2023秋アニメ 12月1日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2023年秋アニメのうち、11月30日深夜に録画して12月1日に視聴した作品は以下の3タイトルでした。

 

 

Dr.STONE NEW WORLD 第2クール

第19話を観ました。

今回は遂に科学王国と石化王国の戦いに決着がつきます。問答無用に面白かったです。なんといっても今回のエピソードの魅力は「石化武器メデューサ」というオーバーテクノロジーをしっかりと「科学」として使いこなして作劇上の最重要な小道具として十二分に活用出来ていることです。これだけ未知のオーバーテクノロジーでありながら、決して万能の魔法のように安直に扱うのではなく、千空のいつも通りの「科学」同様に、ちゃんと制約も必勝法もその穴もあり、まるで詰将棋のような虚々実々の駆け引きが楽しめるアイテムとして描かれているところが素晴らしい。特にこの「効果範囲」と「待機時間」を指定して使用するという設定が一歩間違えたら諸刃の剣になるというギリギリの戦いを演出出来て、バトルアクションの小道具として秀逸です。なんかメデューサを持った者同士での頭脳派バトル競技が成立しそうにも思えるぐらいですね。

それで今回の内容ですが、まずは冒頭は前回のラストシーンから始まる。足跡とインカムと同じ通信ノイズを使ってイバラをラボカーまでおびき寄せた千空が「5メーター、1セカンド」という声をスピーカーから発してイバラを石化しようとした場面です。まず、ここで千空はイバラが通信ノイズに反応すると読んでいる。呻りの崖でメデューサを奪う自分たちの作戦がバレた時、千空は自分たちを追ってきたのがモズだけだったことから、バレたのは自分たちの作戦そのものではなくモズの裏切りだったのだろうと考えた。よく考えたら自分たちの作戦がバレる要素は無く、疑われるとしたらずっと敵の本拠地に居たモズの挙動の怪しさしか考えられない。だからバレたのはモズの裏切りであり、おそらくモズにコハクの持っていたのと同じデザインのインカムを渡したのが失敗だったということに千空は気付いていた。コハクのインカムは石化されたコハクと共に敵の本拠地にあり、イバラの手元にあったのだ。おそらくそれでモズが自分たちと通じているということがイバラにバレてしまったのだろうと千空は考えた。だとするとイバラはインカムの機能についても知っており、モズとの通信も傍受されていた可能性がある。そうなるとイバラはインカムから発する音も知っていて、その音を「敵の手掛かり」と認識している可能性がある。そう考えた千空はわざとラボカーに設置したスピーカーから通信ノイズ音を発してイバラをラボカーのスピーカーの前までおびき寄せたのです。もちろんこの一連の推理は仮定の積み重ねであって確実性が高いわけではないから、普通に足跡でおびき寄せる手法も併用している。

そうしてラボカーのスピーカーの前までおびき寄せたイバラに対して千空は「5メーター、1セカンド」とスピーカーを通して声を発したわけですが、千空がメデューサの使用法を知っていた理由は、イバラが陽に対してメデューサを発動させた時の声を聴いていた羽京が島全体の石化によって石化させられる直前に千空たちにその情報を伝えようと「石化光線の発動は効果範囲と秒数を声で」と叫んでいたからです。それを千空は聞いて覚えていて、効果範囲と待機秒数を口頭で伝えればメデューサが発動して、指定した待機秒数の後でメデューサを中心にして指定した効果範囲に石化光線を発射するのだと理解した。それでこれまで石化光線の効果範囲が広かったり狭かったりしてバラバラだった理由が分かったし、効果範囲が変動するのなら当然メデューサを投げる人間の安全確保のために発動までの時間も調整せねばいけないのは自明のことだった。これで千空はメデューサの発動方法やその使い方についてほとんど理解できた。

そうして「5メーター、1セカンド」と千空は言ったわけであるが、これはイバラが手にしているであろうメデューサを使ってイバラを石化してメデューサを奪ってやろうという作戦でした。「5メーター、1セカンド」ということは「1秒後に5メートルの範囲で石化光線を発射する」ということであり、言い換えると1秒以内に5メートル離れなければ石化してしまうということです。これは人間の身体能力では不可能です。あるいは1秒以内に5メートル遠くにメデューサを放り投げれば石化を免れることは出来るが、物体を5メートル投げるためにはテイクバックをしなければならないのでやはり1秒以内に5メートル離すことは不可能です。そんな微妙な効果範囲設定じゃなくて「50メートル、1セカンド」とかにした方がより確実にイバラを石化出来るでしょうけど、その場合は千空まで石化されてしまう。

