2023秋アニメ 12月11日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2023年秋アニメのうち、12月10日深夜に録画して12月11日に視聴した作品は以下の4タイトルでした。

 

 

アイドルマスター ミリオンライブ!

第10話を観ました。

今回を含めてラスト3話、物語もいよいよ大詰めが近づいてきており、ミリオンスターズもチームセンブンスとチームエイスのデビューを残すのみとなり、そしてシアターのお披露目も近づいています。そんな中、前回のナムコプロオールスターズのバックダンサーをチームエイスが務めた際に千早から静香に一緒にチャリティーコンサートのステージで歌ってほしいというオファーがあり、今回はそのお話が描かれました。とても素晴らしかったと思います。そんなに深いドラマが描かれたわけではないんですが、1話分の短い尺に千早と静香のドラマ、未来と静香のドラマ、翼と静香のドラマ、静香と志保のドラマ、静香と父親のドラマ、星梨花と父親のドラマ、プロデューサーのドラマ、家族を亡くした人たちのドラマなど、幾つものドラマを綺麗にまとめて、しっかり感情移入させてくれるのは見事だと思いました。

まず前回のラストからの続きで、千早のオファーを受けることにした静香でしたが、未来が「お父さんに認めてもらえるチャンスかも」とか言ってしまったので妙に気負ってしまい、早く父親に認められるアイドルになって皆と一緒にいたいという想いが強くなりすぎて周りが見えなくなってしまう。そして千早や一緒に出演することになった志保や星梨花と一緒にレッスンをして、自分だけが上手く出来ていないと思って焦ってしまう。

そんな中、星梨花がちょっとしたことで過保護すぎる父親と喧嘩して父親が来たがっているチャリティーコンサートに父親を呼ばないという話をしていて、それを聞いて父親のいない志保や、父親にアイドル活動を認めてもらえていない静香は複雑な表情となります。また、静香が焦っている様子を志保は気にかけ、未来はもしかしたら自分が余計なことを言ったせいではないかと気付く。一方で翼は懸命に1人で居残り練習をする静香の姿を見て、自分が美希に「本気じゃないでしょ」と言われたことを思い出します。

千早も静香が焦っているのは分かっていたが、他人に教えるのに不慣れなため上手くアドバイスが出来ない。それでプロデューサーに相談した千早は、静香にアイドルに必要なことを思い出してもらうためにチャリティーコンサートの会場となる教会に静香と志保と星梨花を下見に連れていき、それに未来と翼とプロデューサーもついていく。

千早たちの出演するチャリティーコンサートは家族を亡くした人たちのためのチャリティーコンサートであり、下見に行った際に皆はそこで最近父親を亡くしたという子供たちとその母親に出会います。そこで千早が子供たちに想いを届けようとして歌い始めて、志保と星梨花も一緒に歌う。そして静香も自然に歌い始め、それによって函館の海岸で千早が自分に言ってくれた「アイドルに最も必要な資質を貴方はとっくに持っている」と言ってくれた意味を理解した。

あの時、海岸で静香は父親に自分の想いを届けたいと思って歌っていた。そして今回、千早が父親を亡くした家族に想いを届けようとして歌っているのを見て、自分も同じ想いを目の前の家族に届けたいと思って歌うことが出来て、最近行き詰っていた気持ちが嘘のように晴れた。それによって静香は、アイドルに最も必要な資質とは「相手に歌で想いを伝えたいと思えること」なのだと気付き、最近の自分は父親に認められたいという自分本位の考えにとらわれてしまっていたのだと反省する。

志保は父親を亡くした子供たちを見て自分に重ね合わせ、星梨花は父親を大切にしなければいけないと反省して、やっぱり父親にコンサートを見に来てもらうと言う。そして静香が今まで父親に認められたい気持ちにとらわれて大事なことを見失っていたと反省するのを聞いて、千早や志保は安堵し、未来は自分のせいで静香を追い詰めてしまったと反省して静香に謝る。だが静香は父親に認められたい気持ちは本当であり、目の前のことをしっかりやることで自然に認められたいと言って、未来が謝る必要は無いと言ってくれる。それを聞いて未来はそうした静香の想いを手助けしたいと思い、プロデューサーを説得して、翼も一緒に3人で静香の父親に会いに行きます。

