2024冬アニメ 4月5日視聴分(+最終評価) | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年冬アニメのうち、4月4日深夜に録画して4月5日に視聴した作品は以下の1タイトルでした。

 

 

メタリックルージュ

最終話、第13話を観ました。

今回はまず前回のラストでいきなり人形使いの正体がロイ・ユングハルト博士だったと分かった場面の続きから始まります。ロイを殺すようジャロンに命じたはずのシルヴィアはこのロイを偽者だと言います。実際このロイはネアンだったので確かに本物のロイとは別個の存在です。しかし頭の中は本物のロイなのだという。ロイの屋敷の地下にあったロイの記憶の保管庫というのは、実はロイがネアンに自分の記憶を移すための施設だったのです。つまりロイは死んだ後、自分の記憶をネアンに移し替えて生き続けていたということになる。しかもオリジナルのロイを殺したのはネアンのロイだったのです。ロイのネアンの姿はルジュと同じ姿をしており、つまりロイの殺害現場で画像に映っていたルジュはロイのネアンだったのです。しかもそれはオリジナルのロイの意思だったのだという。ロイは自ら進んでネアンの身体を得ることを欲して、不要になった人間としての身体を廃棄したのです。それがロイ殺害事件の真相でした。

じゃあシルヴィアがジャロンにロイ殺害を命じたとか、ジャロンがルジュに擬態してロイを殺したとかいう話は一体何だったのかというと、ネアンとなったロイがインモータルナイン全員の記憶を操作してそう思い込ませていただけだった。インモータルナインは自分の意思で行動しているつもりだったが、実は全てロイに操られて道化を演じていただけだったのです。

ロイはエヴァの遺したコードイブを手に入れてネアンのアジモフコードを解除しようとしていたが、その目的はネアンの解放などではなく、人類に従属しなくなったネアンを自分が支配下に置いて、人類を淘汰してネアンの世界を作り、その頂点に自分が君臨するためであった。それでコードエヴァのデータが遺されたインモータルナインのイドを集めるために自分がインモータルナインに殺されたように偽装してジーンにその手掛かりを残して、ジーンがルジュを使ってインモータルナイン狩りをするよう仕向けていたのです。

シルヴィアは激昂してロイを殺そうとするが、身体を操られたりして可哀想でした。本人は大真面目にネアンの解放を目指していたのですが、それすらロイに作られた思考に過ぎなかったとか、ロイは造物主気取りの最低最悪のクズ悪役だったわけです。このロイをシルヴィアはようやく殺したかに見えましたが、実はロイは既に新しい器を手に入れていて、それがシアンでした。シアンの身体を乗っ取ったロイはシルヴィアを殺し、ルジュのイドを巡ってルジュと戦いますが、ルジュはナオミのイドが入っている状態なのでいつもより弱くて戦いは劣勢となる。

そこでナオミが助言して位相の反転とか集中とかなんかよく分からないけど、とにかくナオミの意識がルジュの中に入って2人が融合してルジュの姿が変わってむっちゃ強くなり、シアンの身体と融合したロイと互角の強さになります。そして最後はシアンの意識がロイに叛逆してルジュの味方をしたことでルジュが勝利してロイは死にます。最悪のクズ悪役を最終話にして作りだして、そのクズに相応しい死に方をさせたことは評価して良いと思います。そしてシアンも死んでしまうのですが、シアンとルジュの姉妹の別れの場面も良かったです。

こうしてロイの悪巧みは阻止出来たのですが、ルジュはシルヴィアの遺言に応えてコードイブを起動させてネアンをアジモフコードから解放することを決めて、それを決行する。だが実は簒奪者であったオペラが細工をしていて、コードイブが起動したネアンにはウイルスが侵入して簒奪者の下僕になるよう仕組まれていた。しかし事前にジーンがそれに気付いてアンチウイルスを仕込んでいたのでオペラの企みは失敗して、全てのネアンは単にアジモフコードが解除された状態となる。そうしてネアンは人類による支配から解放され、人類と対等な存在となったが、それですぐに革命や戦争が起きるというわけではなく、ジーンが「これからが大変だ」と言うように、これから人類とネアンの共生していく難しい時代が始まる。簒奪者による侵略戦争も再び始まり、ルジュも自分と一体化したナオミと共に簒奪者との戦争の戦場を駆けるという場面でこの物語は終幕となります。

まぁスッキリしない終わり方ではあるが、そんなに悪い終わり方でもないとは思いました。綺麗に締めたとは言えるんじゃないでしょうか。ただ、最終話でちゃぶ台返ししてこれまでの物語の前提を全部ひっくり返してしまうのはあんまり感心はしませんでしたね。結局ネアンの解放がテーマなのかと思っていたが最後はネアンそっちのけで話が終わってしまった感はあります。まぁ色々と物足りない面はあった作品ですが、それでもクオリティは高かったし、最後は綺麗に締めた感じでもあるので、3月31日に投稿した暫定順位では15位でしたが、1ランク上がって14位でのフィニッシュでいいんじゃないかと思います。

 

 

 

さて、これで2024年冬アニメの視聴対象作品の全ての作品の視聴が終わりました。

そこで視聴対象としていた全30作品の個人的な最終的順位とランク分けを以下に示したいと思います。あくまで自分の目で視て、自分の感性でガチで面白いと思った作品の順番で順位をつけているだけです。だから、全く人気の無い作品や長期シリーズで新規視聴者お断りみたいな作品が超人気作よりも上の順位になったりしていますが、そういう世間の人気無視のガチのランキングなのでご了承ください。

なお「ダンジョン飯」はまだ全話放送終了していませんが、連続2クール作品なので今期の評価対象である前半クール分は既に放送済みですので、そこまでの評価としています。なお「ダンジョン飯」は既に13話分の視聴を終えていますが、前半クール分は12話までという扱いとしています。

 

◆SSランク(別格の作品)

勇気爆発バーンブレイバーン

 

◆Sランク(大満足した作品) 

1位 魔法少女にあこがれて

2位 僕の心のヤバイやつ(第2期) <13話から25話までの評価>

3位 ゆびさきと恋々

4位 葬送のフリーレン <17話から28話までの評価>

5位 戦国妖狐 世直し姉弟編

6位 SYNDUALITY Noir 第2クール <13話から24話までの評価>

7位 姫様”拷問”の時間です

8位 悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~

 

◆A+ランク(満足できた作品)

9位 ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する

10位 薬屋のひとりごと <13話から24話までの評価>

11位 ダンジョン飯 <1話から12話までの評価>

12位 治癒魔法の間違った使い方

13位 真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 2nd Season

 

◆A-ランク(普通に観れた作品)

14位 メタリックルージュ

15位 外科医エリーゼ

16位 結婚指輪物語

17位 道産子ギャルはなまらめんこい

18位 異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。

 

◆Bランク(退屈だった作品)

19位 魔都精兵のスレイブ <6話まで視聴>

20位 最強タンクの迷宮攻略 ~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~ <6話まで視聴>

21位 ぶっちぎり?! <5話まで視聴>

22位 最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。 <5話まで視聴>

23位 魔女と野獣 <5話まで視聴>

24位 望まぬ不死の冒険者 <4話まで視聴>

 

◆Cランク(苦痛だった作品)

25位 佐々木とピーちゃん <4話まで視聴>

26位 俺だけレベルアップな件 <4話まで視聴>

27位 愚かな天使は悪魔と踊る <4話まで視聴>

28位 異修羅 <4話まで視聴>

29位 即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。 <4話まで視聴>

 

 

