2023秋アニメ 12月20日視聴分 | アニメ視聴日記

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日々視聴しているアニメについてあれこれ

2023年秋アニメのうち、12月19日深夜に録画して12月20日に視聴した作品は以下の1タイトルでした。

 

 

ミギとダリ

第12話を観ました。

今回も含めて残り2話となり、次回は最終話です。前回で謎が全て明らかとなった後、今回はその結末が描かれます。どうやら前回で描かれた以上の更なる謎解きというのは無いみたいですね。怜子が手に入れていたのは瑛二と華怜の2人の子供だけであり、そしてメトリが死んだのは瑛二が突き落とした怪我が原因だったのでしょう。今回の内容を見る限り、そこを更にひっくり返すような展開は次回も無さそうです。罪を犯した2人、つまり怜子と瑛二ですが、この2人が今回は罪を償うということになりました。つまり怜子は瑛二に刺されて死亡し、瑛二は最終的に警察に自首しました。そしてミギとダリは宿願としていた復讐を果たすことは出来なかった。いや、果たさない道を選んだのでした。

まず今回の冒頭では前回のラストシーン、瑛二が狂った一条家の全てを終わらせるために怜子を刺して、その後、屋敷に火を放つシーンが描かれました。そして地下の監禁部屋に閉じ込められてしまっていたミギとダリ、丸太と華怜、そして瑛二の父は部屋を脱出できず困っていた。ここでミギが自分たちを部屋に閉じ込めた瑛二が何を考えているのか分からないと言って狼狽えるのを、ダリが「分からなくて当たり前だ!赤の他人なんだから」と叱ります。ダリはあくまで母を殺した瑛二が自分たちの兄弟だとは認めたくない。実際は兄弟なんですが「考えていることが理解できない」ということが血の繋がりが無い証だという考えにダリは縋りついているようです。

しかし血の繋がりがあるはずの瑛二の父もまた瑛二の考えていることが分からないと言って頭を抱える。そして一条家には何の問題も無かったはずなのにどうしてこんなことになったのか全く分からないとも言う。これには華怜も呆れます。14年前から怜子の異常な行動はずっと続いていたというのに夫はそれに全く気付いていなかったのです。医者なのに自分の妻が心を病んでいることにも気付けなかったことの皮肉を華怜に指摘され、瑛二の父はガックリ項垂れる。

その一方で丸太は何とかドアから脱出しようとして穴を開けていたのですが、その穴から煙が入ってきて、屋敷が燃えていることが分かる。それで全員で必死にドアを破壊して逃げようとするが部屋の中にある物ではドアは破壊できない。ミギは「皆でチェリーパイを食べるんだ!」とダリとの約束を果たそうとドアに頭突きして頭から血を流し、ダリはミギの必死な想いに胸打たれて、ミギを抱きしめます。

そうしていると外から何者かがドアを破壊してくれました。それは秋山でした。一条家が燃えていることに気付いてミギとダリ達が危ないと察知した秋山は、分厚い鳥の仮装を被ったまま火の中に突入してきたので、仮装が燃えただけでなんとか監禁部屋の外まで来ることが出来て、ミギがドアに頭突きする音で中に皆が居ることに気付いてくれたようです。

そうして全員で屋敷を脱出することになり、地下の監禁部屋から1階に登ると、そこは火の海になっていて玄関までは行けそうにない。それでまだ火が回っていない2階の部屋の窓から脱出することになりますが、庭には有刺鉄線が張り巡らせているので飛び降りることが出来ない。それでテーブルを窓に立てかけてジャンプ台代わりにして助走をつけて大ジャンプして庭を飛び越えようということになり、ミギとダリが成功し、続いて華怜を抱いて父親が跳ぶが、やはり華怜を抱いていたので万全のジャンプが出来ず失敗して有刺鉄線で怪我をしますが、それでも華怜は無事に庭の外に降り立たせることが出来た。続いて丸太は怖気づくが、華怜に「飛べたらイイことしてあげる」と言われてジャンプを敢行し成功。そして最後は秋山が犬を助け出して一緒に飛び出してきて全員が脱出に成功した。

だが秋山は「まだ中に瑛二がいる」と言う。てっきり瑛二は屋敷に火を放って怜子と共に逃げたのだとばかり思っていたミギとダリは驚きますが、秋山の言うには、瑛二は2階の寝室で動かない怜子を抱きしめていて、声をかけても反応せず、まるで死のうとしているようだったという。怜子が大人しく死のうとするとも思えないので、ミギとダリは瑛二が怜子を殺して一緒に死のうとしているのだと気付く。父親は秋山の話を聞いて「何故なんだ」と嘆いていて、瑛二の想いが理解出来ない様子でしたが、今のこの状況に至ってダリは瑛二の気持ちがよく理解出来た。それは燃え盛る屋敷の中から聞き慣れたピアノ曲のメロディーが流れてきたからだった。

瑛二は寝室のベッドに怜子の死体を横たえて怜子との想い出のピアノ曲のレコードを流していた。瑛二にとって実の母親ではなくても、やはり怜子はずっと母親だったのであり、瑛二には子供の頃に怜子が弾いてくれたこの曲が懐かしい母との想い出だったのです。母の犯してしまった罪を知り自分が何者でもないと知った瑛二は、自分と怜子が完璧な母と息子のまま全てを終わらせなければいけないと思い、母を刺して自分も死んで一条家を痕跡残さず消し去ろうとしている。瑛二も成長するにつれて怜子が異常であることには気付いていた。しかし瑛二はそうした「完璧を求めすぎるが故に生じた歪み」も含めて怜子を母として愛おしいと思っており、いずれ医者になって母の心に平穏をもたらしたいとも思っていた。しかし、母の犯罪や自分の存在の不確かさを知った瑛二はこのような方法でしか母の心を平穏にすることが出来なくなってしまったのでした。その母と自分へのレクイエムとして、瑛二にとって自分と母の最も完璧だった日々の思い出の曲を流そうとしているのです。