そしてプロデューサーは静香の父親にチャリティーコンサートのことを伝えて、静香の唄う姿を見に来てほしいと言う。「またこの前のような出し物ですか?」と言う父親に対してプロデューサーは「違います」と言いかけて「違いません」と言い直す。会場の規模や観客の数は関係なく自分たちはいつも真剣にやっていると言い、今回の静香も同じように真剣なのだと言い切る。そして未来は「あの時よりも静香ちゃんの歌は凄い」と言い、翼は「頑張って悩んで全部本気でやっていてカッコいいんです」と言い、3人で頭を下げてお願いする。そして未来は「アイドルに憧れる静香ちゃんは、初めて歌ってくれた時から凄く素敵で、それで自分は一緒に夢を叶えたいと思えた」と言い、それを聞いて父親は静香が子供の頃に初めて自分のために歌ってくれた時のことを思い出す。それは仕事で疲れて参っていた自分に元気になってほしいという想いを届けるために唄ってくれた時の思い出であり、あの時も静香はアイドルの真似をして唄っていたことを思い出した父親は、静香にとってのアイドルというのは決して遊びではなくて、誰かのために真剣に歌で想いを届ける存在だったのだと気付く。

そうしてチャリティーコンサートの日となり、星梨花と仲直りした星梨花の父親も観に来ます。そして静香は未来と翼に背を押してもらいソロのステージに立って歌を唄います。伝えたい想い、届けたい歌、支えてくれる皆の想いがあるから臆病な自分でも前を向けると気持ちを新たにした静香の唄は観客の心に響き、大きな拍手を浴びます。その静香の姿をこっそり見に来ていた静香の父親が見つめ、プロデューサーは静香のアイドルに憧れる想いの強さは素晴らしい才能なのだと父親に伝える。そして、その想いの強さで一歩ずつ前に進んでいるからこんなに聞いている人の気持ちを癒して元気づけることが出来ると言うプロデューサーの言葉を聞いて、父親はそれはよく知っていると応え、プロデューサーに静香を託す。

そしてコンサートの後、静香は千早に「あの時言ってくれたアイドルに大切なものが分かった気がします」と礼を言い、そこにプロデューサーが父親を連れてきて、静香は父親が来ているとは思っていなかったので驚き、どうしていいか分からなくなるが、志保が静香の手を引っ張って父親に向き合わせてくれる。父親も静香も似た者親子で頑固者同士なので意思疎通が苦手なのだが「見ててくれたの?」と問いかける静香に父親が「ああ」と笑顔で応えたことで、静香は父親に自分の想いが届いたのだと気付いて笑顔となります。こうして今回は終わり、残るはラスト2話、チームセブンスやチームエイスのデビュー、シアターお披露目などを描いて大団円ということになるのでしょう。

 

 

MFゴースト

第11話を観ました。

今回が最終話1つ前のエピソードですが、描かれたのはMFGの第2戦の予選であるタイムトライアルが始まったところまでであり、おそらく次回はカナタがチューンナップしたハチロクで予選に出場して、そこで終わりでしょうね。2期が無ければ完全に「俺たちの戦いはこれからだエンド」です。まぁしかし2期があっても、その2期も「俺たちの戦いはこれからだエンド」になるのは間違いない。ただ、まぁレースに関しては仕方ないとして、せめてカナタの父親探しとか、恋とのラブストーリーとかで、何か一区切りは欲しいところです。今回の内容としては、沢渡のセブンティーン・コンプレックスがキモすぎて笑えた。それぐらい。あとはひたすらレースするだけ。でも、このレース部分がいつも良いのでそれなりに評価出来る作品なんですよね。次回は最終話ですが、2期の告知があるのかどうかは不明です。話の流れ的には2期が無いとおかしい感じですが、そこは原作の宣伝アニメと割り切って作ってるのかもしれません。

 

 

