2024冬アニメ 1月25日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年冬アニメのうち、1月24日深夜に録画して1月25日に視聴した作品は以下の4タイトルでした。

 

 

異修羅

第4話を観ました。

今回は牢屋に入ってた蜘蛛女みたいな奴が最初にちょっと出てきて、あとはエルフの少女の話。エルフの少女は喋った通りに世界を動かすことが出来るチート能力の持ち主でした。相変わらずキャラ紹介で、前後関係も分からないので何のことやら分からない。とても眠かった。多分後になって面白い展開もあるんでしょうけど、そこに至るまでがここまでつまらない以上、その面白い展開だって面白くなるとは思えない。期待しなければいけない義務は無い。そういうワケで今回で視聴は切らせていただきます。

 

 

外科医エリーゼ

第3話を観ました。

今回はエリーゼが病院で見習いとして働き始める話でした。半年の間に医師の資格を取って王様に認めてもらうためです。それで公爵家の令嬢ということは隠して病院で天才医師といわれるグレアムのもとで修業開始となりますが、貴族の紹介で雇ってもらったのでグレアムは物好きなお嬢様を押し付けられたと思って不機嫌で、見捨てられたような貧民たちの集められた病棟で働かせてエリーゼが音を上げて辞めるように仕向けようとします。

だがエリーゼは病棟を清潔にするため率先して掃除を始めて、看護師たちもそれに倣い、更に褥瘡を起こしている患者の壊死しかけた皮下組織を切除する手術を行い、その他の患者たちの面倒も懸命に診ます。それでグレアムもエリーゼのことを認めてくれて正式に師弟関係を結びます。

一方、国王はクセフ半島での戦争がエリーゼの進言した通りの動向であることが分かって危機を回避出来たことで、やはりエリーゼを王太子妃として迎え入れたいと思うようになったが、自身の病がエリーゼの言っていた通りの糖尿病であったことが判明したことから、エリーゼに医師の才能があるのであればその道を諦めさせるべきでもないと考え始めます。そして王太子にエリーゼが働く病院を視察するようにと命じたところで今回は終わり次回に続きます。

まぁ何というか、悪い話ではないんですけど、誰でも予想がつくような展開の話でしたね。こういうテンプレみたいな話の場合は特徴を出すために派手めなギャグを入れたりするもんですけど、そういうのも無くて、ひたすら普通でしたね。かなり退屈だったんですが、こういう退屈な話に医学知識を付け足すことでそれなりに見れる話にしようという趣旨の作品なんでしょう。まぁ「医学知識をトッピングしたテンプレ異世界転生物語」ではなくて、ちゃんとした「医療ドラマ」にならないと視聴継続は難しそうですね。例えば「仁」では現代の名医の仁先生が幕末日本で自分がいかに無力かを痛感して打ちのめされたりしたが、ああいうのがあってこそ初めて「医療ドラマ」になるのだと思います。現代の医師は前近代文明の世界に行って無双なんか出来ません。

 

 

魔法少女にあこがれて

第4話を観ました。

今回は割と日常回っぽい内容でした。相変わらず変身して戦ったりエッチな場面も盛りだくさんで、どこが日常回?って感じな内容ではありますが、これまでみたいにマジアベーゼの悪の幹部としての成長を描いたりとか、仲間が増えたりするというイベント的な展開は無くて、エッチな場面も濃厚なSMプレイが描かれる感じではなくて、割と淡々と戦ってる感じのエピソードでしたので、一種の日常が描かれたエピソードという印象だったのです。もちろん笑える場面も多く、エロい場面も多かったので大満足ではあったのですが、ここまでの3話分に比べれば若干薄味で、繋ぎのエピソードであり、ちょっと一旦落ち着いたという印象であったのでした。

まず冒頭からいきなりエロい戦闘シーンから始まります。というか、戦闘はもう既に終わった感じで、いきなりトレスマジアの3人がマジアベーゼの作り出した粘液の魔物のようなもので身体を拘束されてあられもない格好にされて、しかも粘液でヌメヌメのヌルヌル状態でハァハァ喘いでいる、なんともエロい場面から始まります。それを相棒のレオパルトと共に見つめるメジアベーゼは大興奮状態です。トレスマジアの方は、すっかりマゾ開発されてダメになってしまっているアズール以外の2人は戦意を失っておらず劣勢を跳ね返そうと藻掻いていたが、ベーゼはうっとりした顔でトレスマジアのエロく抵抗する姿を堪能した後、やけにあっさり撤退していきました。

