2024冬アニメ 2月27日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年冬アニメのうち、2月26日深夜に録画して2月27日に視聴した作品は以下の3タイトルでした。

 

 

姫様”拷問”の時間です

第8話を観ました。

今回はいきなり冒頭が学園ドラマみたいな場面から始まって、番組間違えたかと思った。いつもこの作品は「魔王軍と国王軍の戦いが云々」とかいう大塚芳忠のナレーションと「姫様は屈しない、屈しない」と言いつつ屈しまくってる姫様の映像を流す面白アバンで始まるのが常なので、そうではない始まり方をしたものだからマジでチャンネル間違えたと思ってしまいました。それで何事かと思ったら陽鬼と陰鬼の学生時代の場面でした。遂にそんなことまでやり始めた。

それでどういう回想場面なのかというと、卒業後の進路を決めなきゃいけない時期ということで、陰鬼が「誰かを幸せにしたり笑顔にしたりする仕事」ということで「拷問官」になりたいと言い出す。「いや、おかしいだろ」とツッコミを入れたくなるところだが、でもまぁ確かに現状そういう仕事になってますね。姫様はいつも幸せそうだし笑顔でいっぱいだし。

それに対して陽鬼は特に何も決めていない様子で、陰鬼は本当は陽鬼にも一緒に拷問官になろうと誘いたいのだが、陽鬼の将来は陽鬼の意思で決めるべきだと考えて口を挟んじゃいけないと思って遠慮する。それで陽鬼がどうしたらいいかと助言を求めてきた時も陰鬼は「陽ちゃんの好きなものとか、長く続けてきていることとか、そういう関係の仕事はどうかな?」と言う。すると、それを聞いて陽鬼はしばらく考えて「よし、私も拷問官になる」と言い出す。陰鬼が驚いて「どうして?」と聞くと、陽鬼は「私の一番長く続けているものといえば陰ちゃんとの友情だから」と答える。

なんか急にイイ話で始まりましたけど、この後、舞台は現在に戻り、拷問官の陽鬼と陰鬼は魔王様の前でおしくら饅頭をしている。なんか魔王軍の拷問官の昇級試験を受けているらしいのだが、2人は不合格となってしまい昇級は見送りとなる。そもそも、おしくら饅頭をしているだけで昇級出来ると考える方がどうかしていると思うのだが、2人は落ち込んで牢獄に行って姫様に泣きついて愚痴を言います。そして「どうすれば昇級できると思う?」と姫様に相談する。いや、敵の拷問官なんだから姫様に相談するのはおかしいだろ。

しかし姫様は敵であると同時に友達だからと言って相談を聞いてくれる。ちなみに今日はもう拷問は終わってヒマらしい。姫様はハンバーガーを頬張りながら2人の相談を聞いており、今日の拷問はトーチャーの飯テロ拷問であり、もう既に姫様は屈した後だということが分かる。もう拷問の描写すら無くなってしまってるのが笑える。

それで昇級試験の内容だが、2人が今回受けているのは上級拷問官への昇級試験であり、魔王様を拷問して秘密を聞き出せれば合格だそうです。それでおしくら饅頭とは一体どういうことなのかよく分からんが、魔王様もヒマな人ですね。それに魔王様みたいなチョロい相手を屈服させただけで上級とは甘い。ちなみに中級拷問官への昇級試験はペーパーテストと簡単な実地試験と講習を受ければOKだそうで、まるで原付免許みたいな安易さです。道理でこの2人みたいなのが中級拷問官をやっているわけだ。

それで姫様は「魔王の好きなものを利用した拷問をすればいい」とアドバイスする。姫様の魔王軍流の拷問法への理解度が高すぎてヤバいです。あれだけ散々やられていたらそりゃ理解も深まるでしょうけど、陽鬼と陰鬼はトーチャーから少しは学んだらどうなのか。そして、その姫様のアドバイスを聞いて何やら思いついた2人は再び昇級試験を受ける。ちなみに魔王様に頼めばいつでも試験をやってくれるらしい。魔王様どんだけヒマやねん。

そうして2人は再び魔王様の前でおしくら饅頭を披露して、今回はそこにマオマオちゃんが加わる。前回と同じだと油断していた魔王様は驚愕する。そして2人は「混ざりたかったら秘密を話すんだ!」と魔王様に迫り、魔王様はマオマオちゃんと一緒におしくら饅頭をしたいという誘惑に抗えなくなり「アニメのラストバトルでOP曲がかかる演出に弱い」という全くどうでもいい秘密を喋ってしまう。なるほど前回の不合格になった時は2人のおしくら饅頭に混ぜてやる代わりに秘密を喋るよう魔王様に迫って、この2人とのおしくら饅頭に全く興味の無い魔王様によって不合格にされていたのですね。ところが姫様のアドバイスにヒントを得てマオマオちゃんという魔王様の大好きなものを混ぜることで2人は合格を勝ち取ったわけです。いや、魔王様が相手ならおしくら饅頭にこだわらなくてもビールで十分だろとは思うが。しかし、姫様のアイディアで魔王様が拷問されるとか、何とも倒錯した展開になってきました。

