2024冬アニメ 3月27日視聴分 | アニメ視聴日記

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日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年冬アニメのうち、3月26日深夜に録画して3月27日に視聴した作品は以下の1タイトルでした。

 

 

悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~

最終話、第12話を観ました。

今回は遂に魔王との戦いが描かれました。なんだかアニオリ展開で綺麗にまとめたみたいで、原作小説はこの後も話は続いているようですがアニメでは1期で綺麗に話をまとめるためにアニオリにしたようですね。上手くまとめられていたとは思いますが、上手くまとめることが重視されていて、いつものギャグのキレはちょっと不足していたと思いますし、ものすごい感動展開というわけでもなかった。ストーリーそのものはしっかりしていたし、クライマックス的な盛り上がりはありましたけど、この作品の持ち味が出ていたかというと、ちょっと疑問符はつきましたね。やっぱりユミエラがムチャクチャするのがこの作品の魅力なのであって、ユミエラがマトモな人になるとあんまり面白くない。

ただ、ここまでのエピソードがずっと面白かったですから、最終話でちょっとトーンダウンするぐらい、特にラノベ原作の場合は許容範囲内です。前回までの突き抜けた面白さと、最終話を綺麗にまとめたことを合わせて考えて、ギリギリSランクでいいんじゃないかと思います。やはり乙女ゲームの闇落ち裏ボス展開を逆手にとったパロディを感動的なストーリーにまで昇華させた構成力は唯一無二のものとして、ギャグ面以外でも評価はすべきであり、そこに関しては最終話まで一貫していましたし、十分に今期におけるスペシャルな作品の1つであったと思います。

今回の内容としては、まず魔王の配下の魔物の軍勢をアドルフ騎士団長の率いる王国軍と、パトリック率いる王立学園の精鋭たちが迎え撃っている間、ユミエラはアリシアとエドウィンとウィリアムとオズワルドと一緒に魔王を討つために魔王城に到着したという展開から始まります。

ここで、そもそもどうしてバルシャイン王国の辺境に魔王城があるのかという疑問がオズワルドから出されて、エドウィンもそのことには以前から疑問を抱いていて独自に調査をしていたが結局よく分からなかったとのこと。これは後で真相が判明しますが、王家による隠蔽があったわけで、そこに疑問を抱いて調べていたわけですから、バカ王子みたいに描かれてはいましたが、やはりエドウィンはそれなりに聡明な王子だったようですね。むしろ問題があったのは王家の方であったようです。

ユミエラの方は、この魔王との戦いでゲームシナリオ通りにアリシアに魔王を倒してもらって聖女になってもらいエドウィンと結婚してもらいたい。さもなければ自分が魔王と戦う羽目になり、魔王を倒して聖女になりエドウィンと結婚させられてしまう。ユミエラには既にパトリックという相手がいるし、もともと王族になどなる気は無いので、それは困るのです。

しかし黒い甲冑に身を包んだ魔王との戦いが始まると、魔王はかなり強くてアリシア達では歯が立たなかった。ゲームシナリオではアリシア達の力で魔王を倒せたはずなのですが、この世界ではユミエラがシナリオを歪めてしまった影響があるからなのか、アリシア達のレベルはこの段階で魔王と戦うには足りなかったようです。ユミエラも責任を感じてあんなにスパルタ特訓でアリシアのレベル上げを手伝ったりしてたんですけど、僅かに及ばなかったみたいですね。

それで仕方なくユミエラが魔王と戦うことになりますが、魔王はユミエラが自分と同じ闇属性の魔法を使うことを知ると、自分の仲間になるようにと勧誘してきます。ユミエラがそれを拒否して魔王の甲冑を斬ると魔王の素顔が現れて黒髪の男であることが分かった。魔王は元は人間でバルシャイン王国の初代国王であった勇者の第一の側近だったのだという。彼は建国に尽くして初代国王に忠誠を尽くしていたが初代国王は建国が成ると彼を警戒して辺境の領地に封じて裏切り者の汚名を着せて討伐しようとした。それに対する怒りと恨みで彼は魔王になってしまい、その後、魔王と初代国王の戦いが続き、最終的に魔王は古代の秘術で封印され、初代国王は勇者となり、魔王を封印した者が聖女となったのだという。そして初代国王は彼が魔王になって経緯や魔王の正体については自分に都合が悪いので隠蔽したのでした。だからエドウィンが調べても何も分からなかったんですね。

魔王はバルシャイン王国に恨みを持っていたので、魔王が攻撃する対象はバルシャイン王国だけだった。そのことはバルシャイン王国では王家により歴史の捏造によって貴族や民衆は知らされていなかったが、他国の王家などでは知られていたことであったので、それで他国の諜報員は「魔王が攻撃するのはバルシャイン王国だけ」ということを知っていたのですね。前世でゲームをプレイしていたユミエラは魔王が元は初代国王の側近であったが闇落ちして魔王となったことは知っていたが、魔王が人間全般を恨んでいると思っていたので他国にも脅威なのだと思っていた。しかし魔王がバルシャイン王国だけを攻撃対象としていると聞いて最初は意外に思って困惑したが、それによってユミエラは魔王にも人間性が残っているのだと気付くことが出来た。

魔王の方は髪の黒い自分が魔王となって初代国王と争った結果、バルシャイン王国では黒髪差別が生まれたのだと言い、人間は愚かだと蔑み、ユミエラにも理不尽な黒髪差別で苦しみがあったであろうと同情し、愚かな人間に見切りをつけて自分の味方になり共に恨みを晴らそうと誘ってくる。もともとのゲームシナリオでのユミエラであったならば、魔王のこのような誘いが無くても闇落ちしたぐらいであるから、このような誘いに簡単に屈してしまったことでしょう。

