2023年秋アニメのうち、12月15日深夜に録画して12月16日に視聴した作品は以下の3タイトルでした。
葬送のフリーレン
第15話を観ました。
今回は短編の2本立てとなります。最初は人間を眠らせる魔物との戦いのお話。フリーレン一行が立ち寄った村の住民がみんな眠っていて、どうやら「呪い」による攻撃だと分かる。この物語世界の設定では「呪い」というのは「魔族や魔物が使う魔法の中で人間の魔術原理で解明されていないものの総称」らしい。つまり人間側の魔法使いも阻止出来ないし解除も出来ないのだそうだ。じゃあどうしようもないのかというと、僧侶は別らしい。僧侶が使う魔法は魔法使いが使う魔法とは別体系で、人間の魔法ではなく女神の魔法なのだそうです。女神の魔法も「呪い」同様に原理が解明されていないのだが、僧侶は女神の加護を受けているので特別に女神の魔法を使える。だから「呪い」も対処できる。また、女神の加護があるので僧侶は「呪い」に耐性もあるらしい。そういうわけで「呪い」が相手となると、フリーレン一行ではザインが受け持つことになる。
それでザインに見立ててもらったところ、この「呪い」は魔物によるもので、厄介な呪いなので解除には手の込んだ儀式が必要だとのこと。つまり時間がかかるので間に合わない。だったら魔物を倒した方が手っ取り早いということで、ザインが魔物の居場所を探知して、フリーレン一行でそちらに向かい魔物を討ち取ろうとします。だが途中でシュタルクもフェルンも呪いが効いて眠ってしまう。それでフリーレンとザインで魔物の住処に着くが、そこでフリーレンも寝てしまう。ザインの僧侶魔法で5秒間だけフリーレンを覚醒させることは出来るが、ザインはフリーレンと5秒以内に意思疎通できる自信が無い。それでザインは自分の魔法で魔物と戦うが魔物は手強くて勝てそうにない。
そこでザインは子供の頃にハイターからフリーレンについて聞いていた話を思い出して、もともとフリーレンは意思疎通が難しい相手だから、いっそフリーレンの言うことを全面的に信用した方がいいと言われていたのを思い出し、フリーレンが眠ってしまう前に「1人で戦っちゃダメだ」と言っていた言葉を信用することにしてフリーレンを覚醒させ、魔物の特徴を教えようとするがフリーレンは魔物を一瞬見ただけで弱点を見抜いて的確な攻撃で倒して、全員の呪いを無効化したのでした。
続いて後半パートは要塞都市に立ち寄ったフリーレン一行がオルデン卿という貴族に頼まれごとをする話。その頼まれごととは、オルデン卿の息子が魔族との戦いで戦死して、戦力の立て直しまでの間に息子の健在をアピールするために、息子とそっくりのシュタルクに3ヶ月後の舞踏会に息子のフリをして出てほしいというもの。そのために貴族の礼儀作法や所作や剣術やダンスを叩き込むという話で、シュタルクは嫌がりますが、フリーレンやフェルンは報酬に釣られてOKする。
そうしてシュタルクの苦難の日々が始まりますが、そんな中でシュタルクはオルデン卿には戦死した長男以外に幼い次男も居ることを知る。そして、優秀だったという長男に比べて見劣りする次男の姿を見て、かつての自分と重ね合わせる。オルデン家の次男も昔の自分みたいに父親に愛されていないのだろうかと心配するシュタルクでしたが、オルデン卿は厳格な印象ではあったが深く接してみると、シュタルクの実父とは違い、ちゃんと心のこもった剣術の指南をしてくれる人物であり、次男に対してもちゃんと愛情をもって接していた。それを知ってシュタルクは安堵すると同時に、父のような温もりをオルデン卿に感じる。
一方、長男に化けたシュタルクの舞踏会でのダンスパートナーも必要だということになり、報酬を貰って屋敷に逗留させてもらっている義理からフェルンがその相手に指名されてしまい、フェルンもダンスや行儀作法の特訓で地獄の日々を送る羽目となり、フリーレンとザインは遊び暮らす。そうして3ヶ月経ち舞踏会が開かれ、シュタルクとフェルンは見事にダンスを披露して役目を果たします。このダンスシーンが素晴らしかった。