続いては姫様とジャイアントが一緒に夜のお散歩をする話となります。一緒に風呂に入った後、ジャイアントが今日はもう拷問の予定は無いのかと姫様に尋ねると、姫様が「屈したよ。今日はあと寝るだけ」と爽やかに答えるのには爆笑しました。またもや拷問の描写すら割愛されてる。それでジャイアントは一緒にコンビニにアイスを買いに行こうと言い出し、2人で冬の夜道を歩くことになります。なんかかなり田舎で星空が綺麗なんですけど、相変わらず世界観が謎です。

それで、姫様が散歩の楽しさを知らないというのでジャイアントはわざと遠回りの道を行こうと言い出し、歩きながら星空を指さして冬の大三角形の話をして盛り上がったりする。そして姫様は初めて星空が綺麗だということを知ったと感激し、ジャイアントはこれからもゆっくり色んなものを見つけていこうと言い、2人で微笑み合う。いや、それっていつまでも魔王城に囚われているってことなんですけど、姫様それでいいのかよ。結局コンビニに着く頃には身体が冷えてしまいアイスじゃなくて2人で肉まんを食べました。いや世界観がやっぱりムチャクチャです。

そして続いてはようやく拷問タイムとなりますが、今回は新たな拷問官が登場します。それはバニラという上級拷問官で、残忍で知られる吸血鬼の名家の娘だそうです。バニラは陽鬼とか陰鬼とかトーチャーみたいな生ぬるい拷問は好まず、相手に苦痛を与えて秘密を聞き出すという、どちらかというと世間的には正統派の拷問官みたいです。その話を聞いて姫様も身構えますが、しかしバニラが今回指定した拷問は遊園地の絶叫コースターだった。

バニラは姫様を遊園地に連れていくと、絶叫コースターを見せて「泣いて許しを乞い秘密を話すのであれば乗らずに済ませてやってもよい」と脅して姫様を屈服させようとする。確かにトーチャー達とは方向性が真逆です。トーチャー達は姫様が欲しがるものを与える代わりに秘密を聞き出すのですが、バニラは姫様が嫌がるものを引き下げる代わりに秘密を聞き出そうとしてくるのです。しかし姫様は絶叫コースターが楽しそうだと思い興味津々であり、秘密を話す気は無さそうです。

ここでまずバニラの思惑は崩れてしまった。事前に姫様を屈服させることが出来なかった以上、こうなると姫様を絶叫コースターに乗せて怖がらせるしかなくなる。そして、もし姫様が絶叫コースターに乗った後で怖くなって屈服して秘密を話し始めたらそれを聞かねばならないので拷問官であるバニラも一緒に絶叫コースターに乗らねばならない。しかしバニラはそもそもこの拷問を「絶叫コースターは恐ろしいものだから姫も怖いに違いない」という先入観で立案しているぐらいだから、バニラ自身が実は絶叫コースターが怖くて仕方がないのです。

それでバニラは姫様の隣に乗って、絶叫コースターが登っている間、ずっと姫様に早く秘密を喋ればコースターを止めてやってもいいから早く秘密を喋れと必死で懇願するのだが、姫様は楽しみすぎて聞く耳を持たず、そのままコースターは走り出し、姫様は大喜び、バニラは恐怖に震えて、逆にバニラが拷問を受けてしまい「ぬいぐるみが無いと眠れません」と自分の恥ずかしい秘密を喋ってしまう始末。いや別に秘密を喋らんでもいいんだけど、魔王軍の連中はみんな律儀ですね。

そこで姫様は初めてバニラがジェットコースターが苦手だということに気付き、バニラは吸血鬼の名家の娘である自分がジェットコースターなんかが苦手なんて知られたらもう御仕舞だと落ち込む。しかし姫様は「苦手なのに拷問のために乗ったのか」と驚き「凄い覚悟だ。尊敬するよ!」と言ってバニラを褒める。そしてバニラに手を差し出して手を握ってやり「私が守ってやる」と言う。そのまま再びジェットコースターは走り出し、再びバニラは激しい動きに翻弄されますが、手を握ってくれている姫様から褒められた自分の覚悟に自信を持てたことによって、さっきと違って怖さは感じずに済みました。

そうして結局、拷問は失敗に終わってしまい、バニラは「敗者は秘密を話さねばならない」という魔法軍の謎ルールに従い、姫様に自分から聞きたい秘密を教えるようにと告げる。すると姫様は「お前も一緒に楽しめるアトラクションを教えろ。どうせ遊園地に来たのだから一緒に楽しもう」と応える。それでバニラも姫様と遊園地で楽しく遊んだのでした。だがバニラは今回は失敗したが次回こそは姫様から秘密を聞き出そうと何やら企んでいるようで、次回以降もまた性懲りもなく何かをしてくるようです。そういうわけで今回はここで終わり次回に続きます。

 

 