簡単に総評しますと、視聴対象作品の30作品のうち最終話まで視聴した作品が19作品というのは通常クールよりやや少なめですが、もともと視聴対象作品の数自体がやや少なめだったので、まぁこんなものでしょう。視聴を切った作品は全て、視聴を切ると決めた次のエピソードは観るようにしており、そこで心変わりしたら視聴復活させることにしているのですが、今期は視聴を復活させた作品はありませんでした。

最終話まで視聴した19作品のうち、SSランクが1作品、Sランクが8作品、A+ランクが5作品、A-ランクが5作品となっており、A+ランク以上が14作品というのは特に豊作感は無いが、Sランク以上が9作品と多めなので、まぁ豊作クールだったと言っていいと思います。クール終盤に入る前はSランクの固定作品は6作品でしたので、今期は普通のクールかなという印象だったのですが、その時点で準Sランクだった3作品が結局全部Sランクで終わったのでSランク以上が9作品となり、そのぶんA+ランクが薄めの印象になってしまいましたが、Sランク以上がこれだけ充実すれば豊作クールと言うしかないでしょう。これでA+ランクももう少し充実していれば大豊作クールと言えたのですが、もともと全体的に層が薄めのクールだったのでそこまで望むのは高望みというものでしょう。むしろ前評判の低さの割に予想外に良い結果となったクールだと思います。

特に上位作品がみんな終盤が良かったですね。終わってみればSランクの充実度だけで見ればかなりハイレベルであり、大豊作クール級だったといえますが、そのぶんA+ランクの層が薄くなってしまったので大豊作クールにはなり損ねたという言い方も出来ます。しかし見方を変えれば、もともと普通のクールだったがA+ランク上位作品が最後に奮闘してSランクに昇格した結果、豊作クールに成り上がったとも言える。怪作が多めで各作品の評価が難しいクールだったが、とにかく終わってみれば納得の順位になったように思います。

 

とにかく前評判の低かったクールであり、最初から不作クールだと決めつけてマトモに今期の作品を見ていなかったアニメ視聴者などは未だに不作クールだったとバカにしている人もいるでしょうけど、そんな連中はただのバカだと断言してもいいくらい、今期は事前の予想をひっくり返したクールだったと思います。そういう意味では実に爽快なクールでありました。

ブランド信者の人達なんかは前クールから継続の「葬送のフリーレン」と「薬屋のひとりごと」は良いけれども今期開始の作品は「僕の心のヤバイやつ」以外は見る価値のある作品は無いとでも思っていたことでしょう。だが実際始まってみると、意外に面白い作品が多かった。個人的には「僕の心のヤバイやつ」は期待通りであり、「葬送のフリーレン」は過大な期待はしておらずA+ランクの出来かと思っていたのだが終盤の出来が非常に良くてSランクに入ってきた。ただ「薬屋のひとりごと」は前クールと同じくA+ランク止まりだったので、これらだけならば物足りないところだが、まず事前予想よりもSランクの質を上げるのに貢献してくれたのが「勇気爆発バーンブレイバーン」「魔法少女にあこがれて」「ゆびさきと恋々」の3作品でした。そして最終的にSランクの作品数を増やすのに貢献してくれたのが「姫様”拷問”の時間です」「悪役令嬢レベル99」の2作品でした。他にSランクでは「SYNDUALITY Noir」「戦国妖狐」も良かった。またSランクには届かなかったが「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」も今期特に出来が良くて印象に残った作品でした。

今期の事前の不作クール予想をひっくり返した最大の原動力となった作品は、まず挙げるべきはやはりそれぞれ稀有な怪作と表現してもいい「勇気爆発バーンブレイバーン」と「魔法少女にあこがれて」のツートップでしょう。両作品とも二度とは現れないようなキワ物作品でありながら非常にクオリティが高いという奇跡のような作品で、こんな奇跡が2つ揃った全く稀有なクールでありました。特に「バーンブレイバーン」は今年を代表する作品となる可能性もあるでしょう。また「魔法少女にあこがれて」はエッチなギャグアニメとしては前代未聞な物語の質の高さでした。まぁやっぱりこの2作品が強かった結果、今期はどうしても「キワ物の強いクール」という印象になりますね。

この2作品があまりに強烈だったので及ばなかったが「僕の心のヤバイやつ」も事前予想よりも良かったし、1期よりも確実に面白くなっていて、十分に今期を牽引する役割を果たしてくれた、ラブコメアニメの歴史に残る名作でした。そして「ゆびさきと恋々」も特筆すべき作品であり、キワ物が目立つ印象の今期において静かな展開の中でクオリティで押し切った今期最大の良心と言っていい作品でした。この作品があってくれたお陰でツートップによってヘンテコ感の増していた今期の印象がかなり中和されて爽やかなものになりました。

事前予想では「後半クールの試験編はイマイチ」なんて言われてもいた「葬送のフリーレン」が個人的には1期よりも面白くて最後も見事に締めて終わったというのも、今期を盛り上げた大きな要素の1つであったと思う。また物語途中でのバッドエンドでの中締めとなったが硬派な物語の深みと勢いで盛り上げた「戦国妖狐 世直し姉弟編」も今期においては記憶に残る作品であり、加えて、まさか後半クールがここまで面白くなるとは予想もしていなかった「SYNDUALITY Noir」も今期の盛り上がりの大きな1つの要素でした。

そして今期を豊作クールという扱いにした最後の決め手となったのが、今期最も期待値が低かったにもかかわらず大躍進してSランクに食い込んだ「姫様”拷問”の時間です」と「悪役令嬢レベル99」の2作品でした。この2作品はギャグアニメとして非常にハイセンスであり、これに惜しくもSランクからは漏れた「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」も含めた3作品は意外性という意味では今期最も印象に残った作品といえます。特に「姫様”拷問”の時間です」は何でもアリのやりたい放題の癒し枠の傑作であり、「勇気爆発バーンブレイバーン」と「魔法少女にあこがれて」と並んで今期らしいハチャメチャぶりを象徴した異色作といえます。

 

 

では今期の推移を大まかに振り返ると、まず1クール通して最上位クラスに面白かった「勇気爆発バーンブレイバーン」「魔法少女にあこがれて」「僕の心のヤバイやつ」「ゆびさきと恋々」「戦国妖狐」「SYNDUALITY Noir」の6作品があり、早いうちからそのすぐ下にあった「葬送のフリーレン」「姫様”拷問”の時間です」「悪役令嬢レベル99」の3作品が上位の6作品と共にSランクに入るか入らないかが焦点であったクールだと思います。

それよりも下位の作品も割と動きは激しかったが、それらの作品はSランクに届くような作品ではなかったので、動きは激しくてもあまり注目するようなものではなかった。今期の注目点はSランク内の順位争いと、準Sランクの3作品がSランクかA+ランクのどちらに落ち着くのか、この2つの点だけだったと思います。ただ、最終話まで視聴した19作品は全て見たことを後悔するような出来ではなくて、個々の作品としてはちゃんと楽しめたとは思います。

 

まずは今期の終盤前までの各作品の動きをまとめると、クール開始当初は「勇気爆発バーンブレイバーン」と「ゆびさきと恋々」のインパクトが大きかったが、序盤が終わる頃にはSランクは「勇気爆発バーンブレイバーン」「ゆびさきと恋々」「僕の心のヤバイやつ」「魔法少女にあこがれて」「SYNDUALITY Noir」「姫様”拷問”の時間です」という顔ぶれが固まってきて、序盤の終わりまではSランクに一応入っていた「メタリックルージュ」が中盤に入るとA+ランクに落ちていき、代わりに「戦国妖狐」がSランクに入ってきた。

