2024冬アニメ 2月4日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年冬アニメのうち、2月3日深夜に録画して2月4日に視聴した作品は以下の6タイトルでした。

 

 

結婚指輪物語

第5話を観ました。

今回から3つ目の指輪「火の指輪」編となります。火の指輪を持っているのは「猫人」というケモ耳で尻尾が生えている獣人の種族の姫グラナートであり、今回はサトウ達がグラナートと出会い指輪を賭けて勝負するようになるという展開が描かれましたが、勝負が始まる前に終わって次回に続きましたからフリ回だったといえます。グラナートの思惑などもまだ謎のままであり、その辺りも明かされて話が盛り上がるのは次回だと思われ、今回は伏線が色々と描かれたのでしょう。また、前回新たにサトウの妻となったエルフの姫ネフリティスとヒメの間のドラマも今回は描かれて、次回はそれを承けて、サトウを巡る2人の関係にも変化や成熟が見られるのではないかと期待されます。

まず冒頭はヒメがサトウがネフリティスにばかり優しくしていることに嫉妬する場面が描かれる。前回、ヒメの方からネフリティスにサトウと結婚してほしいと頼んだのですが、あれはサトウを救うためにはネフリティスが継承権を持つ風の指輪の力が必要なのでやむを得ずサトウとネフリティスの結婚を受け入れただけであり、別にヒメはネフリティスにサトウを譲ったつもりはない。サトウだってヒメが一番大事だと言っているのですけど、しかし人間界で庶民の暮らしを経験していたヒメとは違ってネフリティスはずっと王宮に閉じ籠っていた箱入りのお姫様なので外の世界で1人で生きる術を知らず、共に旅をするとなると何かと世話を焼かねばいけない。サトウは一応は夫という立場なので、ついついネフリティスの身の回りの世話を焼いてしまう。一方でヒメとは幼馴染で、ヒメが大抵のことは1人で出来ることも知っているし気安い仲でもあるので、サトウはネフリティスの世話を焼くのに忙しくて、ついついヒメに構うのを後回しにしてしまう。それでヒメはネフリティスにサトウを取られたような気分がして、サトウに対して腹を立ててしまう。

そんな感じのサトウ一行でしたが、次に向かうのは竜神族の住む水の国にしようと言っていたのだが、途中で猫人の住む火の国ニーダキッタのキャラバン隊と遭遇して、予定を変更してニーダキッタに行き火の指輪を手に入れようという話になる。猫人は初代の指輪王と深淵王の戦いの際に国土を失い、武勇の民であった猫人の騎士団は傭兵団となって旅をするようになったのだそうですが、その庇護を受けようとして旅の商人たちが行動を共にするようになり、いつの間にか巨大な町のように連なるキャラバン隊の隊商団の移動国家ニーダキッタを形成するようになったのだという。

そういうわけで今では平和で豊かな商人の国のようになっているが、その中心には猫人の勇猛な騎士団を擁しており、その頂点に君臨するのが猫人の王族であり、その姫グラナートが火の指輪を継承している。そのグラナートから火の指輪を貸してもらおうというのが今回のサトウの目的であったのだが、ニーダキッタのキャラバン隊に乗せてもらった途端、ヒメとネフリティスの2人はサトウ達とはぐれてしまい、迷子となった2人は店で買い食いなどして打ち解けます。そして、ヒメはネフリティスがサトウを独り占めしてしまってヒメに申し訳なく思っているということを知ります。

ネフリティスはヒメがサトウに対してヤキモチを焼くのはそれだけサトウのことを強く想っているからなのだと言い、それに比べて自分はただサトウに憧れているだけであり、ヒメほど強い想いを未だサトウに対して抱くことが出来ないのだと打ち明けます。考えてみれば当たり前の話で、ヒメは子供の頃からずっとサトウと一緒にいたから強い想いが積み重なっているのだが、ネフリティスは先日サトウと会ったばかりです。想いの強さに差があるのは当たり前です。しかし指輪の力は想いの強さに比例するという。ならば自分の想いの弱さはそのまま風の指輪の力の弱さに直結するのであり、今のままの自分では指輪王であるサトウの役に立てないのではないかとネフリティスは悩んでいたのです。そうしたネフリティスの使命に賭ける真摯な想いを知り、ヒメはつまらない嫉妬に動かされていた自分を恥じます。

その後、ヒメとネフリティスはサトウ達と合流しますが、サトウ達はグラナート姫の見合い会場となっているという闘技場に行く。強さを尊ぶ猫人の国では姫の結婚相手は姫よりも強い男でなければならないという習わしだが、グラナート姫は猫人最強の戦士であり、猫人の男は誰1人グラナートに勝つことが出来なかったので、それで仕方なく他の種族の男を見合い相手として募り、闘技場でグラナートと戦い、勝てた者をグラナートの夫とするということになっていたのです。そうして多くの見合い候補の屈強な戦士たちがグラナートに挑んでいたが、ことごとく返り討ちにされていた。

そしてグラナートはサトウの左手の指輪を見てサトウが指輪王の継承者なのだと気付き、腕試しだといって襲い掛かってきて、サトウは簡単にのされてしまう。そして自分に勝てないような指輪王に火の指輪を譲っても深淵王に勝てるとは思えないとのことでこのままでは火の指輪を譲る気は無いと言い、再戦して自分に勝ってみせるようにと言い捨てて去っていく。

それでサトウはマルス王子に剣の特訓を受けたり、アラバスタに魔法の特訓を受けたりしてグラナートと勝負して勝てるようになるよう努力しますが、どうも見込みは薄そうです。そんなサトウの疲弊した様子を見て、ヒメはサトウに無理して強くならなくてもいいと言う。指輪の力は絆の力なのであり、サトウが未だ弱いのは自分のサトウとの絆がまだ弱いのが原因であり、悪いのは自分でありサトウではない。だから自分がサトウとの絆をもっと深めるように頑張って指輪の力を強くするから、サトウ自身が強くなる必要は無いのだとヒメは言います。