そして役目を終えたシュタルクにオルデン卿はもし良ければこの家で暮らさないかと誘う。オルデン卿の一族もシュタルクと同じ戦士村の出身であり、戦士村が滅びたことも知っていた。だからオルデン卿はシュタルクにはもう帰る場所が無いということも知っており、これも何かの縁というわけで誘ってくれたのだが、オルデン卿が長男とは喧嘩別れしたまま戦死させてしまったことを悔いている様子を見て、自分も喧嘩別れした育ての親アイゼンに再会して土産話をしなきゃいけないのだと言い、オルデン卿の誘いを断ります。そしてオルデン卿が次男に剣術を教えている様子を見て満足し、フリーレン一行は要塞都市を旅立ったのでした。
カノジョも彼女 Season2
第23話を観ました。
今回も含めて残り2話となりました。次回が2期の最終話で、今回はその1つ前の話ということになる。前回は無人島で一夜を過ごすことになった直也と紫乃が描かれ、ラストシーンでは紫乃が直也にキスをするという衝撃展開となり、いよいよ今回は大山場かと思ったんですが、今回はまだ溜めてきましたね。どうやら大山場は次回の最終話のようです。
今回はまず冒頭は前回のラストのそのキスシーンからなのですが、直也の優しさに触れてつい気持ちが抑えられなくなってキスしてしまった紫乃でしたが、我に返って、いくらなんでもやりすぎてしまったことに気付いて焦ります。一旦は直也に想いを告白しようかと思ったが結局は咲と直也の邪魔をするのが怖くなって告白を諦めた。その直後にいきなり暴走してしまった自分に紫乃は困惑しました。
一方、直也も紫乃にいきなりキスされてビックリしてしまい、どういうことなのかと聞いてきます。好きだと伝えていない状態でいきなりキスしたことについて紫乃はどう説明したらいいのか困ってしまい、とにかく上手く誤魔化さねばいけないと焦ります。しかし「誤魔化す」というのは一体何を誤魔化すというのかと紫乃は考える。それは「自分が直也を好きだ」という気持ちが直也にバレないようにキスした理由を別にでっち上げるということを意味していた。しかし紫乃は「自分の気持ちを隠すことに一生懸命で大事なことを忘れてる」とミリカに指摘されたことを思い出し、いつまでもそうして誤魔化して自分の気持ちを隠すことはやはり間違っているのではないかと気持ちが揺れる。
今こそ本当の気持ちを伝えるチャンスなのではないかと紫乃は思った。実際「直也のことが好きだから」という理由以外にこの状況でいきなりキスした言い訳となる理由も何も思い浮かばない。それならいっそ、下手な言い訳をしても通用しない状況になってしまった以上、本当の気持ちを伝えるべきなのではないかと紫乃は思った。それでもやっぱり本当の気持ちを伝えて直也に拒まれるのは分かり切っているので怖くなるが、それでも今回この状況を逃せば自分は二度と告白することなど出来ず、思わずキスしてしまうぐらいに直也への想いが高まってしまった以上、おそらくずっと直也を諦めることも出来ず、結局今後もずっとウジウジし続けるのだろうとも思えた。そんな地獄には耐えられそうもない。ならばいっそ今終わらせてしまおうと思って紫乃は自分の背を押した。
そうして紫乃は直也の肩を掴んで向き合い「私、本当は」と想いを告げようとする。しかし、それまでは手を胸を隠していたのに両手で直也の肩を掴んでしまったために胸がガラ空きになってしまい、直也は真正面から月明かりに照らされた紫乃のオッパイをモロに見てしまい慌てて目を閉じ、紫乃に裸が見えていることを指摘する。それを聞いて紫乃は自分が素っ裸だったことを思い出し悲鳴を上げて木の陰まで駆けていき身を隠す羽目になってしまいました。
これで、一度はついた紫乃の勢いも再び消えてしまい、紫乃は木の陰で直也に背を向けて座り込み、直也も木を挟んで反対側に紫乃に背を向けて座ります。そして直也はそういえば紫乃はいつもこんなふうに自分と居ると落ち着きが無くなって失敗してエッチなミスを連発しがちになるのだということを思い出し、きっとさっきのキスもそういうミスの1つだったのだろうと思った。きっと自分が怪我をしたことに動転して紫乃が慌てて動いて弾みで唇が唇に触れてしまったのだろう。そう思って直也は「やっぱり、さっきのもいつもの事故?」と紫乃に問いかけ「さすがにするわけないもんね」と確認する。