SYNDUALITY Noir 第2クール

第20話を観ました。

今回は、まず前半パートではパスカル博士の遺したデータによってノワールとミステルの過去が明らかとなり、後半パートではマハトとトキオの過去が明かされました。同時に、前半パートと後半パートの情報を総合することによって、アメイジア末期からイデアール結成までの歴史の流れが大体判明しました。そして本筋の物語としては、ミステルは亡きパスカルからイストワールへ到達するという夢を託されカナタと共にその実現を新たに誓い、ヴァイスハイトやマハトもまた改めてイストワールに辿り着くことを誓うということになり、次回以降のラスト4話は一気に物語がクライマックスに突入して、いよいよ両陣営の激突を経てイストワールの謎が解明されていくことになりそうですが、ノワールがその謎の解明の鍵を握ることになりそうです。

ただノワールに関してはまだシエルの死のことも、シエルのボディを自分が引き継いだことも分かっておらず、その事実をノワールがどのように受け止めるのかは未知数です。ノワールの正体もその隠された機能もまだ謎のままであり、もともとミステルの身体に入っていたノワールがミステルから離れたことによってどういう変化を起こすのかも未知数で、まだまだ謎は多い。イデアール側もマハトやトキオについては大体状況は分かったが、ヴァイスハイトについてはまだ謎が多く、これもまたここからの終盤に何らかの描写があるのだと思います。

今回の冒頭は前回のラストシーンの続きで、ミステルが目覚めて、更にシエルのボディにデータを移動させたノワールが目覚めた段階で、データの修復が完了したことによってミステルの内部にあった亡きパスカル博士からのメッセージデータが起動して、それがミステルとノワールの新しいマスター宛てのメッセージであったのでカナタも一緒にミステルとノワールと共にそのメッセージを見ることになります。

その最初のメッセージは案内用のものであり、ミステルがコフィンのコクピットに入ることによってコフィン内の映像システムで記録されていた映像データを見ることが出来るようになっていたので、3人でデイジーオーガ内でパスカル博士からの本メッセージを見ます。それはまずアメイジアが崩壊する直前、20年前のパスカル計画の始まりから説明されていた。

アメイジア末期の頃には生まれていたヴァイスハイト達に教育を施したアメイジア復興組織の大人たちというのはパスカルと同時代人であり、それならばパスカル計画についても詳細に知っていても良さそうなものです。しかしヴァイスハイトやマハトはパスカル計画について詳しく知っていなかった。それはどうしてなのか不思議ではあったのですが、今回のパスカルの遺したデータを見た感じでは、どうやらアメイジア末期においてパスカル博士はかなり異端の科学者であり、パスカル計画についてちゃんと理解出来ていた者がいなかったようです。

というか、パスカル博士自身が自分の立案した「パスカル計画」というものについて全体的に詰め切れていなかった印象です。おそらく大きな目的としては「新月の涙以前の文明のロストテクノロジーの解明」というものがあり、そのロストテクノロジーのデータが詰まったブラックボックスのデータを開くことが具体的な目標であったようです。そのようなブラックボックスがどういう経緯でアメイジアに存在したのかは分からない。旧文明時代から引き継がれてきたのかもしれないし、何処かの遺跡で発見されたのかもしれない。ただ「ブラックボックス」というからには、アメイジアの科学力ではその中身のデータを開くことがずっと出来なかったのでしょう。

そこでパスカル博士は人間の力ではブラックボックスを開くことが出来ないのなら、メイガスの力を利用しようと考えたようです。メイガスの電脳内にブラックボックスを収納して、メイガスの処理能力を使ってブラックボックスを開こうと考えたのでしょう。ただ、アメイジアではそもそもメイガスを製造していたわけですから、メイガスの電脳をも超える処理能力を持つスーパーコンピュータ的なものは存在したはずです。当然それを使ってもブラックボックスは開けなかったわけですからメイガスの処理能力でブラックボックスを開けるわけがないと多くの科学者は考えた。

このパスカル博士のデータ映像でもアメイジアの科学者が「メイガスなど計算人形に過ぎない」と言ってパスカル計画を批判しています。機械などではなく人間が自身の想像力を成長させて、より高性能なコンピュータでも作った方が良いという考えなのでしょう。だがパスカル博士の考えは違ったようで「人間は世界と対話して成長する存在」だと反論しています。それはつまり、人間が地下世界で閉じこもって人間の力だけで成長しようとしていては限界があるのであり、メイガスと共に外の世界で成長していくべきだという考え方みたいです。

これはそのまんま前者はヴァイスハイトのようなイデアールの考え方であり、後者はトキオやカナタのようなドリフターの考え方に通じているのが興味深い。まぁ要するにパスカル博士は「メイガスは成長する存在である」と見なして、メイガスの電脳の中にブラックボックスを繋げて、そのメイガスを地上世界に連れ出して、ブラックボックス内のデータであるロストテクノロジーに関連した遺跡などを巡ることで電脳に刺激を与えることによってブラックボックスにアクセス出来るのではないかと考えたみたいです。そして、そのために作られた「パスカル計画」特別製のメイガスこそがミステルだったのです。