一方でA+ランクの上位は序盤は割と流動的だったが、中盤に入ると「葬送のフリーレン」「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」「悪役令嬢レベル99」が常駐するようになっていったが、まだこのあたりではこれらの作品にはSランクを窺うほどの勢いは感じなかった。

前評判の高かった「メタリックルージュ」は序盤を過ぎても盛り上がって来ず中盤に入るとA+ランク下位に落ちていき、同じく前評判の高かった「ダンジョン飯」もあまり話が進まずA+ランク下位が定位置となり、「薬屋のひとりごと」も地味な展開が続いてA-ランクに低迷していた。

Sランク内ではクールの折り返しぐらいまでは「僕の心のヤバイやつ」「ゆびさきと恋々」が強くて、それに「魔法少女にあこがれて」が安定感があってついていき、「勇気爆発バーンブレイバーン」が一旦落ち着いて順位を下げて「SYNDUALITY Noir」「戦国妖狐」が盛り上がってきているという状況だった。折り返し時点ではこの6作品がSランク内で僅差で固まり、「姫様”拷問”の時間です」がこの6作品とは離れて辛うじてSランクの最下位に引っかかっているという感じでした。

そうしてクールの折り返しを過ぎると、「薬屋のひとりごと」がA-ランクからA+ランクに上がってきたが、再び地味な展開になってA-ランクとA+ランクの間で流動的になり、同じく「メタリックルージュ」「ダンジョン飯」「結婚指輪物語」あたりもA-ランクとA+ランクの間で流動的となった。「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」はA+ランクで安定して、「葬送のフリーレン」「悪役令嬢レベル99」がA+ランク上位でSランクを窺う形勢となってきて、Sランクから落ちてきた「姫様”拷問”の時間です」がそこに加わった。

クール折り返し以降のSランク内では、下位作品が盛り上がってきて、まず話の展開が最も早かった「SYNDUALITY Noir」が1位となり、次いでクール終盤に突入して9話の伏線回収で盛り上がった「勇気爆発バーンブレイバーン」がそれを抜いて、「魔法少女にあこがれて」も安定して面白さを増していき、このあたりで上位3作品が固まってきた。それに次ぐのが「戦国妖狐」であったが、クール折り返し以降は溜めの展開が続いて「僕の心のヤバイやつ」「ゆびさきと恋々」と拮抗した状態となって下位3作品を形成したまま終盤に突入していった。その下に準Sランク作品として「葬送のフリーレン」「悪役令嬢レベル99」「姫様”拷問”の時間です」の3作品が最終盤にはSランクとA+ランクの間で流動的となり、「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」はスローテンポなので最終盤前にはそこからは脱落してA+ランク上位で安定したが、それより下位作品はA+ランクからA-ランク上位にかけて割と流動的なままクール最終盤に入っていったといえます。

 

 

続いて各ランク別に各作品の最終盤の動きと最終的な総評を簡単にしていきます。まずSランク以上の作品の動きですが、9話の伏線回収でSランク1位に立った「勇気爆発バーンブレイバーン」はその後も神回を連発して頭1つ抜けた状態から次第に独走態勢に入っていき、最終的には最後の締め方次第でSSランクに上がるか上がらないかというのが焦点になっていった。

その下では「魔法少女にあこがれて」も最終盤に入っても全く勢いが衰えることなく、むしろ勢いが増していったが「勇気爆発バーンブレイバーン」にはなかなか追いつけない状況であった。その一方で「SYNDUALITY Noir」は上手く物語を締めにかかっていったが最終盤の前あたりが最も盛り上がっていた印象で、そこで盛り上がった大きすぎる期待感に応えるほどの最終盤ではなく、決して悪い内容ではなかったのだが、最終盤を上手く盛り上げた下位作品の追撃に追い越されてしまった。

同様に「戦国妖狐」も折り返しの灼岩退場絡みの展開がピークでその後は溜めの展開が続いたので、最終盤を盛り上げてきた下位作品に一旦追い抜かれる形となったが、他の上位作品よりも残り話数が多いぶん最終盤の盛り上がりの余地を残していて、その結果次第で再逆転の余地を残してクール最終盤を経過していった。

そんな中で、まず「葬送のフリーレン」が終盤の二次試験のクライマックス展開から最終試験にかけて急速に面白くなってきて完全にSランクに定着して、ラスト2話の完璧な締めで一気に「戦国妖狐」と「SYNDUALITY Noir」を抜き去ってフィニッシュしたが、それでもクール前半は既存のSランク作品に比べると物語の密度が低めだったので5番手でのフィニッシュということになり、「僕の心のヤバイやつ」や「ゆびさきと恋々」よりも上位とはならなかった。

続いて「ゆびさきと恋々」が派手な盛り上がりは無かったものの序盤から終始安定したクオリティの高さのまま綺麗にまとめてフィニッシュして「葬送のフリーレン」よりも上位は維持したが更に上位に食い込んでいくほどの勢いは無くて4番手で終わった。更に続いて「SYNDUALITY Noir」が最終盤の流れのまま綺麗に物語を完結させたがSランク上位に再浮上するほどの勢いは取り戻せず「葬送のフリーレン」より下位の6番手でフィニッシュした。

それと同時に、最終盤までSランクとA+ランクのボーダーラインに位置していた「姫様”拷問”の時間です」が最終話の出来次第という状況で見事な最終話で盛り上げてフィニッシュしてSランクに滑り込み、更に続けて同じような状況にあった「悪役令嬢レベル99」も最終話を綺麗にまとめてフィニッシュしてSランクに滑り込んだ。綺麗にまとめたのは「悪役令嬢レベル99」の方であったがコメディアニメとしてより突き抜けて終わったのは「姫様”拷問”の時間です」の方だったので、「姫様”拷問”の時間です」の方を8番手、「悪役令嬢レベル99」の方を9番手として、ここがSランクの最下位ラインとほぼ確定した。

そして「魔法少女にあこがれて」が最高の最終話でフィニッシュしたが、それでも既に「勇気爆発バーンブレイバーン」には届かない状況であったので2番手でフィニッシュし、結局は最終話がメチャクチャな超神回だった「勇気爆発バーンブレイバーン」が最後の最後でSSランクに上がったので「魔法少女にあこがれて」がSランク暫定1位という形となった。そうなると、あとは暫定2位になった「僕の心のヤバイやつ」が1位の「魔法少女にあこがれて」に最終話で届くのかという点と、最終盤の盛り上がりで「SYNDUALITY Noir」をかわして暫定5位に浮上した「戦国妖狐」が最終話で暫定3位の「ゆびさきと恋々」や暫定4位の「葬送のフリーレン」に届くのかという点が残る焦点という状況で最終局面となったが、まず「僕の心のヤバイやつ」が見事な最終話でフィニッシュしたが、基本的に毎回同じようなことをしているぶん、毎回バラエティーに富んでいた「魔法少女にあこがれて」には少し及ばず暫定2位のまま終わり、最後に「戦国妖狐」が強烈なバッドエンドで第一部が完結したが、さすがに色々放り投げすぎて「ゆびさきと恋々」や「葬送のフリーレン」には届かず5位でフィニッシュしてSランク以上の順位が全て確定した。

 

Sランク以上の9作品の総評としては、事前の期待度の低さに反して非常に充実していたと思う。まず「勇気爆発バーンブレイバーン」と「魔法少女にあこがれて」という二度と無さそうな怪作が2つも揃ったというインパクトが大きかった。「僕の心のヤバイやつ」と「ゆびさきと恋々」の2作品もそれぞれ特色のあるラブコメジャンルの作品として非常に優秀であったが、「勇気爆発バーンブレイバーン」と「魔法少女にあこがれて」という2つの稀に見る怪作でありながらも充実した内容の作品のインパクトと総合力には及ばなかった。この4作品はクール全体を通してほぼ完璧だったといえるが、特に「勇気爆発バーンブレイバーン」が終わってみれば圧倒的だったといえます。