しかし、この世界のユミエラは魔王の誘いをキッパリと拒絶します。この世界のユミエラは元のゲーム世界のユミエラとは違い、黒髪で闇魔法使いであることを承知の上でユミエラを友として受け入れてくれている人々をこのバルシャイン王国に持っているからです。ユミエラはそういう人たちを見捨てる気は無いと言う。それに対して魔王は、人の心は移ろいやすいものだから、いずれその連中がユミエラを裏切るだろうと指摘する。魔王自身が信頼していた初代国王に裏切られたのだからそう思うのも当然です。だがユミエラは、自分はもしそうなったら自分が友だと信じていた人々の幸せのために戦わずに逃げる道を選ぶと答える。そして、魔王にも戦わずに逃げてもう誰も傷つけずに生きることを勧める。魔王にもまだ人間性が残っており、バルシャイン王国への恨みだけで戦っていることが分かっていたので、いっそ遠くの地に逃げた方が安らかに暮らせるのではないかと思ったのです。それを聞いて魔王は「それもいいかもしれん」とは言ったが、今更自分にはそれは無理だと拒絶する。自らの憎しみを燃やし尽くすために長い年月を生き延びてきたのだと言う魔王との交渉は決裂し、ユミエラと魔王は激突し、魔王はブラックホールを繰り出しますが、ユミエラの剣が魔王を斬り捨て、魔王は「これが本望だ」と言ってブラックホールに呑み込まれて消えていき、ユミエラは悲痛な表情で魔王の最期を見届ける。

その後、魔王城はブラックホールに呑み込まれて消えていき、ユミエラたちは脱出したが、ユミエラはこのままでは聖女にされてエドウィンと結婚させられてしまうと危機感を抱く。だが突然、背後からアリシアに刺されてしまう。普通は刺されたぐらいではノーダメージのユミエラであったが、アリシアはダンジョンで手に入れていた光属性の剣でユミエラを刺していた。これは魔王も倒せる剣であったので、背後からこの剣で心臓を貫かれたユミエラはさすがに即死するところであったが、パトリックに「今日だけは着けてくれ」と言って持たされていた守護の護符のお陰で命拾いした。

どうやらアリシアはまたゲームシナリオの強制力に操られているようだった。もともとのゲームシナリオでは魔王との戦いの終わった後にユミエラが闇落ちして裏ボスとなりアリシアによって倒されることになっていたから、魔王との戦いが終わった後にユミエラが傍に居たことによってアリシアにゲームシナリオの強制力が強く作用してしまったようです。

ただ、ゲームシナリオの強制力とか説明してもエドウィン達には理解が出来ないであろうから、ユミエラはアリシアがおかしくなった原因は「消える間際の魔王に呪いをかけられたから」だとウソの説明をして、エドウィン達はそれを信じる。それで、まだ立ち向かってくるアリシアを反撃して殺してしまうわけにもいかないので、ユミエラはエドウィン達にアリシアに目を覚ますよう呼びかけ続けるようにと言い、エドウィン達は必死でアリシアに呼びかけ続け、その勢いで全員が愛の告白をしそうになるが、一歩早くエドウィンが「愛してる!」と叫び、それによってアリシアは正気に戻り、エドウィンとアリシアが結ばれ、ウィリアムとオズワルドはフラれてしまう。そして、エドウィンとアリシアが結ばれたことによってユミエラもエドウィンと結婚するルートは回避することが出来て、安堵したユミエラは「お二人の愛と皆さんの友情が魔王の呪いに打ち勝ったようですね」と棒読みで言います。また、2人が結ばれたことでシナリオが先に進んだからなのか、ユミエラを殺そうとするゲームシオリオの強制力も消えたようです。

これでこの「悪役令嬢レベル99」の物語はハッピーエンドなのですが、この後、魔王軍の残党の魔物たちが襲ってきて、アリシアとエドウィンとウィリアムとオズワルドの4人が無双して魔物たちを倒していく場面が描かれ、ここでは第1話で流れた偽OP曲、つまり乙女ゲーム「光の勇者と王子様」のメインテーマ曲が流れる。ユミエラがゲームシナリオを歪めてしまったせいで魔王との戦いでは本来の活躍が出来なかった4人でしたが、ここでは本来のゲームのメインキャラらしい活躍をやっとすることが出来たのであり、それを邪魔しないように一歩引いた立場で見守るユミエラも嬉しそうです。ユミエラだってもともと「光の勇者と王子様」のゲームをやり込んでいたぐらいですから、このゲームのファンであり、アリシア達4人のことも好きだったのです。だから、こうして「光の勇者と王子様」の物語も無事にハッピーエンドとなったことを見届けることが出来て、ユミエラも安堵しており嬉しいのです。

そうして魔物たちを倒した後、パトリックもやって来て、王国中枢を襲ってきた魔物の軍勢も撃退したとのことで、バルシャイン王国は魔王軍に完全勝利し、ユミエラは平穏な日常を手に入れることが出来て、魔王を倒した勇者パーティーの1人として名を挙げて黒髪差別を減らす第一歩も踏み出すことが出来た。学園を卒業したら領地経営など忙しくなるであろうが、残り少しの学生生活を満喫してパトリックと共にレベル上げのためにダンジョンに行ったりする日常を描いて最終話は終幕となります。特に2期の告知は無かったですが、これは1期で綺麗に締めるための構成ですから、これで十分だといえるでしょう。