2024冬アニメ 終盤前の状況 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年冬アニメも終盤に差し掛かろうとしていますけど、現在視聴を継続している作品は19作品です。いつも大体クールの折り返しを過ぎた辺りには20作品程度に視聴する作品を絞り込むようにはしています。普通につまらない作品や自分に合わない作品を削っていけば自然にそれぐらいの数には落ち着きます。そこを無理して「出来るだけ多くの作品を観よう」とは思わない。「出来るだけ多くの作品を見て批評しなければ公平でない」なんて考え方の人もいるでしょうけど、私は全くそうは思わないですね。むしろそんな考え方は間違っていると思う。

批評する側も生身の人間なのですから能力には限度というものがあるわけで、ずっと30作品とか40作品も観続けたらどうしても余力が無くなって1つ1つの作品に割く時間が少なくなり、作品への理解度が下がってしまいます。一方で、そういう批評を見る側の一般的なアニメ視聴者というのはだいたい毎クール10作品も観ていないはずです。そのぶん1作品に対する理解度も高いのです。そういう、ちゃんと作品を見て理解出来ている一般アニメ視聴者に向かって、大量にアニメを見て1作品ごとの理解度が薄っぺらい自称アニメ評論家が上から目線で講釈を垂れるなんて、滑稽な倒錯としか思えませんね。

そういう倒錯を平然と続ける人間というのは「所詮アニメなんて片手間で理解できる程度のものに過ぎない」と思っているのでしょうし、そういう人間は一般アニメ視聴者のことも「どうせ薄っぺらいアニメの見方しかしていないのだろう」と舐めているのでしょう。アニメを語る者がアニメを舐めちゃいけないし、アニメ視聴者を舐めちゃいけません。私はそんな人間にはなりたくないので、アニメ批評をする以上は、嫌いな作品は潔く切り捨てた上でコメントはしないことにして、自分の好きな作品だけしっかり理解して、他人に見せて恥ずかしくない程度のレベルでの批評をするようにしています。それで作品数が少なくなりすぎないちょうどいいところが20作品前後というところです。

特に今期は「理解度」が求められる作品が多めのように思える。あんまり頭を使わずに観てると面白くない作品が多い。だから広く浅くアニメを観てる人から見れば今期は不作クールに見えてしまうでしょうね。ただ、それで私の個人的印象で今期が豊作か不作かというと、まぁ今のところ普通のクールという印象ですね。Sランクにはそれなりに作品数はあるので量的に不作というわけではないですが、現状は飛び抜けた作品が無くてSランク作品は僅差で並んでいる印象です。Sランクにそれなりに作品があって、その上で終盤前でその中に1~2作品飛び抜けて良い作品があると豊作クールという印象なんですが、それが無いので普通クールかなと思える。

この状況で豊作クールという結果で終わるためにはもうちょっとSランク作品の数が増えないといけないでしょうけど、それはあまり期待出来なさそうなので、結果的に「普通のクールだった」という結論になってしまいそうです。ただSランクが現状のまま僅差で並んでいる状態で終わるかというと、それは違うと思います。だいたい毎クール、序盤から飛び抜けた作品が1つか2つある場合とそうでない場合があって、今期は後者の方なんですけど、いずれにせよそういう状態は中盤までであり、クール終盤になるとSランクの各作品の間で差はついてくるものです。それはSランクに限らず、やはり全作品が終盤になると大きく評価が動くことが多い。その結果、Sランク作品の中でもラストスパートで一気に名作になる作品も出てきますから、今のままの印象のランキングで終わるということはないでしょう。

今期は序盤から他の作品を引き離して突っ走るような作品が無かったのですが、ラストスパートに関しては兆候が見えてきました。それでそろそろ順位の変動が起き始めてきたところです。序盤から中盤にかけては「僕の心のヤバイやつ」や「ゆびさきと恋々」みたいな恋物語が強かったんですが、終盤前に来て、それら恋物語に換わってエンタメ系の作品がここまでのエピソードの積み重ねが活きてきて上位に立ち始めたところです。これらの作品が終盤に一気に伸びてくれれば、豊作クールとはいえないまでも名作の生まれたクールとして記憶されることになるでしょう。それに加えてSランクの作品数がもうちょっと増えると豊作クールになりそうなんですけど、それがちょっと厳しそうなのは残念です。

やはり恋物語だけで1クールずっと満足するというのは難しいもので、どうしても同じような描写の繰り返しで終盤になると若干飽きてくる。「僕の心のヤバイやつ」や「ゆびさきと恋々」というのはそれが達成出来そうだというだけでも大したものではあるのですが、やはり他のもっと設定が複雑で色んな要素を盛り込んでストーリーを展開させていけるジャンルに比べると不利なのは間違いない。だから、本来はもっと早期にこれら2作品より上位に来る作品があるのが理想だったのですが、それがなかなかスンナリといかないクールだったという印象です。それでもようやく、終盤に強いエンタメ系の作品が終盤に来てこれらの恋愛系作品を超える力を発揮し始めたのはクール全体を見れば良い傾向だと思います。

