2024春アニメ 5月6日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年春アニメのうち、5月5日深夜に録画して5月6日に視聴した作品は以下の4タイトルでした。

 

 

響け!ユーフォニアム3

第5話を観ました。

今回は「あがた祭り」のエピソードでした。「あがた祭り」は「県祭り」と書き、この作品の舞台となっている京都府宇治市で毎年6月5日から6日にかけて行われる暗闇祭りです。暗闇祭りというのは、灯火を消した暗闇の中で行われるお祭りで、それは本来は神様をお迎えするのに際して神様の姿を見ないように真っ暗にするという習わしみたいですが、いつの間にか暗闇の中で男が女に夜這いをかけるのが習わしというお祭りになり、かつては「種貰い祭り」とも言われた。今は夜這いの習慣などは無くなりましたが、そこからの繋がりで「良縁」を招く祭りとされています。ちなみにこの祭りが行われる県神社の祭神コノハナサクヤヒメも良縁や安産の神とされています。

「響け!ユーフォニアム」のシリーズでもこれまで2回このあがた祭りは描かれており、最初は久美子が1年生時の8月までが描かれたテレビシリーズ1期において描かれ、次が久美子が2年生時の8月までが描かれた劇場版「誓いのフィナーレ」において描かれています。つまり久美子が1年生の時と2年生の時のあがた祭りは劇中で描かれており、この作品における恒例イベントといえます。その両方とも久美子はあがた祭りに遊びに行っており、両方とも「良縁の祭り」にちなんでなのか、親友である麗奈との絆が強調されるエピソードとなっていました。当然この3年生編である3期でも、久美子が3年生時のあがた祭りが描かれることになるわけですが、それはこれまで2回のあがた祭りエピソードとはまた少し違った描き方となりました。

まず今回の冒頭の場面は久美子が帰宅すると父親が家に居て、父親が職場の人間からお祭りで掬って飼えないからという理由で貰ってきたという2尾の金魚を水槽に入れているのを見る場面から始まります。時期的には前回描かれたサンライズフェスティバルから少し後の求が立ち直る話の少し後ぐらいということになります。ちなみにサンライズフェスティバルはあがた祭りとは違って架空のイベントなので日時は不明確ですが、おそらく5月中旬ぐらいという設定でしょう。だから、この冒頭の場面は5月下旬あたりなのでしょう。

ちなみに、夜店の金魚すくいで捕った金魚を翌日に職場の同僚に渡すとなると、捕ってからだいぶ時間が経っているということになり、しかも捕った人間が自分では飼育出来ない環境にあるとなると、普通は途中で金魚を酸欠で死なせてしまう可能性が高いので、ここで父親が言っていることはちょっと変であり、これ実際は父親が自分で捕ってきたか買ってきた金魚ではないかと思える。あるいは設定ミスなのか、ただどっちにしてもどうでもよくて、ここでは重要なのは水槽に入っている金魚が2尾だということでしょう。金魚そのものの持つ象徴的意味合い「金運」「幸運」などは今回のエピソードとはあまり関係が無いのであまり考える必要は無いが、金魚が2尾であるというのは、ラストシーンでもう1尾が追加されることも踏まえると、何らかの象徴的な意味合いがあると考えるのが妥当でしょう。

この場面、父親が見ているテレビのトーク番組で若い俳優がゲストに招かれていて、どうして俳優になったのか質問されて「何となく」と答えてちょっと呆れられている様子が映されており、それを見て久美子は何となく嫌な予感がします。こういう「ちゃんとした目的も無く流されてばかりいる頼りない若者」の姿を見た父親が、高校3年生の自分の娘にそれを重ね合わせて心配して余計なことを言い出すんじゃないかと危惧したのです。

案の定、父親はその場をコッソリ逃げ出そうとしていた久美子を呼び止め「進路は決めたのか?」と質問する。久美子はやっぱりそうなったかと思い、高校3年にもなってまだ吹奏楽なんかにうつつを抜かすのではなくもっと堅実な人生設計をするようにと説教されるのだろうと覚悟する。姉の麻美子が高校生の時にそんなふうに説教されていたのをよく見ていたからです。しかし実際に進路が決まっていないのは事実なので、久美子も「まだ」と答えるしかない。