だが、それを聞いてサトウはそれじゃ自分がカッコ悪すぎると思う。確かに何だかヒモみたいです。サトウだってグラナートの勝負のためだけでなく、ヒメ達を守れるように強くなりたいと前向きに思っていたのに、期待されていないみたいに思えて不満に思う。ヒメはサトウを心配してというのも理由でしたが、新婚なのだからもっと2人で仲を深める時間も大事にしたいと思ってのことだったのですが、2人の気持ちはすれ違ってしまいます。

そうしたモヤモヤした気持ちで大浴場に行ったサトウは、そこでグラナートに出会い、垢すりをするように言われてしまう。それで垢すりをしているとグラナートはこっそりサトウに八百長を持ち掛けてくる。実はグラナートはもう見合い勝負に飽き飽きしていて終わらせたいのだという。それで指輪王であるサトウがやって来たので、指輪の姫である自分が指輪王に従えば皆は納得するであろうし、先だっては不意打ちでグラナートが簡単に勝てたがサトウが指輪の力を使えばそこそこ強いのは分かっているので、グラナートがワザと負けてもそう不自然には見えないはずです。だからグラナートはサトウとそこそこ良い勝負をした後、ワザと負けてサトウの妻となり火の指輪を渡してやってもいいのだと言って八百長勝負を持ち掛けてきたのです。

これがグラナートの本心なのかどうかは分からないが、もし本心ならばサトウにとって悪い話ではない。グラナートも不毛な見合い勝負を早く辞めて形だけでも指輪王の妻となってしまった方が気が楽なのでしょうが、見合い勝負のルールに縛られて身動きが取れないで困っているのかもしれない。それでサトウと一芝居打ち見合い勝負を終わらせ、サトウは火の指輪を手に入れて目的を達成することが出来る。だがサトウは自分が弱者として憐れまれているようなグラナートの申し出に腹が立ち、八百長を拒否して実力で勝ってみせると宣言して去っていく。あるいはグラナートの真の狙いはそうやってサトウを怒らせて平常心を乱すことか、あるいは発奮させようということだったのか、それとも本気で八百長を持ち掛けたのか、どうもハッキリしませんが、とにかくサトウは悔しい想いを噛みしめて更に剣や魔法の稽古に励むようになったというところで今回は終わり次回に続きます。次回はいよいよサトウとグラナートの勝負ということになるのでしょう。

 

 

ゆびさきと恋々

第5話を観ました。

今回は雪が逸臣の部屋に行って食事して色々と話をしているとエマがやって来て、修羅場になるというわけではないですが、そこでちょっと行き違いがあって雪が1人で帰ってしまい、翌日再び雪と逸臣が会うという展開が描かれました。そんな派手な出来事があったわけではないですが、今回は雪視点で雪の乙女心が深く描かれましたね。かなり逸臣に対する想いが深くなってしまっており、表情なんかもすっかりメスの顔になってきてしまっています。一方で逸臣の方はかなり誠意があるのは間違いないのですが、まだもうちょっと雪に対する想いが分からないところはあります。そういう感じでストーリー展開としてはそんなに盛り上がってるわけではないんですが、雪の心情描写が素晴らしくて見応えがありました。その雪の乙女心と逸臣の想いが微妙にすれ違ってる感じがあって、そこに聾者と健聴者の認識の違いを微妙に絡めて描いている手法が秀逸でしたね。この作品の場合、そうした聾者と健聴者との認識のズレを感動させたり泣かせる要素として使うのではなく、ラブストーリーのフックとして上手く使うところに感心します。非常に斬新で果敢だと思います。

冒頭、雪が逸臣のマンションに到着して部屋に通される場面から始まります。逸臣の家族は現在は海外に住んでいて一人暮らしだと言われて、逸臣は雪に緊張しなくていいという意味でそう言ったのですが、雪はむしろますます緊張します。それは雪が逸臣を男として意識しているからであり、逆に逸臣はエレベーターに乗る前にそんなことをサラリと言うあたり、雪をどうこうしようという気は無いことが分かるのですが、雪の方の逸臣を男として意識する気持ちが強すぎて、そういう逸臣の気持ちも雪は分からない状態で緊張します。それでも嫌がらないわけですから、雪もちょっとは期待する気持ちはあるのです。

そうして部屋に入ってピザを宅配してもらって、逸臣はビールを呑んで寛ぎます。そして雪に「今日、楽しかった?」と質問する。それは手話を使わず口で喋って雪に唇の動きを読ませ、雪が手話で「楽しかったです」と返すと、逸臣は雪の背後に回って雪の手を握り、雪の手で「楽しかった」の手話の動きをさせて自分も楽しかったという気持ちを伝える。そして、そのまま雪の肩に腕を引っかけて身を寄せます。こういうところを見ると、逸臣は単純に手話を使うだけではなく、色々な方法で雪とコミュニケーションを取ろうと試行錯誤しているように見えます。ただ、それが雪に対する興味でやっていることなのか、雪のような聾者とのコミュニケーションに対する興味でやっていることなのか、そのあたりがイマイチ分からないんですよね。

更に逸臣はスマホの文字入力でコミュニケーションを図ろうとして雪の横に置いてあった自分のスマホに手を伸ばしますが、そうすると雪は逸臣が更に身体を寄せてきて、逸臣が自分を抱きしめようとしてくるように思えて緊張して身を固くする。雪の方はすっかり男女が部屋に2人っきりのシチュエーションを意識しすぎてしまっているのです。だが逸臣がスマホを取ろうとしていただけだと気付くとちょっと雪も自分が意識過剰であったと気付いて少し緊張は緩みます。

そうして雪はスマホ入力で逸臣が自分と一緒にいると落ち着くと言ってくれたので、逸臣と会うといつも意識してしまって落ち着かなくなる自分と比較して、自分もそうなりたいと思う。雪は逸臣を自分の知らない世界を知っている遠い人だと思っていて、未知の世界への憧れが強い雪はそれで逸臣に憧れていて、一緒にいると胸が高鳴り緊張する。しかし、それは「憧れ」の感情であり、自分の逸臣への想いが「恋」だと気付いた雪ではあったが、しかしその恋心というものがどういうものか、まだ明確には掴めていなかった。しかし逸臣に「一緒に居ると落ち着く」と言われて、そういうものが本当の恋心なのかもしれないと雪は思った。全く住む世界が違う相手である逸臣だが、そんな逸臣と心の波長が合って1つになれたら良いなと思う。こうして肩を組まれて身を寄せていると、逸臣と一体となっていくような気がして、何も考えられなくなり甘えてしまいたくなってしまう。