この罠はイバラがラボカーに近づいてスピーカーの前に立った瞬間に発動しなければならないので千空がラボカーを目視出来る位置に居なければ機能しないのです。だから千空はラボカーから遠く離れた安全圏に居ることが出来ない。だから「50メートル、1セカンド」とかではダメなのです。そうなるとイバラが苦し紛れに投げたメデューサが千空の近くまで飛んでくる可能性もあるので、指定する効果範囲はイバラを石化出来て千空は石化しない程度の微妙な設定にしなければならない。それが「5メーター、1セカンド」だったのです。そして千空は万が一に備えて、ラボカーを見下ろす崖の上に陣取っていた。崖の高さは5メートルほどあったので、その位置ならばイバラが苦し紛れに投げたメデューサが1秒以内にたまたま千空の足元に落ちるなどということもないはずだからです。

だが、そうして万全の準備で仕掛けた罠でしたが、「5メーター、1セカンド」という千空の声を聴いてもメデューサは発動しなかった。千空はもしかして羽京が使用法を読み違えたのだろうかとも思ったが、イバラが慌てて発動していないメデューサを放り投げて腰を抜かしているのを見て、発動のキーワードはこれで間違ってはいないことを確信した。それならばどうして発動しなかったのだろうかと考え、千空はおそらくもっと近くで声を聞かせなければいけないのだろうと思った。科学というのはこうして実験検証を繰り返して、ミスやエラーを経験することで正解に辿り着いていくものなのです。イバラもメデューサの使用法は把握していたはずなんですが、自分が標的にされた経験が無いから狼狽してしまったんでしょう。いや、何よりこの島で現在自分以外の人間の声がしたこと自体があまりに想定外でパニックになってしまったのでしょう。それで、つい慌ててメデューサを放り投げてしまった。

そう、イバラをここまで驚愕させたことの方がここでは大問題なのです。どうして島全体を石化光線で包んだのに島に居たはずの千空が石化されずに生き残っているのか、それが最大の謎でした。まずは今回はその謎解きの回想場面から描かれます。場面はオオアラシがメデューサを持って島の中心に向かって走っていき、それを科学王国の全員で追いかけていた時に戻ります。この時、千空はオオアラシを阻止出来ずに島全体が石化される最悪の事態を想定して、その場合に石化を回避する方法を考えながら走っていた。まず石化範囲外に走って逃げるのは物理的に無理だった。そうなると石化復活液を使ってなんとか出来ないものかと千空は考えた。例えば今から石化復活液に身体の一部、例えば指先でも突っ込んでおいて、そうして石化光線を浴びたら石化復活液の効果で石化を阻止出来るかもしれないと考えた。

だが、石化復活液は石化した人間の石化を解除するという効果しか立証されていない。石化する前に石化復活液に浸した人間を石化するなどという実験はしたことが無いのです。石化武器メデューサを入手していなかったのだから当たり前です。だから石化する前に指先を石化復活液に浸していたとしても、本当に石化を阻止出来るという保証は無い。仮に石化復活液に石化を阻止する効果があったとしても、それが液に浸した指先だけに効果があるのか、それとも全身に効果が及ぶのかも分からない。石化から復活させる時は身体の一部に復活液をかけるだけで全員の石化が解けるけど、石化阻止の場合にその同じ法則が適用されるかどうかは分からない。論理的に考えると石化していく過程を食い止めるためには指先だけ液に浸しているのでは難しそうに思える。もしその推測の通りに指先だけが石化を免れたとしたら、生身の指先は心臓からの血液の供給を受けられずにすぐに壊死するだけだろう。それでは石化を回避したことにはならない。全身を石化復活液に浸した状態ならば石化を阻止出来るかもしれないが、こうして走りながらでは不可能だし、そもそもそんな大量の石化復活液はここに持参してきていない。いや、そもそも石化復活液の成分は硝酸とアルコールなのであり、そんなものの中に生身のまま全身を浸したら中毒死してしまう。

そうなると、石化光線を浴びながら石化を回避できる唯一の方法は、石化した後で石化復活液を浴びることしかない。だが島全体が石化するのだから、石化した千空に石化復活液を浴びせてくれる第三者は存在しない。あるいはイバラが島全体を掌握して石化復活液も手に入れた後で復活させられる可能性はあったが、それでは囚われの身になるだけで何の意味も無い。石化してすぐ、イバラがやってくる前に石化復活液を浴びせてもらわねばならないのだが、仲間たちはみんな一緒に石化されるのだから誰も千空に都合よく石化復活液を浴びせてくれない。ならば自分で浴びせるしかない。つまり石化する直前に石化復活液の入った瓶を真上に放り投げて、自分が石化した直後に落ちてきた瓶が自分の石化した身体に当たって割れて、石化復活液を浴びることによって石化が解けて復活するという方法です。現状、この方法しか石化を回避する方法は思いつかなかった。