これは絶対に説教されるだろうと覚悟した久美子でしたが、意外にも父親は「やりたいことがあるなら言いなさい」「無理強いはしない」「悩んでるならお姉ちゃんに相談すればいい」などと物分かりの良いことを言う。どうやら姉の麻美子が大学を辞めて家も出ていってしまった事件などを経て、父親も色々と反省したようです。だが、姉みたいに父親に進路を決められてしまうと危惧していた久美子は、突然に父親が物分かりが良くなって自分が自由に進路を決められるという状況になり、むしろ困惑してしまいます。自分で進路を決められていなかった久美子は、いっそ父親に無理強いされた方が楽だという想いもあったからです。これで自分で進路を決めるしかなくなった久美子は、逆にプレッシャーがかかってしまった。

この場面がそういう意味合いを持った場面だと考えるならば、この場面で父親の用意した水槽の中に入っている金魚が2尾であるということの象徴的意味合いは「子離れ」ということにあるのでしょう。久美子を子供扱いして束縛せず、自立した大人として尊重して、これからは夫婦2人で生きていくという意思の象徴と思えてくる。しかし、まだ自分の意思で自分の進路も決める余裕の無い久美子にはむしろこれはプレッシャーとなっていく。

そんな久美子に麗奈は相変わらず音大進学を勧めてくる。それに対して久美子は自分が音楽を仕事に出来るとは想像できないと答える。というより、音楽の仕事に限らず、自分が大人になって仕事をしている姿が想像できない。それを聞いて麗奈は「将来の夢とか今まで持ったことが無いの?」と驚く。将来の夢のある人間ならば、自分がその夢を叶えて大人になって働く姿を想像するものです。その想像が出来ないということは、久美子は将来の夢を抱いたことが無いということになる。久美子は別にそんなの当たり前のことだろうと思い頷くが、麗奈は「じゃあ何を目標に生きてるわけ?」と珍しいものを見るように聞いてくる。久美子は何だかバカにされたように感じて、子供の頃からプロ奏者になるという目標を確固として持っていたような麗奈みたいな天才と一緒にされてはたまらないと思った。

要するに麗奈は自身が音大に進学してプロ奏者になる道が素晴らしいと信じて疑っていないから、特に夢が無いとか言っている自分にも同じ道を進んだらいいと勧めたいのだろうけど、余計なお世話だと久美子は思った。麗奈は子供の頃からそういう信念で生きているからそれでいいのだろうけど、自分は別にプロ奏者になりたいと思っているわけではない。そりゃなれたらいいとは思うが、そんな程度の甘い想いでやっていけるような世界ではないだろう。そんな程度の覚悟の人間が進むべき道ではないはずだ。吹奏楽部の先輩たちだって音大に進んだのは久美子の知る限りではみぞれ先輩ただ1人であり、まぁあの人は麗奈と同じでちょっと特殊な人だったので除外して、その他の先輩たちは自分よりも上手だったり、自分よりもっと真面目に音楽に取り組んでいた人たちであっても音大には進学していない。それなのに将来プロ奏者になりたいと夢を抱いたことのない自分が音大に進学するなんてありえないと久美子は思った。

ただ、麗奈が話題を変えて、吹奏楽コンクールに向けてのオーディションをどうするかという話をすると、久美子の頭の中からは確固とした方向性の定まらない進路の話は自然に消えていき、こちらは具体的目標が明確な吹奏楽コンクールの話で頭の中は占められることになった。もちろんその具体的目標とは「全国大会で金賞を獲る」ということです。曖昧な進路の話と違って、こちらは目指すところがハッキリしているので、それに向けて何をすべきか考えると頭の中が大忙しになる。

サンライズフェスティバルも終わり、いよいよ吹奏楽部の活動は吹奏楽コンクール1本に絞られていくことになるが、年に一度の吹奏楽コンクールは8月上旬に府大会があり、そこで勝ち抜けば8月下旬に関西大会があり、そこで勝ち抜けば10月に全国大会がある。そのコンクールに出場することが出来る人数は限られているから、吹奏楽部からコンクールに出場するメンバーを決めるオーディションを毎年、府大会の前に実施している。滝先生の方針では6月後半にオーディションを実施して早めにメンバーを固めて練習に励みたいということになるが、去年はそうやって早めにメンバーを決めたせいで緊張感が無くなって途中で緩んでしまったという意見も出た。去年以上の結果を望むのであれば、去年と同じことをやっていてはダメなのであり、改善点があるなら検討しなければならないというのは久美子、秀一、麗奈の幹部3人の共通認識だった。

そこで久美子が九州の強豪校である聖良女子高から転校してきた真由が「聖良女子では県大会、九州大会、全国大会のたびにオーディションをしてメンバーを選び直していた」と言っていたのを思い出して、それを試してみたらどうかと提案した。確かにそのやり方ならば府大会でメンバーに選ばれた部員も地位は安泰というわけではないので緊張感をもって練習に励むであろうし、逆に府大会で選ばれなかった部員も関西大会ではメンバー入り出来るという希望を抱いて課題曲を自主的に練習していくだろうから吹奏楽部全体のレベルップに繋がる。