そうしてピザで夕食を済ませて、逸臣の部屋で家族の写真を見せてもらったりする。そうして、逸臣の家族が今ドイツに居ることや、昔は逸臣もドイツ在住だったとか、逸臣がワーキングホリデーや留学していたので今は大学2回生だけど年齢は22歳であることなどを教えてもらう。ここで「ワーホリ」という単語を雪が唇の動きで読めなくて、ピザの紙箱や手話ノートの空白ページなどでの筆談に切り替えたりして、読唇も決して万能ではないことも表現されています。

読唇は技術よりも慣れによる勘での判読が重要とされており、知らない単語の判読は難しいのです。だから聾者に伝える場合は筆談が最も正確なコミュニケーション手段といえます。ただ筆談は手間がかかるし、筆談が困難なシチュエーションもある。ちなみに手話も限界はあるのであり、やはり指の動きだけで全ての語彙を表現することは難しい。そうなると現実的にはジェスチャーも含めて、様々な方法を臨機応変に使い分けていくのがベターということになる。また、聾者とコミュニケーションを取る相手側の事情もあります。やはり一番覚えるのが大変なのは手話ですから、手話を習得する余裕の無い人は手話は使わず他の方法でだけで聾者とコミュニケーションを取る場合も多く、それでも何とかなってしまう。現にりんは手話は使えないが、ちゃんと雪とコミュニケーションを取ることが出来ている。

つまり、単に聾者と意思疎通を行うだけならば、手話は必ずしも必要は無いのです。そのことは雪も分かっている。それでも逸臣は手話を覚えようとしている。雪が渡した手話ノートもたくさん付箋が張ってあったり赤ペンで書き込みがしてあったりして、逸臣がちゃんとそれを読み込んで手話を覚えようとしていることも雪は気付いた。どうして逸臣がそこまで手話にこだわるのか雪には分からない。ただ、私は前回のエピソードで逸臣が初めて雪に会った時に雪の目に「伝えたいという意思」を感じて強く印象に残ったと言っていた場面で、それが雪が「ありがとう」という手話をして見せた時の目だったと言っていたことがヒントなのだと思う。それが逸臣が雪の手話を初めて見た瞬間なのであり、つまり雪が手話を使う時が一番「伝えたいという意思」が強く出るのだと逸臣は感じたのだということなのでしょう。つまり「手話が最も伝える力が強い」と感じたから逸臣は手話に興味を抱いたのでしょう。雪に気持ちを伝える時には手話が一番気持ちがよく伝わるのです。実際、ここまでのエピソードを見る限り、それはその通りなのだといえる。雪は逸臣が手話を使ったことによって逸臣への恋心を自覚し、自分の想いを伝えるために大学では使わないようにしていた手話を逸臣に対しては使うようになったのです。単に意思疎通を行うだけならば手話は必要無いが、深い想いを伝えるためには手話は必要なのです。

ただ手話もまた語彙に限界があるので筆談などと併用していくことになるのだが、逸臣との関係のように手話コミュニケーションを交えながらの相手との関係の場合は、相手の気持ちが手話によって基本的に伝わっている状態なので、他の人と同じような筆談でも、その文字1つ1つに心がこもっているように思えて嬉しくなってくる。逸臣の声は聴こえないけれども、りんや京弥が言ってくれていたように「優しい声」で話してくれているように想像してしまったりする。どうして逸臣がそこまで深く自分とコミュニケーションを取ろうとしてくれているのか雪には理由は分からないが、それでもそうしていると、雪は更に深く逸臣のことを知りたくなり、自分のことももっと深く逸臣に知ってもらいたいと思えてしまう。

そうして、逸臣がドイツ語を話せるのはドイツ在住だったからなのだという話になったのを受けて、逸臣は雪も手話が上手なのは手話を使う環境の中に居たからなのかと質問してくる。つまり雪の周囲の人間である家族も手話を使っていたのかという意味の質問だったのですが、雪は「家族は手話は使わない」と答える。これは逸臣には意外な回答でした。てっきり雪という聾者を家族に持っているのだから家族全員が手話を使うのだと思っていたようです。

しかし手話というのは習得が困難なものですから、家庭環境などによってはそういう余裕が無い場合もある。雪の家庭がどういう状況だったのか詳細は不明だが、とにかく家族は手話は習得しないという選択をしたのでしょう。但し雪の家族が雪に対して冷淡というわけではない。ここまで雪の家族の描写は少ないが、少なくともたまに登場する母親は雪をちゃんと愛しているように見える。雪の言うにはスマホや筆談やジェスチャーで家族とはコミュニケーションを取っているのだという。実際、それだけで十分に意思疎通は出来るのです。「それだけでは深い気持ちは伝わらない」「やはり手話が必要だ」と言われるかもしれませんが、逆に言えば、家族という特別に深い関係だからこそ、別に手話は無くても心はもともと通じ合っているのかもしれない。

ただ、ここで雪はスマホや筆談やジェスチャーに加えて、家族とは「口話」でもコミュニケーションを取っていると言った。この「口話」というのは逸臣には初めて聞く単語であったので、それは読唇のことなのかと雪に質問する。すると雪は読唇も「口話」に含まれるけど、「口話」というのは自分も発声することも含むのだと言う。つまり「口話」というのは、相手の唇や口の動きを読んで、それと同じ動きを自分もすることで同じ音を発声する方法のことなのです。

雪のような聾者は別に発声器官に障害があるわけではないので声は出る。だから「あ」の音を出している相手の口の形を真似て声を出すことで「あ」と発声することは出来るのです。「ならば喋れるのではないか」と思われるかもしれないが、話はそう単純ではない。聾者は自分の発声した声を自分の耳でフィードバックして聴くことが出来ないから微調整が出来ないのです。「あ」と言ったつもりが「は」になってしまったとしても自分ではそれに気付くことが出来ない。変なイントネーションになってしまっても分からないし、声の高低も分からないので、やたら高い声を発してしまったり低い声になってしまったりする。声のボリュームも分からないのでとんでもない大声になってしまったり聴き取れないような小声になってしまったりする。そういう不規則な音が1つの単語、1つの文節の中で入り混じってしまったりして不協和音となるので、聴く側は聞き取りにくいし、あまり聞いていて心地良いものとはならない。

