「お金」の交渉力 | めざせ!FP3級!~女性FPのお金の花道~

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すべての方々に、FP3級程度のマネーリテラシーを普及できたら…
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さまざまなお金の知識をご紹介いたします。

こんにちは。第4週担当の宮川朋子です。

突然ですが、皆さんは日本国内で「カルチャーギャップ」というものを感じたことがありますか?

私は、(随分昔ですが)新婚生活の半年間がまさにそれでした。
今までまったく別の環境で暮らしてきた人が一つ屋根の下に暮らし始めたら、それはカルチャーギャップも感じようもの。
私の場合は、それを特に「お金」¥の面で感じました。

我が旦那、私よりもずっとお買い物がうまいのです。安いものを見つけてくるのがとても上手。
「安くていいもの」では必ずしもないところがミソですが。べーっだ!
そして、お買い物の交渉もとっても上手なのです。

新婚当初、ガスコンロを家電量販店で買ったとき、すかさず

「ガスホース、おまけでつけてくれますか?」

そばで聞いていた私は「ええっ!?オマケをねだるの?」と思ったのですが、本人至って普通。
驚いたことに店員さんも「あ、はい」とすんなりつけてくれたんですよね。目
あの「あ、うん」の呼吸(!?)にはびっくりしました。こういうお買い物の仕方もあるのか、と。

また、そういうときに「現品限り」の札がついていたりすると、

「これ、最後ならもうちょっとまかります?」

とか・・・。
これまたお店の人も、「え~っとじゃあ・・・」と計算機たたいたりして安くしてくれたりする。

それがさらにちょっと汚れていたり傷がついていたりすると

「これ、こんなんなってますけど、安くなりません?」

とか、あっけらかんと言うんですよね。

また、金券ショップをとてもよく使います。新幹線のチケットその他は、金券ショップで株主優待券を購入したり。とにかく、定価ではなく、少しでも安く買おうとする姿勢があるのです。

こういう交渉になれていない私、当初は一緒に買い物をするとき本当に緊張したし、時にはちょっと距離をおいてみていたりしたのですが・・・あせる

どうも、これはコミュニケーションの一種らしいのです。
そのやりとりを買うほうも売るほうも楽しんでいる。

考えて見れば、海外でお買い物をするとき。
欧米のショッピングセンターならともかく、アジアやアフリカの屋台や露天で買い物をするときは、値札がない分、この交渉力がかなりものをいいます。
言い値で買えば、そのあたりで物価があがってしまいますから、値切るのが当たり前。どこまで値切れるのか、始めの値決めが難しかったりします。

私は相変わらず苦手ですが、世界を見回してみると、こういう交渉を通してお買い物をすることのほうが「普通」なのかもしれません。
原料価格の高騰を販売価格に転嫁するか否かも、卸と小売の駆け引きで決まっています。
株式市場の「市場」という言葉も「マーケット」、つまりいろいろな人が駆け引きで値を決めている場のことですし。

そう思うと、モノの価値を、つけられた値札に関係なく判断する力って、人間は持っているはずなんですね。
値札をPOSレジで「ピッ」としてもらって決まったお金を払うだけのお買い物は、進化した形かもしれませんが、人間のコミュニケーションは薄れてしまったかもしれません。

実は、我が旦那は関西人です。大阪生まれの大阪育ち。大学時代からあちらこちらに移り住んでいるので、本人としては「関西人としてのキャリアは人生の半分も占めてない」といいますがにひひ
旦那だけを見て「関西の人は交渉上手」と一般化するのはよくありませんが、大阪の金券ショップの数や、お買い物のスタイルを見ていると、大阪はさすが「商人の街」といわれただけあって、まだお金を通してのコミュニケーションは生きているのかな、と思ったりします。

さあ、ゴールデンウィーク富士山
関西のほうへ行かれる方は、そんな視点で旅行してみたら、また面白い発見があるかもしれません。