2023春アニメ 4月8日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2023年春アニメのうち、4月7日深夜に録画して4月8日に視聴した作品は以下の8タイトルでした。

 

 

スキップとローファー

第1話を観ました。

これは漫画原作の青春学園コメディという感じの作品ですね。私は原作は未読なんですが、とても評価の高い原作なので今期の期待作となっています。派手な感じは無い地味な作品なんですが、物語の質が高いのでしょう。今回を観た感じでは、本当にもう「等身大の青春!」って感じで眩しかった。ただ、まだまだ物語の本題はこれからという印象でしたが、導入としてはとても良い出来だったと思います。おそらく等身大の高校生のクラスメイト達が色々と人間関係で躓きながらもお互いに影響を与え合って少しずつ成長していく正統派の青春ストーリーなのでしょう。パッと見は少女漫画風の絵柄ですが、掲載誌は月刊の青年誌で、恋愛要素も多少はあるようですが基本的には友情を主題に描くものだと思われます。

作風としてはシリアスなものではなくコメディが基調ですが、笑いは軽めの爽やかなもので、ちょっと感動させるハートフルな要素もある、ハートフル・コメディですね。第1話は綺麗にまとまっていて、新1年生の入学時のワクワクが詰まっていて素晴らしかったが、そんなに強いインパクトはありませんでした。しかし、おそらくこの作品は回を重ねてキャラ同士の交流が積み重なっていくにつれてどんどん面白さが増していくタイプだと思われますので、初回がやや薄めの印象だからといって舐めてはいけない作品でしょう。ややスロースタート気味に中盤から終盤にかけてかなり上位に食い込んできそうな潜在力を感じます。今期は強い作品が多いので予想は難しいですが、普通のクールならトップ争いをしてもおかしくない作品だと思います。

今回は主人公の岩倉美津未という女の子がまず登場します。石川県の僻地からこの春、東京の進学校に入学する高校1年生です。田舎では神童と持て囃された秀才で、皆があまりに褒めてくれるもので本人もちょっと自信過剰気味で、将来は東大に入って官僚になって市長になるとか、大きな目標を思い描いている。それゆえ完璧主義者で、優秀な自分なら全てを完璧にこなせると己惚れている。そう書くと何だか嫌なヤツみたいですけど、そういう完璧人間というのは美津未が自分で勝手に妄想している自己像でしかなくて、実際はピュアで素朴な努力家なんですよね。たまたま学校の勉強が得意だっただけで、それ以外は至って不器用ですが、そうした自分のマイナス面をあまり見ようとしていないのは、バカだからでもなく嫌な奴だからでもなく、要するにすごく前向きだからなのです。

しかし不器用であるのは事実であり、前向き過ぎる故の自信過剰が更に失敗を招き寄せがちで、実は田舎の家族や友人たちも美津未のことを結構心配している。案の定、美津未は初めて乗る東京の電車の路線の複雑さに対応出来ずに迷子になってしまい満員電車に慣れていないため人酔いまでしてしまい、入学式に大遅刻してしまう。完璧な高校生活のスタートを思い描いていた美津未は愕然として落ち込みますが、何処かの駅で途方に暮れていると同じ学校の志摩という男子にたまたま出会い、志摩に学校に連れていってもらいます。

この志摩という子も新入学生なのですが、物腰柔らかく社交的ですが、ちょっと醒めているところがあって、高校に入ってもどうせ中学時代と変わり映えしないつまらない生活だろうと思っていて、入学式も出る気が無くて、それでノンビリ遅刻して登校していた。このまま休んでしまおうかとも思っていた矢先に美津未とたまたま会って、一緒に学校に行くことになったのです。だから入学式に遅刻して落ち込みまくっている美津未を慰めようと軽いノリで「たかが入学式じゃん」と言うのですが、美津未にとっては一大事だったので、思わず志摩に八つ当たりしてしまい、美津未はますます自己嫌悪で落ち込みます。