それで口話を聞いた相手は、心無い人は面白がってからかったり、露骨に不快な反応をしたりすることもある。そこまで酷い人でなくても、やはり聞き取りにくいので困った顔をして聞き返してきたり、同情するような態度になったりする。そうなると雪としても相手に迷惑をかけたり気を使わせたりして申し訳ない気持ちになってしまい、口話は使わない方が良いと思ってしまう。

それでも口話は習得するのが非常に困難であり、手話よりも高等技術とされる。実際、口話を使えない聾者は多く、口話を上手に使える聾者は尊敬されるという。雪の場合は「上手」といえるほどではないようだが、それでも多少は口話を使えるのだから大したものです。大変な苦労をして習得したのでしょう。それに手話よりも口話の方が自分の意思を伝える手段としては優れています。だから使わないのは勿体ない。本当は使うべきなのです。でも他人の前で使って嫌がられるのが怖くて、雪は家族に対してしか口話は使わない。家族ならば口話を嫌がったりしないし、雪も家族に対してならば多少の迷惑や不快感を与えても平気だからです。何故なら家族は雪が迷惑をかけても雪のことを嫌いになったりしない特別な存在だからです。

それで雪は、逸臣に「雪は口話を使うの?」と質問されて「家族の前でだけ少し使います」と答える。それはどうしてなのかと逸臣は質問するが、雪は「口話を使って変だと言われたことがあるから」と真実の理由を言うことが出来なかった。そんなことを言うと空気が重くなってしまうのが嫌だったのです。それで雪は理由を言わず「ごめんなさい」と手話で謝ってその話題を終わらせる。

逸臣としては、むしろ雪が家族の前でしか口話を使わないということで口話に非常に興味を持った。それはつまり桜志の前でも雪は口話を使わないということだからです。逸臣は雪と手話で流暢に遣り取りする桜志が雪にとっての特別な存在に思えて、桜志に対抗意識を持っていた。しかし桜志に対してすら使うことがないという雪の口話を自分にも使ってもらえたら、自分は家族に準じた特別な存在となったということになり、雪にとって桜志以上の存在になれたということになる。それで逸臣は口話について興味を持ったのだが、雪は家族以外に口話を使わない理由すら逸臣に教えることを拒んだ。それで逸臣は疎外された気持ちになってしまった。

それで逸臣は自室から外国の貨幣や紙幣を持ってきた。それはコインランドリーで雪にクロアチアの貨幣を見せた時に、別の国の通貨も見せてあげると言った約束を履行するために仕分けして用意していたものであった。雪がそれを目を輝かせて見ていると、逸臣は一緒に部屋から持ってきた何処かの国の変なお面を被っていきなり雪を驚かせる。その奇妙な行動に雪は驚いて、その後おかしくなって笑う。すると笑い声が漏れ出てしまい逸臣に聞かれてしまい、逸臣が驚いた顔をしているので雪は変な声だと思われてしまったと想い焦ります。

そこにりんと一緒に車で帰る途中の京弥から電話がかかってきて逸臣は応対しますが、その電話を切った後、逸臣はいきなり雪のお腹をくすぐって笑わせようとしてきて雪は驚く。理由を聞くと、逸臣は雪の笑い声が可愛かったからもっと聞きたいと思ったのだと言う。それを聞いて雪は嬉しくなる。自分の声を変だと思わず可愛いと言ってくれた逸臣にならば、口話で自分の声を聞かせることも出来るような気がしてくる。そうすれば、今よりももっと自分のことを知ってもらえるような気がしてくる。でもやはり怖いという想いもある。

そんな雪に逸臣は「雪のこと、もっと教えてほしい」と言う。自分も外国の貨幣のことなど雪が知りたがっている自分のことを教えたいと思っている。だから雪も自分に雪のことをもっと教えてほしいのだと逸臣は言う。耳が聞こえないという雪の世界のことを教えてほしいのだと言う。そして逸臣はこんなことを質問されることは嫌じゃないのかとも聞いてくる。それで雪は「大丈夫です」とスマホに入力して返事する。誰でも大丈夫というわけではない。逸臣ならば大丈夫だと雪は思っているのです。それを理解しているように逸臣は「俺なら大丈夫って言ってたのってどこまで大丈夫なの?」と質問してくる。逸臣にこうまで言われてしまうと、雪も逸臣に自分の全てを曝け出して知ってもらいたい気持ちが高まってきて「全部」と手話で返す。しかし逸臣はその手話の意味が分からなかったのでどういう意味なのかと質問してきて、雪は逸臣の掌に指文字でまず「ぜ」と書いたところで逸臣の部屋のインターホンが鳴って、玄関の外にエマが来ているのが映し出された。

この場面、逸臣はやけに熱心に雪のことを知りたがっているが、それは純粋に雪のことを好きだからなのか、それとも雪にとっての特別な存在になることにのみ執着しているからなのか、そのあたりは不明です。前回、京弥が心配していたように逸臣が手話を覚えるために雪を利用しているだけということは無いと思います。逸臣は桜志に異常に対抗心を燃やしていましたから。でも、単に雪にとっての一番特別な存在になりたいという意味で逸臣が桜志に対抗心を燃やしているのだとしたら、それはやはり恋愛感情とは違うのかもしれない。

それに関連して、逸臣に電話をかけてきた後の京弥とりんの会話の場面が描かれているのだと思う。京弥は逸臣が雪を自分の部屋に連れ込んでいると知って焦り、逸臣が雪にいい加減な気持ちで手を出そうとしているのではないかと心配しますが、りんがそれは無いと言うので一応安心はします。その上で京弥はそれでも逸臣が雪に本気で惚れているとはどうしても信じられないようです。それはおそらく京弥は逸臣があくまで「女より夢」の人間だと思っているからでしょう。

