2024夏アニメ 7月12日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年夏アニメのうち、7月11日深夜に録画して7月12日に視聴した作品は以下の5タイトルでした。

 

 

義妹生活

第2話を観ました。

この作品は前回の第1話で1話切りすると言いましたが、切ると決めた作品はもう1話念のために見てから最終決定することにしているので、現状「多数欠」と「ラーメン赤猫」は完全に切ることにしましたが、この作品に関してはだいぶ迷いましたが視聴復活することにしました。迷ったということは、ムチャクチャ面白かったというわけではないということです。この作品の場合は内容的にどうしても合わないというわけではなく、「とことん日常描写に特化した作品」とのことだったので話の内容が無いのかと思って1話切りしようとしていたわけで、今回見てみて意外に話の中身があったので、自分のその判断に自信が持てなくなったのです。相変わらず「面白い」とは思っていない。でも今期は他にも別に面白いとは思っていなくてもこの先どう転ぶか分からないと思って視聴してる作品はあるので、この作品だって同様にとりあえず様子見はしてもいいと思っただけのこと。視聴復活はしたけど結局4話ぐらいで視聴を止めるかもしれませんし、最終話まで完走するかもしれない。

今回は沙季が売春をしてるなんていう噂を聞いた悠太が、沙季から手っ取り早く金を稼ぐ方法を尋ねられて、やっぱり売春をしてるのかと誤解するんですが、実は沙季は単にバイトを探しているだけだったという話。沙季は女の立場で他人から自立して誰からも非難されないような完璧な生き方をするための第一歩としてオシャレをしたりバイトをしたり学業を頑張ったりしたいのだと言う。何かに見返したい気持ちがあるようで、その想いに共感するところのある悠太はバイトの情報を探してあげることにして、タダでやってもらうわけにいかないと言う沙季に、それなら料理を作ってほしいという取引が成立する。

それで悠太はそれとなくバイト先の先輩に相談してみるが、自立出来ないなら他人に頼るというのもお金の本質だと諭される。だが沙季に家族に頼るのも良いんじゃないかと言ってみるが、沙季はそれでも自立したいと言う。自分や父親には頼れないのかと悠太は問うが、沙季は悠太たちが悪人だった方が気が楽だったと謎めいたことを言う。自分のような人間には悠太に頼る資格が無いとでも言いたげです。そんな沙季が無理をしているんじゃないかと悠太は心配になりますが、そんなある日、沙季が悠太たちと暮らす自宅に学校の女友達を連れてきたところで今回は終わり次回に続きます。

そういうわけで今回はバイト先を探すかどうかという話で1話分費やしたわけですが、普通のこの手の作品ならあっという間にバイトが決まって働き出すものですが、この作品は確かにやたら描写が丁寧ですね。こういうのが「日常に極端に振り切って描く」ということなのでしょう。こういう丁寧さの中から何か感じ入る要素が出てくるのでしょうね。ただ、それが私のとって「面白い」と思えるものになるのかどうかはまだ未知数です。

 

 

俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~

第2話を観ました。

今回は、まず前回の話でノールが助けた少女がリンネブルグという名で、この国の王女であることが分かります。ただノールはそんなことは知る由もなく、自分が迷宮で戦った敵がミノタウロスだったということも気付いておらず、大きな牛と戦っただけだと相変わらず勘違いしている。町ではとんでもない魔物ミノタウロスが現れたと噂になっていたが、ノールは自分とは関係ない話だと思っていた。このミノタウロスの出現は他国の陰謀であるらしいが、もちろんそんなこともノールは知らない。一方で王宮ではリンネブルグを助けた謎の戦士を見つけようという話になる。

そうして冒険者ギルドにいるノールのもとにリンネブルグがやってきて、謝礼をしたいと申し出ますが、ノールは牛と戦っただけで大したことはしていないと思っているので謝礼は要らないと言う。それでも意地でも謝礼を渡したいと言ってリンネブルグは譲らず、ノールは根負けしてリンネブルグの家に行きリンネブルグの父親に会うことになる。どう見ても王宮みたいな建物なのだが世間知らずのノールはよく分かっておらずリンネブルグのことを貴族の令嬢なのだろうかと思う。途中で女騎士に会い、同行することになるが、ノールは相手をメイドだと思い込む。