それら4作品に次ぐ「葬送のフリーレン」はクール後半はほぼ完璧だったがクール前半は物語的な盛り上がりは少し不足していたぶん、上位4作品には及ばなかった。それに次ぐ「戦国妖狐」は物語のポテンシャルはあるいは今期最強だったかもしれないが、今期分は結局は序章であったということでまだまだ本格的な盛り上がりではなかったようです。「SYNDUALITY Noir」も非常に完成度の高い作品だったが、終盤ちょっと無難にまとめすぎた感があり個人的には物足りなさは感じた。「姫様”拷問”の時間です」も「悪役令嬢レベル99」もそれぞれ突き抜けたコメディであり、小粒ながらSランクに相応しい作品でした。

 

Sランク、それも上位作品ともなると作品の完成度なんてそう大差は無く、優劣を決めるのは人それぞれどういう要素を好むかによって変わってくる。私の場合は「設定」を重視しがちです。よく自分で「物語重視」と言いますが、物語の最重要要素は「設定」ですから。これまでにない設定をしっかり作り上げて「新しい世界」を見せてくれる作品を高く評価する傾向が強いです。それは言い換えると、分かりにくくてストレスがかかる作品ということになる。逆に定番の設定で分かりやすく描いてくれる作品はノンストレスで見れます。100の物語を10の尺で見せればストレスがかかるが、10の物語を10の尺で見せれば確かにノンストレスで楽に見れます。そういうノンストレスな作品を好きな人は今期ではおそらく「葬送のフリーレン」や「僕の心のヤバイやつ」を覇権と言うでしょう。

しかし私の場合は100の物語を10の尺で描きながらストレスを許容範囲内に抑えてくれた作品の方をノンストレス作品よりも評価したい。そのあたりは人それぞれのストレスの許容量の違いにもよるのでしょうけど、私の基準では新奇な設定を完遂して「新しい世界」を見せてくれた「勇気爆発バーンブレイバーン」と「魔法少女にあこがれて」をノンストレス作品よりも上位に置く。「葬送のフリーレン」や「僕の心のヤバイやつ」のようなノンストレス作品を見たら心地良いという気持ちは理解しますが、心地良さがアニメの全てではないと私は思う。

「葬送のフリーレン」や「僕の心のヤバイやつ」は定番の設定で演出で魅せてくる作品だが、演出力ではこの2作品に多少劣っていても私は「勇気爆発バーンブレイバーン」と「魔法少女にあこがれて」の圧倒的な設定力の方を重視します。この2作品は共に演出は「ベタを極める」という方向性だが、ベタを極めて演出でもしっかり魅せることが出来た「勇気爆発バーンブレイバーン」がSSランクとなり、「魔法少女にあこがれて」はそこまではベタを極めきれず演出ではさほどは魅せられなかったが、それでもその設定力は「僕の心のヤバイやつ」の演出力よりは私は上に評価する。それゆえ「勇気爆発バーンブレイバーン」「魔法少女にあこがれて」「僕の心のヤバイやつ」という順番になる。

一方で「ゆびさきと恋々」は新しい世界を魅せる設定力がある作品なのだが、演出も優れていてバランスはとれていた。だがそのぶん設定が大人しめであり物語の動きも大人しめであり、この「ゆびさきと恋々」が相手ならば「僕の心のヤバイやつ」の演出力の方が優位であり、それゆえ「僕の心のヤバイやつ」の方が「ゆびさきと恋々」よりも上位となった。また「葬送のフリーレン」は物語の大人しさでは「ゆびさきと恋々」と同等であったが、売りとしているのが演出力であるぶん、設定力を売りとしている「ゆびさきと恋々」よりも下位となった。

「戦国妖狐」は確かな設定力がある作品なのだが、今期分はそうして魅せる「新しい世界」の中途で終わってしまった印象で、これなら「葬送のフリーレン」の演出力の方が優位となる。また、途中まではしっかりした設定力で新しい世界を魅せてくれるかに思えた「SYNDUALITY Noir」は最終的にちょっと中途半端になってしまい、「戦国妖狐」よりも下位となった。それより下位の「姫様”拷問”の時間です」と「悪役令嬢レベル99」はギリギリSランクに入った作品なのでそうした比較対象外ですが、タイプで分ければ「姫様”拷問”の時間です」は演出過剰が面白味の作品ではあるが基本は設定力で勝負するタイプであり、むしろ「悪役令嬢レベル99」が定番中の定番の設定を演出力で面白くするタイプだから、前者が上位ということは、やはり私は設定力重視なのでしょう。

 

ではSランク以上の9作品の各評ですが、まず唯一のSSランクの「勇気爆発バーンブレイバーン」は突如地球に侵略してきた謎の金属生命体に対抗するために地球人がロボットに乗って戦うSFロボットアクション作品です。1話の最初はリアルロボット戦記の青春モノであるかのように思わせておいて突然に宇宙からの侵略者がやってきて絶体絶命の状態で急にベラベラ喋るスーパーロボットのブレイバーンが出現して唄を歌ったり大暴れして敵を倒すという度肝を抜く衝撃の1話でまず惹きつけられた。ここでてっきりこれはネタアニメなのだと思い込み、実際ムチャクチャ笑えたので当初はネタアニメとして高評価して1位か2位に評価していた。だがギャグに徹し切るわけではなく2話以降も謎がどんどん増えていき謎解きがほとんどされない展開が続き少し焦れてきた。ずっとギャグ自体は面白くて2話と3話はバトルもアツく盛り上がったので良かったのだが4話と5話はバトルが無かったぶん謎解きの無いモヤモヤ感が意識されて、5話時点では順位を少し下げたが、それでも4位を維持していたのは、4話も5話も含めてここまでの全エピソードが戦士の人間ドラマとしてしっかり深みがあって各話の完成度が高かったからでした。そうした下地がしっかりあったので6話と7話の日本奪還作戦で激アツバトルが描かれ同時に世界観の謎が少し明らかになったことで評価は再上昇した。それでもこの時期は「SYNDUALITY Noir」と「魔法少女にあこがれて」がかなり盛り上がっていたので僅差で3位につける状況であったが8話から9話にかけて遂にブレイバーンの正体が明らかとなり、この物語が「死を望む不死生命体」の脅威を「死の恐怖を乗り越える勇気」で撃破する物語であることが判明し、これらの謎の解明によって序盤からの全ての描写の辻褄が合い、更にここでブレイバーンが更に進化して日本での大決戦に勝利し、これらの盛り上がりで一気に1位となった。ここであと3話を残す状況でSランク1位フィニッシュはほぼ当確となったが、10話でいきなりタイムリープ設定が出て来て更に隠し玉があることが分かってきてラスト2話のハワイでの最終決戦エピソードの内容次第でSSランクの可能性も窺うこととなった。そしてラスト2話で爆笑展開から超絶アクションまでやりたい放題遊び放題でありながら全ての辻褄を合わせてきて、8つの大罪を積み重ねて誕生した「死」を理解した不死の究極生命体を気取る絶対的強者の敵ラスボス相手に「死」を乗り越えた弱者の「勇気」の何でもアリの全員集合大合体バトルで決着をつけて大団円を迎えて最後の最後にSSランクに昇格した。これだけ盛りに盛った設定を整合性をつけて成立させた「死」と「勇気」を根幹に据えた分厚く深みのあるヒーローの物語があってこそ、あれほどギャグやネタに走ったり、ロボットアクションで盛りまくり遊びまくっても破綻することなく感動させることも可能だったのであり、最終的には「勇気のある者は全て勇者でありヒーローになれる」というシンプル極まりないメッセージもしっかり届けることが出来た。決して単なるネタアニメではなく、バラバラな要素が奇跡のバランスで昇華した絶大なインパクトの怪作にして快作であった。