君のことが大大大大大好きな100人の彼女

第10話を観ました。

今回は恋太郎ファミリーによる羽香里奪取作戦が描かれた。自分を溺愛する母の羽々里から恋太郎を守るために自ら別れを切り出した羽香里であったが、恋太郎はそんな羽香里を幸せにするために駆け落ちすることを決意し、他の4人の彼女達も一緒に駆け落ちすると言い、5人で羽香里を奪いに花園家の屋敷に行く。よくよく考えたら何とも奇妙な状況だが、もうこの作品の場合は、そのあたり冷静に考えたらダメで、ギャグで押し切るしかない。

ただ、そのギャグがこの作品の場合は致命的な欠陥があり、全員のギャグが天丼ギャグになっていて超ワンパターンなのです。キャラづけが明確すぎて、まぁ確かにキャラが立っているんですが、ギャグはさすがにちょっと毎回同じようなのが繰り返されると飽きてくる。現在も連載中の原作漫画の方は彼女の数も20人以上に増えており、逆に融通が利くようになっていて、毎回必ず全員が出てくるわけではないので、キャラやギャグの新鮮度が保たれやすくなっている。しかし、この現在アニメ終盤で描かれている「彼女5人体制」あたりの頃は毎回全員の出番があって、そのぶんどうして飽きやすくなる。いや漫画連載時にはアニメの1エピソードが何週かにわたって描かれたりしていたので、それなりに飽きなかったのだが、アニメで原作何話分かまとめて1話でやってしまうとどうしても飽きも早くなる。

新しい彼女が登場するエピソードの場合はそうではなく目新しいギャグで楽しめるのだが、既存の彼女達しか登場しないエピソードはどうしてもギャグの面では弱くなるのがこの作品の特徴です。特にこの彼女が5人ぐらいの時期はそういう点では苦しい時期といえます。まぁ基本的にギャグセンスの高い作品なので、やや飽きてきても十分笑えるんですが、それでも今期の上位争いをするにはこれぐらいではちょっと厳しくなってきています。

ただ、それでもこの作品が原作の段階で失速せず大人気を維持してアニメ化までこぎつけているというのは、定期的に新しい彼女の登場でブーストをかけているというのもありますが、やはり意外にギャグに頼らずともしっかり楽しめるストーリーになっているというところが大きいでしょう。決してストーリー重視の作風ではないんですけど、随所でハッとさせられる作劇センスを見せてくれます。そこがどうしてもギャグだけでは飽きてしまいそうになるところでカンフル剤のように効いてくる。

凪乃が羽香里にプールで庇ってもらったことを思い出して、羽香里を助けたいとハッキリ言うところとか、楠莉が憧れの研究チームよりも大事な友達の羽香里を選んで試作品の目薬を提供するところとか、恋太郎と唐音のミッションインポッシブルとかも面白かった。その後、恋太郎たちが捕まってからの羽々里が愛する人のために13歳で羽香里を産んだという、なんか凄い話も笑えた。そして最後は楠莉の薬のせいで赤外線しか見えなくなっていた恋太郎が羽々里の身の上話で感動して泣いたことで涙で薬を流して目が普通に見えるようになって羽々里と初めて目が合って「ビビーン」ときてしまい、羽々里がここまでのシリアス一辺倒のムードをひっくり返してデレデレになるというオチの破壊力は凄まじかった。前回後半パートからのシリアスムードは全部この今回ラストシーンのオチのための伏線だったわけで、無茶の極みのような構成には笑った。終わってみれば変な目薬も変な過去話もしっかり伏線だったわけで、良く出来たエピソードだったとは思う。

ただまぁ、シリアスはちょっとダレたのも事実だし、ギャグに飽きつつあるのも事実で、ここは一旦A+ランクに落とすのが順当ではないかと思います。その上でラスト2話は6人目の彼女である羽々里というエグいキャラで盛り上げてくれると思うので、ここで巻き返してSランクに返り咲くことを期待したいと思います。なお公式には全12話とは告知されてませんけど、次回は最終話じゃないみたいですし、大晦日の深夜に13話がやるとも思えないので、たぶん24日深夜の12話が最終話だと思います。

 

 

オーバーテイク!

