京奪還編」も終盤はかなり盛り上がりキリ良く終わるとは思う。

しかも現時点でのSランク上位作品とSランク下位作品との差は、前クールのSランク上位作品とSランク下位作品との間にこの時点でついていた差ほどには大きくはなく、下位作品は意外に上位作品に迫っています。その上で下位作品に完結作品が固まっているということを考えると、今期の終盤のSランク作品は割と混戦模様になるかもしれません。

まぁそれでも現時点で上位にある作品が順当にこのまま面白ければ普通に逃げ切る可能性も高く、完結作品だからと言って必ず面白いとも限りませんから、見てみないと分からないといえるでしょう。おそらく「先輩はおとこのこ」や「推しの子2期」が現時点でA+ランクに落ちているのはビハインドであり、Sランクに復活してもこの2作品はさすがに上位にとって代わるのは難しいでしょう。「SHY 東京奪還編」も終盤盛り上がればかなりイイ所まではいくかもしれませんが、完結作品でもない以上さすがにここから上位にとってかわるのは難しいとは思う。そうなると、やはり下位作品の中で終盤に上位作品にとって代わる可能性がありそうなのは「菜なれ花なれ」「天穂のサクナヒメ」「ATRI」の3作品ということになる。これを迎え撃つのが上位の4作品「異世界失格」「2.5次元の誘惑」「逃げ上手の若君」「戦国妖狐 千魔混沌編」ということになるが、この顔ぶれで普通に勝負すれば、やはり上位作品の方が強そうに見える。だから普通に逃げ切る可能性の方が高いけど、終盤の出来次第では下位の3作品も2位や3位ぐらいまでは食い込んでいくかもしれないし、もしかしたら1位を奪取する可能性もゼロではない。特に「ATRI」は残り話数が6話もあり、ほぼ半分が残っているので甘くは見れない。まぁこんな感じで今期のSランクは混戦模様であり、現時点ではどの作品が1位となるのか予想は出来ないといえます。

 

「ATRI」は海面上昇して文明が後退した近未来世界を舞台として主人公の少年とヒューマノイドの少女アトリとの交流を描いたゲーム原案の作品であり、放送開始が遅めで全13話構成なのでクール終盤前の現在でもまだ物語の折り返しを過ぎたところであり、物語の完結まで描かれると思うので、ここからが物語の本番だと思われる。ここまでのクール前半は全体的なノリとしては序盤は割とスロースタート気味で世界観の描写が魅力の作品であったが、その後は学校に潮汐発電機を作る話が山場となり、ここが盛り上がった。同時に序盤からアトリの謎について伏線が張られており、ここ数話はアトリに心があるのかどうかという話や主人公の夏生の過去も絡めた純愛ドラマが描かれ、物語後半の壮大な展開に感動要素を増幅させる伏線になるのだと思われる。現状は伏線メインで地味なので順位は低めだが残り話数が多いこともありここからの伸びしろが最も期待できる作品といえます。

 

「SHY 東京奪還編」はヒーロー達が多数登場して戦う作品だが、派手なアクションよりもむしろ人間の心に関わる深みのあるドラマを描くことを重視した作品であり、バトルとドラマを絡めた盛り上げが絶品だが、じっくり丁寧に伏線を張っていくスタイルなのでスロースタート気味な作品でもある。また正義と悪の描き方が相対的で戦争と平和について深いドラマを描きつつファンタジーやスピリチュアル要素なども盛り込んだ硬派で深みのある作風でもあり一見ギャグ寄りの脇道もあったりして意外と難解。でもそれゆえに盛り上がってくるとかなり心に刺さる。去年秋クールにやっていた1期の続きだが一旦仕切り直して始まっており、上質な内容ではあったがスロースタート気味であったのでずっとA+ランク上位で待っていて、ようやく盛り上がってSランクに上がった。ここから一気に盛り上がると予想されるが完結作品ではないので最後はどうしても中途半端な感じで終わりそう。

 

「天穂のサクナヒメ」は和風な神話的な世界を舞台にしたゲーム原案アニメで、日本昔話っぽい牧歌的な世界観がとても魅力的で、個性的でのどかなキャラ達も非常に魅力がある。特に主役のサクナのキャラがこの作品の魅力のかなりの部分を占めている。ただ各話のストーリーもとても出来が良くて、人間味あふれるドラマはいつも感動的であり、綺麗にまとまっていてストレス軽めでありながら深みも味わえて楽しく視聴できる。当初はキャラと世界観の魅力だけで見れていた作品であったが、稲作が本格化するとチームワークも高まってきて感動的な展開が多く描かれるようになってきた。ただ完結まで描かれるであろう本筋の物語の結末に向けた動きは手つかずで各話の物語を描いてきた稲作メインのパートは最新話で終わりとなり、ここから終盤はバトルがメインとなりクライマックスまで突っ走るのであろうけどバトル描写が割とショボめなのでむしろここからが少し不安です。

 