その上で京弥は逸臣が雪を「単に独占したいだけなんじゃないか」と疑います。可愛い女の子を独占したいという想いを男なら誰でも持つものだというのが京弥の持論のようです。京弥自身がそういう考え方があるということなのでしょう。だが、確かにそういう側面は男にはあるものであり、可愛い女の子に自分よりも親しい男が居ると何となく腹が立つものです。そういう考え方が男に一般的にあると考えると、逸臣の雪への想いや、桜志への対抗意識というのはその程度のものである可能性は十分にあると思う。少なくともここまでのエピソードにおける逸臣の行動はそういう考え方でも全部説明はつく。もちろんそうではなくて、ちゃんと雪に恋している可能性もあるのだが、現時点ではどっちなのか分からない。

ただ、ここで注目すべきは、京弥はそういう「男は可愛い女の子を独占したいと思う」という考え方は本当の恋愛感情とは別の軽薄なものだと見なしてあまり感心していない一方で、それを聞いたりんは京弥が自分のことをそんなふうに「独占したい」と思ってくれたら嬉しいとか思ってしまっていることです。つまり、男から見ればそういう独占願望というのは遊び半分のいい加減な気持ちなのだが、女の子の方から見れば、相手が好きな男であれば、独占願望でも何でもいいから自分を求めてくれるのならば嬉しいと思ってしまうのです。そして、それはおそらく雪も同じなのでしょう。

それで話の続きですが、エマが逸臣の部屋の外に来て、逸臣はエマは先日貸したカギを返しに来たのだろうと思いますが、雪がせっかく来ているので面倒くさくて居留守を決め込もうとします。しかし雪の方はインターホン画面が見える位置でなかったので誰が来たのかは分からなかったが逸臣がインターホン画面を見ているので誰か来客なのだと思い、迷惑だろうからそろそろ帰ろうと思う。そのことを逸臣に伝えると、逸臣はさっきの話の続きがまだなのに帰るとは変だと思いますが、急ぎの用事なのだろうと思い、それなら送ると言います。来客が来たから帰ろうとした雪は逸臣が送ると言うから不思議に思い、それならばさっきの「全部」という気持ちを伝えたかったと思いますが、逸臣はどうせエマはカギを返しに来ただけだから玄関先でカギを受け取って雪を駅まで送ればいいと思って、雪を連れて玄関のドアを開ける。

逸臣はエマが自分を好きなことは知っていますから雪の姿を見ればエマは驚くだろうとは思うが、雪が帰りたがっているのにエマから隠れるためにコソコソするような真似はしたくないと思い、堂々と玄関から雪を連れて出ました。するとエマは雪の姿を見て驚く。ロッキンロビンで一度会っているがあの時ベロベロに酔っていたエマは雪のことは覚えていないようで、知らない女性が逸臣の部屋から出て来てビックリします。しかし逸臣はエマの反応などは気にせず、雪に先にエレベーターで1階に降りておくように言い、その間にエマからカギを受け取って、その後に雪の後を追って1階に降りて雪と一緒に駅に行くつもりでした。

雪の方はドアの外に立っていたのがエマであったのでビックリして、どうしてエマが逸臣の部屋に1人でやって来たのだろうかと戸惑う。逸臣がカギの話をする時に傍にいれば逸臣の唇を見てそのことは知ることが出来たのですが、先にエレベーターに乗るよう言われてエレベーター前で逸臣たちに背を向けていたので逸臣とエマの会話内容を雪は知ることが出来ず、逸臣とエマの関係についてあれこれと想像してしまう。

エマの方は逸臣の部屋からいきなり出てきた女性と逸臣の関係が何なのか分からず混乱してしまい、わざと大きな声でエレベーター前で背を向けている雪に聞こえるように「この前は泊めてくれてありがとう」と言ってカマをかけてみる。もし逸臣と男女の関係にある相手ならば、何か反応するはずだと考えたのです。だが雪は耳が聞こえないから全くの無反応であった。それでエマはその女性はとりあえず逸臣と男女の関係ではないのだと解釈した。逸臣の方はエマが玄関先でワケの分からない嘘を大声で言うのでちょっと叱りますが、カギを返してもらって用事を済ませようとします。

その時、ちょうどエレベーターが来て雪は乗り込みますが、乗る瞬間に逸臣の方を振り返る。すると逸臣がエマからカギを受け取っているのが見えて、雪はエレベーターで1階に降りて行くまでの間、エマが逸臣の部屋に出入りしていて、2人は深い仲なのではないかと疑う。実際は逸臣のエマへの対応はかなり冷たかったのだが、2人の会話内容を把握していない雪にはカギを渡している一瞬の様子を見ただけで2人は親密であるように思えたのです。逸臣はエマは彼女じゃないと言っていたが、あれから状況が変わって2人は付き合うようになったのかもしれないとも思えた。それで雪は、もし逸臣にエマという恋人がいるのだとするなら、逸臣の部屋に上がり込んで、逸臣に気持ちを伝えようとしていたということを考えると、自分は大きな過ちを犯そうとしていたのではないかと思えてきて怖くなってきた。

逸臣は駅まで送ると言ってくれたが、エマが来ているのに本当にそんなことが出来るのかと雪は疑問に思い、もしかしたら自分が逸臣の唇を読み間違えたのかもしれないとも思えてきた。それで1階に出てマンションの外に出てからもう一度逸臣に確認しようと思ったが、続いてエレベーターで降りてきた逸臣の腕にエマが腕を組んでくっついているのを見て、雪はやっぱり自分の勘違いだったのだと思い、こんなところで逸臣とエマが仲良く出かけようとするのを待ち構えていたら恥ずかしいと思って、慌てて逃げ出してしまう。そうしてそのまま1人で駅に向かい帰ってしまう。一方、逸臣は1階に降りると雪がいないで驚き、無理矢理しがみついてきていたエマの腕を振り払うと、慌てて雪を探しに走り出す。だが結局、雪を見つけることは出来なかった。

そうして翌日、逸臣のマンションを出た後にりんから連絡が来ていて会う約束をしていたので、雪はりんのマンションに行き昨日の出来事を報告して、逸臣がエマに部屋のカギを渡していたことを言う。りんもビックリして逸臣に事情を聞くしかないと言うが、雪は怖くて聞けないと愚痴る。そんな雪に向かって、りんは逸臣が雪を見る目が優しいとか、雪に対する声も優しいとか言って慰めてくれる。それを聞いて雪はまた逸臣に甘えたい気持ちが湧き上がってくるが、その前に逸臣が自分をどう思っているのかやはり確かめたいと思う。