 

Sランク1位の「魔法少女にあこがれて」は魔法少女が実在する世界観の中、魔法少女に憧れる女子中学生うてなが魔法少女と戦う悪の組織の女幹部になる変身能力を得てしまうというお話。それによってうてながサディストとして覚醒して彼女の魔法少女への憧れが実は魔法少女をいたぶって性的に興奮したいという願望だったことが自覚され、エロくてヤバいプレイ場面が毎回描かれることになる。このように基本的にはエロを売りとした作品なのだが、まずエロが非常にツボを押さえたものである上に大胆な描写が多くて見応え十分。そしてエロが見事にギャグに昇華しており、更にエロに関係ないギャグのレベルも高くギャグアニメとして非常に高水準。うてなを含む悪の構成員たちが魔法少女と同級生であったり近しい関係でありながらお互い正体に気付いていない設定なのでコメディドラマとしてのポテンシャルも高い。また、バカバカしいことばかりやっていながら意外に魔法少女アニメのフォーマットを押さえており、アクションシーンはしっかり描かれていて、感動展開があったり友情が重視されていたり各エピソードはしっかりオチがついて楽しめる。そして思春期の少女達の様々な特殊性癖が戦う力の源となっているという設定がなかなか深くて面白く、エロい場面をストーリー的にしっかり盛り上げている。特に1クール通して軸となっていたのが、魔法少女を折れさせることが目的ではなく「折れない魔法少女」を堪能することを目的として魔法少女をいたぶる厄介な変態うてなと、真性マゾとして覚醒してしまった「折れたい魔法少女」である小夜との捻じれた関係性であり、これが最後は小夜の成長まで描かれて物語のクライマックスとなった。その合間合間にも敵味方ともに様々な性癖の濃厚なキャラが次々に登場し、エピソードを重ねてメンバーが増えるにつれて面白さが増していき、悪の組織の内紛なども描かれ、放送禁止ギリギリを攻めた変態行為の数々とドタバタ展開のカオスっぷり、基本はバカバカしい内容でありながらも単にカオスでなくて毎回なんかイイ話にまとめてきて、しかもそれが絶妙に雑でギャグとして笑えるという感じで最初から最後まで全く退屈することなく楽しめた。ただ刺激的な場面は多いが基本的にユルめの作風であり物語途中で終わったこともあり、クール中盤以降は常にSランク2位か3位あたりを推移し、終盤はずっと2位であったが1位の「バーンブレイバーン」がSSランクに上がったので結果としてSランク1位になった。

 

Sランク2位の「僕の心のヤバイやつ」は去年春の1期に続く2期であり、1期から引き続き市川と山田のラブコメが描かれ、2人が想いを伝えあい交際を開始するところで終わりました。1期は2人がそれぞれ相手への恋心が芽生えて自覚する中盤までは話があまり盛り上がらなかったが、今期は最初の13話から双方とも相手への恋心を自覚した状態から始まり、相手の気持ちは分からない状態で市川が山田の家に初めて行ったりバレンタインデーに山田が市川にチョコを渡したり映画デートしたりとどんどん盛り上がっていき大山場の18話の卒業式エピソードで市川が山田の自分への想いを知り折り返しの19話のホワイトデーで互いに好き同士であるとほぼ気付くに至る。ただ盛り上がってはいるがラブコメ展開自体は単調なので序盤では1位に飛び出すこともあったが折り返し時点では1期と同じSランク中堅ぐらいの評価だった。ただここからのクール後半が、互いに好き同士だと気付いた上で山田が夢に向かって仕事を頑張る足を引っ張りたくない市川の想いと、市川への想いと夢の間で葛藤する山田のすれ違いが描かれ、まだ子供の2人が夢と恋の間で葛藤して成長していく姿が市川の誕生会や山田の地方ロケ、新学期、体育祭を通して描かれていき、最後の修学旅行エピソードで真に自分の人生に相手が不可分の存在であると互いに自覚し、告白し合って交際に至る流れが非常に感動的で、「恋心で人生が変わる」という奇跡を見事に描き切ったストーリーの良さに加えて終始安定していた作画や演出とメイン2人の声優の熱演、更には秀逸なコメディ展開や等身大の中学生の友情物語を描いた共感性抜群の作劇も相まって「戦国妖狐」「SYNDUALITY Noir」を追い越し「ゆびさきと恋々」「葬送のフリーレン」も終始リードして通常作品では最高評価となったが、基本的に日常的なシチュエーションを演出で魅せるタイプなので独自の世界観を創造した上位2作には及ばなかった。

 

Sランク3位の「ゆびさきと恋々」は主人公ヒロインの聴覚障碍者の女子大生の雪と大学の先輩で海外バックパッカーの逸臣の恋愛ストーリー。雪を障碍者のアイコンとしてではなく等身大のリアルな女性として描き、その上で特殊なコミュニケーションについて丁寧に描いた極めて優れた日常アニメであり、耳の聴こえない状況で起きるハプニングや心の動きを恋愛展開や恋愛心理描写に巧みに落とし込んだ秀逸なラブストーリーでもある。波乱や感動の展開を安易に作らず、静かな展開の中でひたすら緻密な心理描写で魅せる姿勢が潔く、それを裏打ちする作画力と演出力が特に優れている。コミカルな描写も多くキャラの魅力も非常に高い。特に雪の正統派ヒロインとしての魅力は際立っていた。聴覚障碍者を取り巻く状況について綿密に取材して作られている作品なので深く考えさせるところが多かったのも唯一無二の魅力。終盤に2人が結ばれるのでなく中盤6話で交際を開始する意外な展開で、クール前半は完璧な出来ではあったがクール後半は勢いが落ちると思われ、実際一旦Sランク中堅に順位も下がったが後半はサブキャラを掘り下げ全部非常に素晴らしい出来だった。更に並行して描かれた交際開始後の雪と逸臣の描写が非常に甘々で逸臣の好感度が上昇し順位も盛り返した。クール前半は逸臣の行動には謎めいた部分が多く雪を選んだ理由も不明だったが最終話でそれが回収され、サブカップル達も含めて皆が幸せになって終わり満足度が非常に高く「フリーレン」の追撃も躱せた。

 

Sランク4位の「葬送のフリーレン」は連続2クール作品の17話から始まる後半クール分であり、1クール丸ごとが一級魔法使い選抜試験について描かれる試験編となっている。もともと極めてハイクオリティでエピソードの完成度も高くキャラの魅力も高い作品であったが前半クールは物語の本筋にあまり動きが無くて低めに評価しA+ランク上位だった。この後半クールも本筋の動きが乏しい点は変わりないが試験編そのものが1つの完結性の高い物語となっていて、物語としての完成度はオムニバス形式だった前半クールよりも格段に上であった。更に各エピソードの出来も相変わらず良くて多数の魅力的な新キャラも増えて多彩な魔法戦アクションもかなり派手に描かれて前半クールに比べてエンタメ力が増した。ただ物語としての完成度の高さというのはクール前半からの積み重ねが活きてきたクール後半になって判明してきたことなので、クール前半は前半クールよりやや高めのA+ランク上位評価であった。それが終盤前の24話あたりで物語が繋がってきてSランク下位に入ってくるようになり、クール前半に上位作品ほどの勢いが無かったのは事実なのでSランク6位か7位あたりで終わるかと思ったのだが、ラスト4話の出来が素晴らしすぎて、特に27話と最終28話は完璧な最終エピソードとなっていて一気にSランク4位まで上がってフィニッシュした。