自分勝手に完璧人間だと己惚れた結果、見事に失敗して、切羽詰まった挙句に親切にしてくれた人に八つ当たりまでしてしまった自分は最低だと美津未は思い知る。しかし、そんなホントは完璧人間じゃなかったダメな自分を思い知ったところで立ち止まるのではなく、そうしたドン底から走り出せるのが美津未の真に凄いところなのです。ここで、東京の進学校のお洒落なブレザー制服に合わせた小綺麗なローファーを脱いで、美津未は裸足で走り出す。ローファーは不慣れなので走りにくくて、裸足の方が早く走って入学式にギリギリ間に合うかもしれないからですが、この場面は美津未の本質が「ローファー」に象徴される完璧人間などではなくて、本当は「裸足」に象徴される素朴で泥臭い努力家であるということを表しており、そんな裸足の美津未が入学式に出るために勢いよく走りだしていくところに、美津未の新しい高校生活の門出に向けての泥臭くへこたれない前向きな姿勢が表現されている。そんな美津未を追いかけて走りながら、志摩も高校生活はもしかしたらこれまでとは違う面白いものになるんじゃないかという前向きな気持ちになってくる。

そして学校に到着して、何とか入学式の途中に間に合ったのだが、そこで志摩は美津未が入試の成績がトップだったので新入生総代として宣誓をする予定だったことを知り、どうして美津未があんなに入学式に遅刻したことで落ち込んでいたのか真の理由を知ったのでした。単に田舎から出てきた子が張り切りすぎて失敗して落ち込んでいるだけだと思っていたのですが、そうではなかった。美津未は総代の宣誓という自分に与えられた責任をしっかり果たそうとして必死だっただけだったのです。そんな美津未の気も知らず「たかが入学式」などと言ってしまったことを志摩は申し訳なく思う。

ところが総代の宣誓のために壇上に登った美津未は宣誓書の原稿をカバンの中に入れたままだったことに気付く。またドジで失敗してしまったのだが、ここで美津未は暗記していた宣誓を思い出してスラスラと宣誓を無事に済ませる。これを見て、志摩は美津未が事前に何度も何度も宣誓の練習を繰り返していたのだということに気付きます。そうじゃなければ暗記など出来ているはずがない。「たかが入学式」と志摩が思っていた入学式の、その場限りで原稿を読み上げて終わりになるものを、美津未はそれでも一生懸命何度も練習していた。それはどう考えても無駄な努力なのだが、しかしこうして実際にその努力は実を結んだ。その泥臭く前向きな美津未の姿勢と、さっきの裸足で駆ける姿とが重なり、志摩は自分の今まで知らなかった人間が存在しているのだと実感した。そして、そんな人間がこの高校にたくさんいるような気がしてきて、急に高校生活が楽しみになってきて、今日こうして入学式に来て良かったと心から思ったのでした。

しかし、宣誓が終わった後、美津未は極度の緊張とそれまでの疲労が頂点に達して担任の先生に向かってゲロを吐いてしまい、先生はせっかく初の担任で張り切ってオシャレしてきた服が台無しになりジャージでクラスの生徒たちに挨拶する羽目となり、美津未も「吐いた人」とクラスメイト達に認識されて、初っ端からちょっと引かれてしまう。友達を作ろうとするが不器用なのもあって上手くいかない。しかし、そこに同じクラスになった志摩がやって来て「友達になろう」と言ってきたのでクラスの女子はイケメンの志摩が「吐いた人」と仲良くしているのに驚きザワつきます。

そして最後は、翌日のクラスでの自己紹介を完璧にやろうと張り切り過ぎた美津未が寝不足で顔がヒドいことになって朝を迎えてしまったというオチで次回に続きます。とても綺麗にまとまっていて、笑えて、ちょっと心にグッとくる、思わず高校時代を思い出してしまうような良い第1話だったと思います。

 

 

カワイスギクライシス

第1話を観ました。

いや、この作品はちょっとノーマークだったんですけど、今回ムチャクチャ面白かったですね。ちょっと出オチ感があるので、これがずっと続くかどうか不明なんですが、もしこのレベルの面白さがずっと続くようならダークホースになるんじゃないでしょうかね。内容としては、宇宙を支配するアザトス帝国の調査員リザが侵略の前の調査のために地球に降り立ち、色々な可愛い動物に癒されたり振り回されたりするSFコメディということになりますが、とにかく物凄くテンポが良い。

最初は猫カフェに立ち寄って初めて猫という動物に出会い、その可愛さに魅了されて脳が溶かされそうになってしまう。ここでリザが頭の中で「宇宙三大可愛い生き物」と猫を比較するのだが、「宇宙三大可愛い生き物」が全然可愛くなくて爆笑しました。そりゃ猫を見たら脳が溶けるのも理解できます。実際、この作品で描かれている猫はとても可愛いです。