そうしてノールはリンネブルグの父親と会うが、どう見ても玉座みたいなところに座っていて王様なのだが田舎者のノールはそのことに気付かず、礼儀作法なども知らないので立ったままタメ口で対応する。王様の方もフランクに接してくれて、これで謝礼は受け取ったと思ってノールは帰ろうとしますが、王様は領地やお金や財宝など望むものを与えたいと言う。だがノールは要らないと言い、王様はノールの意外な言葉に戸惑うが、なんか凄そうな聖剣っぽいものをノールに与えると言う。それでノールは仕方なくそれを受け取り、片手で振ってみせると皆驚きます。しかしノールはその剣をドブさらいに使おうとかバカなことを考えていたりする。その後、女騎士イネスと話をして、話の内容的にどう考えてもリンネブルグが王女だと気付きそうなものだが、相変わらずノールは何も気づいておらず、最後に騎士団のギルバートという男に腕試しを挑まれたところで今回は終わり次回に続きます。

 

 

女神のカフェテラス(第2期)

第14話を観ました。

今回は隼が桜花と共に桜花の実家に行く場面から始まります。なんだか桜花の双子の妹の橘花が隼が若くて女子にモテモテだという話をしたので父親が一度隼に会って話をしたいと言い出したらしい。それを聞いて隼は自分が若くて娘のバイト先の店長としては頼りないと思われたのだろうと思い、ちゃんとしていることを分かってもらおうと思って桜花の実家に出向きました。だが橘花が父親に隼と桜花が交際してるという冗談を言ったので、父親はそれを真に受けていて、娘の交際相手を見定めてやろうと思って待ち構えていました。

それで会ってすぐに父親がこれからどうするつもりなのかと問いかけてきたので、隼は店の将来設計の話だと思って、ちゃんと将来を見据えて考えていると答えて、娘を預けるのを不安がる父親に自分を信じて娘さんを預けてほしいと願い出る。隼としてはちゃんとした店長っぷりをアピール出来たつもりであったが、父親は隼が桜花と結婚するつもりなのだと誤解して猛反対し始める。だが隼が祖母の遺した店を潰さないために東大を休学していると聞いて、隼を本物の男だと認めて、2人の結婚を許そうと決意したりして、アホみたいなすれ違いコントを繰り広げる。

そうしていると桜花の祖母の春恵がお茶を持って部屋に入ってきて、隼の顔を見て驚いて、隼を「大洋さん」と呼んで「約束を果たせず申し訳ありません」と言って涙を流す。実は「大洋」というのは隼の祖父の名前で、桜花の祖母は若い頃、「ファミリア」という店で店長の大洋と共に働いていた従業員だったらしい。前回ラストで隼が仏壇から見つけた写真にも春恵の若い頃の姿は映っていたが結婚して姓が変わっていたので分からなかったのでした。

その古い写真には6人の女性従業員が映っていたが、そのうちの1人が隼の祖母の幸子であり、しかも残りの5人はなんと現在のファミリアのバイトである桜花、紅葉、白菊、流星、秋水の5人の祖母であった。桜花はそんな偶然が起きたことは奇跡だと喜ぶが、隼はどうも偶然とは思えない。春恵に祖父と約束して果たせなかった「約束」とは何だったのか聞いても何だか答えをはぐらかされたように思えていて、何か祖母たちが隠していて、桜花たち孫娘たちが現在のファミリアに集まるよう仕向けたのではないかという疑惑を隼は抱きます。ただ現在の5人に話を聞いても、特に誰かに指示されてファミリアにやって来たというわけではなく、やはり偶然集まったように思える。

すると、そこにファミリアを目の敵にしている不破がやってきて何かゴチャコチャ言ってきたが、なんと不破は隼の祖父の大洋を知っているみたいです。その後、隼と桜花がファミリアに戻ると、他の4人が騒いでいて、話を聞くと、不破がファミリアに対抗して近所に似たコンセプトの「ファミリー」という喫茶店をオープンするのだという。それで見に行ってみると、ファミリアの5人娘と似た感じの似た制服を着た5人娘の従業員まで居て、完全にファミリアをパクった店だった。

それでオープン当日「ファミリー」に変装して敵情視察に行った6人であったが、5人の女従業員たちはファミリアの5人の劣化コピーみたいな変なキャラ付けをしていて変だったが、店の規模は大きく、コーヒーの豆や食材は高級なものを安く仕入れて、料理は業者が作った豊富なメニューが揃っていて、従業員の中には現役アイドルもいたりして、どう考えてもファミリアでは勝ち目が無いと隼は意気消沈してしまう。そして他の5人もきっとやる気を無くしてしまっただろうと思ったが、5人はむしろ闘志を燃やしていた。それを見て隼も元気づけられて、もしかしたら本当にこの5人が揃ったのは偶然が導いた奇跡なのかもしれないと思ったりするのでした。今回はここまでであり次回からファミリアとファミリーの抗争開始となりそうです。