いつもならば、こうしてトレスマジアを拘束した後はねっとりと3人の身体を触って弄ぶのが常なのですが、ベーゼが3人を触ろうともせず撤退するのは意外なことです。これにはレオパルトも驚いて慌てて一緒に撤退していきました。そうしてベーゼが撤退するとベーゼの作り出した粘液の魔物も消えてトレスマジアの3人の拘束も解けて身体は自由になりました。ここでアズールが思わず残念そうに「え?もう終わり?」とか言ってるのが爆笑モノ。こいつ何しに来てるんだか。

だが、ここでマゼンタは怪訝そうな顔で撤退していったベーゼのことを考えていた。どうしてベーゼがわざわざ有利な状態で撤退していったのかマゼンタには分からなかったのでした。ベーゼがトレスマジアを倒すことが目的ならばさっきは絶好のチャンスだったはずなのに、それなのにベーゼは何もせずに撤退していった。それでマゼンタは「もしかしたらベーゼの目的は自分たちを倒すことではないのかもしれない」と考えた。

これはある意味では正解なのであり、マジアベーゼの目的はトレスマジアを倒してしまうことではなく、トレスマジアをSMプレイでいたぶって性的に興奮することなのです。トレスマジアを倒してしまうと、それが出来なくなってしまう。また、マジアベーゼは強くて可愛いトレスマジアをメチャクチャにすることで興奮するので、トレスマジアを完全に屈服させてしまうと、強いトレスマジアと相対することが出来なくなってしまうので、完全に屈服させることも望んでいない。だからどうしてもいつも中途半端な戦い方になってしまう。

しかしマゼンタはウブな中学生女子なので、ベーゼの戦う動機がそんな歪んだ性癖によるものであるとは想像もしていない。ただ単に「ベーゼは自分たちを倒すことが目的ではないのではないか」と感じただけであり、例えば「本当は敵意は無いのに何かの事情があって戦っているだけなのではないか」とか「それを知れば和解出来るのではないか」などと王道の正義のヒロイン的な発想をしただけでした。それでマゼンタはそのことを確かめるためにベーゼとサシで戦ってみようと考える。全くもって正統派の正義のスーパーヒロインの発想だといえます。しかし相手はただの変態なので、これはとんだ勘違いコメディです。

しかし、マゼンタがここまで勘違いしてしまったのは、今回ベーゼが普段以上にあまりにもアッサリと撤退していったのが原因です。普段なら散々エッチなことをしてトレスマジアを苦しめるので、普段通りのベーゼならばマゼンタはちゃんとベーゼを敵意ある存在と思っていたはずです。まぁサルファはベーゼが変態だということは気付いているし、アズールに至ってはその変態プレイで悦んでしまっているのですが、マゼンタは一番の常識人というかお子ちゃまというか、ベーゼの拘束プレイとか鞭打ちプレイとかくすぐりプレイをSM行為とは認識しておらず単なる「自分たちを苦しめるための攻撃」と認識しており、だからベーゼを「自分たちを倒そうとする敵」と認識していた。いつも中途半端に撤退していくのも自分たちの反撃で劣勢になったから逃げているだけだと思っていた。ところが今回は明らかに優勢であったのに撤退していった。それでマゼンタは不可解に感じたのです。もしベーゼがいつも通りにエロい行為でトレスマジアをいたぶっていたらマゼンタもこんな勘違いをすることはなかったのだといえます。ではどうして今回に限ってはベーゼはSMプレイの続きをせずに帰っていったのでしょうか。