しかし、もしそういうことになれば全国大会に進めればという前提だが、今までは1回だけだったオーディションが3回に増えることになり、滝先生の負担が大きくなる。だから滝先生の意見を聞かなければいけないと思って相談したところ、滝先生はそれでいいと言ってくれたので、オーディションは3回行われることになり、コンクールメンバーだけでなく各楽器のソロ担当も大会ごとに選び直すということになった。

その方針を部員全員に告知して、これでまずは6月後半に実施される第1回オーディションで府大会出場メンバーを決めることになり、全員がそこに向けて練習に励むことになったのだが、低音パートの練習の際に真由が出来ればオーディションを辞退したいと言ってくる。その理由は、自分がオーディションを受けたら一枠が埋まってしまい、そのぶん他の部員がコンクールに出られなくなってしまうからだとのことです。やはり北宇治でずっと頑張ってきた人がコンクールに出るべきであり、新参者の自分が出るべきではない、自分が出ても皆はきっと喜んでくれないと真由は言う。

まるで自分が本気で吹いたら絶対に合格すると煽っているようにも聞こえるが、実際に真由にはそれぐらいの実力があることは久美子も分かっている。だから真由が変に煽っているのではなく本気で部内の空気が悪くなることを心配しているのであろうことは久美子にも理解できる。しかし北宇治が完全実力主義を標榜している以上、真由の意見に同調することは絶対に出来ない。真由が実力で出場枠を獲得したのならば、たとえ新参者であっても誰も文句など言うはずがないと言って真由を説得するしかなかった。だが真由はそれでも不安があるようで、あまり納得はしていない様子だった。

そうして真由が1人で練習すると言って出て行ってしまい、久美子と奏がその場に残されるが、ここで奏は自由曲の「1年の詩」の第3楽章のトランペットとユーフォニアムのソロの掛け合いの部分について、真由がやる気が無いのなら麗奈と久美子でソリストは決定だろうと言ってくる。奏はその方が良いと思っているようであったが、久美子はあくまでそれもオーディションで実力主義で決めることだから今そんなことを言うべきではないと奏を窘める。だが内心では久美子も、高校最後のコンクールで麗奈と2人でソロパートをやりたいという想いは強く、真由にも奏にも譲りたくはなかった。そして奏はともかく、真由が本気で吹けば自分がソリストに選ばれないかもしれないという危惧は確かにあった。だから真由がオーディションに乗り気でないことは部長としては困ったものだと思うと同時に、ソリストの座を狙う1人のユーフォ担当部員としては内心安堵しているという側面もあった。そんな自分のモヤモヤした気持ちを奏に悟られないように、久美子も1人で練習すると言って部屋を出ていく。

そうして廊下を歩いていると、トランペットパートの2年生たちが間近に迫ったあがた祭りに麗奈を誘ったけど受験があるからと言って断られてしまったという話をしているのが久美子の耳に入ってきた。去年も一昨年も一緒にあがた祭りに行った麗奈がそんなことを言っているのだと知り、久美子はやはり将来の進路を音大に定めて麗奈も必死なのだと思えた。自分の将来の明確な目標を持っている麗奈はもう子供ではなく大人になろうとしているのだと思えて、それに比べて今年も麗奈と一緒にあがた祭りに行こうかと考えていた自分はまだ子供なのだなと久美子は反省した。

そうしていると秀一が声をかけてきて、あがた祭りの件で相談があるというので、まさか誘われるのかと思ったら意外にも秀一は求をあがた祭りに誘おうかと考えていると相談してきた。サンライズフェスティバルの時に龍聖学園の生徒と何か揉めていたようなので男子部員たちと一緒に祭りに誘って相談に乗ろうかと思っているのだそうだ。その件はもう前回解決しているので秀一の心配はもう不要になっているのだが、久美子はもう解決したとは言いながらも、それは良いことだから求を誘ってやってほしいと秀一に言う。そうやって男子部員たちにも受け入れてもらっていると知ることで求も安心するであろうし、何よりそうやって秀一がしっかり男子部員たちのまとめ役をやってくれているのが久美子は嬉しかった。

そうして秀一も去っていき、久美子は気を取り直して「1年の詩」のソロパートの練習を開始しようとした。ところがそこに真由がやって来て久美子はビックリする。真由に対抗心を燃やしていたところで急に真由に声をかけられたので、まるで自分の真意を見透かされたように思えてビビってしまったのです。だが真由は意外なことに、初めてのあがた祭りに一緒に行ってほしいと久美子に頼んでくる。