私ももちろん好き嫌いや得意や苦手で作品を評価したり視聴を切ったりしますけど、それでも毎クールにおいて最高クラスとなるSランクの作品となると全部好きだし、全部が特に欠点を見出すことが出来ない作品ばかりとなります。そういうレベルの作品グループにおいて、あえて順位をつけるとなると純粋に内容の充実度の差ということになり、それはやはりストーリーの充実度の差ということになるのです。そうなると1クール通して似たようなことをやって物語が完結することなく終わる「僕ヤバ」とか「ゆび恋」のような作品よりも、1クール内で起承転結やメリハリがあって物語が完結するタイプの作品の方が上の順位になってしまうのはどうしても仕方ない。「僕ヤバ」が好きだから「僕ヤバ」が優勝、みたいな能天気なことを言って済ませられたらそれはそれで楽なんでしょうけど、やっぱりそういう姿勢は他の作品に失礼だと思うので、そこは真面目に考えてしまいます。Sランク内の順位についてだけは、脳内ドーパミンや脳内アドレナリンの量で順位は付けないよう心がけています。

さて、そういうわけで今期の視聴対象作品は30作品となっていますが、それらをすでに視聴を切った作品も含めて現状のランク分けと順位を紹介していきます。個人的に面白いと思っている順位なので、あくまで個人の主観です。世間の人気度や作品のネームバリューなどは一切考慮していません。なお2月27日深夜にテレビ放送を録画した分までのエピソードの評価になってますので、それ以降のエピソード分は下記の評価には含まれていませんのでご了承ください。

話数をだいぶ重ねてきていますが、私の場合は1クールアニメとしての完成度を重視しているので、終わり方が大事です。終盤の展開が綺麗にまとまるかどうか、盛り上がるかどうかによって、ここから先、最終話までで実はかなり大きく順位が動くことも多いです。だから下記の順位は決して確定的なものではない。

また、終盤の動向の予想も含めて、各ランクごとに現時点の総評も添えておきます。

 

 

◆Cランク(苦痛だった作品)

 

30位 即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。

第4話で視聴打ち切り。

力を手に入れて性格が破綻したクズと、クズを殺すことを正当化するサイコパス主人公の話。ただただ不愉快で見るに堪えない。

 

 

29位 異修羅

第4話で視聴打ち切り。

ずっと断片的なキャラ紹介が続いていて話が全く進まない。話が全く分からずキャラ紹介が終わっても面白くなりそうもない。

 

 

28位 愚かな天使は悪魔と踊る

第4話で視聴打ち切り。

ラブコメとしてはヒロインの性格が悪すぎてギャグアニメとしてはギャグが寒すぎて話の展開も強引で意味不明で見るのが苦痛。

 

 

27位 俺だけレベルアップな件

第4話で視聴打ち切り。

アクションの作画や演出が良いだけで、ありきたりな主人公最強系作品で話のテンポも悪くて睡魔と戦うのがかなり苦痛だった。

 

 

26位 佐々木とピーちゃん

第4話で視聴打ち切り。

色んな要素を描こうとしているが全て中途半端な印象で、物語の芯が無くて作画や声優の名前で押し切ろうとしてる感じが不快。

 

 

Cランクの現時点の総評

現時点で上記5作品がCランクで、全て既に視聴を打ち切っています。Bランク作品も現時点で既に全作品が視聴を打ち切っているので、おそらくこの5作品でCランクは確定だと思う。まぁ上記いずれの作品も視聴を打ち切った回までの内容に基づいた評価になっていますので厳密な評価とはいえません。

最下位の「即死チート」はクズしか出てこないこの作品の世界観がそもそも不快で大嫌い。しかもギャグも全く面白くないし、我慢して4話観たレベル。この作品が面白いとか言う人間が嫌いなレベルで嫌い。「異修羅」はもしかしたら後で面白くなるのかもしれないけど、なんでそれを我慢して待たなければいけないのかと問いたいぐらい作品として姿勢がおかしい。キャラ紹介で4話費やしたら普通は切るでしょ。「愚かな天使は悪魔と踊る」は純粋なつまらなさならば一番だったかもしれないが、「即死チート」と「異修羅」が内容以前の問題外の作品だったので最下位にならずに済んだ。普通なら最下位レベル。「俺だけレベルアップな件」は清々しいぐらいの主人公最強系のゲーム世界的な作品で、一番嫌いなジャンル。しかも序盤散々テンポ悪くて勿体ぶって蓋を開けたらそんなのが始まってガッカリ感がハンパ無かった。「佐々木とピーちゃん」は最初はBランク最下位にしてたけど、よく考えたら1秒たりとも面白いと思ったことが無かったと思い出してCランクに入れた。

 

 

 

◆Bランク(退屈だった作品)

 

25位 望まぬ不死の冒険者

第4話で視聴打ち切り。

主人公がアンデッドの魔物になってしまって地味に冒険者を続けて進化を目指す話だが、とにかく地味で面白くならなかった。

 

 

24位 魔女と野獣

第5話で視聴打ち切り。

ミステリーとしてはそれなりに見れたが、全体的に雰囲気が暗くてグロい描写も多く話のテンポも悪くて見るのがキツかった。

 

 

23位 最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。

第5話で視聴打ち切り。

時系列を逆転させて始まり意味が分からずテンポも悪く全く面白くなかった。徐々にマシになってきたが挽回も限界に感じた。

 

 

22位 ぶっちぎり?!