そうしていると、いきなりりんの部屋に逸臣がやって来る。実は昨晩、雪がいなくなった後、逸臣はりんに電話をしてみて、雪が翌日にりんの部屋に来るということを聞き、それで雪に会うためにやって来たのです。雪は驚きますが、りんは気を利かせて部屋から出ていき、雪と逸臣は部屋の中で2人きりになります。それで逸臣は昨晩の続きを教えてほしいと言う。「俺なら大丈夫って言ってたのってどこまで大丈夫なの?」という逸臣の質問に対する雪の「全部」という回答の手話の意味が分からなかったので教えてほしいという話の続きです。

しかし雪はその自分の気持ちを伝える前に逸臣に自分のことをどう思っているのか確認したかった。自分に親切にしてくれているのはどういう意味なのか。自分は逸臣にとって単に手話を覚えるための練習相手なのか、それとも自分の気持ちを深く知りたいと思ってくれているから逸臣は手話を覚えたいと思ってくれているのか、それを確認したかった。それで雪は「どうして手話を覚えたいんですか?」と質問する。それに対して逸臣は「雪と喋りたいからに決まってる」と答える。

それでも逸臣が雪を好きだとは限らない。もしかしたら京弥が危惧していたように、単に雪が可愛いから他の男に渡したくないだけなのかもしれない。それでも雪は、どんな理由であれ自分と喋りたいと言ってくれる逸臣に甘えたいという気持ちを抑えることはもう出来ず、指先で逸臣の掌に「ぜ」「ん」「ぶ」と3つの指文字を書き、逸臣はその意味を理解すると、雪の手をとってその指先にキスをしたのでした。今回はここまでで終わりで次回に続きます。

 

 

ぶっちぎり?!

第4話を観ました。

今回は魅那斗會とシグマが抗争開始寸前となってしまい、兄の約束でタイマン勝負にこだわる真宝は抗争に反対し、荒仁に摩利人に抗争を思いとどまるよう説得してほしいと頼みますけど荒仁は摩利人が拳一郎と決着をつけて引退すれば自分が後継者になれると思って無視する。それで真宝はまほろを説得して、まほろが荒仁に摩利人を止めてほしいと頼んで、荒仁は摩利人に抗争を止めるよう説得に行くが、結局は怖くて言い出せなかった。そうしているうちに抗争はNGボーイズのリーダーの心土の仕組んだ陰謀だったということを真宝は知り、心土のもとに向かう。一方で荒仁は摩利人の説得が出来なくて帰る途中で心土に出くわして襲われるが、千夜と合体してぶっ飛ばす。ところがそのパンチを受けた心土はそれを「懐かしい痛み」と言って立ち上がり、どうやら心土にも千夜のような魔人が憑いているっぽい。しかも千夜とは因縁のある相手みたいです。今回はそういう内容で、相変わらずほとんど虚無な内容でしたが、最後に遂に本筋の物語が動き始めたみたいです。そういうわけで次回は面白くなることを期待して様子見したいと思います。

 

 

僕の心のヤバイやつ(第2期)

第17話を観ました。

今回は市川と山田が初デートする話と、市川が山田のグラビアの仕事を見に行く話。まず冒頭、市川が山田と歩いて下校するようになったという描写から始まります。これは自転車で帰ると山田が2人乗りしたがってくるので、芸能活動をしている山田をもし怪我させてしまって仕事に穴を開けさせてしまったりしたら大変だという配慮によるものだった。それは市川が山田と常に一緒に下校するということが前提となっている。もう何となく2人はそういう特別に親しい関係であるということです。

といっても2人はまだデートなどするほどの関係でもない。クリスマスに一緒に渋谷に出掛けたが、あれはマンガを返すという大義名分があって待ち合わせたのであり厳密にはデートではない。最初から2人で遊ぶために出かけるという前提で待ち合わせたりしたことはない。だからデートはまだしていない。それで山田は市川とどうしてもデートがしたいみたいで、事務所の大先輩の女優の主演映画のチケットを貰ったとか言ってくる。だが「一緒に行こう」というのは照れ臭くて言えないので、単なる自慢話みたいなのになってしまう。更にこれから放課後出かけるアピールをしてみたり、市川に自分のカーディガンを着せてみて、そのポケットにもう1枚のチケットが入っていたりして、それを取り出して市川にあげたりする。それでも山田からは「一緒に行こう」と言えない。

その様子を見て、市川は山田が自分と一緒に映画に行きたいのだろうと察するが、最終的には山田に気を使ってではなく、市川自身が山田と一緒に映画に行きたいと思い、「一緒に行こう」と誘います。それで山田は喜んで、そのまま一緒に映画館に行くことになるが、途中で山田は結局自分が半ば無理矢理市川に気を使わせて映画に誘わせたようなものだと反省し、本当は市川は嫌がっているのではないかと心配します。だが市川はそう言われると「いや」と否定しようとするが、思い上がって「自分が行きたかった」なんて言ってしまうと山田に嫌がられるかもしれないと思いウヤムヤにします。

そうして2人で出かけることになり、市川はこんなことをしたら結局は芸能人の山田に迷惑になるのではないかと後悔し、目立たないようにしようと心がけるのだが途中で立ち寄ったたこ焼き屋が姉の香菜のバイト先であり、いきなり香菜に見つかってしまう。それで散々デートだとかツッコミを入れられてしまい、店に入ってたこ焼きを喰うことになる。

しかし山田は実はたこ焼きが熱くて苦手らしく、一口で食って熱がったりしている。一方、香菜は店で他の店員に叱られたりしていて奮闘しているようで、市川はついつい香菜の様子を目で追ったりする。すると山田がそのことを指摘してくるので、市川は「身内が仕事をしていると新鮮で頑張ってるのを見てしまう」と言い訳する。それを聞いて山田は自分も市川にそんなふうに見てほしいと思ったのか、来週の日曜日に雑誌の撮影の仕事があると言い「見に来てもいいよ」と言う。それで市川は「行ってもいい」と応える。山田が仕事をしている姿に興味は確かにあったからです。