 

 

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

第1話を観ました。

この作品はライトノベル原作で、異世界転生スローライフ系の作品っぽいですね。風の神様の手違いで死んでしまった現代日本の青年タクミは異世界で風の神様から与えられた能力を与えられて新たな人生を生きることとなります。そうして森を歩いていると、やたらと強い双子の子供に出会って、身寄りが無い双子に懐かれて養育することになる。その後、町に出て冒険者ギルドにFランク冒険者として登録したタクミと双子のアレンとエレナは順調に初仕事の薬草採取をこなしますが、タチの悪い冒険者と揉めてしまい、それがきっかけで騎士団の隊長と知り合いになり、魔物討伐の一行に加えられることになってしまうというところまで今回は描かれ、次回に続きます。まぁ何ともありきたりな内容であり途中で寝落ちしてしまいました。とりあえず様子見です。

 

 

先輩はおとこのこ

第2話を観ました。

今回はまこと達の夏休みのお話を描きながら、女装も含むまことの日常生活や心情について色々と明らかとなるエピソードでした。まず冒頭では幼少時のまことが女の子用の物を欲しがる場面が描かれ、母親がそれを快く思わず、男の子用の物を与えたがる様子も描写されました。ただその場面でのまことは幼稚園児ぐらいの年齢であり、欲しがっていた物は小さなトートバッグで、まとこはピンクのものを「可愛いから」と欲しがっていて、それに対して母親は「それは女の子用」と言って、代わりに隣にあった同じデザインの青いトートバッグを買い与えて、まことも仕方なくそれを受け入れている。これぐらいの年齢は男女で持ち物が大きく違うということはなく、同じデザインで色違いというパターンが多い。つまり実際は男女の差があまり無くて、だからこそ色で区別するしかないような時期といえます。こういう時期は男の子が女の子用のピンクのものを欲しがったり、逆に女の子が男の子用のブルーのものを欲しがったりすることは普通によくある。

だが、同時にこの時期のまことがドレスやハイヒールに憧れている様子も描かれており、この時期のまことは「普通の男子はドレスやハイヒールに憧れたりしないものだと知ったのはもう少し後だった」とモノローグしている。ただ、これも別にまとこが異常だったとも思わない。実際、幼稚園児ぐらいの年齢では男子がピンクのトートバッグに憧れるのと同じように、ドレスやハイヒールだって「可愛いもの」として憧れてもおかしくはないからです。それが「そんなものに憧れるのは男子として間違っている」ということを知るのはもう少し後、小学校に入って男女の扱いが徐々に別々になっていってからのことであるというのは、まことに限らず誰だって同じなのです。

ただ、まことは周囲の男子たちがそうした常識を受け入れるようになった年齢を過ぎても、それが間違ったことだと知っていながらも、ドレスやハイヒールに憧れ続けた。それはまことが変わった子だったからなのか、それとも何か特別な要因があったからなのか、あるいは単なる趣味嗜好の問題なのだから気にする必要が無いことなのか、そのあたりが今後この作品でどのように描かれるのかはまだ分からない。

ただここで確かなことは、まことの母親は割と神経質に幼少時からまとこが女の子のものを好むことを嫌っていたということです。普通は幼稚園児ぐらいの息子がトートバッグでブルーよりもピンクの方を選んだからといって、別にそのままスルーしても良さそうなものです。だが、、まことの母親はキッパリとピンクを「女の子のもの」と言って拒絶してブルーの方をまことに押し付けている。もちろん間違った行為ではないが、ちょっとまことが可哀想にも見える。母親がそこまで厳しい理由は不明であり、別に大した理由など無いのかもしれないが、あるいはまことの女装趣味とこうした母親の性格には何か因果関係があるのかもしれませんね。