しかし、これは成功率が非常に低い作戦であった。瓶を投げるタイミングが早すぎれば石化光線を浴びて石化が始まる前に石化復活液を浴びてしまい、指先だけ浸していた場合と同じように身体の一部だけが石化を免れた壊死するだけになってしまう。逆に瓶を投げるタイミングが遅ければ瓶を投げる前に身体が石化してしまい、そもそも瓶を放り投げることも出来ないまま全身が石化されてゲームオーバーかもしれない。だから瓶を投げるタイミングは的確でなければならないのだが、どのタイミングが「的確」なのかがまず分からない。タイミングを計るためには、まず石化光線がどうやってどのような速度で広がっていくのか知らねばならない。千空も3700年前に一度石化光線を浴びたことがあるので、一瞬で地球全体が石化したのではないことは分かっている。石化光線は遠くからやってきて自分の身体を包み込んでいった。つまり石化光線は放射状に拡大していくのだ。だからその拡大の仕方が分かれば、瓶を投げる的確なタイミングも分かってくるはずなのだが、拡大の仕方が詳しくどんな感じであるのかデータが不足しすぎていて千空には分からなかった。

だが、3700年前に全く不意打ちに石化光線を浴びた千空とは違い、石化光線というものの存在をあらかじめ千空から聞かされた状態で先だって石化光線を浴びたクロムは、石化光線を浴びるまでの刹那の時間、頭をフル回転させて石化光線を観察していた。その時に気付いたことをクロムは走りながら千空に伝える。「石化光線のでかくなり方はずっと同じスピードだぜ」とクロムは千空に伝える。それを聞いて千空は突破口を開いた。速度が一定ならば、事前に速度を計測出来れば的確なタイミングを割り出すことが出来るということに思い至ったのです。だが、どうやって事前に石化光線の拡大速度を計測するのか、それが問題だった。そして、その情報が必須だということはクロムも理解しているようで、走りながら龍水たちと相談して「一列に同じ間隔で並ぶんだよ」と指示する。

そうしてクロム、龍水、ゲン、カセキ、ニッキー、マグマの6人で両手を広げて石化光線の光源である島の中央に向けて片手を突き出して整列する。そうなると6人の頭部を結ぶ直線の長さは5メートル、同じく6人が光源方向に向けて突き出した片手を結んだ直線の長さも5メートルとなる。速度を割り出すために必要な要素は「距離」と「時間」であるが、これで「距離」が確定したことになる。この5メートルの距離を石化光線が何秒で通り過ぎたかを計測することで自然と「石化光線の速度」は割り出せるのです。そのために6人は自分の光源側に突き出した片手が石化し始めた瞬間にもう片方の手を頭にくっつけて天高く突き出す。その次の瞬間には前身は石化してしまうが、最後尾に立つマグマの頭部から5メートル後方で観察する千空はそうやって6人が順々に片手を突き上げて石化していくのを観察して時間を数えている。先頭のクロムが片手を突き上げてから最後尾のマグマが片手を突き上げるまでに要した時間でさっき設定した距離5メートルを割り算すれば「石化光線の拡大速度」は割り出せる。それは時速36キロメートルだった。そして千空まで光線が到達するまでの猶予は5.5秒だった。

つまり真上に放り投げた石化復活液入りの便が6秒以上後に落ちてくれば千空は石化後にすぐ復活出来る。余裕をもって10秒以上後にでも落ちてくるように高く放り投げれば良さそうなものだが、あまり高く投げると位置がブレてしまい石化復活液が石化した身体にかからないかもしれない。そこで放り投げる高さは3メートルと決めた。そこで千空は空気抵抗や重力加速度なども考慮に入れて、4秒後に真上に3メートルの高さで石化復活液入りの瓶を投げ上げればいいという結論に達した。これは投げる高さをギリギリ安全圏に設定したぶん、4秒後というタイミングは非常に余裕が無く微妙なものとなった。少しでも早く投げれば石化前に液がかかってしまい、少しでも遅ければ身体が固まって投げられないまま石化する。ジャスト4秒でなければならなかった。だが千空は「秒数を正確にカウントする」ということに関しては人類史上空前絶後のスペシャリストだった。何せ3700年間ずっとひたすら秒数を数えていたのですから。そうやって穴を穿って自力で石化から復活した男なのです。正確に4秒後に石化復活液を投げて復活するのなど何てことはないと思えた。

そうしてジャスト4秒後に千空が光源に向けて突き出した手から放り投げた石化復活液の入った瓶は計算していた通りに1.8秒後にその同じ手の上に落ちてきて、石化した直後の掌に当たって割れて石化を解除し始めた。その前に石化光線は千空の光源側の腕をどんどん石化していき、胴体にまで石化は及ぼうとしており、光源側の掌から始まった石化解除の動きがその石化の動きを同じ速度で追いかける形となった。そうして千空の前身は石化していき、それを一瞬遅れる形で石化解除も進行していき、石化光線が通り過ぎた直後、一瞬遅れて千空の前身の石化も解除されたのでした。