第5話で視聴打ち切り。

アクション作画が良くてギャグシーンで笑える部分はあったがストーリーが薄っぺらくて主人公も魅力が無くつまらなかった。

 

 

21位 最強タンクの迷宮攻略 ~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~

第6話で視聴打ち切り。

随所に良い場面はあったが物語の着地点が見えてこずキャラの魅力も不足していてアクションシーンが地味でつまらなかった。

 

 

20位 魔都精兵のスレイブ

第6話で視聴打ち切り。

ヒロイン達にヒーロー的魅力が乏しくバトルシーンが中二病的でダレた感じでキツくエロ場面も嗜好が合わず惹かれなかった。

 

 

Bランクの現時点の総評

現時点で上記6作品がBランクであり、全て既に視聴を打ち切っています。終盤にA-ランクから「異世界でもふもふなでなで」あたりはBランクに落ちてくる可能性はありますが、ここまで来たら完走しそうなので、おそらくこの6作品でBランクは確定なんじゃないかと思います。今期は視聴対象作品がそもそも少なめなのでBランクもCランクも数は少なめです。

いずれの作品も視聴を打ち切った回までの内容に基づいた評価になっていますので厳密な評価とはいえません。本当にダメなのはCランクであって、Bランクは個人的に好みではない作品という感じ。客観的には十分観れる作品です。私としても低評価しているわけではないが、好みではない作品を1クール観る苦行をする趣味は無いので視聴は切る。途中で切った以上は正当な評価は出来ないのでBランクにしている。6作品内の順位は視聴した範囲内での面白さの順番と思えばいいです。

「望まぬ不死の冒険者」は最初はどうしようもなくダメで後でちょっとイイ話になって盛り返したのだが基本的に地味で暗くて、つまらなく安定しそうだったので早々に見切りをつけることにした。「魔女と野獣」は最初は異能ミステリーとして見応えがあるかとも思ったが、とにかく暗くてグロくて、しかも本筋の話が進みそうになかったので別に1クール観ても仕方ないと早々に判断できた。「最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました」は話の途中から始まって最初全く意味が分からず後で改善はされたが地味な展開が続き徐々に良くなっていきそうだったが1クール満足出来るとは思えず視聴を切ることにしました。「ぶっちぎり?!」はアクション作画は良かったけどストーリーが薄すぎて話のテンポも遅すぎて主人公に魅力も感じられず、後半面白くなっても大したことにはならなさそうなので視聴を切った。「最強タンクの迷宮攻略」はイイ場面はそれなりにあったけど、物語の着地点が見えなくなってきて、キャラの魅力も掘り下げきれず、肝心の迷宮攻略シーンがつまらないことが分かって視聴を切ることにした。「魔都精兵のスレイブ」は最初は主人公のヒーロー物語としてアリかと思ったが、アクションシーンが中二病的でヒロイン達にヒーローとして魅力が無く肝心のエロも嗜好が合わなかったので視聴を切った。

 

 

 

◆A-ランク(普通に観れた作品)

 

19位 異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。

第8話まで視聴済み。<残り4話>

何だかバタバタして纏まりはついていないが興味深いストーリーであり続きは気になる。このままなんとか完走は出来そう。

 

 

18位 外科医エリーゼ

第7話まで視聴済み。<残り5話>

そんなに面白いわけではないが、好感の持てるストーリーは安定感があって、ここから急に停滞しない限りは完走は出来そう。

 

 

17位 真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 2nd Season

第8話まで視聴済み。<残り4話>

なかなか盛り上がらず此処まで来たがキャラ魅力があって日常描写が良いので見れる。ここから盛り上がれば順位上がるかも。

 

 

16位 治癒魔法の間違った使い方

第8話まで視聴済み。<残り5話>

キャラに魅力があってアツい場面も多くギャグも利いてて期待は大きめの作品だがスローペースでなかなか盛り上がってこない。

 

 

15位 道産子ギャルはなまらめんこい

第8話まで視聴済み。<残り4話>

ラブコメとしては凡庸な作りだが普通に田舎の高校生の青春ドラマとして毎回イイ場面があって薄味だがムラの無い作りが良い。

 

 

14位 ダンジョン飯

第8話まで視聴済み。<今期分残り5話>

アイディアが豊富で面白い描写も多く深いテーマ性もあり惹かれる作品だが本筋の物語がなかなか動かずイマイチ満足度が低い。


 

A-ランクの現時点の総評

現状でA-ランクの作品数が6作品というのは通常レベルといえます。A-ランクの以上の作品の数は19作品となっており、これは最近のクールでは少なめなので、上位作品の層の薄さに比して相対的にA-ランク作品の数は多めなのかもしれない。またA-ランクの作品の内容的には割と潜在力が高くて終盤の展開に期待の出来そうな作品が多い印象です。