そうしてパスカル博士はミステルを伴って地上世界に旅立ったわけですが、どうやらパスカル博士はそのようにしてミステルの電脳内のブラックボックスを開くことが出来る可能性は確かに認めてはいたものの、具体的にどこの遺跡をどのようにして巡ればブラックボックスが開けるとか、具体的なプランは無かったようです。一応可能性はあるからやれるだけのことはやってみようという程度のアバウトな計画であり、パスカル博士自身がそんな曖昧な認識だったわけですから、結局はアメイジアの科学者たちもパスカル計画のことは「何だかよく分からない計画」としか思えなかったようです。そして、それはアメイジア崩壊後にアメイジア復興組織を経てイデアールにそのまま知識が受け継がれて、イデアールにおいても「パスカル計画」そのものは「何だかよく分からない計画」と認識されていたようです。

それで地上に行った場面で明らかになったのですが、実はパスカル博士の真意は「自分が地上世界を冒険したかっただけ」だったことが判る。老科学者であったパスカルは子供の頃から地上世界を冒険してみたいと夢見ていたようで、「パスカル計画」という名目でまんまと地上世界を冒険するチャンスを得たわけです。もちろんブラックボックスを開くために遺跡巡りもするつもりでったが、パスカルの本音は、人生の最後に地上を冒険したかったのであり、パスカル計画はそのためのダシだったわけです。だから計画も何だかよく分からないアバウトなものでアメイジアでは不評だったわけです。

ミステルは地上ではしゃぎ回るパスカルの姿を見て、自分はダシに使われたのだと気付き愕然として呆れますが、それでも今まで地下世界では知ることの出来なかった地上世界の様々な事象を見て新鮮な驚きや感動を味わうにつれて、本当にパスカルの言うように自分は成長出来てロストテクノロジーの謎も解明出来るのではないかという気になってきて、いつしかパスカルと共に地上世界を満喫するようになった。

だが、2人が地上世界でそんなふうに冒険の旅を続けている間に地下世界ではアメイジアが崩壊してしまった。そのことを知ったパスカルはミステルにはそのことは教えずに旅を続けた。メイガスであるミステルはあくまで計画の成功のために旅をしているのだから、アメイジア崩壊を知ることで旅の意義を失ってしまうのではないかと心配になったのです。パスカル博士としてはたとえアメイジアが滅んで無くなりパスカル計画の意味が無くなったとしても、人生最後の楽しい旅をこのままミステルと一緒に続けたいと思ったのでしょう。そして。そのまま旅を続けたパスカルとミステルがシルバーストームと戦う場面なんかもあり、ミステルがシルバーストームのことを知っていた理由もここで判明しました。

まぁシルバーストームの話は結構どうでもよくて、本題はその後のギザの話です。ギザの遺跡に立ち寄った時、ミステルが大気圏外からの信号をキャッチした。それに対してパスカルは「もしやイストワール!」と歓喜の表情を浮かべ、ミステルはその信号元にアクセスを試みるが、一瞬通信が繋がった後、アクセスは遮断された。このことは既にミステルが思い出した記憶としてカナタ達に説明済みの部分です。ただ、ここでミステルも知らなかった新情報として、パスカルの遺したメッセージによって判明したことですが、この一瞬だけミステルがイストワールと思われる場所とアクセスした時に、ミステルの中にイストワールからと思しきデータがまるでウイルスのように入り込み、その結果ミステルはノワールの姿に変わってしまい、意識もノワールに乗っ取られてしまったのです。この現象についてパスカル博士は「ミステルの中の新月の涙以前のデータが入ったブラックボックスに引き寄せられるようにイストワールからノワールのデータが降ってきた」と分析している。

ここで色々と整理すると、まずパスカルは「イストワール」というものを知っていた。これはまずアメイジアでは「イストワール」というものが有名であったからなのでしょう。後述のマハトの回想シーンでもアメイジアでは「イストワール」が楽園だと言い伝えられていたことが言及されている。ただ遺跡でキャッチした信号が「イストワール」からのものでないかと考えたパスカルとミステルが間髪入れずに意気込んでアクセスを試みているところを見ると、単に「伝説」と捉えているようには見えず、そもそもパスカルの旅の目的には「イストワール」も含まれていたように見える。

そして、イストワールからミステルのブラックボックスに引き寄せられるようにノワールのデータが降りてきたということは、ミステルの電脳内のブラックボックスの中のデータは「イストワール」と関連したものなのではないかと思える。つまり、パスカルが「パスカル計画」で解明しようとした「新月の涙以前のロストテクノロジー」の具体的な正体とは「イストワールに関する情報」なのではないでしょうか。パスカルとしてはまさかギザでアクセスに成功するとは予想もしておらず、自分が生きて旅をしている間にたまたま手掛かりが掴める可能性などほとんど無いだろうと思っていたのでしょうけど、それがギザで全く予期せぬ形でイストワールの尻尾を掴むことが出来たのでしょう。既にアメイジアは滅んでいるのでそんな情報に意味など無かったのだがパスカルは科学者としての好奇心に動かされ、ミステルはそもそもアメイジア崩壊を知らないので使命を果たすチャンスと考えて張り切ってアクセスを試みたのでしょう。