千空の目の前には整列して片手を突き上げたまま石化した6人の仲間たちの石像が立っていた。その6人の仲間のおかげで千空は石化を回避することが出来た。だが感傷に浸っているヒマは無い。今すぐ島の中央に向かいオオアラシが持っていたメデューサを手に入れて、その後でイバラに打ち勝って、石化した仲間たちを復活させるのはその後だった。それで千空は感謝の気持ちと必ず復活させるという誓いの意味で6人の突き上げた片手にハイタッチだけして島の中央に向かう。

しかし島の中央でオオアラシの石像を見つけた千空はメデューサが見当たらないのでオオアラシがメデューサを呑み込まされていたのだと気付き、どうやって取り出そうかと考えているうちにイバラがやって来てしまう。それでひとまずイバラにメデューサを奪われるのは仕方ないとして、イバラをおびき出して罠に嵌めることにしたのです。そうしてラボカーの脇でイバラが慌ててメデューサを放り投げた現在時点に戻ります。

ここでイバラが石化しなかったのは千空にとっては残念なことだったが計算外というわけではなかった。まだ千空自身がメデューサを使ったことが無い以上「初めてのトライにはエラーが付き物」というのは科学者の鉄則だからです。メデューサが発動しなかった場合の備えはちゃんとしてあった。少なくともイバラがメデューサを手放してくれたことは大きな収穫だった。千空はメデューサが発動しなかった場合の備えとして罠の第二段階っを用意しており、それはラボカーをカラクリで自動的に発進させるというものだった。これによってイバラを上手く跳ね飛ばしてから崖下に降りてメデューサを遂に手にした千空であったが、イバラも用心深くて防護服を着こんでいたので車に轢かれてもダメージを軽減させており、もともと戦士出身の屈強な肉体というのもあって千空からメデューサを奪い返す。

そうなると千空は絶体絶命となってしまい、逃走を図ります。イバラも追いかけてきますが、メデューサは離れた敵に投げて使用しなければ自分も石化してしまう諸刃の剣のような武器なので相手に向けて投げられる状況でなければ使用できない。だが千空はワザとメデューサを投げにくい木々の生い茂る場所を選んで逃げたのでイバラもなかなか攻撃出来ない。接近しての肉体勝負ならイバラの圧勝のはずですが、イバラは用心深いので千空が妖術で攻撃してくるのを警戒して近づこうとはしない。実際、千空は苦し紛れに劇物の薬品の入った瓶をムチャクチャに投げつけてきており、イバラは近づくのは危険だと感じていた。それでイバラは島の地理に詳しいというアドバンテージを活かして、ワザと千空が開けた場所に出るように追い立てていき、そこでメデューサを使って倒そうと考えた。

そうして千空はいつの間にか林を抜けて崖に追い詰められてしまった。そこにやってきたイバラは勝ち誇り「5メーター、5セカンド」とメデューサを発動させて千空目掛けて放り投げる。しかし、千空はイバラに誘導されてこの場所にやって来たのではなかった。千空がこの場所にイバラを誘い込んだのです。何故ならこの場所は「呻りの崖」だったからです。「呻りの崖」はもともと千空たちがメデューサを奪う作戦を実行するために準備していた場所であり、作戦は不発に終わったので千空たちは撤退していたが、あの時あまりに急いで逃げたので置きっぱなしにしていたものがあった。それこそが、メデューサ奪取作戦の切り札「ドローン」だったのです。この「呻りの崖」にはドローンが置いてある。だから千空はこの場所にイバラを誘い込み、勝利を確信したイバラがメデューサを投げた瞬間、ドローンでメデューサを奪取することにしたのです。

しかし千空はドローンを上手く操作出来ないし、そもそもドローンやコントローラーを手にしていない。ならば一体どうやってドローンでメデューサを奪うというのかと疑問が湧くが、千空は既に手を打っていたのです。実は千空はイバラから逃げ回りながら、さっき6人の仲間が石化した場所の近くの林の中を通り、その際にイバラに薬品の入った瓶を投げつけて注意を引きながら、こっそりと龍水の石像に石化復活液の入った瓶を投げて龍水を復活させたのです。

復活した龍水は千空がイバラに追いかけられているのを見て、更に千空が携帯電話の送信機を背負っているのを見て、千空が何か指令を送ってくるつもりだということを察知した。それで龍水は急いでモズの石像を探した。モズにインカムを持たせていたことを龍水も把握していたからです。そうしてモズの石像を見つけてインカムを回収し、龍水は千空からの指示を受けることに成功した。それは「呻りの崖に誘い込んだイバラからドローンでメデューサを奪う」というものであり、「次に俺が通信した時がGOの合図」というものだった。インカムは応答機能は無いので千空としては龍水がインカムをモズから回収していると信じて託すしかなかったが、龍水ならばきっと察してくれるはずだと信頼していた。

