子ども手当の本当の目的は? | めざせ!FP3級!~女性FPのお金の花道~

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こんにちは第4週担当の宮川朋子です。

もう春休みですねチューリップピンク 気がつけば3月ももうすぐ終わり。
4月になれば、進級・進学・就職などなど、新生活が始まる方も多いのではないでしょうか。
かくいう私も長女が4月から小学生になります。
また、甥っ子が中学生、姪っ子は高校生にノートと鉛筆

ということで、早速姪と甥に進級祝いを送ることにしました。
文具券にしようか、図書カードにしようか、はたまた用途を問わない商品券のほうがいいのか。
それとも、使い勝手のよさからやっぱり現金!?

文具券にすれば文房具を購入する際に使われるでしょうし、図書カードは文字どおり本とか。商品券は衣料品とか雑貨などに変わるでしょう。現金なら用途を問わず使えます
・・・まあ、文具券であろうと図書カードであろうと、金券ショップにいけばすべて現金になりますから、最近は現金が一番便利とも限らないのですが。
また、これらのお祝いは、その子自身が使うのか、ご両親が使うのか。それによっても考えは変わってきそうです。

こういう風にいろいろと迷いながら考えるのがプレゼントの楽しみのひとつでもありますよね音譜

そのとき、ふと頭をよぎったものがありました。

これって・・・麻生政権時代の定額給付金の議論に似てない?

定額給付金のときも、現金で支給すべきか、バウチャーなどで支給すべきか、どちらのほうが消費に回る可能性が高いのかなどが議論されたことがあります。最終的には自治体が工夫をして地域で使ってもらえるようなバウチャーを発行するなどしていましたよね。
また、今の「高校無償化」についても、現金で各世帯に支払ってもそれが確実に高校授業料に使われる保障はないため、国から直接学校に支払われる方向とか。

今回子ども手当が当初のマニフェストどおり導入されることになりました。
子ども手当は現金で支払われますが、「それが必ずしも子どものために使われるとは限らない」といった議論は最後まで続けられました。学校給食費を滞納している人へは支給せずに学校へ支払っては・・・とか。

これも、結局同じ考え方。
つまり、お金はその形によって、そしてそれを手に入れた人によって、そのお金の使われ方は大きく変わってくるということなのです。

山口一男「ワークライフバランス~実証と政策提言」という本でも興味深い統計分析結果が書かれていました。

働いている女性が一人目を産む決断をするときの決め手は、職場で出産・育児をするための制度があるかどうか。
二人目を産む決断をするときの決め手は、一人目の育児体験のつらさや夫の協力がどのくらいあったかどうか。
三人目を産む決断をするときは、経済力¥が決め手とか。

なるほど。となると今回の子ども手当は、三人目を産もうと思う人にとってはひとつのきっかけになるかもしれない、ということでしょうか。

そもそもこの子ども手当、少子化対策なのか、家計補助という育児支援なのか。
上記統計分析結果によれば、少子化対策ならば、一人でも多くの女性に子どもを産んでもらいたいという視点から、むしろ職場での制度充実が重要なキーとなり、お金の支給だけでは不十分といえます。
家計補助という育児支援なら、受け取る世帯の収入に上限を設定する必要があるかもしれません。
子どものために本当に使って欲しいのであれば、そのためだけに使えるバウチャーのほうが確実でしょう。

そもそもが人間は「予測のつかない動物」ですから、思うとおりにお金を使ってもらおうと思っても難しいものがありますね。


さて、姪と甥のお祝いはどうしましょう。
結局、姪にも甥にも文具券と図書カードのセットにしました。
二人とも、お年玉で現金をあげているので・・・