Bランクは既に完全に視聴を切った作品ばかりなので、終盤にBランクからA-ランクに上がってくる作品は無く、A-ランクの作品の中でこれからBランクに落ちそうな作品は、可能性があるとすれば「異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます」「外科医エリーゼ」あたりでしょうけど、おそらくその可能性は低いでしょう。

一方で現状のA-ランクからA+ランクに上がる可能性がある作品は「治癒魔法の間違った使い方」「道産子ギャルはなまらめんこい」「ダンジョン飯」あたりでしょうけど、いずれもかなりここから盛り上がらないと難しいように思います。また逆にA+ランクから落ちてくる可能性としては「結婚指輪物語」「メタリックルージュ」「薬屋のひとりごと」あたりならばここからの終盤が盛り上がらなければ落ちてくる可能性はあるでしょう。

 

まず「異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます」は最初は動物や子供が可愛いアニメという感じだったが当初から生態系絡みの真面目なテーマは含んでいて序盤の方がイイ感じでそれら諸要素がミックスしていた。しかし中盤からネマが外で活躍するようになると異世界モノのありきたりな設定が多くなりちょっと退屈になってしまった。だがまだ許容範囲。

 

「外科医エリーゼ」は当初は陳腐な医療モノになるのかと思ったがエリーゼが皇太子と絡みだしてから面白くなった。ただ最近は皇太子との絡みがあまり無い。それでも宮廷物語としてそれなりに続きが気になる構成になっていて、そんなに面白いわけではないが基本的に前向きな話なのでストレス無く見続けることは出来る。最後どこで話にキリをつけるのかは気になる。

 

「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので辺境でスローライフすることにしました」の2期は、1期と同じく盛り上がりそうでなかなか盛り上がらないまま終盤前まで来たが、それでもキャラ魅力とテーマの深みで十分見れるというのも1期と同じ。おそらく終盤そこそこ盛り上がって無難に終わるのだろうと思われ他の作品の状況次第で順位上昇もある。

 

「治癒魔法の間違った使い方」はキャラに魅力がありギャグも冴えていてアツい場面も多い良作なのだが、修行編が長く、修行編が終わっても前フリが長くてまだ戦いが始まってない。そこもまたイイ場面が多いのだがさすがに焦れる。戦いがいよいよ始まるかと思ったら今は過去編をやっており知らないキャラばかりでキツい。まぁ戦いが始まればA+ランクに上がるかも。

 

「道産子ギャルはなまらめんこい」は当初は北海道ご当地ネタがラブコメと絡めてあったのが良かったが、ラブコメとしてあまり盛り上がりも無く、ご当地ネタも単なるあるあるネタ扱いでしかなくなっていて薄味の作品になってしまった。だが、それでも毎回キャラの心情描写で納得感のある場面がしっかりあるので地味ではあるが普通に楽しんで観ることは出来ている。

 

「ダンジョン飯」は毎回の内容がアイディアが豊富で予想外の展開で魅せてくれて作画も非常に良くてハイクオリティな作品なのだが連続2クール作品の前半クールでまだ本筋の話があまり動いていない。今期の終盤でどれだけ動きが出るのかが注目。ただ基本的には異世界モノが好きな人の方がより楽しめる内容だと思われ、私は十分には楽しめていないタイプだと思う。

 

 

 

◆A+ランク(満足できた作品)

 

13位 結婚指輪物語

第8話まで視聴済み。<残り4話>

ハイファンタジーとしてはいつも上手く纏めてくるがハーレムラブコメ要素はイマイチ。無難に纏めればA+ランクは維持か。

 

 

12位 メタリックルージュ

第7話まで視聴済み。<残り5話?>

ストーリーはしっかりしているが難解であまり盛り上がっていなかった。ようやく話が繋がり始めて面白くなってきたところ。

 

 

11位 薬屋のひとりごと

第20話まで視聴済み。<残り4話>

クール前半は地味な展開が続いていたがようやく伏線回収されて盛り上がったのを評価した。ここから更に盛り上がれば尚良い。

 

 

10位 ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する

第8話まで視聴済み。<残り4話>

シリアス展開とラブコメが良い塩梅でキャラ魅力が非常に高いがストーリーは壮大すぎてスローペースで中途半端に終わりそう。

 

 

9位 葬送のフリーレン

第24話まで視聴済み。<残り4話>

一貫してクオリティが高くエピソード内容も見応えがありキャラの魅力も高いが本筋は大きくは動いておらず話の密度は低め。

 

 

8位 姫様”拷問”の時間です

第8話まで視聴済み。<残り4話>

ギャグも作画も演出もSランク級で各話の内容も練られているのだが、ちょっと最近は薄めの話が多くてSランクから落とした。

 

 

A+ランクの現時点の総評

現状A+ランクが6作品というのはまぁ普通かやや少なめという印象です。ここに加えてA-ランクからA+ランクに上がってくる可能性がある作品としては「ダンジョン飯」「道産子ギャルはなまらめんこい」「治癒魔法の間違った使い方」あたりですが、どれも終盤にかなり盛り上がらないと難しそうです。逆にA+ランクからA-ランクに落ちる可能性がある作品としては、「結婚指輪物語」は終わり方が良くなければ、「メタリックルージュ」は物語が破綻して終わったりすれば、「薬屋のひとりごと」はまた盛り下がって終わってしまったりすれば、それぞれA-ランクに落ちる可能性はあるでしょうけど、それらの可能性はどれも少ないとは思っています。