ただ、ダリが理解出来たのはそこまで具体的な瑛二の心境ではなかった。ダリが理解出来たのは、この曲が瑛二にとって母との想い出の曲だったのだろうということです。何故ならミギとダリにとってもこの曲は聞き覚えのあるものだったからです。それは地下の監禁部屋で母メトリと一緒に暮らしていた幼年時代、いつも何処からか聞こえてきたピアノの音であり、それをミギとダリは勝手に「ミジンコの曲」と名付けて、いつも母と一緒にそれを聞くのを楽しみにしていた。ミギとダリにとって「ミジンコの曲」は母との想い出の曲だった。今にして思えば、あれは一条家の1階の広間にあったピアノで怜子が弾いていた曲だったのだとダリは気付いた。そして、おそらくそれを聴いていた瑛二にとってもあの「ミジンコの曲」は母である怜子との想い出の曲だったのだろうとダリは思った。

問題は、そうした母との想い出の曲を流しながら母を失った瑛二が自ら死のうとしている、その心境がダリには半分は理解出来てしまっていることだった。それはダリもまた母を失っているからです。だが半分しか理解出来ないのは、ダリは「ミジンコの曲」の想い出を共有する相手を全て失ってはいないからです。そう、ダリにはまだ共に「ミジンコの曲」を聞いていたミギが居る。兄弟がいるのです。だからダリは母を失った悲しみで死のうとはしなかった。そしてダリは「もしミギが居なければ自分は死んでいたのだろう」ということも今となっては分かっている。ミギと一旦訣別して自分1人で復讐を遂行しようとしたダリはすぐに心が折れてしまい、怜子に自ら殺されようとしたからです。あの時、どちらかを殺すと選ばされたとはいえ、ダリは1人ぼっちになったら自分はどうせ生きていけないと思って自ら死のうとした。その自分の心境を知っていたゆえに、ダリは今の瑛二があの時の自分と同じ心境なのだと理解出来たのです。

そして、あの時の自分が再び生きようと思えたのはミギが戻ってきてくれて、再びミギと兄弟として繋がることが出来たからだった。ダリはミギによって救われたのです。しかし今の瑛二にはミギがいない。救ってくれる兄弟がいない。だから瑛二は死のうとしているのだ。だから瑛二には今は兄弟が必要なのだ。それなのに自分は瑛二を拒絶して死の決断に追いやってしまった。そう気付くとダリは「あいつは、僕だ」「ミギがいない僕だったんだ」と呟き、燃え盛る屋敷の中に玄関から突っ込んでいく。

そうして2階の寝室に辿り着いたダリは瑛二に「何をしに来た」と問われると「復讐しに来た」と答える。そして「お前が憎いと思ったのは母を殺されたからだとずっと思っていた」と言って、続けて「でも違った。僕と似ているからだったんだ」と言う。ダリはとっくに瑛二が自分と同じだと感じていたから、同族嫌悪で瑛二を嫌っていただけだった。そのことに今さら気付いたのです。瑛二は復讐したいのならそこにある包丁で刺せば良いと言うが、ダリは自分の復讐はそうではないと言いかけたところにミギがダリを追いかけて部屋に飛び込んできて、尻に火が点いていて暴れ回り、シリアスなムードがぶち壊しになる。それを見てダリは「これで美しく死ねないな」と言い、瑛二に向かって「無様に生きろ」と言う。それが自分の復讐だと言って、ダリは瑛二の手を引っ張って寝室から連れ出して脱出しようとします。

だが瑛二が嫌がってダリの手を振りほどいた拍子にダリは燃え盛る1階に落下してしまい、ダリを助けようとしたミギが瑛二とぶつかって2人も1階に落下してしまう。そうして煙に巻かれてミギもダリも絶体絶命となってしまうが、何と此処でみっちゃんの幽霊が現れてお掃除で煙を払ってくれて、ミギとダリは合流し、落下したシャンデリアの下で倒れている瑛二も発見する。そしてミギとダリは一緒にシャンデリアを持ち上げて瑛二を助け出そうとするが、瑛二はまだ死のうとしており、放っておいてほしいと言う。だがダリは瑛二に「お前はこれから僕らと家に帰ってチェリーパイを食べるんだ」と言う。ミギも笑いながら「腹ペコだからってパイを独り占めするなよ!」と言う。それを聞いて瑛二はミギとダリが自分の新しい家族になってくれたと感じた。そして、ミギやダリと一緒に園山家で皆とも一緒になってチェリーパイをがっついている自分の姿を想像すると可笑しくなって「何だよ、それ」と微笑むと「様にならないな」と言い、ミギとダリと一緒にシャンデリアを持ち上げて脱出し、3人で肩を組んで玄関から外に出ていったのでした。

そうしてミギとダリは瑛二と一緒に物陰に隠れて様子を窺い、一緒に園山家に行って匿ってもらおうと瑛二に言い、一緒にチェリーパイを食べようと誘うのですが、瑛二は「そのパイは俺には甘すぎるな」と寂しそうに笑いかけると、立ち上がり歩き出して警官に自首したのでした。母の殺害、家の放火に加えて、みっちゃんの殺害まで自分がやったことにして母の罪を隠そうという瑛二の自首する姿をミギとダリは呆然と見送る。今回はここで終わりで、次回は最終話となり、事件のその後が描かれるのでしょうけど、ミギとダリが園山家に戻って双子であったことを告白する場面も楽しみですね。