どうせ今年は麗奈はあがた祭りに行かないようだし、いっそ真由と一緒に行くのもアリかもしれないとも思えた。しかし、どうして自分なのだろうかと久美子は戸惑います。確かに同じクラスだし吹奏楽部でも同じ低音パートで同じ楽器で、客観的に見れば仲良しなのだろう。転校してきたばかりで他に親しい友達もいないのであろうし、普通に自分のことを友達だと慕ってくれているだけなのかもしれない。そう思うと真由のことがいじましくも思える。しかし久美子は吹奏楽部は実力主義で競い合うべきだと考えており、真由とはソリストの座を賭けて競い合うライバルだと意識している。敵視する気は無かったが、そういう緊張感は必要だと思っていた。自分がそういう考え方だということは真由にも何度も伝えている。真由だって強豪校の部員だったのだから、そういう緊張感を伴った関係性というものは理解してくれているはずだ。しかし、それが分かっていながら真由はあえて自分と馴れ合おうとしてきているように久美子には思えた。そういうところがどうも嫌で、久美子はつい「他の子と先約があって」と嘘をついて真由の誘いを断ってしまった。

ちょっと罪悪感を覚えたが、真由はニッコリ笑って納得してくれて、久美子がソロパートの練習をしようとしていたことに気付いて一緒に練習しようと言ってくる。しかも真由はユーフォニアムのパートではなくトランペットのパートを吹くと言う。やはり最初から久美子と競い合う気は無く、オーディションもやる気が無いように見える。しかし、それでも一緒に吹くと、やはり真由は上手かった。さすがだと思いつつ、久美子はそもそもオーディションを辞退してコンクールも出ないつもりならば、一体どうして真由はわざわざ吹奏楽部に入部したのだろうかと不思議にも思う。しかしそんなことを1人で考えていると、そこに麗奈がやって来て、あがた祭りの日はどうするのかと聞いてくるので、別に何の予定も無いと答えると、麗奈は今年は自分の家に来たらどうかと誘ってくるので、久美子は意外な麗奈の誘いに驚き返事は保留にする。

その翌日の放課後は進路に関して担任の松本先生との二者面談があり、久美子は松本先生の説教を喰らってしまう。進路希望用紙が空白のままである理由を問われて「将来のビジョンがまだ描けないからです」と答えた久美子に対して松本先生はそういう生徒は多いと理解は示してくれたが、久美子が将来のビジョンを描けないことを理由に進路希望を空欄のままにしているのは、迷いを怠けの言い訳にしているのではないかと指摘する。つまり久美子は「明確な目標が無い自分は明確な進路を決めるべきではない」と勝手に決めつけて、自分が進路を決断しない言い訳にしているのだというのです。そうやって「やらない理由」ばかり探していると身動きが取れなくなると松本先生は忠告する。

しかし久美子は「明確な目標が無いまま流されるように新しい世界に入っていくこと」はどうしても良くないことだと思ってしまう。父親と一緒に見たテレビのトーク番組に出ていた若い俳優が「何となく俳優になった」と言った時に自分に説教が来ると思ったのは、久美子自身があの若い俳優のような生き方がいい加減で良くないものだと感じたからなのです。ああいうのは立派な大人ではない。立派な大人というのは明確な目標を持ってそれを目指して頑張る人なのだと久美子は思った。きっと松本先生だってそう思うはずだと思い、久美子は先生はどうして教師になろうと思ったのかと質問する。

だが意外なことに松本先生は「安定した職業に就きたかっただけだ」と答える。松本先生がそんないい加減な人だったとは予想していなかった久美子は驚きますが、続けて松本先生は「今ではこの仕事が一番だと思っている」と言う。つまり、多くの大人は最初は流されるようにいい加減な気持ちで始めたことでも、やっているうちに本気になっていくのだということです。だから明確な目標は無くても、何となくでも始めてみてもいいのだと松本先生は諭してくれる。確かにあのテレビに出ていた若い俳優も最初は何となく始めたけど今では色んな仕事に精力的に取り組んでいると言っていた。