ここでいきなりリザが自分が宇宙人だと猫カフェの店員にバラしているのも面白い。そして店員は冗談だと思って話を合わせてくれてるのだが、結局はリザの言動があまりに変なので本当に宇宙人なのではないかと思うようになり、最終的にはリザが宇宙人であるということは猫カフェでは周知の事実となってしまう。こういう宇宙人とか妖怪だとかいう人外がご近所に普通に認識されて存在しているシュールギャグな世界観、「うる星やつら」以降ずっと好物なんですよね。

この猫カフェの誠二という男の店員が親切で物腰柔らかで猫や他の動物のこともリザに丁寧に説明してくれるんですが、それに対してリザが常に過剰なリアクションを取るのが可笑しくて仕方ない。この花守ゆみりさん演じるリザのリアクション芸がこの作品の生命線といえるでしょう。ハイテンションのリアクションもいちいち面白いが、ヤバい妄想の入ったモノローグもかなり笑えます。そして、それに困惑する誠二も面白く、誠二の丁寧な説明に更にリザがオーバーリアクションして話が進んでいく。

今回は基本的にリザと猫カフェの店員たち地球人との遣り取りで話が進んでいくんですが、リザとアザトス調査船のクルー達との遣り取りの場面も随所にあり、リザが猫の存在をアザトスに知られることを恐れて隠そうとしているのが注目点です。これをどうもアザトス側は怪しみだしており、アザトス側からの何らかの介入も今後は描かれそうなんですよね。またOPを見た感じでは他にも多数のキャラや動物たちも登場するようであり、今後もかなり面白くなっていきそうです。そうなると、やはり単なる出オチ作品ではないと見た方がいいのかもしれませんね。ちなみにこのOPもなんかとてもシュールで見逃せません。

そしてOPが明けて本編が始まると、猫カフェで誠二が先輩バイトの華澄に「昨日、宇宙人が来た」とか普通に報告しており、そこに犬に追いかけられてリザが登場するだけでもうこっちは爆笑してしまう。それぐらい、もうアバンでリザというキャラの面白さに魅了されてしまってます。そして犬の可愛さにも参ってしまったリザは猫カフェに逃げ込んで猫と犬の前後からの攻撃に絶対説明となる。

猫の次はさっそく犬というわけで、非常にテンポが良く、華澄も普通にリザが宇宙人だと抵抗なく受け入れてるし、話はサクサク進んで、リザは華澄の家に飼い犬を見に行く。調査とかもうそっちのけです。華澄の飼い犬が大型犬であることにオーバーリアクションしたり、小型犬を見てオーバーリアクションしたり、リザの総ツッコミ状態は続きます。

その後、すっかり猫カフェに入り浸るようになったリザは、猫と犬以外にも地球には多くの可愛いい生き物がいることに愕然とし、可愛くない生き物を探すよう誠二たちに頼むと、誠二たちが見ている動物図鑑の表紙のパンダを見て卒倒したりする。こんな感じでギャグシーンばかりで終わるのかと思っていたら、最後にリザが誠二たちと猫カフェから帰っていると、虐待された捨て猫を見つけて、怒りにかられたリザが猫を捨てた人間を特定して衛星兵器みたいなので制裁を与えることになるのは、バカバカしくて笑えたと同時に、アツかった。そしてアザトスの科学力で治療した猫をリザが飼うことになるという感動展開がるとは予想外でした。ただの出オチのギャクアニメではなくて、ストーリー性もしっかりありそうなんですよね。これは今後も期待してしまいます。次回もどうなるのか楽しみです。

 

 

マッシュル -MASHLE-

第1話を観ました。

これはジャンプ連載漫画が原作で、魔法の世界で魔法を使えないが筋肉の力で勝ってしまう主人公のアクションバトルコメディみたいな作品のようです。原作は一応最初の方は読んでたんですが、すぐに読むのをやめました。正直言って、子供向けの内容すぎて合わなかったのです。まぁジャンプ漫画は大抵はそういう感じですから、そもそも「Dr.STONE」の連載が終わってからジャンプは読むのやめたんですけど。

それでも一応アニメになったら魅力的になる可能性もゼロではないから一応は第1話は観てみようと思って今回は観てみたのです。結果として、ちょっと面白いとは思った。だからこれはアニメ化は成功してると思う。この作品に思い入れゼロの私がそんなふうに思うということはそういうことです。でも、やっぱり私には子供向けのノリすぎてやっぱり無理だとも思った。若い子は観たらいいんじゃないかと思う。お勧めですよ。でも私は申し訳ないが1話切りさせていただきます。

 

 

私の百合はお仕事です!