そうしてイバラがメデューサを投げた瞬間、龍水の操作するドローンが飛来してきてメデューサを絡めとり、そこからもともとの作戦通りに千空と龍水の2人がイバラと綱引き勝負になる。そしてもともとの予定通り、ドローン側のワイヤーの強度が勝ってメデューサ側のロープが切れて、千空たちがドローンごとメデューサを引き寄せるが、イバラは帯をドローンに絡めて引っ張り返す。そうして引っ張り合いとなるが、この綱引き勝負は筋肉勝負に見えるが実際は違う。頭脳戦なのです。メデューサは5秒後に発動するのだから、この勝負は実際はメデューサを引き寄せた方が石化して負けなのです。それが分かっているから千空と龍水は必死で引っ張っているフリをして急にロープを持つ手を放して、ドローンごとメデューサがイバラの方に引き寄せられるよう仕向けた。丁度5秒後にイバラの手元でメデューサが発動するタイミングを見計らっていたので、これでイバラは石化を逃れることは出来ず千空たちの勝利に終わるかと思われた。

だがイバラもこれが頭脳戦であることは完全に理解していて、千空たちがわざとロープを放すことも予想していた。それでドローンとメデューサが自分の方に飛んでくるのに対して、被っていた大きな帽子を投げつけて押し返して、ドローンごとメデューサが千空たちの方に飛んでいくようにした。同時ににメデューサは発動を開始して石化光線を発射し始めた。このままでは千空と龍水が石化されてイバラの勝利となる。

しかし、ここで龍水が驚きの行動に出ます。石化光線を発射しているメデューサ目掛けて突進して、メデューサを弾き飛ばしてしまったのです。これによって千空まで石化光線は届かなかったが、石化光線の真っただ中に突っ込んでいった龍水は石化してそのまま地面に転がることとなったのでした。そしてメデューサはロープの端を握っていたイバラのもとに戻り、イバラは追い詰められた千空にもう一度メデューサを投げつければ完全勝利となる。つまり龍水の特攻には何の意味も無かったのだとイバラは高笑いする。

だが龍水の特攻は無意味ではなかった。龍水は単にメデューサを弾き飛ばしただけではなかったのです。龍水は石化する直前にメデューサに自分の持っていたインカムを引っかけていたのです。そうしてインカムをぶら下げたままメデューサはイバラの手元に戻り、千空の「5メーター、1セカンド」という言葉をインカムから至近距離で聞いたメデューサは発動し、イバラは石化光線に包まれて石化していき、そうして石化したイバラからメデューサを回収した千空は勝利の咆哮を上げ、こうして宝島の頂上決戦は千空の、いや科学王国の総力による大勝利となったのでした。

 

 

柚木さんちの四兄弟。

第9話を観ました。

今回は岳の初めての授業参観の話の続きです。四兄弟の絆が描かれた良いエピソードで素晴らしかったと思います。今期はこれが終わった後はおそらく当然残り3話の最終章は四兄弟の絆を描くお話なんだろうと思っていて、その前の授業参観のお話は当初は岳がメインなのかと思っていたが、しっかり4人全員に良いところがあり、4人の絆がしっかり描かれました。第1話の花火の話以降は各自にスポットが当たる話が続いていて、そのおかげでキャラに深みが出て良かったんですが、どうしても構成上は4人の絆を強調する話は第1話と最終章だけになるのかなとか思っていたんですが、最終章の前にこうしてガッツリと四兄弟の絆を描いたのは1クール全体の厚みを増した感がありましたね。しかも前回から今回にかけて、和歌や虎次郎さんの良いところも描けていて、更に隼の同僚の先生たちがまた今回素晴らしかった。最後には咲でオチもつけて満点の構成でしたね。

今回は、まず隼が高校の職員室で同僚の先生たちに助言を貰ったり、あまり無理しすぎないようにと気遣ってもらったりしている場面が描かれ、次いで、隼の負担にならないようにと授業参観のことを家族に秘密にしている岳がそれでもクラスの皆が授業参観に家族が来ることを楽しみにしている様子を見て、なんとなく寂しさを感じる場面がまず描かれます。小学校1年生の最初の授業参観ですから子供たちも授業参観がどういうものかよく分かっていない。ただ自分の親が張り切って楽しみにしている様子を見て、子供たちもワクワクしてきているようです。そうして盛り上げるクラスの中で岳は授業参観というのはそんなに大事なものだったのかと思い、それを隼に隠して来させないようにしていることを申し訳ないとも思い、自分はクラスの他の子のような嬉しさを味わうことは出来ないのかと思うと寂しさも感じた。だが、平日の授業参観が隼の負担になるのは明らかなのだから、自分の選択に間違いは無いのだと思い直した。