とりあえず冒頭のシーンはそんな感じで、その後OPの後、本編が始まりますが、夏休み前に咲がまことと夏休みに入ると会えなくなるのが寂しいと言って、LINEの交換をしたいと言い出す。そして竜二も一緒に3人でLINEを交換して、相変わらず3人で楽しく昼食を食べたりしますが、竜二はまことが咲と一緒にいると楽しそうにしているのを見て、2人の仲を応援してやろうと考えたりするが、咲は自分で頑張ると言い、咲はやはり竜二がまことを好きだと思っているようですが、竜二は男同士で好きとかおかしいと言って否定する。かといって竜二は女装姿のまことに惹かれたわけではなく、幼稚園時代のまだ女装をしていなかった頃のまことを見てときめいたんですが、そうなるとやはり男同士の好きということになるのかもしれない。

ただ、竜二はあくまで社会的な常識を遵守する立場みたいですから、男同士の恋愛には否定的みたいです。しかし、そういった常識重視派にもかかわらず竜二はまことの女装に対してはとても理解がある。そういうところもちょっと不思議ではある。あと、そういえばまことが女装するようになったのは何時からなのかということも気になります。幼稚園時代は女装していなかった。高校では女装をしている。ならば小学校時代や中学校時代はどうだったのでしょうか。

そんなことをしているうちに終業式となり、夏休みに入ることになり、咲はこれでもうしばらく学校でまことと会えなくなるのが寂しくて、一緒に下校しようと誘いますが、まことに断られてしまう。前回のラストで見たように、まことは下校時には体育倉庫のロッカーで男子の制服に着替えて男子生徒の姿で下校していきますので、普段は女装して接している咲に何か気まずくて、一緒に下校するのを断ったのですが、そんな事情を知らない咲はこのまましばらくまことと会えないのかとガッカリしてしまう。それを見かねて竜二はまことから預かっていたノートの返却を咲に頼み、まことの家の場所を教えてやります。それで咲は竜二に感謝してまことの家に向かいます。

まことの方は帰宅して母親と会話する場面が描かれますが、ここではまことは男子生徒の姿で帰宅しており、ここでまことのモノローグで、まことは学校で女装している一方で、家では母親が好むように男子の格好をして男っぽく振る舞うよう気をつけているということが判明します。つまりまことの女装は学校に来ている時に女子の制服を着る時だけみたいで、それ以外の時は男子の格好をしているみたいです。そして、前回の話で咲から貰ったピンクのハンカチをうっかり家に持って帰ってきてしまったことで焦ってベッドのマットの下に隠していたりしており、どうやら自宅には可愛いものとか女装関連のものは持ち込まないようにしているみたいです。だから女子の制服も学校の体育倉庫にしまっているのですが、そこまで徹底して女の子っぽさを自宅で母親には隠そうとしているということは、やはりまことは学校で女装していることは母親には隠しているっぽいです。学校での女装がもし母親公認ならば、ピンクのハンカチを持ち帰ってきたぐらいでそこまで焦る必要も無いはずですから、やっぱりまことが学校で女装していることは母親は知らないのでしょう。

ただ、普通はまことが学校で女装していることは教師などから連絡が行って母親にはバレるはずです。だから、そうなっていないということは「まことが学校で女装していることを母親には内緒にする」ということでまことと学校側とで合意が出来ているということになります。だからこそ、まことは体育倉庫のカギの合鍵を貰って、体育倉庫の中に着替えを置いておくことを学校側に許可してもらっているのでしょう。しかし、保護者を騙すような生徒の行動に学校側が協力するというのはちょっと異常といえます。そこには何か特殊な事情があるのでしょう。

それにしても、ここでのまことの男子としての姿ですが、見た目がしっかり男子しているだけでなく、声色まで女装している時とは違って低くて太い声を出しており、一人称も「僕」です。一方で女装している時は高めの声で一人称は「私」です。ただ、それでも明らかに男っぽい声であり、女装している時もまことは自分が男性だという自覚はしっかりある。それでも女装時には高い声で一人称は「私」である理由は、それは単純に「理想の自分を演じている」ということなのでしょう。おそらく素のまことはやや低い声で自分のことを「僕」と言う男子そのものなのであり、母親の前で見せている男子っぽい姿があくまで本来のまことなのでしょう。そういう点、トランスジェンダーの人とは正反対です。

