「現代刀はもろい」

「現代刀は折れる・折れやすい」

 

よく聞く言葉です。

 

短刀を落としたら刃がパリンと割れてしまったとか、電気スタンドに当あたった時に刃が欠けてしまったとか、真偽不明ではありますが見かける話です。他にもこういう実例を挙げてくれている人もいます。

 

 

 

 

 

 

 

この「現代刀はもろい」問題

 

これの理由を私の知る限り以下に書き出します。

 

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1:焼き戻しが不十分

 刀は焼き入れ後に焼き戻しをしないと刃が脆くなります。しかし十分に焼き戻しをしない方が刃が綺麗に見えるので十分に焼き戻しをされない現代刀がある。

 

2:何度も焼き入れされる
 焼入れ後に刃文が気に入らないともう一度火に入れて焼きを戻して刃文を消し、土置きをやりなおして再度刀を焼き入れしなおす人がいるそうです。刀身は無駄になりませんが見た目にはわからなくても当然そんな刀は刀身がもろくなります。

 

 

3:反りを注文に合わせるために焼き入れ後に無理に調整している。
 焼入れ後の刀身の反りが注文より深い場合は鎬地をハンマーで叩いて反りをふせたり、反りが浅い場合は棟側をバーナーであぶって反りを深くしたり、そんな事がなされる事があるそうです。
 

4:技術的な問題

 備前長船助光刀匠が言われるには、上の「刃こぼれする現代刀」のような大きな刃こぼれが出る刀は刃部に「悪い鍛え割れ」がある刀であってそれは原料によるものではなく、ある技術的な課題をクリアできていない刀であるとの事です。

 

5:玉鋼の良い所(不純物の少ない所)だけを皮鉄にする

 不純物が少ない方が鍛え疵・鍛え割れが出来にくいので美観が良い。でも不純物が少ない部分だけにすると刃が硬くなりすぎて脆くなる。

 
6:洋鉄・電解鉄が使われている
 工業生産された洋鉄や電解鉄を使って刀を作れば、不純物がないので鍛え疵・鍛え割れが出ません。そのためこれを密かに使っている刀匠がいるという噂があります。しかし洋鉄は低温で素延べすれば強い刀になるけど、高温で折り返し鍛錬をすると硬すぎる事から脆い刀になるそうです。
 
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個人的には上記の1~3が「もろい現代刀」の主な要因じゃないかなと思っています。また、それらは江戸時代以降の刀すべてにある程度当てはまる気もします。平和な時代には強度より見た目が優先されそうです。井上真改や大慶直胤の刀が折れやすいといわれる理由もこれらなのかもしれません。
 
 
ただし、上に書いた事はきわめて偏った情報源から知った事をまとめたものでウラをとったものでもありません。あくまで真偽不明の情報です。
 
 でも、私はこれらの話にリアリティを感じます。
 
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後日追記
 結構ウラがとれたと思います↓