一方、前回、岳が授業参観のことを秘密にしていることを知ってしまった湊は、自分が小学1年生の最初の授業参観の時に母親が見に来てくれて嬉しかったことや、同学年の兄の尊の教室に行くために母親が途中で教室から去っていった時に悲しかったことを思い出して、岳だって本当は家族に授業参観に来てほしいのに隼を気遣って我慢しているんだと思い、岳の部屋に忍びこんで授業参観の案内のプリントを見つけたというのが前回のラストシーンでした。

それでてっきり湊が隼に授業参観のことを教えるのかと思っていたんですが、そうではなくて今回、湊は中学で同じく岳の秘密を知る仲間である宇多を呼び出して、自分が学校をサボって岳の授業参観に行くと言い出します。つまり湊も岳が隼の負担になりたくないという気持ちは理解しており、隼を授業参観に行かせる気は無いのです。でも岳が家族に授業参観に来てほしいという気持ちも分かる。ならば岳の兄である自分が授業参観に行くべきだと湊は考えたのです。

宇多は岳の秘密を知った時に「聞かなかったことにしてやろう」と湊に言っていましたから最初は反対しましたが、岳が本心では家族に授業参観に来てもらいたいはずだという湊の言葉を聞いて、自分も小学2年生の授業参観で母の咲が仕事で来ることが出来ず悲しい想いをしたことを思い出して理解を示してくれて湊に協力してくれることになりました。そうして、授業参観の当日に湊が学校を2限目の後に勝手に早退した後、腹痛で早退したと授業の担当教諭に伝える役目を引き受けてくれました。

そうして参観日当日、4限目の岳の授業参観に間に合わせるために2限目が終わった後の休み時間に、チャイムが鳴って下駄箱付近から人がいなくなったら外に出て4限目開始に間に合うように小学校まで移動しようという計画実行のために湊は下駄箱の脇で待機していたが、そこで尊に捕まってしまう。尊はどうもここ数日、岳の様子がおかしいことを気にしていましたが、よく見ると湊の様子もおかしいことにも気がつき、学校でも湊を監視していました。すると湊が2限目が終わると下駄箱付近で挙動不審な感じになり、どうやら学校をサボって何処かに行こうとしているようだと気付いた尊は、湊を捕まえて「一緒に行く」と言って湊の反応を見ることにした。もし悪いことや危険なことをしようとしてるなら反応を見て分かるし、それなら制止しようと考えてのことでした。

だが湊は尊の相手をしていると外に出ていく機会を逃して岳の授業参観に間に合わなくなってしまう。しかし尊に正直に事情を話しても止められてしまうように思えた。それで迷いに迷った挙句、湊は正直に事情を話せば尊ならば理解してくれるかもしれないと思い直し「岳の授業参観に行かなきゃいけないから見逃してくれ!」と尊に頼み込んだ。それを聞いて尊は驚き、同時にここ数日、岳の様子がおかしかった理由がやっと分かった。おそらく岳が隼の負担になりたくなくて授業参観のことを隠していて、それで湊が代わりに授業参観に行こうとしているのだろうと尊は気付いた。岳が湊に学校をサボってほしいなんてワガママを言うはずがないので、湊が勝手にそうしようとしていることも想像はついた。おそらく隼は何も知らされていないのだろうということも分かった。

その上で尊は湊に「僕も一緒に行く」と言い出す。自分だって岳の兄なのだから、湊が岳の兄として行動しようとしているのなら自分も一緒にやるべきだと思ったのです。学校をサボって隼を騙して岳の了承も得ずに勝手に授業参観に行くことが正しい行動かというとかなり疑問符がつくが、湊が岳の兄としてそれが正しいと思ってやっているのならば、岳の兄であり湊の兄である自分はそれを応援しなければいけないと尊は思った。それに岳の気持ちを考えれば、いきなり子供みたいな湊が他の家の親に混じって教室に入ってきたら恥ずかしく思うかもしれないし、頼りない湊が勝手にトンデモないことをしているんじゃないかと逆に心配をしてしまい授業に身が入らないかもしれない。まだ中学生の自分がついていっても同じかもしれないが、それでも2人で行けば岳もまだ少しは安心してくれるだろうと思えた。

それで尊は困惑している湊を置いてさっさと1人で外に出てしまい、湊に早く来るよう促す。それを見て湊は自分と違って堂々と学校をサボろうとしている尊がやっぱり自分よりも大人に思えて悔しくなり、懸命に後を追いかける。そうして2人は2限目の後で中学を出て徒歩で岳の通う小学校に向かい、途中で近所の人に咎められますが、尊が課外授業だとか上手いことを言って切り抜ける。