女装した時のまことは本来の自分とは違う姿を無理に演じて、女っぽい高い声を出して、自分のことを「私」と呼ぶ。だが、無理に演じてはいるが、それは決してまことにとって苦痛ではない。むしろ喜びなのだといえます。例えば普段は気の弱い男がスーパーヒーローの真似をしてカッコいい自分を演じているのと同じです。普段はボソボソと「僕は」と喋ったりしている男が、憧れのヒーローの真似をして大きな声で堂々と「俺は」と喋るみたいなものです。そういう「理想の自分」がまことの場合は「可愛い女の子」であるというだけのことであり、まことは自分が女の子だとは思っていない。単に「可愛い女の子」が理想の人間像である普通の男子なのです。私だってプリキュアを見て「カッコいい」と肯定的な感情を抱くことはある。それがその姿を真似したくなるほど一番理想とする対象とはならないだけであり、そういう類の感情は全く理解出来ないわけではない。まことの場合はその感情が特に強いというだけのことなのでしょう。ただ、普段学校で女子っぽくしている時間が長いので、自宅で男性っぽく振る舞おうとしても、ついつい仕草が女子っぽくなってしまうことはあるようです。

ともかく、そんな感じでまことが男子の姿で自宅で母親と寛いでいると玄関のキャイムが鳴って、まことがモニターを見ると咲が外にやってきていた。まことは今自分が男の姿をしていたので、普段は女の姿で接している咲がいきなりやってきて慌てます。男の姿を見せるのが気まずく思えて一緒に下校もしなかったわけですから、いきなり咲に男の姿を見せるのは躊躇したが無視するわけにもいかないので玄関先に出ていくと、咲は普段通りであった。もちろん咲はまことが男だということは知っているし、ウィッグを取った姿も見たことがあるので、男の姿のまことを見ても特に驚いた様子ではなかったのです。ただ見慣れてはいないので、思わず見惚れて、それからハッと思い出して、竜二にノートを返すよう頼まれたと告げて、家の場所も竜二に教えてもらったのだと説明します。

そうしていると、家の中からまことの母親が出てきて、まことの女友達が家に来たことに喜びます。いかにも男子らしいからなのでしょう。それで母親は咲に家に上がるようにと言い、咲はお茶をいただくことになる。そこで母親が咲にまことの彼女なのかと質問すると、咲は慌ててそうではないと否定して、自分の片思いなのだと説明します。それでますます母親は喜び、咲を応援すると言ってくれる。だが、母親が咲にまことの学校での様子を尋ねると、まことは咲が女装の話をしてしまうのではないかと焦る。だが咲は特に女装の話はせず「もちろんちゃんとしてます」みたいなことを言うだけでした。

ここで母親が「今だから笑って話せるけど、中学の頃は」と何かを言いかけて、それをまことが焦って遮って咲の帰りが遅くなるので送っていくと言って、強引に話を切り上げて咲を連れて家を出たので母親の話は途中で終わってしまいました。まことは咲が女装の話をすることを恐れていたので、おそらく母親は「中学の頃にまことが女装していた」という話をしようとしたのだと思われる。そして、それはおそらくまことと母親の間でトラブルとなったのでしょう。だから、まことは母親に今でも高校で女装していることを隠しているのだと思われます。つまり、まことは中学の時はおそらく女装していたのでしょう。小学校時代はどうだったのかは分かりませんが、中学の時はおそらく、ずっとだったかどうかは分かりませんが女装していたことはあるのでしょう。母親が「中学の頃は」と限定的な言い方をしているところを見ると、中学時代がまことの女装の始まりであった可能性が高いといえるでしょう。

そうして咲を連れて家を出て公園に行ったまことは改めてノートのお礼を言います。咲の方は改めて男の姿をしているまことを見て、まことが自宅では好きな女装ではなくて、あえて男子の格好をしているのだということに気付く。それでまことも学校で自分が女装していることは母親に秘密にしているのだと咲に打ち明ける。だから登下校時も男子の格好なので、咲にそれを見せるのが気まずくて、それで今日も一緒に下校しようと言ってくれたのに断ってしまったのだと説明します。

だが、それを聞いて咲は「今の先輩も素敵ですよ」と言う。まことは咲は女装姿の自分に一目ぼれしたと言っていたから、やっぱり女装している自分のことを好きなのだろうと思っていた。だから男子の格好をして会いたくなかったのだ。それは咲に幻滅されたくなかったからなのであり、まことがいつしか咲に好意を抱いていることの証なのだが、咲の方はまことの姿形ではなくて中身に惚れているので、女の姿をしていても男の姿をしていても関係なく好きなのです。だから咲はさっきも家の中から男子の格好のまことが出てきても普段と変わらない対応だったし、母親にまことの学校での様子を質問されても女装の話題を出さなかったのです。母親に女装のことは秘密にしているということはさっきまでは咲は知らなかったのでうっかり女装の話をしても全くおかしくなかった状況なのですが、咲にとってはまことが女装しているかどうかというのはもはや大した問題ではないのでしょう。正直、ここまで純粋に1人の男性の中身を愛してくれる子は稀有なのであり、咲はまことにとって本当に得難い相手と言ってもいい。しかし、まことは恋愛初心者なので咲のような子の価値がまだよく分かっていない。それでも、「私、どっちの先輩も好きです」と咲に言われて、まことは嬉しく思った。

