↑この漫画を立ち読みしていて思った事。

 

伝統的な江戸前寿司には料金表がないそうです。その日の仕入れ状況で毎日価格が変わるので定価がない。価格のわからない寿司屋。そういう伝統らしいですが、とても怖いですね。

 

主人公は

「予算を言ってくれればそれで一人前作るので気軽にお伝えください」

 

と笑顔で言うのですが、、、その相場がわからんのだろうが!っと私は心の中でツッコんでしまいました。予算が変わると内容がどう変わるのかもわからない。そもそも寿司は一貫ずつ頼みたいし。

 

寿司屋なり常連客にいわせれば「そんな貧乏人や無粋な人間が江戸前の寿司屋に入るな」という話なのかもしれません。そういう世界だと言われてしまえばそれまでなのですが、私は好きになれません。毎日価格が変わるのなら毎日価格を書きかえれば良いだけだろうと思ってしまいます。大した手間ではないはずです。もちろん、現状で繁盛している店が現状を変える理由もないのでしょうけど。

 

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同じような事があったなぁと思い出しました。

 

日本刀の注文打ちの価格。HPなどを見ると「お問い合わせください」というのが多いのです。サイズや構成によって料金が大きく変わるのはわかるので仕方がないのかもしれませんが、せめて内容ごとの料金例くらいは載っていないと何も判断ができないので問い合わせすらできません。そもそも相場がわからないのです。

 

予算を教えてもらえればそれに応じて作りますという話を伺ったこともあるのですが、安くしてもらうと何が変わるのかがわからない。価格は言うまでもなく安いほど良いのだけど、モノが悪くなるなら多く払っておきたいという気持ちもあるので難しいのです。

 

ただ、ちょっとややこしい話もあるようです。

 

刀匠の場合、同業者に価格を知られたくないというのもあるようなのです。

 

結局のところ寿司屋と同じで、現状で繁盛している所であれば何かを変える理由も必要もないのだと思います。反面、刀の注文がなくて廃業する刀匠もいると聞きます。もしそういう売れていない刀匠がいるのなら、是非とも経営改善のためにもクリアな料金設定と情報開示をしてもらいたいものだと思います。「お問い合わせください」で問い合わせがない人には。

 

こういう情報は細かすぎるくらいが良いもので、ウザいくらい情報や料金例が載っている方が良いのです。

 

↑これは過去に私が遊びでコピーを書いてみたものなのですが、私が刀鍛冶ならこんな感じで注文受付のページを作ります。DRM型HPといって商品の情報量が多くて長いほど良いとされています。そして料金と同じような情報を繰り返し記載する。こんな感じでこのアメブロのページ一つで販売ページなんて作れます。

 

 

販売ページ自体は簡単に自分でいじれるようにした方が良いでしょう。凝ったHPを作るよりもブログの1ページでも良いので自分で画像と文章を書き替えられるほうが100倍良いはずです。無料ですし。業者に金払ってHP作って業者に依頼しないと内容を変更できないというのでは厳しいと思います

 

 

職人系の自営業者にありがちなのですが、経営が上手くいかない理由を技術に求めがちです。刀匠の例でいえば「もっと上手く刀を作れば」という方向に思考が逃げがちと言えましょうか。多くの職人系と同じく、それはリピートには大事な反面、新規集客にはあまり役に立たないと思うのです。クチコミで新規が増える事など稀なことなのです。それで仕事が来るのなら私だって廃業せんわ!って話です。。。昔は同業者相手に経営コンサルまでやっていたのですが・・・

 

日本刀業界はまだマーケティングが本格的になされていないので、基本的な事を押さえるだけでも差別化になりそうに思えてなりません。ただ「料金・構成例・画像・納期」の例を複数明示するというだけの話です。

 

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