それに対して、実際は事故などではないのだが、紫乃は「うん」と答えてしまう。女の子にキスされたというのに真っ先に「事故」だとか「するわけない」と思ってしまうということは、それだけ直也にとって自分は恋愛の対象外なのだと思えてきて、どうせ告白しても拒否されるだけであり直也に迷惑をかけてしまうだけだと思えた。それならば、せっかく直也が事故だと思い込んでくれているのならこのまま上手く誤魔化すことも出来るわけだし、紫乃はこのまま事故だったということで済ませてしまおうと思ったのです。
そうして紫乃は「どうせどうにもならない恋ならば自分はずっとこのままでいい」と思う。しかし「このまま」ということは、ずっと直也のことを諦められない今の状態をずっと続けるということです。きっと自分はもうそれに耐えられないだろうと紫乃は思った。耐えられないからいきなり裸で直也にキスまでしてしまったのだ。つまり「このままでいい」なんて頭でいくら思ったとしても、結局自分はその「このまま」を維持することも出来ないだろう。ならばやはり、いっそ今日ここで終わらせた方がいい。むしろ思い切って告白してフラれた方が直也に多くの迷惑をかけずに済む。そう思った紫乃は、焚き木を拾いに行こうとする直也を「事故じゃないの!」と呼び止める。
直也はいきなり紫乃が意外なことを言い出すので驚いた。キスは事故だと言っていたはずなのに、急に「事故じゃない」と言い出した紫乃の真意が一瞬よく分からなかった。事故じゃないということは、紫乃はキスしようとして自分にキスをしたということになるが、紫乃が自分にキスをする理由が直也にはよく分からない。それで紫乃にキスした意図を聞こうと思い「それってどういう?」と問いかけてみるが、紫乃は木の陰で黙って背中を向けたまま何か肩を震わせて息を荒げている様子です。もしかして泣いているのではないかと直也が紫乃の方を覗き込むと、いきなり紫乃が倒れてしまう。
実は紫乃は夜風で身体が冷えて本当に風邪をひいてしまっていたのです。それで発熱して倒れ込んでしまい、直也が一晩中付きっ切りで看病することになった。結局それでウヤムヤになって、また紫乃は想いを告白するチャンスを逃してしまいました。そうして夜が明けて朝になると今度は熱中症まで併発してしまい、紫乃は直也に迷惑かけっぱなしで、こんな自分が今さら告白などする資格は無いと思えた。むしろあのキスのことをこれ以上追及してこない直也の優しさに感謝するぐらいでした。
そうしていると、直也はグッタリした紫乃を抱きかかえるといきなり海に入って対岸を目指して泳ぎ始める。紫乃が驚いて何をしているのかと問うと、直也は熱中症の紫乃は一刻も早く病院に連れていかねば危険だから、自分が紫乃を抱えて泳いで戻るしかないのだと言う。まずは直也が1人で泳いで対岸に辿り着き救助隊を連れて戻ってくるのが一番の安全策なのだが、そうして紫乃を無人島に1人で放置している間に症状が悪化したら命にかかわる。だから多少は危険でも紫乃を抱えて泳いて戻った方が安全だと直也は考えたのです。
これは下手したら2人とも溺れて死ぬ危険があるので、これが正しい選択だったのかどうかは難しい問いです。まず直也が1人で戻ってから急いで救助隊を呼ぶ方が正解だったのかもしれない。しかし、確実に言えることは、この時直也は「自分の安全」や「2人の安全」よりもまず第一に「紫乃の安全」を最優先に考えたということです。結果が伴う思考であったかどうかはさて置き、自分の命よりも紫乃の命を大切だと考えて行動したことだけは間違いない。「紫乃さんを助けたいんだ!」と叫んで懸命に泳ぐ直也を姿を見て、そうした直也の想いは紫乃にも伝わり、紫乃はそうした真っすぐな想いを自分に向けてくれる直也に比べて自分がいかに卑屈であるか思い知らされた。こんなに真っすぐな直也にに対して、自分はまだ結果を怖がって嘘をつき続けようとしている。それではいけないと紫乃は思った。自分ももっと頑張って素直にならないといけない。そして、出来ればその後も直也の傍に居たいとも思った。