それは実は全く個人的な理由で、マジアベーゼの正体であるうてなは悪の女幹部としてトレスマジアと戦うようになって以降、忙しくて勉強をするヒマが無くなり学校の成績が急降下してしまい、テストでも追試を受ける羽目になってしまった。それで母親に叱られてしまい、もし追試で合格点が取れなかったらうてなの魔法少女グッズのコレクションを捨てられてしまうことになってしまったのです。そのためにうてなは頑張って追試で合格点を取るために早く家に帰ってテスト勉強したかったので、それでトレスマジアとの戦いも適当なところで早々に切り上げて帰ったのです。

そういうわけで翌日もうてなは家でテスト勉強するためにキウイからの遊びの誘いも断って帰宅の路を急いでいたのだが、その途中の児童公園を通りかかったところ、そこでマジアマゼンタが「ばっちこいマジアベーゼ」と看板を掲げて立っているのを見て驚く。マゼンタはそうやってベーゼをおびき出してサシの勝負でベーゼの真意を確かめようとしていたのですが、ベーゼはマゼンタのその行動の意味が分からず困惑する。

それにしてもなんでマゼンタも児童公園で戦おうと思ったのかワケが分からない。子供が人気者のマゼンタが現れて面白がって集まってきて、マゼンタは「危ないから離れていて」とか言ってるけど、じゃあ最初から児童公園でベーゼを呼び寄せるようなことをしなければいいだろうに。なんか急に幼女向けアニメ感を出してきてますけど、この作品は絶対にそんなんじゃないですからね、勘違いしないように。

とにかくうてなとしてはこのマゼンタの意味不明な行動は迷惑でしかない。早く家に帰ってテスト勉強をしなければならないのです。それで無視して通り過ぎようとするのですが、そこにヴェナリータがやって来て見つかってしまう。当然ヴェナリータはうてなにマゼンタと戦うように命じますが、うてなは追試の件を説明して今回は見逃してほしいと頼みます。しかしヴェナリータはうたなが家で勉強机に向かっている時に勉強せずにSM関係のエロ本ばかり読んでいることを指摘して、学校の成績が下がっているのはトレスマジアとの戦いが忙しいのが原因ではないのだから、別に今ちょっと戦うぐらい問題無いだろうと、ものすごい正論でうてなを論破してしまう。

つまり、うてなが「トレスマジアと戦うのが忙しくて勉強が出来なかった」と言っていたのはウソで、本当は勉強する時間は十分にあったのにエロ本を読んでばかりで勉強を疎かにしていたので成績が悪くなっただけだったのです。なんと情けない理由か。しかしまぁうてながSM趣味に目覚めてしまったのはトレスマジアとの戦いを通じてサディズムに目覚めてしまったからなので、元はと言えばトレスマジアと戦うようになったせいで勉強が手につかなくなったと言えないこともない。ただまぁとにかく「勉強したいのでトレスマジアとの戦いは回避したい」という言い訳は通用しませんね。ここで戦わずに家に帰ったってどうせうてなは勉強せずにエロ本を読むだけなんですから。いやもうマジでちゃんと勉強しろよバカ。

そういうわけでヴェナリータに論破された挙句、更に親にエロ本のことをバラすと脅迫までされてしまったうてなは毎度のことながら無理矢理戦わされてしまう。そうしてマジアベーゼに変身してマゼンタの前に現れたうてなは、それでもまだテスト勉強する気はあるようで、手っ取り早く戦いを済ませて帰ろうとして最初から全力でいきます。そうしてハサミの魔物を生み出すと、マゼンタのコスチュームを切り裂いて全裸にしてしまい、マゼンタは恥ずかしくて手で胸や股間を隠してしゃがみ込んでしまい戦えなくなる。

ベーゼはそんな風に子供たちや保護者達に見つめられる中で全裸で恥じらうマゼンタの惨めな姿に興奮するが、それでも断腸の想いでテスト勉強を優先して撤退していき、マゼンタは身動きが取れずベーゼが去っていくのを見送るしか出来なかった。これでは単にベーゼが勝利したので撤退していっただけのようであり、マゼンタとしてはベーゼが本当に自分たちを倒そうとしているのか否かをちゃんと確かめることが出来ず悔しく思い、作戦を練り直すことにした。