そのように推理した方が、この後にパスカルがアメイジア復興組織に襲われたことや、現代においてイデアールが0型メイガス狩りをしていたことの辻褄が合うのです。アメイジアが滅びた後、アメイジアを復興させようとする組織はアメイジアに存在していた知的財産の回復を試みて、その中には当然、楽園として語り継がれる「イストワール」に関する重要情報が入っていたというブラックボックスの回収も含まれたのでしょう。そのブラックボックスはパスカル博士がミステルの電脳内に入れて旅に出たままになっている。だから復興組織の連中は地上に出てパスカルの行方を探してミステルを奪うために襲ってきたのです。

また、「イストワール」への到達を目的とする組織イデアールが、パスカル計画そのものは「何だかよく分からない計画」と認識していながら、それでも執拗にパスカル博士の足取りを探索し、パスカル博士のメイガスやコフィンを探し回っていたのは、パスカル博士のメイガスの電脳内に「イストワール」に関する情報の入ったブラックボックスがあるということはアメイジア末期から引き継いだ知識で知っていたからでしょう。マハトがそのメイガスを「女神」と呼び「楽園への鍵」とも言っていたのは、つまりそういうことであったのです。またイデアールが0型メイガス狩りを行い、捕獲した0型メイガスの内部を調査した後は解放していたのは、要するに電脳内にブラックボックスのあるメイガスがパスカル博士の手元を離れて他のドリフターと契約している可能性を考えてのことだったのでしょう。

このように「パスカル計画」とはもともと名目上は「イストワール」に関する情報を調べる計画だったのであり、ミステルの電脳内のブラックボックス内のデータも「イストワール」関連のものであると考えた方が全ての辻褄は合う。当然ながらミステルも「イストワール」の存在は知っていた。ただミステル自身はギザ近辺で一旦アクセスを試みて一瞬で通信が切れたということしか覚えていない。データが完全に回復した現在はアクセスポイントの具体的情報は思い出しているかもしれないが、イストワールに関する情報やノワールのことは思い出していない。いや、思い出す以前に当時から知らなかった。ノワールがミステルの身体を乗っ取った時はミステルは意識を喪失していたし、パスカルがミステルの身体を改造してミステルとノワールを切り替えることが出来るようになった後も、パスカルはミステルにノワールの存在を教えていなかったからです。

ノワールの方は現在と同じような調子でボーッとしており、イストワールについても何も知らない様子で、自分の名前すら知らなかった。ただコフィンのコクピットに載せてみたところ認識名として「ノワール」という文字が出たので、パスカルは「ノワール」という名だと認識した。ただ、パスカルは「ノワール」と呼んだことはなかったのか、それともノワールが休眠中にパスカルのことを忘れてしまっただけで「ノワール」と呼んでいたのか、そのあたりはハッキリとはしていないが、とにかく休眠から目覚めてカナタに会った時もノワールは自分の名を知らず以前のマスターのことも忘れていた。

とにかくパスカルはノワールがイストワールのことを知っているはずだと考えて、ノワールを最適化すればイストワールに関する情報を引き出せると考えた。もはやアメイジアも滅んで自分は地上世界で命尽きるまで冒険の旅を満喫するだけだと思っていたパスカルであったが、ノワールとの出会いをきっかけに「イストワールに行ってみたい」という新たな夢が生まれた。アメイジアが滅んだ今となっては「パスカル計画」の使命などもはやどうでもよく、ただ単にパスカル自身の純粋な夢であった。その夢を叶えるためにまず今は優先すべきはノワールの最適化だと考えたパスカルはミステルを休眠させることにした。

ノワールが内部に入り込んで以降、最適化作業を進めている影響でミステルの性能が低下しており、いっそミステルを休眠させておいてノワールの最適化を先に終えてしまった方が効率的だと判断したのです。ただミステルに自分の中に別の人格データが入り込んでいると告げて動揺させない方が良いと判断して、パスカルは「スリープモードに切り替えて自己修復に専念した方がいい」と嘘を告げて休眠させた。本当は「スリープモード」などミステルには存在していなかったのですが、ミステルはこのパスカルの言葉を信じて休眠に入り、そして本来ならもっと早く休眠から覚めるはずだったのすが、その後ノワールの方も休眠してしまった影響で、20年経ちミステルがようやくシルバーストーム戦の最中に休眠から覚めた時、色々あってまだミステルの身体に残っていたノワールと初対面して、ノワールのことをパスカルの言っていた「スリープモード」だと勘違いしてしまったのです。

そしてパスカルは当然ながらその後しばらくはノワールの最適化を進めてイストワールの情報を得たらミステルを起こして一緒にイストワールを目指そうと考えていたので、ミステルが休眠に入る前に「新しい夢が出来た」「イストワールに行く夢だ」とミステルに伝え、一緒にイストワールに行こうと約束した。それでミステルも目が覚めたらパスカルと共にイストワールに行こうと考えていたのですが、この後パスカルはその約束を果たすことなく、ミステルが眠っている間に亡くなってしまった。

それは「イストワール」のデータの入ったブラックボックスを回収するためミステルの強奪を企てたアメイジア復興組織による襲撃でした。これにパスカルはノワールのナビゲートでコフィンで逃走を図るが、なんとか逃げ切れたものの重傷を負ってしまい死期を悟ります。そうしてミュージアムの遺跡に辿り着き、そこにミステルを隠すことにした。といってもミステルは休眠中でノワールの姿であったが、追手が何者なのかパスカルにはハッキリとは分からなかったが傍受した無線で敵がミステルの内部のブラックボックスを狙っていることは分かっていたので旧アメイジア関連の者であることは分かっており、ミステルの姿を知っている敵である以上、むしろノワールの姿のままである方が発見された際に安全に思えた。

