こんにちは、しのです。
今日はちょっと個人的なお話しから。もう20年以上前の話でまだ日本で生活していた頃、日本式でいう6学年離れた彼(今の旦那)との話です。
彼は、それはそれはとても心優しい20代の青年でした。困っている人を見るとすぐに助けに行くような人。当時の私は離婚経験済みのちょっとばかり酸いも甘いも経験した30代でした。
街の中にあるオアシスのような大きな公園が彼のお気に入りだったので、よく散歩に行っていました。当時その公園に住んでいた年配のおじさんがいました。犬と一緒に生活しているようで、そのおじさんに出会った時は、なかなか思い通りに動かないそのワンちゃんを虐待していたのです。
犬大好き人間の彼は激高しました。でも結構分析タイプでもあるので
「このような人はお金に困っているから、お金で取引すればあのワンちゃんを助けてあげられる!」
と思ったようです。彼が当時住んでいたところはペット禁止だし、当時はあまりお金を持っていなかったのに、とにかくワンコを助けたい一心でした。
私はかなり強い父性のある母性を持っている、とても分かりにくい愛の持ち主です。私も犬は大好きで、おじさんがしていたことは見ていて痛々しかったです。
でも、おじさんに交渉しようとした彼を止めました。
だって、それをしたところで、おじさんは何も学ばないし、また同じことを繰り返すだろうから。それよりも、このワンちゃんがおじさんにとってどういう存在なのかに気づいて欲しかったのです。
おじさんも初めは一人で寂しかったところ、このワンちゃんとのつながりを感じて可愛がり一緒に生活することにしたと感じたんです。ただいじめているように見えましたが、そこには歪んだ愛を感じました。これはただの直感でした。瞬間でそこまで感じたので。
まずは怒りでいっぱいの彼をなだめてから、おじさんの所に近寄って話しかけてみました。
会話を簡単に要約するとこんな感じ。👇
私:「おじさん、かわいいワンちゃんだね。何て名前なの?」
おじさん:「とらだよ。こいつ、散歩に連れていってやろうと思っているのにちっともいうこと聞かねぇんだよ。」
私:「おじさん、トラちゃんのこと本当に大好きなんだね。でもさ、トラちゃん嫌がっているみたいだね。そんなに蹴ったり叩いたりされたら、散歩したくないんじゃない?おじさんだってそんなことされたら嫌でしょ?もし、そんなにトラちゃんのこと嫌なら、引き取ろうか?」
おじさん:「そりゃーダメだよ!俺はトラをかわいがっているんだから。」
そう言っておじさんはトラちゃんをピックアップして抱き寄せました。
私:「ならいいけどさ。私、おじさんが住んでいるとこもう知っているから、時々見に来て、またいじめていたらもらってっちゃうからね。」
おじさんは、トラちゃんをぎゅっと抱きしめてトラちゃんにたくさんキスをしながら去っていきました。
なぜか、この時は直感がさえていたし、どうしたら良いのかの迷いもなく、根拠のない自信もあったんです。
ただ分かりやすくその場の解決をしても、本当の解決にならない。
おじさんからトラちゃんを取り上げても、おじさんはまたほかの犬を見つけて、思い通りにならなかったらまた同じことをする可能性は大きいと感じた。
おじさんは本当はとても愛の大きな人だとも感じた。ただその愛がコントロールに変わってしまい歪んでしまっただけ。それにおじさんが自分で気づかないと本当の解決にはならない。たぶん無意識におじさんが変わる可能性を信じていたのかな。
この時は、不思議なくらい短時間でそこにいるみんなが納得いく状況になれました。
人生はいつもこんなに簡単に短時間で解決しないこともたくさんありますけどね。
そしてこういうことを理解していても、自分のこととなると客観性がなくなったり、俯瞰して物事を見れなくなったりしますよね。
特に、自分自身や自分に近い人。
息子とはかなり魂の結びつきが強いようなので、彼がつらそうにしていると身が引きちぎられる思いで、理性より感情が強く働きやすいです。彼自身が解決策を見つけて乗り越えていかなければ幸せになれないことが分かっていても、そばで見ているのは結構辛く、何かしてあげれることは無いか、とココロがざわざわします。
でも、これって彼のこと本気で信じ切っていないということだよね。
いつまでたっても、悟りの境地に行くまでには色んな課題がやってきますよね。
ガイアハウスのマキさんの今日のブログお勧めです(いつもお勧めですが)。
マキさんのブログを読んで、トラちゃんのこと思い出しました。
ちなみに、私が妊娠してまだ赤ちゃんの名前が決まっていない妊娠期間中、私たちは彼のことを「とらちゃん」と呼んでいました。それほど私たち二人にとっての思い出の深いイベントでした。
今日は乙女座。メンテナンス/見直しするのにとてもいい日です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。