確かに松本先生の言う通りだと久美子にも思えた。しかし、それでも久美子は明確な目標が無いまま進路を決めても良いのか躊躇してしまう。そのことを言うと更に説教を喰らうかと覚悟したが、松本先生は面白そうに微笑んでくれて「少なくとも今の言葉は流されがちな生徒の言葉ではない」と満足そうに言ってくれた。久美子は自分はただ流されるだけの人間だと自分を卑下しているが、今の久美子はもう決して流されがちな生徒ではない。それは北宇治の吹奏楽部に入って「明確な目標に向けて努力する」ということの尊さを学んだからです。一度その価値を知ってしまったために、もう久美子は「ただ流されて生きる」ということを許せなくなってしまっているのです。そのために久美子がなかなか進路を決めることが出来なくなってしまっているのはクラス担任としては頭の痛いところではあるが、そのように久美子という人間が吹奏楽部で成長したことに関しては、吹奏楽部の副顧問として松本先生は嬉しいのです。

その後、久美子が部活の練習に戻り、低音パートの練習場に行くと1年生たちが久美子をあがた祭りに誘ってくる。しかも真由も一緒だという。実は真由は久美子に断られた後、同じクラスのつばめを誘ったようで、つばめと一緒にあがた祭りに行くことになったみたいなのですが、そこから話が発展して低音パートの1年生や葉月や緑輝、美玲やさつき達と皆で行くことになったようです。しかし久美子は真由に「先約がある」と嘘をついてしまった手前、1年生たちの誘いも断るしかなくなり、奏は梨々花と行くと言うし、求は秀一たち男子たちに誘われていると言う。ここで奏がわざと求を「月永」呼びしてからかおうとしたところ、求がすっかり丸くなっていて「久石も一緒に行くか」なんて爽やかに対応して奏を驚かせたのは面白かった。

それで結局、久美子は誰ともあがた祭りはいけない状況になってしまい、仕方ないのであがた祭りの日は麗奈の誘いに乗って麗奈の家に行くことにした。もう3年生で進路も決めなければいけない時期で、いつまでも高校生気分であがた祭りに出かけるのではなく、今年は麗奈の家に行って色々な話をしてみるのも悪くないと思ったのでした。松本先生の話を聞いた時、自分が「ただ流されて生きる」ということが許せなくなったのは確かに北宇治で吹奏楽部に入ったからだったとは思ったが、そのきっかけは中学の最後の大会でダメ金で終わって満足していた時に麗奈の悔し涙を見たからだったのだと思い出した久美子は、進路について悩んでいる今、麗奈とゆっくり話をしてみたいと思ったのでした。

そうして麗奈の家に行った久美子は麗奈と進路の話をした。麗奈は相変わらず音大進学を勧めてくるが、久美子は今まで通り、自分はプロ奏者になりたいという明確な目標が無いので音大に行くべきではないと答える。だが同時に、目標も無く流されるまま生きることを受け入れたくもないと言う。それでは中学の頃、麗奈に触発されて北宇治の吹奏楽部に入る前の自分に戻ってしまう。だから自分は何かを見つけなければいけないのだと久美子は言う。北宇治の吹奏楽部で見つけたものは確かにある。でも、それは最後のコンクールと共に終わってしまう。それに代わる何かを自分は見つけなければならない。でもそれが見つからない。

そうして久美子が悩んでいると、麗奈がコンクールの自由曲「一年の詩」を流して久美子に聞かせて、第3楽章のトランペットとユーフォニアムのソロパートを一緒に吹こうと言い出し、久美子を自宅地下の練習スタジオに連れていく。そうして2人は一緒にソロパートを演奏し、演奏終了後、麗奈が「私、全国でこのソリを久美子と一緒に吹きたい」と言うのに応えて、久美子も「私も」と返す。

そして2人で宇治川の土手を歩き、あがた祭りがそろそろ終わりの時間が近づいているのを見やりながら会話して、そこで久美子は麗奈がやたらと自分に音大進学を勧めていた理由が、単に高校卒業後も自分と一緒にいたかったからだということを知る。それで久美子は、もうすっかり大人になってしまったと思っていた麗奈が案外まだ子供で、進路を決めるのに明確な目標に特にこだわっているわけでもなく、割といい加減なのだと知った。麗奈も松本先生やあの若い俳優みたいに進路をまだ割と気楽に考えていたのだということに気付いた。それで久美子は自分もそんなに焦らなくていいのだと思えた。すぐに何かを見つけなくてもいいのだと思えた。進路のことは考え続けなければいけないけれど、まだ自分の中で特別に大切な新しいものを見つけなくてもいい。今はまだ特別に大切なものは自分の中にちゃんとある。それは麗奈に導かれて始まった北宇治の吹奏楽部の活動の集大成をしっかりやり遂げること、すなわち「全国大会であの第3楽章のソロパートを麗奈と共に演奏すること」でした。