一方、うてなは家に帰ってテスト勉強をしようとしたが、マゼンタの全裸姿を堪能しながら何もせずに帰ったことが心残りになってしまい、マゼンタの裸のことばかり考えてしまい全く勉強が手につかなかった。そして翌日も同じようにマゼンタの裸のことばかり考えてしまい全く勉強が進まない中、またエロ本を読もうとしたところ、ヴェナリータが現れて、またマゼンタが現れたと伝えてくる。うてなは行くのを嫌がるが、いっそ戦ってしっかり決着をつけてスッキリした方がいいと言われて結局戦いに行くことにした。

そして児童公園でマゼンタと再戦したベーゼは、またハサミの魔物でマゼンタのコスチュームを切り裂いて全裸にしてしまう。ところがマゼンタは今回は恥じらってしゃがみ込んだりせず余裕の表情で仁王立ちしている。見ると、乳首と股間の局部の上の3か所ににハート型のシールを貼って隠しており、それで「裸じゃないから恥ずかしくない」と言い、これ以上は切られないのだから平気で戦えるのだと胸を張る。

しかし、それは単に局部を隠しているだけのれっきとした裸であり、実に恥ずかしい格好であった。全裸で必死で局部を隠している姿もエロかったが、こうしてほぼ全裸の格好で仁王立ちしている姿もまた十分にエロかった。いや、シールを身体に貼って乳首や陰部を隠している異常な姿は、むしろ乳首や陰部を生で露出しているよりも異常なコスチュームプレイを連想させるフェチズムのエロさがあった。子供たちや保護者たちも昨日よりも興奮してそうしたマゼンタの姿に見惚れている。マゼンタもそうした周囲の好奇の視線に気付いて結局は大いに恥じらってしまい、そうしたマゼンタの姿を見てベーゼも大いに興奮する。

だがマゼンタはそれでもベーゼの真意を確かめるために今回はちゃんと戦わねばいけないと思い、恥ずかしい格好で戦闘を開始する。もうアホ丸出しです。ベーゼもそんなマゼンタに応戦し、どうしてマゼンタがここまで恥ずかしい想いをしてまで戦うのかと考える。マゼンタはベーゼの真意を確かめるために戦おうとしているのだが、ベーゼはマゼンタがあくまで悪を倒すためにたとえ全裸でも戦う強い正義の心を持っているのだと解釈し、そんな強い魔法少女であるマゼンタに対して強くときめきます。そして、そんな強くて可愛いマゼンタをメチャクチャにしたいというサディズムが湧き上がってきて、ベーゼもまた激しく戦う。

そうしてベーゼはスッキリして帰っていき、マゼンタは気絶していたところを駆けつけたアズールとサルファに救出されて目を覚まします。そうして結局、激しく攻撃してきたベーゼは自分を本気で倒そうとしてきていたようにも思えたし、だが気絶した自分にトドメを刺さずに帰ったベーゼはやはり自分を倒す気が無いようにも思えて、結局マゼンタにはベーゼの真意はよく分からなかったが、アズールとサルファに心配をかけないためにこういう単独行動はもう止めようと決めたのでした。一方、うてなはマゼンタの裸のことで悩むことは無くなったが、結局もともと勉強が手についていなかった問題は全く解決されないまま、全く勉強が出来ないまま追試の日を迎えてしまい絶体絶命となるが、キウイが実はむっちゃ勉強が得意で、テストも全教科100点だったので、速攻でキウイにテスト対策を教えてもらい、何とか赤点を回避出来たのでした。

後半パートはトレスマジアのアイドル活動の話で、まず学校の昼休みにコンビニ飯のうどんに箸がついてなかったというつまらない理由でキレ気味の薫子がキウイと喧嘩する話から始まります。ここでの薫子とキウイの煽り合いは面白かったですけど、ただ薫子はもともとイライラしていたのでコンビニ飯の件で更にキレたのであり、もともと薫子がイライラしていた理由は、最近ベーゼやレオパルトとの戦いがどうも中途半端であるのが原因だったのでした。