第1話を観ました。

この作品は漫画原作なんですが、連載されている雑誌が「コミック百合姫」といって、ガチの百合雑誌なんですよね。だから、この作品はガチの百合を描いています。そういうことが今回の第1話を観て何となく分かりました。「何となく」というのは、私にはガチ百合がどういうものかよく分からないからです。今回の第1話を観て、私にはあんまり意味が分からなかった。だからおそらくこれはガチ百合を描いていたんだろうなと推測出来たのです。

例えば前クールの「転生王女と天才令嬢の魔法革命」みたいにアニスとユフィがキスをして結ばれるというような話ならば、それは私にも理解は出来るのです。それは女同士が男女の恋愛と同じようなことをしているという描き方だからそれは男女の恋愛しか知らない私でも理解できる。しかし、それは確かに百合カップルを描いてはいるのかもしれないが、本当の意味での「百合」を描いたものだといえるのでしょうか。それは単に女同士のカップルが男女の営みの真似事をしているだけではないでしょうか。百合カップルにしか分からない微妙な機微を描いてこそ、真の「百合」作品ではないのかと私は思います。

以前に「あだちとしまむら」という百合作品があり、あれは男女の恋愛とは異質なものが描かれていて、非常に興味深く楽しませてもらった。ああいうのが真の「百合作品」なのではないかと思う。あれはお互い自分はノンケだと思っている2人の百合の心情描写がメインの話だったので、ノンケ恋愛しか知らない私のような人間でも共感をもって観ることが出来た。その点、この「私の百合はお仕事です!」の場合は、主人公の陽芽はノンケという自覚はあるが、他のキャラはそうではないでしょう。だから私のよおうな人間にはその心情がちょっと見えにくい。例えば陽芽の困惑は理解出来るが、美月がどうして怒っているのかはよく分からない。だからこそ陽芽の困惑により強く共感出来るのですが、おそらくこの作品を完璧に楽しもうとするのなら美月の心情も理解出来た方がいいのでしょう。しかし私はそれが理解出来なかった。だからこの作品は私の知らない世界、つまりガチの百合を描いているのだなと思った。

そうなると、自分はこの作品の視聴者として対象外だと考えて1話切りするかというと、この作品の場合はそれは違います。作画やキャラデザインが魅力的であり、ストーリー展開も惹かれるものがある。つまり上質な作品だと思えたというのも理由の1つではあります。ただ、やはり「あだちとしまむら」の時と同様に、自分にとって未知の世界を真剣に描こうとしているこの作品をちゃんと観てみたいと思えたからです。百合恋愛そのものには全く興味は無いんですけど、百合という要素を使って一体どんな物語を描こうとしているのか興味を持ちました。

私も未知のテーマを題材とした作品に全て興味を持つわけではない。今期だってネトゲという題材が未知のものであるという理由で「山田くんとLV999の恋をしたい」とかは1話切りしました。百合を題材とした作品でも過去に1話切りした作品の方が多いでしょう。だから「あだちとしまむら」やこの作品の場合は何か特別なものを感じたということなのでしょう。まぁそれが何なのかの答えは観ていくうちに分かってくるのでしょうし、分からないままなら途中で視聴を切るかもしれませんね。

 

 

女神のカフェテラス

第1話を観ました。

これは少年マガジンで連載されているハーレムラブコメ漫画が原作ですね。マガジンは購読してますが、この作品は読んでないので原作未読ということになります。まぁ時々チラッと読んだりしてますが、続けて読もうという気になっていないということは、話はさほど面白いわけではないということです。ただ、そんなヒドい話というわけでもなく、まぁ普通です。とにかく物凄く普通のハーレムラブコメと言っていいでしょう。可も無く不可も無くという感じで、この作品の主戦場はそもそもストーリーではないのです。それはやはりハーレムラブコメの基本原則に忠実な作品ということで、「可愛いヒロイン達がエロい姿を見せる」という点がこの作品の最大の売りですね。