一方でA+ランク上位の作品でSランクに上がりそうな作品といえば「葬送のフリーレン」はその地力は十分あるとは思うが今期分の終盤はこのまま淡々と終わりそうな気がするのでA+ランク維持の可能性の方が高そう。むしろ「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」の方が終盤に山場がありそうだが、どっちにしても中途半端なところで終わると思うのでSランクに上がるとなると少し苦しいんじゃないかとも思う。「姫様”拷問”の時間です」は準Sランク作品であり、終盤に神回でもあればSランクには上がる可能性は高いと思う。ただ、それもそう簡単でもなさそうだし、Sランクからは「悪役令嬢レベル99」あたりは最終的に落ちてくる可能性はかなりあり、A+ランクの作品数は最終的にちょっと増える可能性はある。

終盤に予想される全体的な状況としては、まず「結婚指輪物語」はこのまま物語途中で終わりそうだが手堅い作りなのでA+ランク下位で終わりそう。「メタリックルージュ」はたぶん終盤は面白くなるのでもう少し順位は上がりそうだが上位作品も強いのでそう簡単ではなさそう。最悪、物語が破綻すればA-ランク落ちもある。「薬屋のひとりごと」はたぶん終盤は盛り上がると思うが、回り道の多い長編作品なので安心は出来ない。ちゃんと盛り上がればA+ランク上位に行くが、地味なままならA-ランク落ちもあり得る。「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」はここから終盤に盛り上がればA+ランク最上位までは視野に入るが中途半端なところで終わるだろうからSランクは厳しいだろう。「葬送のフリーレン」もあまり本筋が進まないのでA+ランク最上位が上限という気がする。「姫様”拷問”の時間です」は終盤にSランクに上がる可能性は十分ありと思います。

 

まず「結婚指輪物語」はあまりクオリティは高くはなくてハーレムラブコメ要素も添え物程度でそういう意味ではイマイチの出来ではあるが毎回上手くハイファンタジーの物語として纏めていてストーリー面ではしっかり堅実で見応えはある。ここまで4つの指輪を集める物語を描いてきており、この後は5つ目の指輪まで揃えて最終決戦で締めれば上出来でA+ランク上位進出もあるだろうが、原作的にそうはならず今期は中途半端なところで終わるでしょう。それでも最後無難に締めてさえしてくれればA+ランクには残れるのではないかと思う。

 

「メタリックルージュ」は最初はあまり説明的でないストーリーも面白そうだと思ったのだが、その後どうも難解すぎて、その割にあまり話も盛り上がらずアクションも予想外に地味で単に難しくて地味な作品になってしまっていた。ただストーリーの骨格はしっかりしていてテーマも重厚でいずれは面白くなりそうだという印象は変わらなかった。今ようやく伏線が繋がってきて面白くなり始めたところ。ただ突き抜けた面白さまではいかず、それなりにまとまった作品になりそう。あるいは破綻する可能性もある。今期で完結するのは有利な点。

 

「薬屋のひとりごと」は連続2クール作品の後半クールが始まってから前半クールの華やかさが無くなり地味な話ばかり続いていて一体どうしてしまったのかと思っていたが最新話で全ての伏線が回収されて納得は出来た。そこで確かに物語が一段面白くはなったのだがクール前半が退屈だったのは確実にマイナス点であり、伏線回収の納得感で上げられるのは現状の順位程度までが限度。此処から更に勢いを維持出来ればA+ランク最上位ぐらいまではいける可能性はあるが、本筋が一気に進むタイプの作品ではないので過度な期待はしていない。

 

「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」は最初は単なる女性向けの主人公無双作品なのかと思ったのですが、リーシェが帝国に到着して計画を定めて行動を開始してから緻密な作劇で盛り上がってきた。その一方でシリアスな含みのある人間ドラマとちょっと可笑しいラブコメ展開のギャップも良い。キャラの魅力も高い。ただやはり基本的に女性向け作品である点と、スローペースでじっくり物語が描かれる割には物語の規模が壮大なので絶対に今期は中途半端なところで話が終わるという点は不利な点だと思う。

 

「葬送のフリーレン」は連続2クール作品の後半クールは試験編ということになるが、相変わらずの高いクオリティと完成度の高い各エピソードのお話という点では前半クールと同じで、更に新キャラが多数登場して皆が魅力的に描かれていて、魔法アクションも素晴らしい作画で盛りだくさんで、前半クールに比べて競技的で明るい感じで見ていて気持ち良い。ただ本筋の話は進んでおらず新キャラが多いぶん主役のフリーレンの物語も動きが少ない。今後の展望は、現状の二次試験がダンジョン攻略であまり好きなタイプの話じゃないので不安。

 