そうして2人はなんとか対岸に辿り着いた。ほとんど溺れかけて浜辺に打ち上げられた直也は浜辺に突っ伏したまま倒れ込み、紫乃は途中で気を失っていたが浜辺で目を覚まし、直也と無事を確認し合った。そうして皆のもとに戻ろうと言って起き上がろうとする直也に向かって、紫乃は「でも、その前に、昨日のことだけど」と遂に意を決して直也に自分の想いを素直に伝えようとします。ところが、そこに咲が2人を発見して慌てて駆けてくる。
咲たちは昨晩、急に直也と紫乃が居なくなり、海岸に2人の荷物やスマホも残されていて、2人が沖の方に流されていったという目撃情報もあったので心配して一晩中浜辺を探し回っていたのです。すると直也と紫乃が浜辺に打ち上げられているのを咲が見つけて、慌てて走ってきたのです。その咲の顔を見て紫乃は衝撃を受けます。咲は直也の安否を心配して涙で顔をグチャグチャにしていて、そして駆け寄って直也が生きていると知ると、直也の手を握って号泣する。紫乃はこんなに取り乱した咲の姿を見たことが無かった。それで、自分が大変な思い違いをしていたことに気付いた。
紫乃は咲の日頃の態度を見て、いつしか「咲はそんなに直也のことを愛していないのではないか」「少なくとも自分の方が直也のことを愛しているのではないか」と思うようになっていた。中学の時に最初に直也を好きになったのは自分の方だった。咲は直也に告白されてOKしたに過ぎない。だから本当は自分の方が直也のことを好きなんだという自負が紫乃には常にあった。だが実際はそうではなかった。自分は直也に対してこんなに素直に自分の気持ちを伝えることをずっと躊躇してきたが、咲は直也にいつでも素直な気持ちを伝えてきた。咲が直也と距離を置く時は単に照れ臭いという自分の気持ちに正直になっているだけなのであり、腹が立てば怒るし、心配すればこうやって泣いたりする。そして、咲は感極まって遂にここで直也とキスまでしてみせた。花火大会だからキスしなければいけないとか、キャンプだからキスするとか、そんな気持ちの動きを無視して形から入るようなことは咲には必要無かったのです。素直にキスしたい気持ちになれば咲はいつだって直也とキスすることは出来たのです。咲は直也に対して何時だって嘘はついていないのです。
それに比べて自分はどうだろうかと紫乃は思う。いつでもカッコつけて形から入るようなことばかり咲に勧めて、それすらも実際は自分が直也を諦めるためであったり、こうやって無人島でようやく素直な気持ちのまま直也とキスした後も想いを伝えることが怖くて誤魔化すことばかり考えていた。こんな嘘だらけの自分が咲よりも直也を愛しているなんてことがあるはずがなかったのだと紫乃は思った。咲と直也の間に自分の入る余地など無かった。自分が咲の直也への恋を邪魔しようなんて考えてはいけなかったのだと紫乃は思い知り、「私はバカだ」と自己嫌悪に陥るのでした。
その後、直也と紫乃は別荘に運ばれて、安静にして処置したら午後には回復しました。紫乃は風邪はまだ残っていたのでベッドで安静にしていますが直也はすっかり元気になる。そこで直也と咲の様子がちょっとおかしいことに気付いたミリカは、2人がキスしたのではないかと疑い、直也と咲も否定しなかったのでミリカは2人がキスしたのだと確信して悔しがり、一方で渚は直也と咲を祝福します。ミリカの方は紫乃にコッソリ話しかけて、どうして直也と咲のキスを妨害しなかったのかと詰め寄るが、紫乃の反応が妙に落ち着いていたのが気になり、直也と咲と渚を部屋から追い出して紫乃と2人きりになり、無人島で直也と何かあったのではないかと詰め寄る。
ミリカは紫乃に「直也と咲がキスしたら直也が好きだということをバラす」と脅していた。だから2人がキスしたことでミリカが紫乃を責めれば、紫乃は自分の想いをバラされるかもしれないと思って焦るはずなのです。ところが紫乃が全く焦った様子が無かったので、ミリカは紫乃がもう既に直也に自分の想いを告白したのではないかと疑ったのです。既に直也にバレてしまっているのならミリカにバラされることは紫乃にとって何ら脅威ではないはずだからです。