そういうわけで今回もエロい場面が盛りだくさんでした。それはもう清々しいぐらいに強引な展開で。ストーリーの必然性とか、そんなものを中途半端に考えようとしないぶん、むしろ清々しくて好感は持てます。何だかんだ観て楽しませてもらいました。これで作画が悪かったらどうしようもないんですが、まぁ作画は頑張っていました。ストーリーの方はバカな女しか出てこなくて笑えましたし、ベタだけど安っぽくもちょっと良いと思わされるところもあった。そもそもこの作品に高級料理を求めてなどいないのです。最初からストーリー面ではジャンクフードしか求めていないので、ジャンクフードの基準で美味しいと思えるレベルの話を提供してくれれば文句は言いません。その基準は今回はちゃんとクリア出来ていたと思います。ただジャンクフードを毎日喰うわけにはいかないので、毎回このレベルが続けばクールの途中で視聴を打ち切るかもしれない。あとはやっぱり作画ですね。エロが生命線の作品ですから、作画が崩れたら致命的となります。その場合も視聴は続けるのが難しくなるでしょう。まぁそういう前提でひとまず視聴継続というところでしょう。

 

 

トニカクカワイイ(シーズン2)

第1話を観ました。

2020年秋アニメの第1期以来、2年半ぶりぐらいの第2期ですが、初っ端から相変わらず面白く、完璧な構成を見せてくれました。とにかく日常コメディとして安定感が凄いですね。変にキャラを描こうとはせず、ひたすら日常的な小ネタや豆知識を駆使して、ネタだけでしっかり面白くしてくれる。どのキャラ同士の遣り取りであったとしても同じぐらい面白いのがこの作品のネタの特色なんですよね。一種の落語ネタ的な面白さがある。そして、それだけでも普通にSランク級の面白さがあるのに、そこに加えて甘々のラブラブ要素を加えてきて、そこまでのとりとめのない怒涛の小ネタの応酬が、最後には甘いラブラブなオチでまとめられて、それがちょっと心温まるイイ話になるという完璧な構成がこの作品の強みなのです。1期からそれは一貫していて、それが今期も健在だと分からせてくれた第1話でしたね。

まずサメのB級映画をディスるネタから始まって、ここで1期の振り返りをさりげなく挿入しつつ、ここで司が星空に可愛らしく甘える場面も描き、一緒に映画館に行こうという話になる。こういう夫婦間の脈絡の無い会話で話を動かしていくのが上手い。そして、嬉しそうな司を見て星空が「観たい映画があったから嬉しいの?」と尋ねると「旦那様と一緒だから楽しい」と司が答えるのがほっこりするんですよね。

そして映画館に行き、2人で映画を観るのですが、映画館ではイチャイチャはしない。司が映画を全力で楽しんでいるので、それを見ているだけで星空は満足で、司がこんなに喜んでくれるのならまた映画に来ようと心に誓います。星空は司とイチャイチャすることも好きですが、司の可愛い姿を見るのがもっと好きであり、イチャイチャするのも、イチャイチャしてる時の司が可愛いからでもある。だから映画を全力で楽しむ司も可愛いので、それを横で眺めるだけで星空は満たされるのです。

帰宅後、星空は要に司との結婚式は挙げないのかと質問され、最初はあんまり興味が無かったが、司のウェディングドレス姿を見たくないのかと問われて、それはもしかして凄く可愛いのではないかと思うと結婚式をやりたくなる。だが夕食の時にその話をすると、司は結婚式など全くやりたくないと言う。理由は「ド派手なウェディングドレスを着るのが恥ずかしいから」と言って司は頬を赤らめる。しかし、そうやって恥ずかしがる司が可愛いに違いないと思い、星空はますます結婚式をしたくなり、来週やろうと言い出す。

ここで星空が結婚式について全く無知で、宴会みたいに簡単に予約できるものと思っていることが判明し、ここから要も交えて、3人でスイカを食いながら、世間一般の結婚式にかかる費用や手間や時間など、細かな豆知識が披露されていき、星空はそんな大変なものだからみんな結婚式で泣いているのだと妙に納得する。また、風呂上りの時間には綾を交えて結納金の話や結婚式の準備の手間の話になったりして、司はそんな労力を星空に割いてほしくないと言う。そして結局、綾が「ゼクシィを買おう」と言い出し、星空と司は2人でコンビニにゼクシィを買いに行く羽目になる。ここでいきなり具体的な雑誌名が出てきて笑った。