そこに竜二がやってきて3人で夜の公園で花火をやり、夏休み3人で一緒に遊びに行こうという話になる。そうして7月末には3人でプールに遊びに行き、8月下旬には3人で会って、お盆休みにガラパゴス諸島に家族旅行に行っていたという咲からの土産物を貰ったりした。そうして夏休みもあっという間に終わりが近づいてきましたが、まことは新学期が楽しみだという。それは2学期が始まって早々に「創立記念パーティー」というものがあるからだそうです。まことはそれが楽しみすぎて去年の1年生時は熱が出て行けなかったのだそうで、今年こそは参加しようと張り切っている。

どうしてまことが創立記念パーティーがそんなに楽しみなのかというと、そのパーティーは生徒は自由参加だがドレスコードがあって正装での参加なのだそうです。つまり女子はドレスで参加するのですが、当然、学校では女装のまことはドレスで参加するつもりなのです。まことは「学校では女装する」というマイルールを通しており、そうなると普段は女子の制服であるセーラー服しか着ることが出来ない。だが創立記念パーティーだけはドレスという普段の制服とは別の女子用の私服を着ていくことが出来る。まことだって本当は制服だけじゃなくて他の可愛い女子の服を着たいのであり、しかも華やかなドレスを着ることが出来るとなると楽しみで仕方ないというわけです。

だが、そのためにはドレスを買わないといけないのだが、まことは通販で買うと言う。だが咲は自分も創立記念パーティーのためのドレスを買うから一緒にお店に買いに行こうと言う。しかしまことは男子の自分が店にドレスを買いに行くのは変だと言って躊躇う。女装して行けばいいと咲は言うが、そもそもまことは学校で着る制服以外の女子の服を持っていない。それに近所の店にドレスを買いに行ったりして母親の知り合いに見られたら大変だと言う。そこで咲は原宿まで足を延ばせばいいと言う。そして、ついでに可愛いものをいっぱい見て回ろうと言われて、まことは乗り気になり、結局了承します。

そうして夏休みの最後の日に、竜二も一緒に3人で原宿で待ち合わせしてドレスを買いに行くことになった。まことは大きめのTシャツにショートパンツの着こなしでいつもの女装時の長髪のウィッグを被り、女性っぽく見えるようにして原宿の駅で竜二たちを待っていたが、いきなり男にナンパされたぐらいなので十分に女装として成立していたようです。そうしてまことは服屋に入ってドレスを選び、試着してみることにした。子供の頃から憧れていたドレスをはじめて身に着けてまことは感激し、無事にドレスを買うことが出来た。そして3人でアイスを食べたり、靴屋に行ってハイヒールを買ったりした。初めて履くハイヒールはものすごく動きづらかったが、それでも子供の頃からずっと憧れていたので、まことは平らな底のパンプスではなく、あえてハイヒールを買うことにした。そうして更に食事や買い物やプリクラを撮ったりして、初めて学校以外の場所での女装しての遊びの時間を楽しく過ごして、まことは竜二と咲に感謝して帰路につきました。

そうして一旦学校に寄って体育倉庫のロッカーに買ったものをしまって男子の格好に着替えてから自宅に戻ったまことでしたが、家に戻ると真っ暗で、まことが不審に思って中に入っていくと暗い部屋の中で母親が待ち構えていて、母親の目の前のテーブルには例のベッドのマットの下に隠していたはずのピンクのハンカチが置いてあった。どうやら部屋の掃除をして母親が発見してしまったようです。普通に置いてあればあるいは怪しまれなかったかもしれないが、隠していたために母親に怪しまれてしまったようで、母親は暗い部屋の中で俯いたまま「これは何?」とまことに聞いてくる。まことが可愛いもの絡みで何かを隠していることに気付いてしまったようです。それでまことが焦ったところで今回は終わり次回に続きます。