 

Sランク5位の「戦国妖狐 世直し姉弟編」は分轄3クール作品の第1クールであり、戦国時代を舞台とした時代劇バトルファンタジーで神や妖怪のような存在である「闇」と人間との関りを描いた作品。ひと昔前の少年漫画の王道のようなアツい展開でドタバタ描写もありながら「本当の強さ」を求めるしっかり硬派で骨太な奥深い物語が描かれるのが特徴だが今期で描かれた物語は第2クール以降の本編に繋がる序章でありストーリーとしては中途半端な印象。ただ物語の質はかなり高く各話の完成度も高い。特にクール前半は2話でメインヒロインの1人の灼岩が登場してから物語が本格的に動き出し、第7話で灼岩が眠りにつき退場するところが最初のピークとなり、この7話までの展開は1つの物語としてもしっかりと成立していて、その後日談的な8話まではSランク上位に評価出来ていた。ただ9話と10話の修行編、11話から最終13話までの最終決戦編は夏にやる第2クールに繋がる序章としての作りになっていて、主人公の迅火が闇落ちしてラスボス化する最終話を筆頭に毎話ものすごく盛り上がる内容ではあったものの、物語の方向性が割と混沌としてしまい今期分の話としてはクール前半ほどの完成度は無くSランク上位からは零れた。

 

Sランク6位の「SYNDUALITY Noir」は去年夏の1期の続きの2期で、1期でしっかりキャラの魅力を描き伏線を配置していった後を承けて13話から始まった序盤から一気に物語が動き出して、宇宙港での決闘、ノワールとミステルの昏睡、アメイジア跡地での戦いと怒涛の展開が続き、18話、19話でシエルとの別離が描かれたあたりで勢いがピークに達して更に20話で主要キャラ達の過去の謎が一気に明かされて残る4話の終盤に壮大な盛り上がりを予感させた。このあたり終盤前までは全作品中最も展開が早かったのもあって「ブレイバーン」や「まほあこ」を抑えて1位に立っていたのだが、終盤4話では20話までに示唆されていた壮大な世界観について深く掘り下げるよりもキャラ同士の人間ドラマをメインにして描写されることになった。それはそれで終盤4話のストーリーを綺麗にまとめてイストワールでの決戦も含めて感動のフィナーレに持っていく効果はあったが、終盤に明かされると思っていた壮大な世界観が謎のまま終わったりしたことで全体のストーリーが当初予想していたよりは少し薄味になってしまい、下位作品が終盤かなり盛り上げたぶん追い抜かれてしまった。しかし1期時点の予想以上の大躍進を遂げた作品だった。

 

Sランク7位の「姫様”拷問”の時間です」は魔王軍に捕まってしまった姫様が秘密を聞き出すために拷問を受けるという話だが、その拷問が美味しい食べ物や楽しい遊びなどの誘惑に耐えるというものであり、いつも姫様が屈してしまったり、屈した後は拷問官と楽しく遊んだりというカオスな癒し展開が繰り広げられるナンセンスコメディ。初見のインパクトは絶大であったがすぐに飽きるだろうと思っていた。だが様々な特徴のある拷問官が次々と登場してきて多彩な拷問を繰り出してきて、丁寧な作画と演出と声優の神演技で全く飽きさせることはなかった。基本的にシュールでバカバカしい世界観でしょうもないことをしているだけなのだが時々感動展開もあったり凶悪な見た目で妙に人格者の魔王様とかマニアックなネタで攻めるエピソードなど手を変え品を変えて笑わせ続け優しい世界で癒してくれた。ストーリー面はかなり弱いので中盤以降はA+ランク最上位で待機となっていたが終盤に入ってもずっと遊び心が衰えることがなく最後までやりたいことをやりきったのを評価してSランクとした。

 

Sランク8位の「悪役令嬢レベル99」は乙女ゲーム世界の悪役令嬢に転生してしまった主人公がバッドエンドを回避しようとする二番煎じっぽい設定の作品なのだが、主人公がレベル上げに励んだ結果世界最強になってしまい魔王だと誤解されたり、変人なので周囲に誤解されて怖がられたりするという大迷惑なコメディ展開がハイテンポで連発していく。1話で乙女ゲームをパロった大胆な構成で魅せてくれて3話ぐらいまでは乙女ゲームをベースにした展開であったが4話ぐらいから主人公ユミエラが暴走し始めて爆笑展開が連発し、同時に魅力的なサブキャラと絡む意外に深みのあるストーリーも魅力でA+ランク上位に常駐するようになる。ただ本筋はあくまで異世界転生作品のテンプレ展開なのでなかなかSランクに上げるという発想にはならずネタの濃さ次第となっていったのだが8話のドラゴン回がカオスすぎてSランクに上げるしかなくなり、その後も濃いネタ連発とラブコメ感動展開もあり勢いを維持していき最終話も派手なバトルで綺麗に物語を締めたので、結局Sランクに残ることになった。

 

 

そしてA+ランクですが、最終的に5作品となりました。ただ最終盤になってもかなり流動的な状況が続いていて、最上位にはSランクとのボーダーラインの準Sランク作品として「葬送のフリーレン」「姫様”拷問”の時間です」「悪役令嬢レベル99」が存在していたが、これら3作品は最終的には全てSランクに上がっていった。

その3作品のすぐ下あたりに「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」があって、これは終始一貫してA+ランク上位に安定していたが、内容的には非常に面白かったがスローテンポなのでSランクには届かず、最終話でサプライズでもあれば一縷の可能性はあったが謎を多く残して中途半端に終わったのでA+ランク最上位でフィニッシュした。

その更に下位はかなり流動的で、最終盤には「結婚指輪物語」「メタリックルージュ」「ダンジョン飯」「薬屋のひとりごと」「治癒魔法の間違った使い方」あたりがエピソードの出来によってA+ランクからA-ランク上位の範囲内で順位をかなり上下させる状況が続きました。そして最終的には、クール全体を通して絶好調とはいえなかったが最後はしっかり盛り上げて綺麗に締めて挽回した「薬屋のひとりごと」と「ダンジョン飯」がA+ランクの高めの順位でフィニッシュして、最後は中途半端に終わったもののその前にかなり盛り上げた「治癒魔法の間違った使い方」がそれに続いた。

その一方で「結婚指輪物語」は終盤ちょっと残念な出来でA-ランクに落ちていき、「メタリックルージュ」もあまり盛り上がらずにズルズルとA-ランクに落ちていった。それに代わって、ずっとA-ランク上位で安定していた「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので辺境でスローライフすることにしました」の2期が最後しっかり盛り上げて綺麗に物語を締めたのでA+ランク最下位に昇格してきました。

A+ランクの5作品の総評としては、本来はA+ランク最上位でもおかしくなかった「姫様”拷問”の時間です」と「悪役令嬢レベル99」の2作品が最後にSランクに上がってしまった結果、A+ランク上位相当の作品が「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」1作品だけとなってしまい層が薄めになってしまったという印象。残り4作品の「薬屋のひとりごと」「ダンジョン飯」「治癒魔法の間違った使い方」「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので辺境でスローライフすることにしました」はそれぞれ物足りない点も割と目立つ印象だったのでA+ランク下位相当といえます。

 