そうして今はまだ自分は高校生であり北宇治の吹奏楽部なのだと改めて実感した久美子は、やっぱり今年も麗奈と一緒にあがた祭りに行こうと考え直して、急いで2人であがた祭りの会場に向かい縁日の屋台を回った。そして金魚すくいで持ち帰った金魚2尾のうち1尾は麗奈に、1尾は自分にと分けて、全国で一緒にソリを吹く約束の証として、そうして家に持ち帰った1尾の金魚を水槽に放して、水槽の中の金魚を3尾にすることで、最後のコンクールで全国大会金賞を獲るまでは、まだしばらくの間は高校生として、子供として生活をさせてもらおうという決意を示したのでした。今回はそういう所で終わり、おそらく次回はオーディションの話となります。今回のあがた祭りの場面では真由のフィルムカメラの暗喩も気になるポイントで色々と考察する余地があるところではありましたが、それはおそらく今回の話にはあんまり関係ないので考察はしないことにします。

 

 

転生貴族、鑑定スキルで成り上がる

第5話を観ました。

今回はアルスが9歳になり周辺の情勢もかなり不穏になり戦も多く、その上に父のレイヴンも病気がちになりアルスも自分が頑張らなければと焦る日々でしたが、そんな中アルスの許嫁であるリシアが登場します。親同士がいつの間にか決めていた婚約であり、自分に許嫁が居るとは知らなかったアルスは驚きますが、そのリシアがやって来て初対面した際にリシアの能力を鑑定したところ、10歳の少女でありながら政治力と野心が桁外れに高い数値であったのでアルスは驚愕します。

リシアはとても可愛らしくて物腰も柔らかく聡明で会話も巧みで魅力的な子であり、アルスもすぐにリシアに惹かれますが、野心の高いリシアが何かよからぬことを企んでいるのではないかと警戒し、リシアが魅力的に見えるのも政治力の高さゆえの演出なのではないかと疑い、リシアに気を許さないように気をつけます。リシアはアルスやランベルクの町のことを褒めちぎりますが、あまりに嘘くさいようにも見えた。だが周囲はみんなリシアに魅了され、アルスは鑑定スキルのことを皆に言うわけにはいかないので1人でリシアを警戒し続ける羽目となり困ってしまいます。

それでリシアと一緒に城下の町に出かけたところ、領民の皆にも許嫁だと紹介して祝福される羽目となり困っていたところ、商人同士の諍いの仲裁を頼まれてしまい、リシアに隙を見せるわけにいかないと思い焦っていると、リシアが仲裁を買って出て見事にトラブルを解決した上に全てアルスの手柄にしてくれて、アルスは改めてリシアの政治力の高さに舌を巻く。

だが仲裁を成功させる代わりに願い事を1つ叶えてほしいとリシアに言われていたのでアルスは一体何を要求されるのだろうかと警戒しますが、リシアの要求は「アルスがどんな人を好きなのか教えてほしい」というものだった。その真意を測りかねたアルスは、こうなったら正面突破するしかないと思い、リシアに対するわだかまりをぶつけるように「僕は隠し事をしない本音を言い合える人が好きです」と回答した。もしリシアが何か企んでいるのなら何か反応するはずだと思ってリシアの反応を観察したアルスだったが、リシアは「分かりました」と笑顔で去っていき、結局リシアの本音は分からなかった。

ところがその日の夜、リシアがアルスの寝室に忍んできて、アルスに言われた通りに本音で話をしたいと言ってくる。そして、リシアはずっとアルスが自分に疑念を抱いていたことに気付いて不安に思っていたのだと打ち明け、一体自分に対してどういう疑念を抱いているのかと質問してくる。それを聞いてアルスはリシアは何か良からぬことを企んでなどいなかったことに気付き、自分が鑑定スキルのせいで必要以上に彼女を警戒するあまり彼女を不安にさせてしまっていたのだと反省する。

それで頭の良いリシア相手に嘘をついても通用しないだろうと思い、覚悟を決めて正直に鑑定スキルのことを打ち明け、リシアの政治力と野心の高さを知って警戒してしまったのだと説明する。到底信じてもらえないだろうと思ったアルスであったが、リシアは信じると言う。それは確かに彼女には他人に隠している野心があるからなのだという。その野心は何なのかとアルスが問うと、リシアは「素敵な殿方に見初められること」と答える。