そして最後に1つ残ったたこ焼きを山田が食べることになったが、ちゃんと中を冷ましてから食べるようにと市川が言うと、山田は市川に冷ましてほしいと言い、市川は山田の食べるたこ焼きに自分の息をフーフーかけるという変な状況となり、更に山田がそのまま市川に食べさせてほしいと言って口を開けて待つので、照れまくりながら市川が山田にたこ焼きをアーンして食べさせてやることになった。

その後、映画館に着いて、市川はこれはデートなのだろうかと悩んだりするが、山田は市川の右の席に座ったら前髪で隠れて市川の顔が見えないことに気付いて市川と席を交換して、映画鑑賞中でも横を向けば市川の顔が見えるようにします。市川は山田がどうして席を替わったのか意味が分からなかったが、山田が今度の自分の出る映画の撮影のために演技の勉強のために今回の映画を見るのだという言い訳じみた話を早口でするのを聞いて、山田が仕事熱心なのに感心する。本当は山田は多少は演技の勉強という意味合いもあったのだが、市川とデートしたいという気持ちの方が大きかったのだが、市川はその言い訳じみた山田の言葉によって、やっぱり山田は演技の勉強が主な目的なのであり、だからこれはデートではないのだと思う。

それで市川は映画を見ながらウトウトと寝てしまいながら、以前に山田の出演していた映画を自宅で配信で見た時のことを思い出す。その時、チョイ役で出ていた山田の演技を見て、やはり山田は女優の才能があって自分などとは住む世界が違うのだと思ったことを夢に見て思い出していた市川は山田に起こされる。すると映画はクライマックスに差し掛かっていてキスシーンがスクリーンに映し出されていた。それで市川は驚いて照れまくってしまうが、隣で山田は全く照れたりせず真っすぐスクリーンを見入っているのを見て、市川はやはり山田は自分なんかとは違ってプロの女優なのだと感心する。だが実際は山田は市川と一緒にキスシーンを見たくて市川を起こしたのであり、キスシーンを見入っていたのも演技の参考にするためではなく、市川とのキスの時の参考にするためでした。

そして映画が終わって外に出て、市川がちょっと元気が無い様子であったので山田はやっぱり自分が無理矢理誘わせたけど市川は映画に興味が無くて嫌だったのかと思い、申し訳なさそうにします。だが市川は確かに自分は映画に興味は無く、山田とは住む世界が違うとは思いつつ、仕事に夢中になっている山田を見ることが自分は好きなのだと思い、そんな山田の姿をもっと見たいと思った。それで「山田のこと、もっと知りたい」と言う。それで山田は嬉しくなり、帰り道、市川と尻取りしながら「ありがとう」という言葉を告げる。

そして翌週の日曜日、市川は山田の撮影の見学に行くが、本当に自分が行ってもいいのだろうかと迷う。それでもオシャレな服を選んで着て、途中でコンビニで差し入れにと思ってコンビニスイーツを買ったりする。ところが撮影場所に行ってみると山田の周りにいる大人たちはみんなオシャレでカッコよく仕事をしていて、マカロンなんか食べていたりして、市川はそれに比べて自分の服装とかコンビニスイーツはまるで子供のママゴトのようだと劣等感を覚える。それで何だか居たたまれなくなってしまい、山田に挨拶もせずにその場を走り去ってしまう。「山田のこと、もっと知りたい」などと言ってしまったが、それは自分の独りよがりな想いであり、山田とは関係ないことだと思えた。

しかし山田は市川が走って行くのを見て心配して追いかけてきて、仕事を途中で抜けてきたと言う。市川は仕事に戻るように山田に言うが、山田は自分が無理に誘ったけど市川にはこんな撮影現場は楽しくなかったのだと反省して謝ってくる。それに対して市川は「仕事は楽しいとか楽しくないじゃない」と言って、とにかく山田を早く仕事に戻そうとする。自分のせいで山田の仕事の迷惑になりたくなかったのです。

だが山田は自分は本当は仕事に行き詰っていて、辛くて辞めたいと思っていたのだと言う。それでも市川に「仕事が好きなんだな」と褒めてもらって、それで自分は仕事が好きで楽しいと思っていることに気付けて、それで仕事を続けることが出来ているのだと言う。だから自分にとって仕事は楽しいものなのであり、それを気付かせてくれた市川の言葉は嬉しかった。感謝している。だから市川が楽しくなくて嫌な思いをしているのなら山田は放ってはおけないのです。

しかし市川はそんな山田の「仕事が楽しい」という言葉を聞いて、山田が嬉しいというのだから自分も嬉しいと思ってやるべきなのに素直に嬉しいと思えない自分をもどかしく思う。山田がそうやって仕事に邁進しているのを見ると、どうしても自分がそんな山田に不釣り合いな子供に思えてきて劣等感で辛くなってしまう。もしこのまま山田がここに居て仕事に穴を開けて芸能人を続けられなくなって普通の中学生になれば自分はこんな劣等感を抱かなくて済むようになるのではないかと考えてしまう。

だが、そうではないと市川は思う。確かに山田が芸能人であるという事実は自分を苦しめる。だが。もし山田が普通の中学生だったら自分はこんなに山田を好きになっていないだろうと市川は思う。山田を好きで苦しい気持ちよりも、山田を好きになれたことの歓びの方が自分にとっては大事なのだと思い、市川は山田の手を引っ張って駆け出し、撮影現場へと走り続ける。そうすると山田も市川の手を握り返してきて、2人は手を繋いで撮影現場に戻ります。