それでパスカルはノワールの姿のまま遺跡の中にノワールを休眠させて隠すことにした。そうすることによってノワールの最適化作業も中断されてしまい、同時にミステルの自己修復作業も中断されてしまう。そういうわけで20年経ってノワールが遺跡で目覚めてカナタと会った時、まだノワールは自分の名前すら知らないポンコツ状態だったのであり、ミステルも休眠状態を継続してシルバーストーム戦の時まで目覚めなかったのです。まぁ、あれもアクシデントで目覚めてしまったものであり自己修復は十分ではなく、その後も断続的に自己修復のためにノワールと入れ替わり、最終的にはノワールとぶつかり合って自己修復にトラブルが発生して壊れかけてしまったが、ノワールのデータがシエルの身体に移行したことによって回復して自己修復を完了したということになります。

ただノワールの方はまだ最適化された状態ではなく、そもそもミステルの身体から出てブラックボックスと離れたことがノワールの最適化にどういう影響を及ぼすのかは未知数です。ノワールがポンコツなのはノワール自身がまだ最適化されていないからなのか、それともノワールという存在はブラックボックスのデータを開く「鍵」のような存在に過ぎないのかもしれません。もし後者であるならば、ブラックボックスから引き離した状態でノワールを最適化してもあまり意味は無いのかもしれません。このあたりはパスカル博士がもうちょっと長くノワールの最適化作業に関わっていれば解明出来たのかもしれませんが、すぐに死亡してしまったためパスカル博士にも解明出来ていない部分だと思います。

とにかく20年前の描写に戻りますが、パスカルにミュージアム遺跡の中に横たえられて休眠するよう言われた時、ノワールはパスカルを守れなかったことを謝りますが、パスカルは「いつか目覚めたら新しいマスターや弱い者を守るんだ」と諭してノワールを眠らせます。そして最期にミステルに一目会いたくなりミステルを目覚めさせて、ゆっくり休息するようにと言い「また明日」と言って眠らせ、そしてこのメッセージデータを作ってミステルの体内に仕込んだ後、自分の痕跡を全て消してから息絶え、作業用ロボットに自分の遺体を遠く離れた場所に運ばせて埋葬させたのでした。

そうしたパスカルからのメッセージを見終えたカナタに対して、パスカルのメッセージは「新しいマスター」へ向けて「2人のことを頼んだよ」という言葉で締めくくられたが、更に最後に付け足して、ミステルに向かって「私が果たせなかった夢の続きをアンタに託していいかい?」と問いかける。パスカルがミステルを休眠させて、ミステルが眠っている間に死んでしまったのは、全てパスカルのエゴの結果でした。そもそも「パスカル計画」も自分が地上に行きたいためについた嘘のようなものであったし、自分がイストワールに行きたくなったものだからミステルを眠らせて、ノワールのことも教えなかった。その挙句、別れの言葉も告げずに死んでいった。そうしてミステルは20年後の世界に放り出された挙句、ついさっき死にかけたばかりです。これら全部がパスカルの自分勝手の結果で、ミステルはその被害者と言ってもいい。そうした隠された事実を今ミステルは知ったばかりです。パスカルに対する怒りに震えていてもおかしくはない。だからパスカルも「夢の続きをアンタに託す」とは言えない。「託してもいいかい?」と恐る恐る問いかけるしかない。だがミステルは「もちろんだとも!マスター!」と涙ぐみ、消えていくメッセージ画面のパスカルを手で掴もうとして果たせず首を垂れます。

そうして皆で、メッセージデータに残されていたパスカルの埋葬場所に行き、大樹の下で朽ちている作業用ロボットが立てたと思われる簡素な墓標に向けてカナタ達は瞑目する。そしてミステルは「イストワールに行くぞ」と言い、カナタも「ああ!」と意気込む。それでとりあえず一度ロックタウンに戻ろうということになるが、ノワールが「シエルは何処にいますか?」と質問してくるので皆は凍り付きます。

そこでカナタ達の方の話は一旦終わり、後半パートはイデアールの方の話となる。結局トキオはイデアールを出て行ってしまったようで、残されたヴァイスハイトとマハトは「鍵の奪還」について打ち合わせをしています。つまりノワールを奪おうという作戦のようですが、ヴァイスハイトには何か考えがあるようです。

その後、マハトは昔のことを思い出します。それは今はイデアール本部となっているこのアメイジア跡地でもともとアメイジア崩壊後に活動していたアメイジア復興組織での10年以上前の少年時代の想い出です。そこでは遺伝子操作か何かでアメイジア末期に作られた優れた戦闘力を持った少年たちが集められて「アメイジア復興のため」という名目でコフィンを使った特殊な戦闘シミュレーション訓練を受けさせられていた。