しかし紫乃はミリカの問いかけに対して「結局、何も無かったに等しいわ」と自嘲する。ドジって胸を見られて、手をつないで、裸で背中合わせで焚火して、キスしたけど、でも何も無かったという紫乃の話にミリカは呆れ果て怒り狂いますが、紫乃にとっては直也へ想いを告白していない以上は「何も無かった」と同じなのです。いや、むしろ今となっては何も無くて良かった、告白しなくて良かったと思っている。紫乃はミリカに対して、一旦は告白しようとしたけどきっかけを失ってしまい、その後で浜辺に打ち上げられた時に駆け寄ってきた咲を見て、咲が直也のことをそんなに好きじゃないと思っていたのは思い違いだったと気付いたと説明する。ミリカには紫乃の言っていることがよく分からなかった。咲が直也のことをどう思っていたとしても、大事なのは自分自身が直也をどう思っているかだろうとミリカは思う。それに、まだ紫乃が直也に想いを告白していないのならば自分の脅迫は有効であるはずなのに、紫乃が焦っていないのもミリカにはよく分からない。だが紫乃は「もういいの」と言う。
そこに直也と咲と渚が戻ってきたので、紫乃は3人に話があると言う。そして紫乃はいきなり別の学校に転校すると言い出す。理由は今の学校で咲たちと一緒にいるとアホが伝染るとかいう雑な理由で、そもそも既にかなりアホになっているのではないかと咲にツッコまれてしまう始末だが、それでも咲は転校するのだと宣言し、沖縄旅行も1人だけ今すぐ帰るとか言って別荘から出て行こうとする。紫乃としては別に咲たちに納得などして貰わなくてもいいと思っている。とにかく早く咲たちの前から姿を消してしまえればそれで良かった。
ところが咲はそんな雑な理由で納得して紫乃を行かせることは出来ないと言ってキレて紫乃に襲い掛かる。そして、何か隠してることがあるのだろうと言って紫乃に詰め寄ってくる。紫乃は咲がキレるとまでは思っていなかったので焦り、更に隠し事をしていることに咲が勘付いているのかもしれないと思って更に焦る。咲としては紫乃がいきなり転校するなど不自然なので、何か事情があるのだろうと思っているだけであり、直也との間に何かあったと疑っているわけではないが、紫乃は焦ってしまう。
渚は予想もしていない展開にただ狼狽えていたが、ミリカはさっき紫乃と直也との話を聞いたばかりなので、紫乃がこんなことを言い出した原因は直也の問題が関係しているのだろうと察しはついているが、あまりに紫乃の言い出し合ことが突拍子も無かったので驚いて紫乃と咲の喧嘩を見つめている。そして直也はいきなり紫乃が変なことを言い出したのは、もしかしたら昨晩の出来事と何か関係しているのではないだろうかと思い、とにかく咲と紫乃を冷静に話し合わせなければいけないと思い、キレまくる咲を必死に止めようとします。
そうして紫乃は隠し事を言うようにと詰め寄る咲に対して「言いたくない!放っておいて!」と拒絶するが、咲は「ワケも分からず別れるぐらいなら喧嘩してでも引き留めるわ!友達だろ!」と怒鳴り返す。それを聞いて紫乃は泣いて部屋を飛び出してしまう。そして1人で夕暮れの海岸に行ってしゃがみこんでいる紫乃のもとにミリカがやって来て「自分の気持ちを隠して去ろうとして咲にキレられて、てめぇは何がしたいんだ?」と問いかける。そして「直也を好きって言うのが咲に悪いと思ってるんなら、何も言わないことも十分悪いって分からなかったのかねぇ?」と呆れたように嘲笑う。
ミリカはさっき紫乃と話した内容から、紫乃が咲を傷つけたくなくて直也を諦めようとしていることは察していましたが、だからといって学校を去る必要は無いだろうと思っていた。直也のことが原因で学校を去るのならば、その理由を咲に言えない以上、どうしても嘘をついて別れることになるわけで、そんなことをしたら咲がキレるのは当然だろうということはミリカにも分かった。だったら学校には居残ってこれまで通りに咲と友達を続けながら直也を諦めていけば済む話だろうとミリカは思った。
