「日本刀の起源は韓国」とかいうのを何年も前からネット上で見たことがあります。どの程度韓国人が本気で言っているのか、はたまた日本人が騒いでいるだけなのかはわかりかねます。

 

「日本刀の起源」という言葉がざっくりしすぎていますが、いうまでもなく日本刀の起源は韓国ではありません。

 

断言します。

 

日本刀の起源はトルコです。

 

これは100%間違いのない事実です。
 
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「日本刀の起源」という言葉がざっくりしすぎていて何を指すのか難しいですが、「たたら製鉄」と「折り返し鍛錬」の起源、それ以前に鉄で刀剣を作る事自体がトルコ発祥です。
 
みんな学校で習ったはずです。鉄器の起源はヒッタイト人と。
 
 
↑ヒッタイト帝国。ほぼ今のトルコでしょ?
 
これまでの通説ではヒッタイト帝国で製鉄技術が生まれたと言われていましたが、近年の発見ではさらに製鉄の歴史が1000年ほど早まるそうです。ヒッタイト帝国がまだ成立する以前の時代になります。
 
↑時代は早まっても場所は同じです。今から約3800年前の遺跡です。鉄隕石の使用を除けば、人類の製鉄・加工技術がトルコ起源なのは間違いのない事です。
 
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↑古代トルコ時代の製鉄炉
 
 
↑日本のたたら
 
古代トルコの製鉄炉と日本のたたら。多少かたちは違えど大差ない構造なのが素人目にもわかります。どちらも粘土で炉を作って焼きあがったら壊して鉄を取り出す。
 
この方法で取り出される鉄鋼はもちろん両者ともこんな感じ↓
 
↑まるで石のようですね。このような鋼は不純物だらけ。不純物を取り出さなくては使い物になりません。そのための「折り返し鍛練」です。
 
加熱して叩くと鉄の内部の不純物が表面に排出されます。叩いていると伸びてしまうので折り返す。これが折り返し鍛錬。
 
前にも書きましたが、日本刀に限らずかつて世界中で行われていた原始的な鍛錬方法なのですが、起源は間違いなく古代トルコ。これをやらないと鉄器にならないわけです。
 
 
古代トルコで発明された製鉄技術や鍛錬技術はヒッタイト帝国の滅亡とともに世界中に広がりました。中国や日本への伝来は遊牧民族のタタール人(韃靼人)がステップロード経由で伝えたのではないかとも考えられているのですが、「たたら」の語源は「タタール」だという説まであります。その真偽は不明ですが古代タタール人が高い鉄器製造技術を持っていたことはよく知られています。
 
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↑数日前に書きましたが、世界中で日本のたたら製鉄と同じような方法で製鉄され、折り返し鍛錬で刀剣が作られていたわけです。だから当然、朝鮮半島でも「たたら製鉄の遺跡」や「折り返し鍛錬で作られた刀剣」は出土します。そして日本に製鉄技術をもたらしたのは渡来人です。渡来人には朝鮮半島の出身者も多いでしょう。

 

「日本刀の起源は韓国」とかいう話も、元はそういう所から出てきた話なんじゃないかなと個人的には思っています。朝鮮半島で鉄刀製造がはじまったわけではありませんから「日本刀の起源は韓国」というのは誤りでしょう。「日本刀の起源」が折り返し鍛錬や鉄刀製造のルーツを指しているのであれば「日本刀の起源はトルコ」の方が正しいはずです。

 

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中国では2世紀には溶鉱炉を使用する「灌鋼法」という製鉄法が開発され、6世紀頃までには完全に普及していした。たたら製鉄よりもはるかに効率的に不純物の少ない鉄鋼を作る技術です。生産される鉄鋼ははじめから不純物が少ないのでそんなに叩く必要がなくなり折り返し鍛錬は廃れていった。燃料も木炭よりもっと高火力を生むコークスが使われるようになる。そしてその技術は世界中に伝わり現代の製鉄方法の基礎となった。

 

 

日本では鉄鉱石が産出しない事もあり、古代以来の「たたら製鉄」と「折り返し鍛錬」が残った。中国では1500年前に消滅していた技術です。偶然かもしれませんが、朝鮮半島南部の任那を日本が失い(562年)大陸から鉄材の供給が失われた時期に合致したりします。

 

刀剣の各種の造り込みの方法が考案されたり、たたら製鉄も16世紀に「ズク押し法」から「ケラ押し法」が派生したりと、ゆるやかに日本独自の発展をした部分もあります。

 

しかし、それでも古代トルコ人が生み出した製鉄技術・作刀技術を非常に濃厚に残しているといえるでしょう。これらは世界の他の地域では完全に失われてしまった方法なのです。

 

 

日本刀の作刀技術が現代に伝わり曲がりなりにも産業として成り立っているというのは、日本の伝統文化としてだけではなく人類史的な部分でも価値のあるものだと思います。

 

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