そもそもベーゼが戦う理由がトレスマジアを倒すことではなく性的イタズラをすることなので、どうしてもとことん戦い抜くというバトルにはならず、ベーゼに惚れてしまっているレオパルトもそうしたベーゼのペースに合わせているので、どうにも戦いは消化不良感のあるものになってしまうのです。しかし薫子は実はバトルジャンキーのような性格で、バトルはガチでやりたい主義であるので、どうも最近は欲求不満みたいですね。

その日の放課後、トレスマジアのアイドル活動で写真撮影の仕事となります。ここでこの物語世界にはトレスマジア以外にも魔法少女が全国に多数存在していることが分かる。なんだかご当地ヒーローみたいです。そして魔法少女たちは人々の支持を得るためにアイドル活動もしているらしい。そうした全国の魔法少女の勧誘してその活動の支援を行っているのがマスコットキャラのヴァーツで、ヴァーツはヴェナリータを白くしたような外見をしている。どうやらヴェナリータと同族みたいで、ヴェナリータを改心させるために全国に魔法少女を組織して、ヴェナリータの組織した悪の組織エノルミータに対抗させているみたいです。なお最近、各地の魔法少女が次々と何者かに襲撃されているようで、うてなやキウイ以外のまた新たなエノルミータの幹部の仕業なのかもしれないですね。

そうしたアイドル活動ですが、薫子の変身したサルファはあまり乗り気ではない様子。サルファはあくまで悪の組織と存分に戦うために魔法少女をやっているので、アイドル活動などどうでもいいのです。ところが撮影スタッフの安全のためにトレスマジアの居場所を察知されないようにしていた結界が事故で壊れてしまい、ヴェナリータがベーゼとレオパルトを引き連れてその場にやって来てしまう。

そうして戦闘開始となり、今回はレオパルトの生み出した爆弾をベーゼが鞭で魔物に変えて攻撃したり、それをバリアーで防ぎきれなかったサルファが攻撃形態で反撃したりして激闘が展開され、その正統派のバトル展開にベーゼが「あんまり面白くない」と不満顔だったり、でも久々の全力バトルに歓喜するサルファの闘志を見て、その強いサルファを歪ませたいという歪んだ欲望でベーゼも歓喜したり、レオパルトもマゼンタもアツく戦い、変態的でありながら激アツな展開となりました。そんな中で相変わらずアズールは縛られていたりして笑わせてくれました。どうやらトレスマジア側でもサルファがメインのエピソードはバトルもアツい展開になるみたいですが、サルファの攻撃形態がパワーの消耗が激しいという弱点を抱えているということも今回は判明し、いずれサルファの分からせ展開も来るのではないかと期待は高まります。ベーゼじゃないですけど、確かにサルファが強ければ強いほど、堕ちた姿を見るのが楽しみではありますね。

 

 

戦国妖狐 世直し姉弟編

第3話を観ました。

今回は断怪衆の総本山への殴り込みが一段落して序章が終わったという印象のエピソードでした。ここで一旦仕切り直して4人での旅が始まるみたいであり、次回から物語が本格的に動き出すようですね。ただ、今回でメインキャラ4人のそれぞれの抱えているものが示唆されており、序章の締めとしては良い出来だったのだと思います。

今回は前回のラストの続きで迅火が断怪衆の総本山に殴り込んで戦闘している場面から始まりますが、まずそれを遠くから見ているたまと真介と灼岩の会話の場面でたまがちょっと興味深い話をします。たまが人間の少女の姿をしているのは人間に化けている姿なのであって本来の妖狐の姿とは違うようです。それは迅火に精霊転化の術で己の力を分け与えて黒髪の姿になった状態でも同じであるようで、これはより人間に近づいた姿なのでしょう。ただ金髪バージョンでも黒髪バージョンでも頭の上に耳が生えているのは同じで、これは人間の耳とは別に生えている。たまの言うには、そうしていないと自分が妖狐であることを忘れてしまうのだそうです。といっても人間になるのではなく、単に記憶喪失の妖狐になるだけだという。それがどういう状態なのかちょっとよく分かりませんが、自分が妖狐であることを忘れて人間だと思い込んだ少女になるのかもしれないですね。