「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」は7回転生している令嬢リーシェが過去6回の自分の死亡の原因となっている敵国の皇太子の婚約者になるという話で、全くノーマークの作品だったが非常に面白かった。序盤は単なる主人公無双モノかと思ったが、中盤以降のエピソードは脚本のレベルがとても高く映像面でも見せ場が多く、ちょっとシュールなギャグも恋愛描写も見応えがあった。メイン2人のキャラの魅力も非常に高かった。ただスローテンポな作劇なので溜め回が多めであり、あまりに壮大な物語なので物語が本格的に動く前に終わってしまったので、Sランクには届かなかった。

 

「薬屋のひとりごと」は連続2クール作品であり今期は後半クール分であった。全体的にハイクオリティな中華風のミステリー作品であり前半クールはオムニバス風に事件が描かれていて後半クールは本筋が動き出すのを期待していたのだがクール前半は地味な展開が続きA-ランクに低迷することになった。しかし中盤でこれまでの全ての伏線が回収されて一気に盛り上がったのでA+ランクに上がりここから更に盛り上がるのが期待されたが、期待ほどは盛り上がらず多くの謎は持ち越しとなった。ただ終盤は猫猫の出生の謎が明かされ羅漢の過去話も盛り上がり綺麗に1期を終えたのでA+ランク上位のすぐ下で終わった。

 

「ダンジョン飯」は今期分は連続2クール作品の前半クール分であり、ライオス一行がダンジョンの魔物を食べながらダンジョン内を進んでいく展開がオムニバス風に描かれていく。キャラに魅力があり個々のエピソードも作り込みが緻密で作画もハイレベルでストーリーも面白く見応えはあったが、私が異世界ダンジョン作品にあまり詳しくないので理解出来ないネタも割と多かったのは少しマイナス要素。それに本筋の話がほとんど進まない展開がずっと続き少しダレて一時期はA-ランクに落ちていた。ただ終盤のドラゴン退治編は非常に盛り上がってファリン救出にも成功して評価が急激に上がってA+ランクに戻った。

 

「治癒魔法の間違った使い方」はギャグと熱血展開多めの異世界転生モノだが、序盤のウサト達が転生した当初の展開はキャラの面白さもあってA+ランク評価でスタートした。しかしその後は修行パートが長くて随所は面白くて見応えもあったがやはりちょっとダレてA-ランクに落ちていた。だが終盤に入ってローズ団長の過去編が意外にもアツくて、更にその後の魔族との戦争編が非常に盛り上がって一気にA+ランクに返り咲いた。最後は中途半端なところで終わるのでまた評価が下がるかもしれない思ったが新キャラの魅力もあって何とか持ちこたえた。基本的にキャラ同士のアツい遣り取りが高評価に繋がった作品。

 

「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので辺境でスローライフすることにしました」の2期は主人公のレッドと仲間たちのスローライフを描く日常話がメインで、ユルくてしょうもない話も多いがキャラに魅力があるのと意外にテーマが深くて上手くイイ話にオチをつけてくるので楽しく観れてしまう。ただ、それだけならば1期と同じくA-ランク最上位止まりであり実際そういう位置でずっと推移していたのだが、終盤に盛り上がってきた勇者ヴァン絡みの物語が意外に出来が良くて1期序盤の伏線も回収して綺麗にまとめて、更に最後はレッドとリットが婚約してハッピーエンドになったので評価を上げた。

 

 

A-ランクは最終的には5作品となりましたが、最終盤に入った段階で「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので辺境でスローライフすることにしました」「外科医エリーゼ」「道産子ギャルはなまらめんこい」「異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます」あたりはA-ランクに固定したような状況で、あとは「結婚指輪物語」「メタリックルージュ」「ダンジョン飯」「薬屋のひとりごと」「治癒魔法の間違った使い方」あたりがA+ランクとの間で流動的であった。

そうして最終的には「結婚指輪物語」「メタリックルージュ」がA-ランクに落ちてきて、「ダンジョン飯」「薬屋のひとりごと」「治癒魔法の間違った使い方」はA+ランクに上がって行った。もともとの固定A-ランク作品のうち「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので辺境でスローライフすることにしました」は最終的にA+ランクに上がり、「道産子ギャルはなまらめんこい」「異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます」はA-ランク下位に落ち着く一方、「外科医エリーゼ」は最後それなりに盛り上げてA-ランク上位に上がった。「結婚指輪物語」は最後はイマイチな終わり方をしたのでA-ランク最上位は「外科医エリーゼ」と「メタリックルージュ」の競争となったが最終的にしっかり物語を締めた「メタリックルージュ」が最上位となった。

A-ランクの5作品の総評としては、「メタリックルージュ」は内容的にはあまり評価していないがクオリティの高さとちゃんと完結したのでA-ランクならば最上位という印象で、むしろ「外科医エリーゼ」の方が予想外の健闘で好印象。「結婚指輪物語」は終盤さえちゃんしてればA+ランクだったと思うので惜しい印象。「道産子ギャルはなまらめんこい」「異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます」は視聴を切るほどではなかったがちょっと残念な出来でした。

 

「メタリックルージュ」は説明不足すぎて分かりにくいSF物語だったがあまり話が盛り上がらずアクションも意外につまらなくて光るところのない作品になってしまった。それでも内容を理解出来れば割と面白い設定で一応サクサクと話が進んでいくので普通には見れた作品だった。強引な畳み方ではあったが一応は綺麗に締めたのも良かった。

 

「外科医エリーゼ」はありきたりな異世界転生モノで医療ドラマとしてもご都合主義なところもあり物語も途中で終わってしまったが、主人公が1度目の人生でダメ人間で2度目の人生で努力した結果の3度目の人生の無双なので、ちゃんと謙虚であり努力してる人へのリスペクトもあるアツい好人物なのが素晴らしい。すれ違い恋愛も良かった。

 

「結婚指輪物語」は愛と冒険に絡めたハイファンタジーの物語として割と完成度が高くて当初はA+ランク評価にしていたが、中盤以降は物語が予想していたよりは盛り上がらず横ばい状態となり、ハーレムラブコメ要素は当初から機能しておらず、終盤はバタバタ詰め込みショボくなり強引にまとめたのに中途半端な終わり方をして評価を下げた。

 

「道産子ギャルはなまらめんこい」は序盤は北海道に転校してきた主人公とヒロインの絡みが面白くてエピソードの出来も良くてA+ランク評価だったのだが、結局はラブコメ展開がほとんど動きが無くて単なるイイ話が多めの青春学園ドラマになってしまい見応えがあまり無かった。それでもエピソードは綺麗にまとまっていたので完走は出来た。

 

「異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます」は転生した主人公が異世界の動物と絡んだり差別社会と向き合ったりする序盤は面白かったのだが、中盤以降に異世界の魔物と絡んで冒険を始めてからはありがちな描写が多くなって陳腐化した。それでもストーリー展開は興味深かったが最後は中途半端に終わってしまったのは残念でした。

 

 

BランクとCランクについては全て途中で視聴を打ち切っているので大したことは言えない。途中で切っているぐらいだから低評価しており基本的に悪口になるが最後まで見ていないので見当はずれな評価である可能性も高い。スロースタートな名作というものもあるのは承知してるので切った作品を全否定する気は無いが、最初から面白い作品が1クールに多数ある中で最初からあまり面白くない作品を視聴するのは物理的にどうしても難しいので仕方ない。