そうして計画は順調に進んでいるかのようでしたが、3限目の頭で宇多から湊の早退を告げられた担当教諭が授業の途中でちょっと教員用のトイレに行った際にそこで隼と鉢合わせしてしまった。中高一貫校なので、中学の湊のクラスの担当教諭と高校教諭である隼とはトイレは共同で使用しており時々鉢合わせするのです。それで担当教諭は隼に湊が体調不良なので心配だという話をする。担当教諭はてっきり隼も承知していることかと思ってそう言ったのですが、隼は知らなかったので驚く。

そうしていると、中学の別の教諭がやってくる。それは尊の担任であり、尊が授業に出ておらず行方が分からないと言う。尊は湊と違って事前準備無しに突然に早退したので行方不明扱いになっており、さすがに担任も少し心配になり兄である隼に報告し事情を聞こうとしたようです。それを聞いて隼は更に驚きますが、湊が体調不良で早退したということは、尊は湊に付き添って帰ったのかもしれないとも考えた。しかしそれならば尊ならば自分にそのことを伝えてから帰るはずだが、もしかしたら湊の容態がそれほど悪いということなのだろうかとも思えた。ここ数日、湊が妙に元気が無かったのもあって隼は心配になって自宅に電話したが誰も電話には出ない。

そうしていると、尊の担任教諭がそれとは関係ない話を始める。隼に向かって「今日はいいんですか?」と言うのです。何の話なのか分からず隼が問い返すと、実は尊の担任教師の妹は岳の通う小学校の教員をやっていて、それで尊の担任教師は今日が岳の学校の授業参観だと知っていたのです。彼は隼の末の弟が妹が勤める小学校に通っていることは知っていたので、だからてっきり隼が休暇を取って授業参観に行くと思っていたのですが、隼が出勤しているのは妙だとは思っており、それでこの場でついでにそのことを指摘したわけなんですが、それを聞いて隼は仰天して、もしかしたら尊と湊が居なくなったのもそのことが関係しているのかもしれないと思った。

それで湊の授業の担当教諭は隼を伴って教室に戻ると、宇多が自分を騙して湊が学校をサボるのを手伝ったと見なして宇多を絞り上げて事情を聞き出し、これによって全てはバレてしまい、隼は岳が自分を気遣って授業参観を隠していたことも、湊がそんな岳を気遣って勝手に学校をサボって授業参観に行こうとしていることも、そしておそらくそんな湊の計画を知って尊も一緒に行ったことも全て理解した。

そうしていると、事情を知った隼の同僚の先生たちが隼の授業を代わってくれると言って、隼に岳の授業参観に行ってあげるようにと言ってくれる。それで隼は有難くその申し出を受けて岳の小学校に駆けていき、授業参観のために小学校に入ろうとしている尊と湊を捕まえて、2人は学校に戻るようにと言う。しかし尊が、隼に苦労をかけまいと無理をした岳の心情を思うなら3人で授業参観に行った方がいいとかの謎理論で隼を説得して、結局3人で岳の教室に向かうことになった。

岳はクラスメイトには「うちは誰も来ないんだ」と説明しており、虎次郎はやって来てくれたがやはり和歌の祖父という形なので、やはり寂しさは感じていた。そこに兄3人がいきなりやって来たので岳は驚いた。和歌も虎次郎もビックリしたが、特に負担になりたくないと思っていた隼が仕事中のはずなのにやって来たことに岳は一番驚いた。どうしてこんなことになったのか事情が分からず大いに困惑した岳であったが、それでも兄が3人も自分の授業を見に来てくれたことが嬉しくて、ついつい張り切って手を挙げて本読みなどもしてしまったのでした。そんな岳を兄3人は温かく見守り、授業参観は無事に終わりました。

だが学校から帰ってきて、霧島家の玄関先で兄3人と和歌と虎次郎と話をして、最初から湊には全てバレていたのだと知って岳は驚き、更に隼の同僚教師たちと一緒に中学でこってり絞られた宇多が帰宅してきて、結局兄3人で授業参観に行くことになった経緯を全て聞くと、岳は自分が隼に負担をかけたくないと思って余計なことをしたばかりに結果的にこんなに多くの人達に迷惑をかけてしまったと反省して涙を流す。

