仲間と過ごした一日の終わりに見上げた空
訪ねた先々で2年前を思い出しては、
失言に失言を重ねたあのときを思って、唇を噛み締めた。
自分の経験だけで似たような状況にある他の人の何がわかるのか、と思う。
中途半端に知っているというだけで、同じものは何もないのに。
もうどこも痛くない人がわかったような口をきくのが、一番罪深い。
楽しく過ごした時間を思い返しながら、つめたい思いに絡めとられた夜。
夜半、抗がん剤が血管から漏れたときの焼け付くような痛みを左腕に感じて目覚めた。
病棟のベッドの感触と亡くなった父が使っていた青い毛布、リアルすぎる夢。