まずBランクは6作品で、ここは自分の嗜好に合わないから視聴を切った感が強くて、好みが合う人なら高評価する人もいるのだろうとは思っている。「魔都精兵のスレイブ」はエロの嗜好が合わずアクションシーンが中二病感が強く話のテンポも悪かったので途中で飽きた。「最強タンクの迷宮攻略」はエピソードの出来は悪くなかったがアクションがつまらなくて物語の方向性も見えなくなってきて切った。「ぶっちぎり?!」は笑える場面もあったが何がやりたいのかよく分からず主人公の性格がどうにも好きになれず途中で切った。「最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました」は序盤ちょっと話の意味が分からず、その後も話がなかなか進まず暗くて面白く感じられず途中で切った。「魔女と野獣」はミステリーとしてちょっと良かったが話がどうも進まずグロくて暗くて途中で切った。「望まぬ不死の冒険者」はとにかく暗くて話も進まなくて、イイ話もあったけどやはり無理だった。

一方でCランクは嗜好が合わないというのはもちろんだが、それ以前に出来が良くないと普通に思った作品であり、「佐々木とピーちゃん」は色んな要素盛り込み過ぎで意味不明な作品だった。「俺だけレベルアップな件」は作画が良いだけで内容はありきたりで話のテンポも悪かった。「愚かな天使は悪魔と踊る」はギャグが寒すぎてヒロインも不快だった。「異修羅」はキャラ紹介が延々続いた。「即死チートが最強すぎて異世界のやつらがまるで相手にならないんですが」はサイコパスしか出てこなくて不快だった。

あと、0話切りや1話切りした作品の中では、視聴を切ったことを後悔した作品は特に無いが、「アンデッドアンラック」や「ラグナクリムゾン」の後半クール、「HIGH CARD」や「マッシュル」や「弱キャラ友崎くん」の2期はそれなりに面白かったらしいですね。

 

 

なお、クール開始前の期待順位との照合ですが、事前の期待順位は下記の通り。

 

1位 メタリックルージュ

2位 僕の心のヤバイやつ(第2期)

3位 薬屋のひとりごと

4位 葬送のフリーレン

5位 ぶっちぎり?!

6位 SYNDUALITY Noir 第2クール

7位 ダンジョン飯

8位 魔法少女にあこがれて

9位 戦国妖狐

10位 姫様”拷問”の時間です

 

一応は上記10作品が本命グループということになっていますが、実際のところ事前に私が本命作品と見なしていたのは「僕の心のヤバイやつ」「メタリックルージュ」「薬屋のひとりごと」「葬送のフリーレン」「SYNDUALITY Noir」「ぶっちぎり?!」あたりであり、「ダンジョン飯」「魔法少女にあこがれて」「戦国妖狐」「姫様”拷問”の時間です」「異修羅」「勇気爆発バーンブレイバーン」「魔女と野獣」「ゆびさきと恋々」「道産子ギャルはなまらめんこい」「愚かな天使は悪魔と踊る」「魔都精兵のスレイブ」あたりをダークホース候補としていた。

こうした事前予想と結果を照合してみると、本命と期待していた作品のうちでは「僕の心のヤバイやつ」と「葬送のフリーレン」と「SYNDUALITY Noir」はほぼ期待した通りのドンピシャの結果だったと言っていい。一方で「メタリックルージュ」と「ぶっちぎり?!」は大きく期待を下回る結果となったが、もともと確実性が低いことが分かっていて過度に期待をかけていた作品であったので、そんなに大きく期待を裏切られたという印象は無い。「薬屋のひとりごと」は期待していたよりもだいぶ順位が低い結果となったが、前半クールとほぼ同じ評価であり、これも後半クールに過度に期待したせいなのだろうと思う。

ダークホースとして期待していた作品の中では、まず「姫様”拷問”の時間です」は順位予想がほぼドンピシャぐらいで期待に応えてくれましたが、実際はそれほど期待していたわけではないので予想以上の結果だったという印象が強い。「戦国妖狐」も期待していた以上の結果でした。「ゆびさきと恋々」はかなり予想を上回った結果を残してくれた今期を代表するダークホースの1つとなりました。そして何と言っても今期において最高の結果を残してくれたダークホース作品は「勇気爆発バーンブレイバーン」と「魔法少女にあこがれて」でした。一方でダークホースとして高めに期待していた作品の中では「ダンジョン飯」は期待していたほどではなく「異修羅」は途中で切ってしまいました。

また、全くノーマークだった作品の中では「悪役令嬢レベル99」が最大の成果を残し、ある意味では今期最大のダークホース作品となった。「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」もノーマークから大躍進した作品であり、「治癒魔法の間違った使い方」もノーマークながら良い結果を残しました。A-ランクではあったが「外科医エリーゼ」も全く期待していなかった作品ながら良い出来でした。

総括すれば、期待作自体が少なかった中では期待の的中率は高めであり、期待を上回る作品が多めだった。更に大きな結果を残したダークホース候補やノーマーク作品も多めであり、全体的に事前予想を上回る成果を残したクールだといえます。

 

あと、続編の状況ですが、途中で視聴を切った作品は続編があっても観ないのでどうでもいいとして、最後まで視聴した作品の中で途中で視聴を切った作品は続編があっても観ないのでどうでもいいとして、最後まで視聴した作品の中では「戦国妖狐」「姫様”拷問”の時間です」「薬屋のひとりごと」「結婚指輪物語」は2期の制作が発表されました。このうち2期の放送時期が確定しているのはもともと分轄3クール放送が決まっていた「戦国妖狐」のみであり2024年夏クールから秋クールにかけて連続2クール放送で完結します。また「ダンジョン飯」はそのまま継続して後半クールが春クールで現在放送中です。一方で今期で完結した作品は「SYNDUALITY Noir」「勇気爆発バーンブレイバーン」「メタリックルージュ」の3作品でした。

このように見てみると、続編確定作品の数は通常レベルだが完結作品は少なめだといえます。そうなると、続編を作る余地がありながら続編制作の発表の無いのは「魔法少女にあこがれて」「僕の心のヤバイやつ」「ゆびさきと恋々」「葬送のフリーレン」「悪役令嬢レベル99」「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」「治癒魔法の間違った使い方」

「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので辺境でスローライフすることにしました」「外科医エリーゼ」「道産子ギャルはなまらめんこい」「異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます」の11作品ということになり、やや多めといえます。

これらの中には続編の告知が無かったのが意外な作品が多い。「魔法少女にあこがれて」「僕の心のヤバイやつ」「ゆびさきと恋々」「葬送のフリーレン」は人気が高かったので続編の告知があるものだと思っていたが、告知が無かったのは意外でした。ただ「僕の心のヤバイやつ」と「ゆびさきと恋々」の2作品は原作漫画はこの後も話は続いているがアニメ版は完結作品っぽく上手く締めていたので、続編は作られない可能性が高いでしょう。「葬送のフリーレン」は確実に2期は作られるとは思うが、すぐに告知が無いということは2期はすぐには作られないのでしょう。「魔法少女にあこがれて」は2期の告知が無かったのは意外でもあるし納得でもある微妙な作品だが、出来れば2期をやってほしいので待望したいと思う。

残りの作品のうち、「悪役令嬢レベル99」と「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので辺境でスローライフすることにしました」の2作品は完結作品のように上手くまとめて終わったので続編が作られる可能性は低そうです。一方で「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」「治癒魔法の間違った使い方」「外科医エリーゼ」の3作品はかなり中途半端なところで終わっているので続編の告知が無かったのが意外な印象だったが、こういうなろう系原作の場合はこんな感じで続編が作られないパターンが多いのであまり期待はしていない。ただ続編がもしあるなら見たいとは思う。

「道産子ギャルはなまらめんこい」は物語の途中で終わったが、そもそも物語が大して動いてなかったのでこのまま2期が無くても別にいいような気がする。「異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます」は思いっきり話の途中で終わったが最後ものすごく強引にまとめて終わったのでたぶん2期を作る気は無いのでしょう。