そして、2人は初めてゼクシィを買って、アイスを分け合って食いながら公園で読んでみるけど、確かに結婚式をやるためには決めなければならないことが多いことが分かった。それで司は結婚式をやるよりも今のラブラブな暮らしを続ける方が良いのだと言う。苦難を乗りこえて結婚式を成功させるよりも、今日みたいに映画を一緒に観て、ご飯を食べて、アイスを分け合ったりする方が平和でホッとするのだと司は言う。そして、いつか全てを祝福される日が来たら私たちの結婚式を2人でゆっくり考えていこうと言う。私たちの結婚生活はまだ始まったばかりなのだから、まだ結婚式のことは考えなくてもいいという、司の考える結婚式というのはそういうものなのです。

結婚式は結婚生活のスタートなのではなく、結婚生活を経て幸せな夫婦になれた後で自然な形でお祝いすべきものなのです。それはむしろ銀婚式や金婚式のイメージに近い。若い夫婦が苦難を経て成功させるものではなく、平穏に行うのが結婚式の本来あるべき姿であり、夫婦の営みである以上、2人が夫婦であるのならば何時やってもいいものであるはず。最も平穏に行える時にやった方がいいでしょう。今の自分達には苦難を共に乗り越えることよりも、まずは平和な日常を一緒に楽しむことの方が必要なはずだと司は言っているのです。そしてまた、それは、司の望む結婚生活というものが「苦難を共に乗り越える」というものではなく、ただ「平和な時を共に過ごす」というものであるという点で、これは後の展開の伏線にもなっていく。また司の言う「いつか全てを祝福される日が来たら」というのも後の展開に繋がる意味もあるのでしょう。

そして、その司の考えに納得して結婚式をやることは諦めた星空であったが、ラストシーンでは2人で自宅の布団の中で一緒に寝ながら「それでも僕は司ちゃんのウェディングドレス姿を見たい」と言う。すると司は、それなら2人だけでいる時に見せると応え、2人だけの結婚式をやろうということになる。そして布団の中で結婚式の時のようにお互いに夫婦の誓いを立て、誓いのキスを交わして第1話は終幕となります。このように脈絡の無い小ネタからイイ話にまとめて最後にラブラブなオチを綺麗につけるという、この作品らしい見事な第1話でありました。

 

 

魔法少女マジカルデストロイヤーズ

第1話を観ました。

これはオリジナルアニメみたいですが、オタク文化を守るために戦うレジスタンスのヒーローや魔法少女の戦いを描くものみたいです。こういう「オタク文化を守るため戦う」系のドタバタアクションコメディみたいな作品はあんまり私は合わないんですよね。オタクネタ自体がよく分からないし興味も無いし、そういうのを振りかざす作品を面白いと思った試しが無い。「逆転世界の電池少女」なんかも全然ダメだった。でも一応観ないうちに勝手に決めつけてはいけないと思って一応第1話は観てみようと思って観てみたが、むしろ「逆転世界の電池少女」よりもオタクネタはキツかったし、ヒロインの可愛さも足りないし、ちょっとこれは無理だなと思えました。「逆転世界の電池少女」は4話までは観たんですが、この作品の場合はオタク趣味が無い自分は視聴者として対象外という判断で1話切りさせていただくことにします。

 

 

江戸前エルフ

第1話を観ました。

この作品は漫画原作みたいですが、月島の神社で祭神として祀られているのが異世界から召喚されたエルフで、このエルフが引きこもりのオタクで巫女さんが世話を焼くのに苦労するというようなハートフルコメディみたいですね。下町の人々の人情溢れるイイ話を期待しているのですが、第1話は地味な立ち上がりでしたね。たぶん登場人物がもっと揃ってきて絡みだしてくるとおもっと面白くなるんでしょうけど、今回はエルフと巫女だけの遣り取りに終始していましたからでしょうね。

キャラは可愛いし、作画も綺麗であるし、ストーリーも日常ギャグシーンはユルい展開ですが、今後は深いお話も描かれることもありそうだし、良い作品になると見込んではいます。ただ今回に限っては設定やキャラの紹介に終始したという印象で、正直あまり面白くはなかったですね。まぁこんなもので終わるはずもないので、次回以降は期待していますよ。