その中で特に優れた結果を残していた3人がヴァイスハイト、リヒト(トキオ)、マハトの3人だった。マハトは3人の中では一番実力は劣っていたが明るく素直な少年で、今の怪しげな黒仮面とはずいぶん印象が違います。ヴァイスハイトは今と変わらず何を考えているのかよく分からない感じですがミステリアスなカリスマ性があり、リヒトは今のトキオと同じでお調子者でいい加減な男という感じです。

この3人に「特別なメイガス」が与えられる場面が描かれ、ここでヴァイスハイトはシエルと、リヒトはムートンと、マハトはシュネーと出会い契約します。ただ、この場面でヴァイスハイトは「メイガスは計算人形だ」と言っており、それは冒頭のシーンで登場したアメイジアの科学者と同じ言葉であり、メイガスの可能性を信じておらず、人間がメイガスと共に外の世界で成長出来る可能性も否定した考え方を引き継いでいるといえます。一方でリヒトはそうしたヴァイスハイトの考え方には懐疑的であるようです。そしてマハトには確固とした考え方は無いようであったが、ただ美しいシュネーとの出会いはマハトにとって格別のものであったようで、それ以降マハトはますます訓練に励むようになった。おそらくシュネーに相応しいマスターになろうと張り切っていたのでしょう。

このアメイジア復興組織では少年たちにアメイジアをやたら美化した歴史教育を施しており、アメイジアこそ人類史上最も優れた国家であり、その復興こそが人類の幸福に繋がると教え込んでいた。マハトはそれを素直に信じ込んでいたが、リヒトは胡散臭いと言う。そもそもそんな優れた国家ならばなんで崩壊したのかと考えれば、確かに胡散臭い話です。アメイジア崩壊から10年も経っていないのですから少年たちに歴史教育をしている大人たちはアメイジア崩壊を経験しているはず。それなのに人類史上最も優れた国家だとかよく言えたものです。だからリヒトはアメイジア復興などよりも「人間とメイガスの楽園」を自分たちで作ろうとマハトに持ち掛ける。それを聞いてマハトも心が動きます。本当はマハトもシュネーに戦闘の手伝いなどさせるよりも、一緒に楽しく暮らせた方が良いと思っていたのです。

一方でヴァスハイトはアメイジア復興のスローガンの胡散臭さについてはリヒトと同意見だと言う。だが「人間とメイガスの楽園」という考え方には賛同出来ないと言う。何故かというと「真の楽園は既に存在しているから」とヴァイスハイトは言う。その「真の楽園」こそが「イストワール」だった。これはヴァイスハイトだけが言っている妄想ではなく、どうやら「イストワール」が楽園だという話はアメイジアの時代からずっと言い伝えられていたらしい。だが「イストワール」に何があるのかは誰も知らない。誰もそこに行って確かめた者はいないのだという。それはマハト達の知るアメイジア復興組織の大人たちのことを指して言っているのだが、彼ら大人たちはアメイジア時代の人間だから、おそらくアメイジア時代から「イストワール」に何があるのか知る者はいなかったのでしょう。大昔はどうだったかは分からないが、少なくともアメイジア末期にはその程度の認識だったことはパスカル博士の回想シーンでも明らかです。

だからヴァイスハイトだって「イストワール」に何があるのかなんて知らないはずです。だがマハトの言うには「ヴァイスハイトの話は興味深かった」らしい。それが具体的にどういう内容であったのかは今回は描写されなかった。だがとにかくヴァイスハイトの「イストワールこそが真の楽園であり、イストワールに辿り着けば人類は救われる」という教えは少年たちの心を捉えて賛同者を増やしていった。中身の無い話でも他人を魅了出来るだけのカリスマ性をヴァイスハイトが備えていたというだけの話なのかもしれないが、あるいはヴァイスハイトは何かイストワールについて情報を持っていたのかもしれない。このあたりどうもまだヴァイスハイトという人間の底が見えてこないのでよく分からない。

このヴァイスハイトの思想に共鳴する少年たちは増えていき、彼らはアメイジア復興組織の大人たちを排除して自分たちの手でイストワールに到達して人類を救済しようと考え始める。これがイデアールに発展していくことになるのですが、マハトもこのグループに加わるようになっていた。一方でリヒトはこのヴァイスハイトの思想を危なっかしく思い、仲間たちが間違った方向に暴走した時にそれを止める役目になろうと考えて、そのために力をつけようと努力していた。

そんなリヒトを邪魔に感じたヴァイスハイトは「大義のためには犠牲は付き物だ」と言い、マハトにリヒトを排除すべきだと伝える。それで困ったマハトはリヒトを説得してヴァイスハイトの仲間になるよう説くが、リヒトは拒否し、ヴァイスハイトはリヒトを拘束する。そしてヴァイスハイトはそのままリヒトを処分することを決定するが、そのことを知ったシュネーはマハトには内緒で秘かにムートンに接触してそのことを伝え、リヒトを救出して此処から逃げ出すよう諭します。そしてシュネーは出来ればマハトも連れて逃げるよう誘ってほしいとリヒトに伝えてほしいとムートンに言います。