するとマネージャーがやって来たので市川は慌てて手を離そうとするが山田は市川の手を離そうとせず握り続けて、マネージャーに市川を紹介する。するとマネージャーは市川のことを既に知っているようで、山田が普段からよく市川の話をしているようだった。市川は撮影現場に出迎えられて撮影を見学することになるが、現場の皆は思ったよりも気さくな人達であった。ただ、あまりに普通に歓迎されたので市川は自分と山田が付き合っているようになど見られないのだと安堵しつつ、ちょっとガッカリした。ただマネージャーは山田から普段から市川の話を聞いているからなのか、市川と山田が付き合っていると思っているようで、山田の芸能活動との兼ね合いの話などをしてくるもので、市川は慌てて自分たちは交際はしていないと弁明します。それで、じゃあどういう関係なのかと問われて、市川はマネージャーに「杏奈さんのことを尊敬しているんです」と答えて、それが自分の本当の気持ちなのだと気付く。そしてそれが自分の劣等感の正体だとも気付く。そして早く大人になりたいとも思った。

帰りの電車の中で山田が「どうだった?」と聞いてくるので市川が撮影現場の感想を言うと、そうではないと山田は言う。それで自分がどうだったかと聞いて来ているのだと察した市川は、撮影現場で寛ぐ山田の姿を自分のスマホで撮影した画像を見せて「僕も撮ったんだ」と言って見せる。それで山田が「どうせ撮るならもっとキメ顔を」と文句を言うので、市川は自分はこの画像のように自然な笑顔を見せている山田の方が好きだと思う。山田の仕事向きの顔が好きなのではなく、仕事に懸命に頑張っている山田の輝いている姿が綺麗だと思うのだと市川は思う。それで、その画像を見て「いや、すごく綺麗だろ」と言う。言った後でヤバいことを言ってしまったと焦るが、山田も一瞬満面の笑顔になった後、恥ずかしくなって照れてしまい、2人して真っ赤になってしまったのでした。

 

 

最強タンクの迷宮攻略 ~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~

第5話を観ました。

今回はルードが故郷の町の近くに出現したアバンシア迷宮の調査に赴くことになります。それは実は以前にルードを勇者パーティーから追放した勇者キグラスからの依頼だった。キグラスは今までルードのお陰で戦えていたことを知って彼なりに反省したようで、ルードに謝罪して迷宮攻略させて「妹の病を治すために秘宝を手に入れる」というルードの望みを叶えさせてやろうとしていたのです。こうしてルードとキグラスは和解し、ルードはニンやルナに加えて勇者パーティーの元の仲間たちも加えたメンバーでアバンシア迷宮の攻略を開始します。このキグラスとの和解の場面はアツくて良かったです。

その後の迷宮攻略の場面は基本的に私がこういうのにそんなに興味が無くて、異世界迷宮モノのテンプレみたいな場面が多くて目新しさは無かったですけど、最深部の10階層で意思を持つ守護者マリウスと対決し、それが和風な侍だったのはちょっと意外な展開で面白かった。マリウスは巨大な魔物に変身してルード達はピンチとなり、ルードは皆が限界だと判断して撤退しようとするが、仲間たちはルードに夢を諦めてほしくないと励まし、それでルードは仲間たちの想いに応えてマニシアを救うために踏みとどまる。そして仲間たちの支援を受けて、マリウスの攻撃を受けきってそのダメージを生命転換でぶち込んで勝利する。ここの戦いはアツかったです。

そしてマリウスは降参して自分を殺すようにと言うが、ルードは自分は迷宮の守護者を殺すために来たのではなく迷宮の秘宝が欲しいのだと言う。するとマリウスは「奇跡を叶える魔石」をくれた。そしてルードは町のために迷宮を残したいのでマリウスには今後も迷宮の守護者として君臨してほしいと頼む。それでルードとマリウスは手を組むこととなり友人となった。そしてルードは家に帰ってマニシアに魔石を渡して使ってほしいと言う。マニシアはルードが使ってほしいと言うが、ルードは自分が使っても同じだと言いマニシアに使わせる。そうしてマニシアが魔石を使うと、マニシアの病気は軽くなったようです。

てっきり完全に治るのかと思っていたがそうではなくて今後も魔石を集めていけば完全に治るという設定はストーリー上の都合っぽいですが、それでもルードがマニシアの元気な姿を見て感動して抱きしめて涙する場面は良かったと思います。そしてCパートでは急にルードの家にマリウスがやって来て「今日からお前が迷宮の守護者だ」と謎のセリフを言うところで今回は終わり次回に続きます。

 

 

薬屋のひとりごと

第17話を観ました。

今回は壬氏が街にお忍びで出るために普段の自分には見えないようにしてほしいと猫猫に頼み、猫猫が壬氏が冴えない庶民の男に見えるような化粧や変装を施していくというお話でした。その上で、せっかく庶民に見えるようにしたのに普段のお供を連れていたのでは意味が無いという高順の提案で猫猫がちょうど休暇で花街に里帰りする日だったので猫猫が一緒に行くことになる。それでも猫猫も宮中関係者には顔をそれなりに知られているので変装することになり、小奇麗なお嬢様風の変装をさせられてしまい、壬氏が猫猫のお供であるという設定になってしまう。それで街中でちょっとデートっぽくなってしまったりするのだが、壬氏は誰かと待ち合わせのようです。それで最後に猫猫の養父が元は宦官であり罰されたのだという話を聞いて壬氏は何か思い当たるところがあるようで考え込んだりする。更に壬氏は先日羅漢に言われた「妓女の価値を下げる方法」の話を思い出し、花街に詳しいと思われる猫猫にそのことを質問すると、猫猫は壬氏が女と待ち合わせするために変装して街に出てきたのだと思い、更に誰か妓女を狙っていて、その価値を下げて手に入れようとしているのかと誤解して壬氏に幻滅します。その上で猫猫は高級妓女は誰も犯すことの出来ない手つかずの高嶺の華であることをその価値の源泉としているだと説明し、手籠めにして妊娠させれば価値を落とすことが出来ると言う。そういうところで今回は終わり、どうやら羅漢がかつて緑青館の高級妓女を妊娠させたらしいことが示唆されて次回のお話に続きます。そういうわけで次回はいよいよ物語が動き出すかもしれませんが、後半クールに入ってもう今回で5話目ですが、毎回そんなことを言って話が動き出さないまま今に至ってしまっていますね。さすがにちょっともうこの作品を持ち上げるのは難しいんじゃないでしょうか。まぁ女性視聴者はデート回だとか壬氏様お化粧回だとか言って盛り上がれるんでしょうけど、私はそういう盛り上がり方は出来ないので。