それに対して虎次郎や和歌は岳を止めなかった自分たちに責任があると言い、隼は自分が頼りないから岳に気を遣わせてしまったと反省する。すると、そこに隼の同僚教師が口を挟んできて、岳に「僕たちもお兄さんの助けになれるから心配せずお兄さんに頼ってほしい」と諭す。岳は泣きじゃくりながら、それは迷惑をかけることになると言って遠慮しようとするが、同僚教師はそんなことはないと言う。岳が大切な人の役に立って嬉しいと思うように、自分たちだって大切な仲間である隼の役に立てたら嬉しいのだから全然迷惑ではない。「だからお兄さんのことをもっと頼りにしてあげて」という同僚教師の言葉を聞いて岳が顔を上げると、隼は「俺、頼りないかもしれないけど出来る限りのことをお前にしたいんだ」「どうしても無理な時はちゃんと言うから、俺にも一緒に考えさせてほしい」「岳のこと、とっても大事だから」と想いを伝える。岳や同僚教師と同じように、隼だって大切な相手の役に立つために努力することは負担や迷惑などではないのです。遠慮して迷惑をかけないようにするのではなく、互いに支え合い、役に立とうと努め合ってこそ本当の家族なのです。そのことを悟った岳は涙を流して頷き、湊も感激して自分も岳が大切だと言って号泣して岳に抱き着き、尊も自分も同じだと言う。

そんな柚木家の四兄弟の姿を見て、隼の同僚教師たちは感銘を受けて「ルールを守ることも大事ですけど、人を思いやる気持ちも大切にしたいですね」と言いつつ帰っていき、最後はトバッチリを食って和歌の初めての授業参観から仲間外れにされてしまった咲が1人だけ嘆き悲しむというオチがついて今回は終わり、次回からおそらく今期の最終エピソードとなるのでしょう。

 

 

聖剣学院の魔剣使い

第9話を観ました。

今回から今期アニメ版での最終章っぽいものが始まるみたいですね。原作はまだ続いてますので今期で物語は完結することはなく典型的な「俺たちの戦いはこれからだエンド」になるとは思いますが、それなりに盛り上がって終わりそうな気がします。まずは前回の王女誘拐事件の後日談的な描写から始まり、あの事件に関与した亜人テロ集団の残党が第七都市の官憲に追われているところに「魔王」を名乗る胡散臭い仮面男が現れて亜人たちを助けて自分の手下に取り込んでいましたが、魔王のスマホが鳴って何やらセリアに小言を言われてすぐに通話を切ってから再び魔王の威厳を取り繕っていました。どうやらレオニスはセリアに隠れてコソコソと魔王軍再建のために地道な勧誘活動をやり始めたようです。まだそんな時代錯誤なことを言ってるのかと呆れますが、大事な女神ロザリアとの約束だから止めるわけにいかないのでしょう。

その後は日常のギャグシーンが続き、闇の眷属となってしまったセリアが寮の屋根にカラスが集まってきて困ったり、シャーリはレオニスの部屋を勝手に掃除していてセリアに見つかって慌てて姿を消して、黒い謎の野犬も出没するとかいう話もあって、18小隊の寮は幽霊屋敷だという嫌なウワサが立ってしまったりします。あと唐突なシャワーシーンや下着シーンもありました。

それから演習試合でシージャック編でも活躍したセリアの幼馴染のフェンリスの小隊と試合をして、フェンリスはなかなか有能で作戦面ではセリア達は後れをとりますがフェンリスがセリアとの1対1の勝負にこだわってくれたおかげで勝利することが出来ました。この演習試合での18小隊の未熟さゆえの勢いが学院の管理局たちに認められて、唐突な女風呂での入浴シーンの後、18小隊は呼び出されて任務を命じられます。

なんでも虚無領域、つまりヴォイドの領域に6年前に消えた第3都市が出現して第7都市に向かってきているらしい。第3都市というのはセリアやレギーナが育った場所です。セリアの家族である公爵家が全滅してヴォイドに蹂躙されて滅びた都市ですね。その廃墟となって放棄され虚無領域に呑まれて消えたはずの第3都市がいきなり現れて第7都市に向けて航行しており、しかも第3都市からは救難信号が2度発信されていて生存者がいる可能性もあるという。それでセリア達に第3都市に降り立っての調査が命じられる。それはセリアが公爵家の忘れ形見だからという理由もあるが実力を評価されてのことでもあった。

こうして18小隊は任務に出発し第3都市の廃墟に到着しますが、レオニスはかつて古代に戦った敵である神聖教団が背後にいるのではないかと疑惑を持っていて、サクヤに首輪を貰って喜ぶ駄犬に第7都市の守りを任せてシャーリを連れていきます。また、女神を復活させるとか言ってる前回のダークエルフの仲間っぽいイケメンが暗躍しているみたいで、どうも怪しげな雲行きです。そこにヴォイドらしき敵がレオニスとセリアを襲ってきたところで今回は終わり次回に続きます。これで残りは3話となりますから、この廃都編で今期は終わるのでしょう。