この茶碗の釉薬は、、。なんと、三宅島の火山灰です。 | 国立けんぼう窯のブログ

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東京都国立市中1-9-4


 艶消しで渋いえんじ色のこの茶碗、かつて三宅島で噴火があった時に、研究者の方からいただいた火山灰をそのまま表面に塗って焼き上げたものです。
 ふるいに通して水を加えただけのもので、こんなに素敵な色に焼き上がりました。
 焼成温度は1230℃。通常焼いている本焼きの温度で焼き上げたものです。
 マグマが地下深くで固まったものが長い年月で風化して粘土になり、1230
℃程度焼成すると、器になり、一方で、地上に吹き上がった火山灰は、同じ温度で焼いた時、釉薬となるのですから不思議です。
 このように火山灰が釉薬として使えることは、古くから知られたことで、特に九州の薩摩焼の黒もんと呼ばれる焼き物の釉薬の原料として知られています。
 焼き物は、まさに火山の副産物といえますね。