確かに女性であるリシアにとってそれは野心なのだろうと納得したアルスであったが、同時にそんな野心を持つリシアは自分のような弱小貴族の跡継ぎとの婚姻など望んでいないのだろうとも思う。だがリシアはアルスとの婚姻を望んでいると言う。それは民に分け隔てなく優しく接するアルスは民に慕われていて、きっとローベント家は繁栄すると確信したからだとリシアは言い、更に自分も民たち同様にアルスを好きになったとも言う。

弱小貴族の娘として生まれたリシアは幼少時から陰謀の渦中にいて醜い世界にウンザリしていたが、上級貴族に見初められれば幸せになれると思い、上級貴族との婚姻という野心を抱くようになっていた。だから弱小貴族であるローベント家の子息であるアルスとの婚約はいずれ破談にしようと考えていて、今は家同士の友好関係だけは維持しようと考えてローベント家を訪問したところ、アルスに何故か疑念を抱かれてしまい焦っていたのだが、アルスに接していくうちにアルスが誰にでも分け隔てなく優しいことを知り、アルスの作る美しい世界に入ることこそが自分が醜い世界を脱して幸せになる真に正しい道なのだと気付いたのです。だから「ローベント家が繁栄すると確信したから婚姻を望んでいる」というのは方便であり、リシアの本音は単にアルスの優しさに惹かれたから婚姻したいということだった。むしろリシアはアルスの優しさに付け込んでローベント家には困難が襲ってくることもあるだろうと予想し、それに対処してアルスの作る美しい世界を守るためにこそ自分の政治力を活かしたいと思っており、だから自分こそがアルスの妻に相応しいのだと自負していた。

そうした想いを秘めてリシアは自分の家に戻っていき、アルスはリシアと文通をすることとなり、一時的にローベント家の周囲の情勢も穏やかとなり、父の病状も好転してきたというところで今回は終わり次回に続きます。

 

 

無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール

第17話を観ました。

今回はノルンが不登校引きこもりになってしまったという話。ルーデウスは前世で自分が不登校引きこもりだったので自分に重ね合わせて見てしまい、自分の時と同じように学校でイジメに遭ってしまったのではないかと心配し、同じ被害者側の立場に立って寄り添ってやろうとしますが、よくよく事情を聞いてみると、どうやらやたら校内で高評価されている自分と比較されてノルンが嫌な気分になってしまったのが原因だということが分かる。

それだけ聞くとノルンがコンプレックスをこじらせて身勝手に引きこもったようにも見えますが、元はといえばノルンが大嫌いなルーデウスの庇護下で同じ学校に通っていることが問題なわけで、これに関しては親に無理強いされてそんな状態になっているのだからノルンは完全に被害者です。それにノルンがルーデウスを嫌いになった原因はルーデウスが色々と行き違いはあったもののブチ切れて幼いノルンの目の前で父のパウロをボコボコにしばいたことにあるわけで、非は完全にルーデウスにあります。だからルーデウスは今回のノルンの引きこもりに関しては自分は被害者側ではなく加害者側であったのだということに気付き、どうしたらいいのか分からず行き詰ってしまう。それでも兄としてノルンを放っておけないという一心でリニアやプルセナの手引きで女子寮に忍び込みノルンの部屋に行くが、ノルンに何も言葉をかけてやることが出来ない。そして前世で自分が引きこもった時に慰めてくれようとした兄に対して冷たく当たったことを思い出し、あの時の兄の気持ちが分かったような気がした。

ここでノルンというキャラの人生について初めて真面目に考察してみると、おそらくノルンが心底嫌っているのは自分よりも出来が良くて意地悪な物言いをしてくる同い年の妹であるアイシャだけなのでしょう。アイシャの母であるリーリャがノルンに意地悪をするとは到底思えず、むしろ実の母であるリーリャまでがノルンの方を大切にするのでアイシャは嫉妬してノルンに意地悪するようになったのだと思います。

しかしノルンはとにかくアイシャだけは心底嫌いになり、そもそもアイシャが自分の妹として存在しているのは父パウロが母ゼニスを裏切ってリーリャも妻にしたせいだと思うようになったことでしょう。そうしてノルンは父パウロや彼を誘惑したリーリャに対しても不信感を抱くようになり、心底信頼出来る相手は母ゼニスだけだったのだと思います。

ところが転移事件が起きてノルンは母ゼニスを失ってしまい、嫌いな父パウロと2人きりになってしまい、おそらく当初はかなり気まずかったのだと思います。そして家族を失って荒んでいくパウロの様子を見て、おそらく父は自分のことを捨てるのだろうと思ったことでしょう。しかし2人きりになったことでパウロはノルンのことを大切にするようになり、ノルンを見捨てたりはしなかった。そしてボロボロになりながらも必死になって母ゼニスを探し回る父パウロの姿を見て、ノルンはようやくパウロのことを信頼出来るようになり慕うようになっていった。

