ほどくための編み物 | ニットスペース えむ

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こんにちは! Nul(ニュール)クリエイター えむです。

 

最近、「編み物ざむらい」という本を読んでいます。

今年の初め、毛糸メーカーのパピーさんの展示会で教えていただいた本です。

 

時代劇と編み物、ちょっと不思議な取り合わせです。

 

江戸時代、ひょんなことで浪人となってしまった武士が内職?としてメリヤス編みで足袋や手袋を編んで、裏稼業?の片棒を担ぐようになってしまうお話。

その依頼は、元犯罪者だった人物がその証である手の甲の烙印を隠すために使用している手袋を知らないうちにほどいてしまうというもの。

侍がメリヤス編みの手袋をしていたというのは初耳でしたが、ほどくことを目的として編む…ってなんだか編み物の本来の目的と逆な気がしますよね。

 

この話を読んで思い出したのが、5年前に「ニットスペース えむ」のHPを通じて届いた一通のメール。

あるTV番組用にセーターを編んでほしいとの依頼でしたが、その内容は

 

「この度、当番組で「長さ」に関する企画を行おうと考えております。
その中で、長さ検証と題しまして、セーターからほつれて出来た毛糸を伸ばして、
毛糸が全てほつれた状態になった時、毛糸の長さは何メートルできるのか?という
検証VTRを作成できればと考えております。
そこで、ニットスペース えむ様にご協力の相談をさせていただきたく、
ご連絡させていただきました。
ご協力いただきたい内容としましては、
どんどんほどけていくセーターを作っていただけないでしょうか?
ほどき方は、男性タレントがほどけるセーターを着用して、ランニングをします。
その際、もう1人がほどけた毛糸部分を持っているので、どんどんセーターが解けていき、
最終的には1本の毛糸になっている。という方法で長さを検証できればと考えております。」

 

というものでした。

実はその時、現在の住所に引っ越す直前で、パソコンも荷造り前にメールチェックしたタイミングでした。

その依頼、本番が4月4日なので2日前には撮影したいとのこと。

メールが届いたのは3月25日。

ほぼ1週間でほどける仕様のセーターを考えて2枚編むということになります。

 

残念ながら、引っ越しは目の前。

どんどんほどけるセーターを考える余裕もなく、失礼ながら返信する余裕もなく、パソコンも段ボール箱の中にしまい込み、そのまま引っ越し作業で忘れてしまいました。


あの依頼は結局どうなったんだろう?と思います。

 

そしてまた、ほどける手袋だとどんな風に編むかな、とも考えてみました。

 

ここから先は、話が長くなるかもなので、また次回に。