シュネーはこのままマハトがヴァイスハイトの仲間である方が幸せなのか分からなくなっていたのでした。それだけシュネーの目から見てマハトが辛そうに見えていたのでしょう。それで、いっそリヒトと一緒に外の世界に行き自由に生きて「人間とメイガスの楽園」を目指してくれた方がマハトは幸せになれるような気がしていました。またシュネー自身がその方が嬉しいと思えていたのです。

そうしてムートンの手配でリヒトは脱獄してジョンガスメーカーでアメイジア跡地を脱出することになったが、リヒトはマハトだけでも救い出して連れて行くと言う。シュネーもマハトを連れてリヒトが脱出しようとしている場に行きますが、マハトはリヒトに銃を向けて「僕たちの楽園はどうなる!」と引き留めようとする。それに対してリヒトは「もちろん楽園を探しに行く」と答え「お前も来い!」と手を伸ばす。それは「イストワール」などではなく「人間とメイガスの楽園」を地上に作ろうという誘いであったのですが、その意図を察してもなおマハトは自分の進むべき道を迷ってしまい、リヒトを撃つことも出来ず、リヒトの手を掴むことも出来ず、ただ立ち尽くすだけであった。そこに追手がやってきたので結局ムートンがジョンガスメーカーを発進させてしまい、リヒトとマハトは引き離されてしまった。

その後、ヴァイスハイトはアメイジア復興組織の大人たちを粛清してイデアールを設立し、イストワールを目指し始めた。そしてマハトもリヒトの差し伸べた手を拒んだ責任を自らに課し、またリヒトを逃がしてしまった罪を雪ぐため、イデアールの騎士である黒仮面として生きることを決意し、「人間とメイガスの楽園」ではなく、イデアールの目指すべき真の楽園「イストワール」に辿り着くために心を鬼として汚濁に塗れても戦い抜くと誓ったのでした。そうした過去の誓いを改めて再確認したマハトはいよいよ次の戦いでこそはリヒト、すなわちトキオとの最終的な決着をつける時と心に決めて、シュネーと共に戦いに臨む覚悟を固めたのでした。そういうところで今回は終わり次回に続きます。

 

 

道産子ギャルはなまらめんこい

第8話を観ました。

今回は翼と怜奈先輩のデートを美波と沙友理が尾行する展開となります。前回、母親から翼がデートしてると聞いて見に行った美波は相手が怜奈だと知ると、怜奈の着物姿を見て喜んでしまい翼のことで嫉妬するとかいう展開にはならず、沙友理も呼び出して一緒に翼と怜奈の着物デートをこっそり見守る展開となる。美波は翼を独占したいというわけではなく、翼の見知らぬ土地に来ても誰にでも優しく出来るところが好きで、自分も翼みたいになりたいと思ってるようです。だから怜奈にも優しく接している翼を見るのが楽しいようです。

その後、美波たちは翼たちを見失ってしまい、翼と怜奈は映画を観て、キャリアウーマンが頑張るみたいな映画だったんですが、それを観て怜奈が泣いてるのを見て翼は驚く。そして映画の後、喫茶店に入って喋っていると、怜奈は映画の主人公に感情移入してしまったと言う。色んな習い事などをして頑張っても結果が出ずに誉められないことが多くて落ち込むと言うので、翼は完璧人間だと思っていた怜奈の意外な面を知って驚き、同時に自分も似たところがあるとも思った。翼も色んな習い事などやらされて親に褒めてもらえず喧嘩になることが多く、それで親元を離れて北海道に来たのだという。

それを聞いた怜奈は、そうやって親と衝突する翼は自分を持っていて偉いと言う。それにひきかえ自分はいつも他人に褒められたくて頑張っているだけであり、自分というものがない。そんなことで良いのだろうかと思って落ち込むことが多いのだという。それでさっきも映画の主人公が他人の評価ばかり気にする自分を嘆く場面で感情移入して泣いていたのです。

だが翼は、たとえ動機が他人に褒められるためであったとしても、怜奈先輩がそうして努力していることは立派なことであり、そんな先輩の努力している姿を見て「頑張ろう」と思う人だっているはずだと励ます。それで元気づけられた怜奈は、自分と共通点が多くて自分を理解してくれる翼と出会えて良かったと思い、翼のことを意識して、彼女はいないのかとか、彼女がいなくて寂しくないのかとか聞いてきたりします。それに対して翼は彼女は居なくても北海道に来て素敵な人たちと出会えて毎日楽しく暮らしていますと笑顔で答える。

通りかかってそれを聞いた美波と沙友理もそこで出てきて一緒に遊ぶことになり、美波たちも怜奈先輩と仲良くなります。そこに美波ママも来て、一緒に焼き肉を食べに行きます。そこで怜奈が学年1位だと聞いて沙友理が「才能が凄い」と言うと美波が「違うよ。色んなことを凄い努力してるんだよ」「私も怜奈先輩を見て頑張ろうと思ってる」と言う。それを聞いて怜奈は嬉しく思い、翼も「先輩の努力を見ててくれる人はいます」と囁きかける。そして店を出て、翼が怜奈先輩と付き合っているわけではないと確認した美波は、次は自分とデートしようと言ってくる。そうして北海道も春が近づいてきたところで今回は終わり次回に続きます。