とにかく妖狐が本質的に人間に変わるということはないのだとたまは言う。それは逆もまた然りで、迅火も精霊転化で妖狐の姿に変身はしても、本質的に人間でなくなるというわけではないのだそうです。ただ、たまは精霊転化の術は「人間が完全な闇になる手前の未完成の術」なのだとも言う。つまり、精霊転化の術の本質というのは人間が闇に変わることを目指す術なのです。ただ、それはまだ未完成なのであり、迅火はそれをとりあえず戦いに利用しているのだといえます。

総本山の敷地内の山中を進む迅火は途中で断怪衆の幹部である野禅の作り出した霊力改造人間と戦闘となり苦戦しますが倒します。そこに現れた断怪衆の印河たちに向かって迅火は自分の真の目的を話します。迅火の真の目的とは、精霊転化の術を完成させて真の闇となることであり、そのために断怪衆の霊力改造人間の資料を手に入れようとしているのです。つまり、この口ぶりからすると「精霊転化の術」というのは妖狐であるたまが授けた技なのではなく、もともと迅火が身に着けていた仙道の秘術なのであり、おそらく迅火にそれを授けたのは師匠である黒月斎なのでしょう。

たまは闇でありながら人間が好きであり、迅火が精霊転化の術を完成させて人間から闇になろうとしていることに賛成はしていないと思われますが、それでも迅火と行動を共にしており、迅火の未完成の精霊転化の術で自分の霊力を分け与えて迅火を精霊体と化して戦わせている。そこにどういう事情があるのかは不明です。

その後、迅火は総本山の奥にある霊力改造人間の実験施設と思われる城を目指しますが、城から巨大な腕が生えてきてぶっ飛ばされてしまい精霊転化が解けて、たま達は迅火とはぐれてしまう。そこに霊力改造人間が襲ってきて、真介はたまと灼岩を逃がすために通りすがりの旅人のフリをして時間稼ぎをして霊力改造人間を食い止めようとしますが殺されそうになる。だが霊力改造人間の姿を見た灼岩は自分が霊力改造人間であることを思い出し、腕だけ変身して霊力改造人間を倒す。そして同時に改造術式を受けた後の全ての記憶を思い出し、自分が化け物になって故郷の村を全滅させて自分の親も殺したことを思い出し、ショックでその場から走り去ってしまう。

たまは灼岩にかける言葉が見つからず真介にも灼岩をそっとしておくよう言うが真介は灼岩を放っておけず追いかける。その真介の姿を見てたまは思うところがあるようであった。それに先立って真介が逃げずに霊力改造人間に立ちむかう理由を訊ねた際に真介が「逃げて弱いままでいたくない」と言ったことに対してもたまは反応しており、どうやら過去に人間との間に何かがあったようで、それで人間に対して思うところがあるようです。たまの回想場面では人間の男に育てられていたかのような描写があり、その男の死に際してたまは何も出来なかったことを悔いているようだった。また、その男が自分の死後にたまを黒月斎のもとに向かわせて、そこでたまは迅火に出会ったように思われる。たまが「人間が好き」だというのはこの過去の経験に何か関係があるようです。

一方で迅火は城から伸びた腕にぶっ飛ばされて森の中で気絶していて過去の夢を見ますが、その過去回想では子供の頃の迅火は黒月斎のもとで修業していた頃に闇たちと共に行動していたようです。そして闇と共に人間たちの戦国の争いを見て人間のことを争いを好む悪しき存在と見ていたようです。一方でそうした人間を喰らう悪しき闇も存在していたが、迅火と共に居た闇たちは善良な闇であり、その闇が人間に狩られて死んだことにより迅火は人間を初めて殺し、それ以降は人間に対する闇の恨みを果たすために生きてきたようです。迅火が精霊転化を完成させて闇になろうとしているのも、自分に闇の力があれば仲間であった闇たちを守るために戦えたのにという後悔の想いから来るものであろうようです。それに迅火にとっては人間よりも闇の方が善良な存在に見えるからなのでしょう。迅火がたまと行動を共にしているのも、たまが闇であり、人間と組むよりはたまと組んで精霊転化を完成させるための旅をする方がメリットがあるのでしょう。それを人間好きな闇であるたまが勝手に「世直しの旅」だと称しているのでしょう。