それに対して、紫乃はボロボロ涙を流しながら、ミリカの言う通り、自分の行動が矛盾していることは認めながら、それは咲があんなに怒るとは予想していなかったからだと言い訳をする。紫乃は自分が転校すると言っても咲はもっとアッサリ受け止めるんじゃないかと思っていた。ミリカの指摘するように、本当に咲がそれによって気分を悪くすることが分かっていなかたったのです。だから咲に「友達なら喧嘩してでも引き留める」と言われた時に、自分が大きな思い違いをしていたことに気付き、愕然として部屋を逃げ出してしまったのです。
紫乃だって本心から転校したいわけじゃない。でも咲があれほど直也のことを好きだということを知った以上、自分が直也を好きだなどと言えるわけがない。でも、だからといって自分は直也のことを諦めることも出来ない。ずっと直也のことを好きだということを隠しながら咲や直也に接することになる。それはずっと咲や直也を騙し続けるということだ。そんなことをしたくないから紫乃は自分が転校して咲や直也の前から居なくなった方がいいと思ったのです。
ところが、紫乃は咲があそこまで必死に自分を引き留めるとは思っていなかった。そして、それによって紫乃は、咲がどれだけ自分を大切に想ってくれていたのか、どれだけ真っすぐ自分に向き合ってくれていたのかを痛感した。そんな咲に嘘をついて転校するなんて出来ないとは思った。
だが、ならば本当の理由を言えるのかというと、咲がそれほどまでに自分に真っすぐ向き合ってくれていたと知った以上、なおさらそんなことは出来ない。本当の理由を言うということは、本当は直也を好きだということを咲に黙っていたこと、自分が直也を諦めるために二股交際に反対して咲や渚に酷いことを散々言ってきたこと、直也とキスしたことを黙っていたこと等を打ち明けるということです。咲はずっと自分に真っすぐ向き合ってくれていたのに、自分はこんなにたくさん咲を騙して裏切ってきた。そんなことを咲が知ったらきっと深く傷ついてしまう。
それに比べたら嘘をついて転校して咲を傷つける方がまだ咲が傷つく度合いは少なくて済む。そう思って紫乃はやっぱり自分は咲がどう言おうとも、このまま転校して居なくなった方がいいのだと言う。そうして直也とも会えなくなることで自分も直也のことも諦めることになれば、それでいいのだと寂しそうに言って、紫乃はミリカに「さよなら」と別れを告げて去っていく。ミリカは紫乃がそこまで直也のことを愛していることや咲との絆がそこまで固いことに驚きつつ、ただ黙って紫乃を見送ることしか出来ませんでした。
今回はここまでで、このままだと紫乃は直也のことを諦めて皆の前から居なくなってしまいます。そんな紫乃をどうやって救われるのか、それが最終話で描かれるのを期待して待ちましょう。そして、次回の最終話の終了後に3期の告知があることも願いたいと思います。まぁ既に原作が完結している作品なので3期は厳しいんだろうということは分かっていますけど、これだけ面白いので一応期待だけはしようと思います。
経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。
第11話を観ました。
今回も含めて残りは2話で、今回は最終話の1つ前の話ですが、月愛が龍斗に別れ話をする話でした。文化祭以降は会話もするようになり再びデートもするようになった龍斗と月愛ですが、どうも関係がしっくりいきません。海愛との関係を嫉妬されているのだと感じている龍斗は、出来るだけ月愛を傷つけないようにしようと思い、海愛と話をして、もう2人で喋ったりするのは止めようと言います。海愛も、龍斗のことを好きな気持ちは変わらないけど自分はそれ以上に月愛のことが好きで、月愛に龍斗と幸せになってほしいのだと言ってくれる。そうして別れ際、龍斗は自分の初めての恋は海愛に捧げたのだと伝え、海愛はそれで十分に自分は報われたと思い、涙を流しながら龍斗への想いを解消させます。