「菜なれ花なれ」は群馬の高崎を舞台として5人の女子高生たちが応援チアをするお話なのですが、割とぶっ飛んだ設定の内容ではありながらキャラの心情描写は緻密でストーリー展開は丁寧、そして作画も良くてキャラも魅力的に描けているので基本的に日常萌えアニメとしてかなり出来が良い。それでいてストーリーもしっかりしていて各エピソードの完成度も高く、しっかり笑えて萌えて感動も出来る。序盤はどういう物語なのか掴みにくかったが3話で序盤の話がまとまって軌道に乗り、4話と5話のレコード回は単体の良く出来た話という印象だったが、実はそこが物語の起点となっていて、更にその回がまた新たな起点となって6話の温泉回と7話の野球回が一見ギャグ回のようでいてそこで応援チアの方向性が定まり8話で一気に応援チアの活動から鬱展開となり、ここから終盤で序盤から伏線を張っていた物語の核心が描かれて完結すると思われ、かなり盛り上がるでしょう。

 

「戦国妖狐 千魔混沌編」は今年の冬クールでやった1期に続く2期にあたり、2期は連続2クール作品なのでこのまま秋クールに話は続いていく。戦国時代を舞台にした壮大な設定の伝奇バトルファンタジー。1期はラスボス誕生物語というバッドエンドで幕を閉じたが、真の主人公の登場で始まった2期の序盤はスロースタート気味であり、放送開始が遅めだったこともあり、クールの折り返しまでは2期の物語の導入という印象であまり盛り上がってはいなかった。だが本来は激アツな展開で深いテーマを描く物語の勢いは圧倒的であり本領が発揮された5話以降は怒涛の勢いで順位を上げてきて7話前半パートで最高潮に達し、後半パートから8年後の物語が描かれ始めたところ。ここまでは実は序章でここからが物語本番で山場は描かれるだろうが真の本番は次の秋クールだろう。物語の持つ力では今期一番かもしれないがまだ謎が多く粗も多く、現状ではまだ最上位評価は出来ない。

 

「逃げ上手の若君」は南北朝時代を舞台にして北条時行を主人公とした歴史大河ドラマ風の作品だが、時代考証無視のムチャクチャなギャグシーンがあったかと思えば、緻密な時代考証に上手に架空設定を加えた見事と言うしかないシーンもあったりして振り幅が激しい作品。どうでもいい場面も割と多いが、強烈な印象に残る名シーンも多々あり、その緩急が素晴らしい。基本的にストーリーは少年の成長物語として一級品であり非常に面白いので、どうでもいいシーンも全て許容範囲となる。キャラも極めて個性的で魅力的で、特に悪役の気持ち悪さは他の作品ではなかなかお目にかかれない必見レベル。映像的にも毎回独特な演出で楽しませてくれて、それがストーリーやキャラにバッチリ嵌ってる。非常にアクが強くバラつきのある作品でありながら総合的に見て全く文句のつけようがない。むしろそれが凄い作品。ただ壮大な物語ゆえに今期は確実に物語途中で終わるのは弱みだろう。

 

「2.5次元の誘惑」はコスプレの世界を描いた熱血青春ドラマだが、今期は連続2クール作品の前半クールであり、次の秋クールへと物語はそのまま続いていく。真に盛り上がるのは後半クールなのだという噂だが、今期の前半クールで既にムチャクチャ面白い。今期序盤は物語の導入を描くと同時に割とお色気シーンが多めだったが、中盤になって主人公とヒロインがコスプレイベントに初参加してからはだいぶアツい青春ドラマっぽくなってきつつある。ストーリーの出来が極めて良いのが強みで、序盤から一貫して激アツな青春要素は強くあり、その一方でコメディとしての出来が非常に良い。加えて7話から廃部の危機や顧問の先生の加入などもあって笑いの要素もアツさも感動要素も全てパワーアップしている。このまま今期分の前半クールがイベント参加で成功を収め廃部の危機を乗り越え綺麗に締めて後半クールの新展開に向かうとすれば物語途中ではあるが綺麗な締めといえる。

 

「異世界失格」はファンタジックな異世界に太宰治っぽい自殺志願の作家が異世界転移してチート能力で無双するわけではなく心中相手を探す旅に出てその途中で様々な騒動に巻き込まれるという異世界コメディ。まず普通に異世界モノとしてハイレベルにもかかわらず異世界モノを皮肉ったような設定が秀逸で、主人公のセンセーの独特の後ろ向きな人生観が異世界人の心を動かしていおく人間ドラマが序盤から実に皮肉が利いた深い人間ドラマとして見応えがあった。それだけでもほぼ毎回が神回だったのだが4話でセンセーの驚愕のスキルが判明して、7人の堕天使と化した転移者との戦いという魅力的な設定が加わり、しかもその中にセンセーの心中相手が居るという神展開でワクワクした。そこからがまた更に神回続きで現状最も面白い作品であるのは間違いなく、どうせ残り4話も面白いに決まってるが今期分は物語途中で終わり心中相手とも出会わないと思われるのが少し残念。