「姫様”拷問”の時間です」は非常に優秀なコメディ作品でギャグも冴えているがリアクション芸は特に面白い。それを際立たせる作画と演出のレベルも非常に高い。ネタ的には出オチになったり飽きたりしやすいはずだが全く飽きない。各話の内容もキャラの心情描写が意外に深くてちゃんとしている、練りに練られたコメディ。最近はマトモに拷問もしなくなり、そうしたムチャクチャさも魅力ではあるのだが、さすがにちょっと話が散漫になっている印象で、1クール通して大満足かというとちょっと怪しくなりつつあるのでSランクから下げた。

 

 

 

◆Sランク(大満足した作品)

 

7位 悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~

第8話まで視聴済み。<残り4話>

主役のユミエラのキャラが面白過ぎて序盤からずっとムラなく面白さを維持していたが最新話が神ギャグ回でSランクに上げた。

 

 

6位 ゆびさきと恋々

第8話まで視聴済み。<残り4話>

聴覚障害を上手く恋物語に落とし込む繊細な作劇と作画が絶品。ただストーリー的に安定期に入った感がありやや勢い不足か。

 

 

5位 戦国妖狐 世直し姉弟編

第7話まで視聴済み。<今期分残り6話>

物語のテーマは深く脚本の質も高いが割と遊びのシーンも多い。まだ今期分は折り返したばかりでここからが本番と思われる。

 

 

4位 僕の心のヤバイやつ(第2期)

第20話まで視聴済み。<残り5話>

キャラの魅力と演出が特に際立っていて各話のストーリーも勿論面白いが、やはり中学生ラブコメゆえ単調になる傾向はある。

 

 

3位 勇気爆発バーンブレイバーン

第7話まで視聴済み。<残り5話>

毎回面白い場面もアツい場面も充実しており、分かりにくかった世界観も明確になってきてここから更に盛り上がっていきそう。

 

 

2位 魔法少女にあこがれて

第8話まで視聴済み。<残り5話>

エロとギャグのレベルも非常に高いが毎回見せ場があって魔法少女作品の本質を捉えた物語がしっかり進んでいるのが高評価。

 

 

1位 SYNDUALITY Noir 第2クール

第20話まで視聴済み。<残り4話>

現時点で最も物語としての完成度が高い。更に加えてキャラの魅力やアクションなど総合力も備わっており納得の1位といえる。


 

Sランクの現時点の総評

現時点でSランクが7作品というのは、ごく平均的な普通のクールの数字という印象です。ここにA+ランクから上がって加わってくる可能性も高そうな準Sランク作品としては「姫様”拷問”の時間です」があり、これを合わせた8作品がSランク圏内の作品だといえます。更に「葬送のフリーレン」と「ループ7回目の悪役令嬢は元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」はこれまでのエピソードの積み重ね的にA+ランクからSランクに上がる資格は有しているとは思いますが可能性はかなり低いでしょう。

ただSランク圏内の8作品の中でも「SYNDUALITY Noir」「魔法少女にあこがれて」「勇気爆発バーンブレイバーン」「僕の心のヤバイやつ」「戦国妖狐」「ゆびさきと恋々」の上位6作品が今期のSランク固定の作品といえます。これら6作品が序盤からずっと高評価でSランクに居た作品です。これに「姫様”拷問”の時間です」も加えた7作品でSランクはほぼ固定だったのですが、「姫様”拷問”の時間です」は最初からSランク最下位で最近ちょっとパワーダウンしてA+ランクに落ちて、終盤で再び上がってくることが出来るかどうかというところです。「メタリックルージュ」が期待値込みで序盤だけSランクに居ましたが、これは復活してくる可能性はもうあまり無いでしょう。それら以外の作品がこれまでSランクに入るということは無く、終盤にも上がってくる可能性は低いと思います。前クールの「星屑テレパス」「ミギとダリ」「SHY」ぐらいのレベルで終盤の爆発力が凄そうなA+ランク作品というのは「姫様”拷問”の時間です」を除いてはこの時点では見当たらないからです。

ただ、その中で例外だったのが「悪役令嬢レベル99」であり、どんどん評価を上げてきて最新話で遂にSランクに入りましたが、これは「姫様”拷問”の時間です」と同等の扱いで最後までSランクとA+ランクのボーダーラインの作品となるでしょう。前クールの「星屑テレパス」「ミギとダリ」みたいにSランク上位に駆けあがっていくほどには期待はしていない。この「悪役令嬢レベル99」と「姫様”拷問”の時間です」の2作品ともがSランクに残れば最終的にSランクは8作品となり、両方ともA+ランクに落ち着けば最終的にSランクは6作品となるでしょう。

そうなるとおそらく7作品ぐらいに落ち着く可能性が高く、Sランクの作品数的にはあまり多いとはいえず豊作クール感はあまり無い。ただSランクだから当然ではありますが質的には粒ぞろいであり、特に今期はこれから終盤に盛り上がりそうな作品が多めです。「悪役令嬢レベル99」を除いたSランク固定の6作品は現状は僅差で固まっている印象で、特にどれが上位作品でどれが下位作品という区別も無いが、おそらくこれからの終盤にかなり動きが出て、ちゃんと差がついていくと思います。それは更に面白くなっていく期待の高い作品が多いということであり、最終的には作品数的には多くはないが質の高めのSランク作品を生み出したクールとなることを期待しています。