ところがその直後に月愛から龍斗に電話があったところ、海愛が痴漢に襲われてしまい、龍斗が慌てて海愛を助けに行き、月愛は龍斗が海愛と2人で会っていたと知ってまた嫉妬してしまいます。そして、龍斗と後日会った際に別れ話を切り出します。龍斗と海愛の仲を疑っているわけでもなく、龍斗の誠実さを疑っているわけでもない。ただ、龍斗のことを真剣に好きになったが故にどうしても龍斗を信じられずに龍斗と海愛の過去が気になって嫉妬してしまう自分の心の醜さを恐れているのです。
月愛はこれまで何人の彼氏と交際しても本気で相手のことを好きになったことが無く、心から好きになった相手は龍斗が初めてでした。それは幸せなことだと月愛は考えていたのですが、本気で相手を好きになるのは楽しいことだけではなく苦しいことでもあるのだということも月愛は初めて知ったのです。そして初めて自分の中に嫉妬という醜い感情が存在しており、龍斗が絡むとそれを抑えられないことを知り、こんな醜い自分の本性を龍斗に知られてしまうことを恐れた月愛は、このまま自分も苦しみ龍斗も苦しませ傷つけてしまうぐらいならば別れた方がいいと思ったのでした。
龍斗も一旦はその月愛の別れ話を受け入れそうになりますが、やっぱりどうしても納得出来ず、別れたくないと言って泣きだす。月愛も自分でもどうしようもないと言って泣きだし、龍斗に酷いことを言いたくないと言うのですが、龍斗は酷いことでも言ってほしいと言う。そして自分はどんな酷いことを言われても月愛を嫌いにならないと言って龍斗は月愛を抱きしめ「間違ったっていいじゃないか!俺たちはまだ高校生なんだから、間違ってぶつかって月愛と一緒に大人になっていきたいんだ!」と言う。
今回はこれに先立って、笑瑠が関谷にフラれたという話が描かれますが、関谷は笑瑠と交際したら恋愛に溺れてしまって受験に失敗してしまうから交際するのを止めたのだと龍斗に説明しました。そして高校時代というのは恋愛に夢中になれる特別な時期なのであり、高校を卒業した自分はもうその時代には戻れない、大人になって恋愛だけに夢中になることは許されなくなるのだと言い、高校生である笑瑠と交際することの難しさを述べました。
関谷の判断が正しかったのかどうかはともかく、関谷が高校時代を特別な時期だと言ったことや、大人になると高校時代のように恋愛にだけ集中したり出来なくなるという見方は正しいと思います。そして、それを聞いた龍斗は、高校時代がそうした特別な時期である理由は、恋愛を通して思いっきり無駄な時間を過ごし、徒労を重ねることで失敗したり教訓を得たりして成長の糧とすることが許された人生における貴重な期間なのだと考えた。だから龍斗は高校時代の今、失敗したり傷つけ合うことを恐れて月愛と別れてしまうのではなく、たくさん失敗して傷つけ合ってお互いに学び合って月愛と一緒に成長していきたいのだと考えたのです。そして、どんなに傷つけ合っても嫌いになれないからこそこうして互いに泣いているわけだから、きっと自分たち2人ならばどんなに失敗しても別れたりしないと思えたのでした。そうした龍斗の想いを知り、月愛も自分が間違っていたと言い、2人は交際を続けることになりました。
その後、海愛と喋らないことを決めたことで友達作戦に協力出来ないと言って龍斗は月愛に謝りますが、月愛は自分がなりたかったのは海愛の友達ではなくて姉妹だったのだと言って、自分の作戦がそもそも間違いであり、海愛に嫌われてしまったと落ち込む。しかし龍斗は海愛は月愛を大切に想っているのだということを伝え、月愛のピアスが海愛の持っていたピアスとお揃いであることに気付き、痴漢に襲われた際にピアスを落としたと海愛が言っていたことを思い出し、月愛と一緒にピアスを探し出す。そして月愛は海愛が自分の妹だということを学校で皆に公表し、海愛にピアスを渡して姉妹として仲直りします。
こうして全て丸く収まり、今回はここまでで終わり、次回はいよいよ最終話です。これで後は龍斗と月愛がセックスするだけとか思ってたら、今回最後に思わせぶりなシーンで終わったんですが、ああいうのを出してくるってことは多分やらないんだろうなと思う。まぁでも綺麗にまとめて終わるでしょう。もしかしたら2期も作られるかもしれませんが、ラノベ原作アニメの場合はあんまり期待しない方が良さそうです。まぁやっぱり2人がセックスするところまで見たいですけどね。