第11話を観ました。

今回が最終話1つ前のエピソードであり、この作品は1クールのオリジナルアニメですから次回で物語は綺麗に完結するはず。大団円に向けて着実に話が進んでいってます。最後は悠が表彰台に登って孝哉がそれを写真に撮るという綺麗な結末はもう決まっているようなもので、この作品の場合はそれをあえて外してくるとかいう小細工はしないと思います。真正面から堂々とそのシチュエーションを描き切るはずです。ただ全く意外なところが無く終わるかというと、そういうわけではなくて、心情描写の面で意外な切り口で魅せてくれるのだろうとは思っていて、そこも楽しみにしています。

だから結末自体は予想はついているのです。問題はどういう心情で悠が勝利するのか、どういう心情で孝哉がシャッターを押すのかです。それに関しては今回のエピソードからはまだ見えてきていない。今回、小牧モータースの側で描かれたのは、まず新たに地元の商店街の人達がスポンサーについてくれて、勝つための状況を整えることが出来たことです。

前回のエピソードで描かれたレースで悠はセッティングを大幅に変えて試行錯誤して良い状態を作ったにもかかわらず予選でアンラッキーが続いて失敗して不利な位置での決勝スタートとなったがそこから巻き返して一時的に2位まで順位を上げましたが結局は失速して7位に終わりました。これは2位に上がった後でタイヤがヘタってしまったせいです。セッティングを煮詰めるためにはたくさん練習で走らねばならず、そうした結果良いセッティングに出来たもののタイヤはそのぶん消耗してしまい、その上に予選のアンラッキーで下位でのスタートとなったために巻き返しで攻めた走りをしたぶん更にタイヤを消耗してしまいレース後半はタイヤがツルツル状態で走らざるを得なくなり順位を落としたのです。

ベルソリーゾのような資金力のあるチームならば、練習走行、予選、決勝と全部タイヤを新しく履き替えて臨めますからこういうことにはならないのですが、小牧モータースは金が無いので同じタイヤを使い続けなければいけない。だからこういうことになるのです。しかし前回のレース、そう考えれば、タイヤさえ万全の状態ならば悠は上手くいけば優勝出来る走りをしていたということになります。先頭を走る徳丸が調子が悪かったというのもありますが、悠の走りは確かに良かった。どうして悠の走りは良くなったのでしょうか。

前回、悠は「プロになるために勝利を積み重ねる走りをする」という正しい道よりも「自分1人の力で表彰台に登る」という自分の拘りにとらわれる道をあえて選び小牧モータースに復帰した。だが、これは悠が本当に「自分1人の力で表彰台に登る」ということに強く拘っているという状態とは少し違う。

以前に孝哉が悠を連れて近所の商店街を回って小口のスポンサーを集めようとして空振りに終わったことがあったが、あの時の商店街の人達はそのことがきっかけで悠に注目するようになり、その後で悠が三日月飲料がスポンサーについて良い成績を出すようになったのを見て応援してくれていた。だが三日月飲料がスポンサーから撤退してしまったために悠の成績が落ちて、商店街の人達も口惜しく思うようになり、それで今回、皆で一緒に出資して悠を応援しようということになった。

それは三日月飲料の出資してくれていた金額に比べると十分な額とはいえなかったが、小牧モータースはそれを大事に継続的に使っていてもジリ貧となることは分かっていたので、思い切って全額を1レースで使い切ることにして、タイヤも全て新調して練習も予選も決勝も新品タイヤで走れる状態にして、その他マシンの交換パーツも全て新調して、大手チームと同じ条件で戦える状態を作って次のレースで表彰台を掴むための賭けに出た。悠の今の走りならそれが可能だと踏んだのです。