そんな中、旅先で突然に今まで行方不明だった兄のルーデウスという者が現れてパウロを罵倒して暴力を振ってきたので、ノルンはルーデウスを嫌いになった。だがパウロはルーデウスと和解してルーデウスは去っていったが、ノルンにはどうしてあんな酷いことをされてパウロがルーデウスと和解したのか理解出来なかった。

しかしリーリャとアイシャもパウロのもとに合流してあとは母ゼニスを迎えに行くだけという段階になって急にアイシャと共にルーデウスの家に行き学校に行くようにとパウロに言われてしまい、ノルンは嫌いな人間2人に囲まれて暮らす生活や、またアイシャと比較されてバカにされる生活を予想して絶望し、せめて寮に入ればアイシャとルーデウスから離れられると思い寮に入った。アイシャは入学しなかったので、これでアイシャと比較されることもなくなると思ったのだが、いざ入学するとルーデウスと比較されてしまい、しかもルーデウスの学校での評判は良くて、ノルンは戸惑い学校中が自分の敵のように思えてきて、それで遂に不登校になってしまったようです。

それで自分の部屋に夜中にルーデウスがやって来たので、ノルンは怒ったルーデウスがあの時のように自分にも暴力を振うのだろうと思った。ところがルーデウスが自分のせいで迷惑をかけてしまったと詫び、どうしたらいいのか分からないとこぼす憔悴しきったルーデウスの表情を見て、ノルンは転移事件の後の荒み切ったパウロの顔を思い出した。そして、それでも「此処に居ていいか?」と問いかけてくるルーデウスを見て、ノルンはあの時の父もどんな状況でも決して自分から逃げなかったことを思い出し、兄も同じなのだと気付いた。そしてルイジェルドに2人の和解のことを聞いた時に「パウロもルーデウスも逃げなかった」と言われたことを思い出し、自分も逃げてはいけないのだと悟った。

そうしてノルンはルーデウスの胸に飛び込み、激しく号泣して、その後はルーデウスや学校の皆に対して素直になることが出来た。しかし不登校に至った心情や、これまでルーデウスに対して抱いていたわだかまりなどについては特に何も言わなかった。それを見てルーデウスはノルンが自分で感情に折り合いをつけて解決したのだと理解し、前世の自分には出来なかった凄いことだと思い、ノルンを尊敬した。ノルンのお陰で自分は大事な妹を失わずに済んだのだと感謝した。そして、もし前世の自分がノルンぐらいちゃんとした人間であれば、兄に弟を失う悲しい想いをさせずに済んだのだと後悔し、もしナナホシが元の世界に戻ることが出来る日が来るなら、その時は兄に謝罪と感謝の言葉を伝えてもらおうと思うのでした。

 

 

死神坊ちゃんと黒メイド(第3期)

第29話を観ました。

今回はダレスがアメリアと一緒に海の底の人魚の町に行って腕相撲大会で賞品の人魚のウロコをゲットする話から始まる。人魚のウロコはダレスが人間になるために必要な物の1つらしい。その後、ダレスがよくシャーデーと間違われて怖がられるのでヴィオラとアリスがシスター服を仕立て直してドレスにしてあげる話でした。その後、坊ちゃんの屋敷に魔術学校の先輩のイブリンが遊びに来て、フリー先生がもともとシャーデーの部下だったという話をしたりする。一方、坊ちゃんはどんな場所にでも入れる能力を持つイブリンにシャーデーの中に入ることは出来ないかと質問します。来るべきシャーデーとの戦いの時に何か腹案があるようです。

しかし春になってもまだニコ先生からシャーデーとの戦いの開始の連絡は無く、坊ちゃんは母親との約束の期限が気になって仕方ない。それで母親と話をしようと思い坊ちゃんがアリスとカフと一緒に本邸に行くと、本邸ではお客様を招いて舞踏会が開かれており、母親とは話が出来なかった。そこにダレスもやって来て、客の貴族の娘と喋っているウォルターを見てショックを受けていたのでヴィオラがいっそ今日ウォルターに告白すればいいと言うがダレスは逃げてしまう。坊ちゃんは自分を化け物呼ばわりした旧友のフィリップと再会し、フィリップは気まずそうに立ち去ろうとするが、坊ちゃんは自分から非礼を詫びる。そうして舞踏会が始まったところで今回は終わり次回に続きます。次回が本番みたいで今回は前フリみたいですので次回に期待しましょう。