このSランク固定の6作品のうち「SYNDUALITY Noir」と「戦国妖狐」はややスロースタートであり当初はSランクに入ってきておらず、「勇気爆発バーンブレイバーン」と「魔法少女にあこがれて」は序盤から勢いはありましたけど色モノ枠という印象で、先がイマイチ見えない感じであった。そういうわけで序盤は安定感のあった恋愛系の2作品「僕の心のヤバイやつ」と「ゆびさきと恋々」が強かった。その後「SYNDUALITY Noir」と「戦国妖狐」がSランクに上がってきて、「勇気爆発バーンブレイバーン」と「魔法少女にあこがれて」も毎回しっかり面白かったが、それでも折り返しぐらいまでは「僕の心のヤバイやつ」と「ゆびさきと恋々」が上位にあったのは、やはりこの2作品がずっと安定していたからでしょう。

だがクールの折り返しを過ぎたあたりから、下位にあった4作品がクール前半に着実に物語を積み上げた上に更にブーストをかけてきた勢いが、恋愛系2作品の安定感を上回り始めて現状に至っています。「僕の心のヤバイやつ」と「ゆびさきと恋々」に関してはクール前半に盛り上げてきて今はちょっと安定期に入ってしまっている印象で、もちろん非常に面白いのですが、他の作品のここから終盤の勢いにはちょっと押されてしまうのではないかと思えてくる。ただ他の4作品の終盤の盛り上げや着地などは物語を大きく動かしているぶん難しいので失敗する可能性も十分あり、その場合「僕の心のヤバイやつ」と「ゆびさきと恋々」の安定感は十分に勝因となると思います。

残る4作品「SYNDUALITY Noir」「魔法少女にあこがれて」「勇気爆発バーンブレイバーン」「戦国妖狐」のうち、今期で物語が完結するのは「SYNDUALITY Noir」と「勇気爆発バーンブレイバーン」であり、この2作品が物語を盛り上げて綺麗に着地させればやはり有利だと思います。ただ「戦国妖狐」も今期で第一部となる世直し姉弟編が終わる準完結作品のようなものなので、有利さはあまり変わりないとは思う。

物語の出来栄え的にはこれらの3作品とも大差は無いと思いますが、「SYNDUALITY Noir」が現状最も話が進んでいて通過した山場の数が一番多く、これはやはり分割2クール作品の後半クールであるゆえの強みでしょう。ここから更にクライマックスの盛り上がりもあると考えればやはり一番有望にも思える。ただ「勇気爆発バーンブレイバーン」も既に山場に到達していて、更にそれ以上の盛り上がりがここから準備されているはずなので、十分に「SYNDUALITY Noir」に追いつき追い越す力はある。それに比べて「戦国妖狐」は3作品の中では最もスロースタートであり、残り話数も一番多いのもあって、まだ最大の盛り上がりに到達していないと思われ、ここからが本番と思われる。かなりの勢いで追い上げてくるとは思うがさすがに1位まで到達するのは容易ではないだろう。一方で「魔法少女にあこがれて」は今期で完結するというわけではないがコメディ作品なのであまりそれは弱味にはならず、更に単なるコメディやエロだけでなく物語的な面白味もある作品なので侮れない。

 

そういうわけで続いてSランク各作品の現状と終盤の展望ですが、まず「悪役令嬢レベル99」は乙女ゲーム世界の悪役令嬢キャラに転生するというありきたりな設定の作品だと思って見始めたのですが1話から特異な演出で魅せてくれて、その後はひたすら主役のユミエラがムチャクチャやるのが面白いナンセンスコメディが展開されていき、それでいてストーリーもかなり緻密に構成されている。ありがちな展開が描かれるのだが、それを逆手に取ったコメディが上手く描かれていて、しかもそこにユミエラの転生者としての心情描写も絡めて物語に意外な深みもある。全体的に面白いけど小粒でありきたりな作品だと思っていたのですが、そうした物語の深みとテンポの良さでA+ランク最上位ぐらいまで評価が上がってきたところに最新話が神ギャグ回だったのでSランクに上げた。だが基本はありきたりな設定で中途半端に終わりそうなので今後Sランク維持できるかは未知数。

 

「ゆびさきと恋々」は聴覚障害を上手くラブストーリーに落とし込んだ明るい作品であり、障害を扱っているからといって決して暗い作品ではない。基本的に描かれているのは現代的な大学生の恋愛模様であり、聴覚障害ゆえのすれ違いやトラブルをコミカルに描いたり心情描写の純粋さや深みを表現するために使ったりしている。聴覚障害そのものがテーマではなく「想いを伝えること」や「自分らしくあること」などをテーマとしており聴覚障害ヒロイン以外のキャラの恋愛模様も同様の切り口で描いていく模様。新しい切り口のラブストーリーであり、それを表現する作画や演出も含めて今期最もアニメの可能性を感じさせてくれる良作。ただ、そうしたテーマ性重視の作りゆえなのか物語に安易に起伏を付けようとしていない傾向があり、6話で雪と逸臣が交際を開始して以降はストーリーが落ち着いた印象で、このままのペースで終わるなら少し上位作品に比べて薄味。

