第1966回「小澤征爾生誕89年、グラミー賞を受賞したラヴェルの《子供と魔法》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

こちらはクラシック音楽のCDの名盤をレビューするブログです!
年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



 みなさんこんにちは😃本日9月1日は小澤征爾さんの誕生日です。今年で生誕89年となります。小澤さんが残した数多くの名盤、名演は今でもなお多くの人々に愛されています。そんな本日ご紹介していくのは、2016年の第58回グラミー賞において、「ベスト・オペラ・レコーディング」賞を受賞したラヴェルの歌劇「こどもと魔法」です。オーケストラはサイトウ・キネン・オーケストラが演奏しています。


「小澤征爾指揮/サイトウ・キネン・オーケストラ」

ラヴェル作曲:
歌劇「こどもと魔法」



 この「こどもと魔法」がグラミー賞「ベスト・オペラ・ディスク」を受賞した際は多くのニュース番組でも取り上げられるほどの盛り上がりだった。というのも、当盤は2013年8月に行われた「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」でのライヴとなっており、2012年は小澤さんが病気のために同フェスティバルでは指揮ができなかった。その翌年に当たる2013年に復帰した演奏こそ当盤に収録された「こどもと魔法」だった。


・ラヴェル:歌劇「こどもと魔法」

録音:2013年8月23日、25日、28日、31日(ライヴ)

 ラヴェルのオペラ作品というと決して多いわけではなく、「スペインの時」と「こどもと魔法」くらいである。初演はヴィクトル・デ・サバタによる指揮によって1925年3月21日に行われた。1幕からなるオペラ作品となっており、演奏時間も約45分となっているため比較的に短い。


・こども:イザベル・レナード(メゾ・ソプラノ)

・肘掛椅子、木:ポール・ガイ(バス・バリトン)

・母親、中国茶碗、とんぼ:イヴォンヌ・ネフ(メゾ・ソプラノ)

・火、お姫様、うぐいす:アナ・クリスティ(ソプラノ)

・雌猫、りす:マリー・ルノルマン(メゾ・ソプラノ)

・大時計、雄猫:エリオット・マドア(バリトン)

・小さな老人、雨蛙、ティーポット:ジャン=ポール・フーシェークール(テノール)

・安楽椅子、こうもり:藤谷佳奈枝(ソプラノ)

SKF松本合唱団(合唱指揮:ピエール・ヴァレー、中村雅夫)

SKF松本児童合唱団(合唱指揮:佐原玲子)


 グラミー賞を受賞した当時は何回か聴いたが、それ以降繰り返し聴くことがなかったので、聴くのは約8年ぶりになる。コミカルであり、遊び心満載となっているが、意外にも現代的な要素が盛り込まれているような印象を受けなくはない世界観となっている。加えてダイナミック・レンジの幅広さが増しており、細部まで細かくつくり込まれた繊細な演奏が展開される。歌手の圧倒的な歌唱も素晴らしく、伸びやかで聴きやすい。今回は発売当時のSHM-CDで演奏を聴いているが、最近UHQCDが発売されたので音質の変化も気になるところである。何よりも現代寄りにつくられているためか高音質盤との相性も良く、ライヴならではの臨場感もセットで楽しむことができる名盤と言える。

 小澤さんの名盤は他にもあるが、まだこの「こどもと魔法」を取り上げていなかったのと久しぶりに聴きたいと思い取り上げることとした。後日他にも多く残された名演、名盤を少しずつ取り上げたいと思うところ。特にボストン響とのマーラー交響曲全集に関しては少しずつ取り上げることになるかもしれないが、忘れないうちに取り上げたい。

https://tower.jp/item/6328749/ラヴェル:歌劇≪こどもと魔法≫<初回生産限定盤>