この賭けの結果が描かれるのが次回の最終話ということになるのですが、悠は今回この商店街の皆さんからの出資を受けたことについて素直に喜んでいた。これはつまり悠は「自分1人の力で表彰台に登る」ということ自体にはそんなに拘ってはいないということを示しています。むしろ小牧モータースに戻って「自分1人の力で表彰台に登る」と言って走り始めた後の方が悠は余計な力みが取れた自然体であるように見えます。つまりベルソリーゾから小牧モータースに戻った悠はむしろ拘りが無くなった状態だといえます。では、それ以前の悠は何も拘っていたのかというと、前回の悠のセリフから推測すると「正しいことをすること」に拘っていたのでしょう。そして、更にそれよりも前の悠は「父親を死に追いやった罪悪感」に拘っていた。

最初は「父親を死に追いやった罪悪感」に拘っていた悠は、その罪悪感から解放されるために「正しいことをすること」に拘ったのだと思います。そして「正しいことをすること」への拘りから解放された悠が「自分1人の力で表彰台に登る」という結論に達したというのは、決して「父親を死に追いやった罪悪感」に回帰してきたわけではない。「正しいことをする」という言い訳で目を背けていたものに真正面から向き合うことを決めたということを意味しています。それはつまり「自分に向き合うこと」であったのでしょう。

父親を死に追いやった罪悪感に囚われていた頃も、プロとして勝つために正しいことだけしようと拘っていた時期も、悠はそれらを言い訳にして自分自身と向き合うことから逃げていたのです。父に贖罪しようとしていた悠も、プロとして成功しようとしていた悠も、どちらも本当の悠ではない。大船渡に行って孝哉に会って、孝哉がずっと12年間、自分と向き合って苦しみ続けていたのを見て、自分もその苦しみから逃げてはいけないと思ったので悠は「正しいことをする」ということを言い訳をして自分と向き合うことから逃げていた自分の生き方を改めて、自分と向き合って走るために小牧モータースに戻ってきたのです。

そうして小牧モータースに戻っての前回のレースでの悠の走りは、かつてのような罪悪感から自分を卑下するような走りでもなく、ミスせずに勝つことを目指すような優等生の走りでもなく、ミスも含めての自分の全部と向き合う緊張感のある走りとなっており、それでタイヤさえ万全ならばトップを窺う走り方が出来ていた。

そして今回のエピソードでは主にベルソリーゾの春永と徳丸のドラマが描かれており、怪我から復帰してきた春永が「勝った方がファーストドライバーになる」という条件で練習走行時に徳丸たちチームの他のドライバー達とレースをする。実は春永はまだ万全の状態ではなく、カーブやブレーキ時の身体にかかる負担でトイレで嘔吐するような状態だったのだが、それでもあえて徳丸を挑発して勝負を挑む。その目的は自分が勝ってファーストドライバーとなることではなく、現状のチームのファーストドライバーである徳丸に「自分と向き合って走ること」を教えるためであった。

春永自身がクラッシュして骨折して入院した際に、亜梨子の言葉によって「自分のやったこと全てに向き合って前に進まなければいけない」ということを知った。つまり「自分に勝つことにしか活路は無い」ということです。ミスはどうしても起こる。ミスをしてしまった自分にも向き合い打ち勝っていかなければ前には進めないしレースにも勝てない。そういうことが春永には分かったのでした。

だが徳丸のレースを見ると、他人を敵として追い抜くことしか考えていない。だから先頭に立つと後ろの他人のプレッシャーばかり気になってペースが狂ってしまう。そんな徳丸に「敵は他人じゃなくて、自分が敵なのであり、自分に勝つことでしかレースには勝てない」ということを教えるために春永は徳丸に後ろからプレッシャーをかけ続けて、そうした後方からのプレッシャーに勝つためには、どんな苦しい状況でも一番にチェッカーフラッグを受けたいという自分の気持ちだけに常に向き合い続けることしかないということを徳丸に気付かせたのでした。

今回はこういうことが描かれ、次回の最終話は互いに自分に向き合う走りに到達した悠と徳丸の意地がぶつかり合う決戦となるのでしょう。そうして表彰台に立つことになる悠を撮影するという約束をしている孝哉ですが、孝哉もまた常に自分と向き合い自分と戦っている。果たして孝哉は悠の写真を撮ることが出来るのか、そこも最終話の注目点となるでしょう。