 

「戦国妖狐」は戦国時代を舞台にしたバトルファンタジーだが、連続3クール作品の1クール目の今期は物語の第一部にあたる「世直し姉弟編」であり一旦ストーリーが完結する。人間と「闇」という怪異的な存在との関係を通して人間性を無常観たっぷりに描く重厚なテーマを扱う硬派な作品。その一方で古い少年漫画的なノリもあって、アクションは見応えはあるが、ちょっと子供っぽいギャグ的描写も多く、そこはあまり好みではない。だがそれを補って余りあるぐらいに深みのある世界観と力技と哲学で感動させる会話劇が魅力で、今期最も深いテーマを扱っている作品。ただ「世直し姉弟編」の全13話のうち、まだ7話までしか終わっておらず折り返しが過ぎたところであり、まだ物語の山場の手前ぐらいだと思われ、各話充実した内容ではあるが現状はまだ上位作品と勝負出来る段階ではないと思われる。ここから6話分が物語の本番だと思われるので期待したいところ。

 

「僕の心のヤバイやつ」の2期は中学生男女の思春期ラブコメを描いた分轄2クール作品の後半クール。前半クールの後半一気に盛り上がってその流れを承けて後半クールの序盤からフルスロットルで飛ばしている。思春期の中学生キャラたちが生き生きと描かれたストーリーは面白くギャグ描写もハイレベルで、各話の構成が非常に巧みで作画や演出も凝りに凝っていて、アニメ化の大成功作品と言ってよい、ある意味では今期最も優れたアニメ作品といえる。そういうタイプの作品が好きな人なら間違いなくナンバーワンに推すだろうけど、私の場合は特にSランクでは物語を重視するので、この作品の場合はストーリー展開は非常にシンプルで、あくまで日常の中での細かな演出で魅せていくタイプの作品なのでどうしても物語の動きの激しい作品に比べると特に終盤は不利かも。それでも市川が山田に告白するところまで今期描かれるならその出来次第で逆転勝利もあるかも。

 

「勇気爆発バーンブレイバーン」はリアルロボットアニメかと思ったらスーパーロボットアニメだった1話の衝撃が凄すぎた作品だが、その後、ギャグもシリアスも熱血も萌えも含んだ不思議な作品に成長してきて面白いエピソードを積み重ね、更に不思議な世界観も明らかになってきてSF作品として興味深くなってきている。まだまだ謎めいた部分は多いが、その一方でストーリーはかなり明快になってきており、これから6つの塔を巡る地球奪還の戦いが繰り広げられていく。だがその一方で物語の着地点は未だ見えないという、分かりやすさと分かりにくさの塩梅が絶妙で、なおかつ面白さと不気味さの塩梅も絶妙であり、バカみたいなことをやっているようでいて、実はかなり緻密に組み立てられたオリジナルアニメだと思う。此処からの終盤の展開も今期で最も予測がつかないが、同時に、ここまで来たら今期で最も未知数の期待感と奇妙な安心感を抱かせる作品でもある。

 

「魔法少女にあこがれて」は魔法少女が存在する世界観で、魔法少女に憧れる女子中学生が悪の女幹部になってしまうというコメディ作品。序盤から際立っていたのは振り切ったエロ描写であり、これが単にエロいだけでなくしっかり捧腹絶倒のギャグに昇華されているところが素晴らしい。それだけなら只の優秀なエロギャグアニメだが、このエロとギャグがしっかり魔法少女アニメの本質をテーマとしたダークヒロイン物語に昇華しているところが凄い。そして非常に完成度の高いコメディである各エピソードが同時にしっかりとこの物語とメインテーマを進めていき世界観を完成させていくパーツとして機能していく構成力の高さがまた素晴らしい。こういうことが全くバカバカしい内容でありながらやってのけられているのが凄くて、1つの作品としての完成度が極めて高い。ここまでやって貰えれば終盤は無難に終わっても上位で終わりそうだが更に盛り上がるのも期待したい。

 

「SYNDUALITY Noir」の2期は分轄2クール作品の後半クールであり、前半クールで種まきした伏線の回収や謎解きが一気に進んでおり、2クール作品の強みが出て、出だしはスロー気味でありながらもクール前半で他の作品よりも先行することが出来ている。前半クールで伏線の種まきと同時にキャラの魅力を強く印象づけることに力を尽くしたことも好影響となっている。ストーリーは既に後半クールでまず1つの物語が完結した感があり、ここから改めて完結編が始まるという壮大な構成になっており、1クールの内容としては最高クラスに密度が濃いといえます。そもそも2クール作品の有利性など関係なく、普通に物語が完成度が高い。ソシャゲアニメとは信じがたいほどにSF物語として壮大かつ緻密でテーマも深く、今期最も物語の出来が良い作品と言ってよい。ただ、物語の評価の高い作品だからこそ締めが肝心であり、それ次第で作品の評価は大きく変動すると思われる。