目覚めた迅火は野禅の送った式神から今後追手を差し向けることを聞かされ、断怪衆との戦いを覚悟することになるが、野禅はどうやら黒月斎の知り合いであるらしく、迅火に黒月斎の消息を訊ねますが、迅火は黒月斎は死んだと答える。一方、真介は灼岩に追いつきますが灼岩は自分は人殺しの化け物だと言い、真介を避けて逃げようとする。真介は灼岩は力のある者に好きなようにされてしまっただけの被害者なのだと言うが、灼岩は違うと言う。自分は確かに力を持たないために親に断怪衆に売られてしまったが、断怪衆に力が欲しいかと問われた際に力が欲しいと思ってしまった。その結果、人を殺してしまった。だからこれは自分が望んだことなのであり、自分は被害者などではなく人殺しの化け物なのだと灼岩は思ったのです。

それで再び灼岩に逃げられてしまった真介だが、たまがそこに現れて真介に灼岩を追う理由を訊ねる。それに対して真介が「理由なんて無い。ただ放っておいちゃいけないと思っただけだ。お前らみたいな冷たい奴らに人の気持ちが分かってたまるか」と答え、たまはその言葉に感じ入ったものがあったようで、灼岩の行方を真介と共に追う。そうして迅火と灼岩が山道でバッタリ出会ったところに真介とたまが追いつき、真介は灼岩を捕まえる。

真介は灼岩に「どこへ逃げてもお前は自分からは逃げられない」と言う。その言葉は灼岩だけではなく迅火の心にも響いたようです。灼岩は自分は人間ではなくなってしまったと言って全てを諦めて楽になろうとしているが、それでも人間であることからは逃げられない。灼岩が自分を化け物だと決めつけようとするのは人間として自分の犯した罪に向き合うことから逃げるためでした。そうやって人間は本当の化け物になっていく。灼岩はもともと弱い人間であったゆえに力を求めてしまい、その結果、罪を犯して、その罪から逃れるために化け物になろうとしている。迅火もまた子供の頃に弱さゆえに力を求めて人を殺し、人間を憎んで闇になろうとすることで自分の罪から逃れようとしている。しかし「人間は弱さゆえに罪を犯す」という現実から目を背けてはいけないのです。自分がそうした弱い人間であるという事実からも逃げてはいけない。

真介もまた、弱い人間は強い相手に対抗して生きるために力を求めるのは当然だと思い、ひたすら力を求めて生きてきた。しかし力を求めた灼岩が罪を犯してしまい苦しんでいる姿を見て、人間に真に必要なのは強さを求める心ではなく、弱さゆえに犯してしまう罪の悲しみを直視する心なのだと気付いたのでした。そうして灼岩をはじめとする弱き人間のために涙する真介の姿を見て、たまは迅火に「これが人だ」と言う。

人間は誰しも弱さゆえに罪を犯してしまう。迅火の仲間の善良な闇を殺した人間たちも弱さゆえに闇を恐れて闇を狩ったのであろう。だが、そうして犯した罪から逃れようとして心まで化け物になっていく者もいれば、罪を犯した弱さや悲しさに向き合って善良に生きていこうとする者もいる。そうした人間の本質を知り、人間嫌いを治すようにとたまは迅火に言い、灼岩には自分たちと共に旅をするようにと言う。迅火はこれから断怪衆との戦いが始まるので真介や灼岩は足手まといになると言うが、たまは迅火に自分たちをその力で守り切ってみせろと命じる。迅火の持つ力を、人間である真介と、人間と闇の中間に生きる灼岩、そして闇であるたま、この全てを守り切ることに使うようにとたまは言うのでした。それはつまり、迅火の力は人間への復讐のためではなく、人間と闇の全てを守るための力であるべきだというたまの新たな決意でありました。そして、たまは迅火に「彼らから学ぶのだ、在り方を!」と告げる。それはもちろん「人間としての在り方」であり、共に弱さゆえに罪を犯す存在である人間と闇の双方を慈しむことこそが「人間としての在るべき姿」だとたまは言っているのでありました。こうして4人の旅が始まり、これで序章が終わり、次回から物語が本格的に動きだすのでしょう。