みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、朝比奈隆&大阪フィルハーモニー交響楽団によるドヴォルザークの交響曲第8番、第9番「新世界より」です。当盤は1月24日にタワーレコード企画によってSACDハイブリッド仕様の高音質盤として復刻された名盤となっていて、限定700セットでの販売となっています。晩年の朝比奈隆によるドヴォルザークが2024年最新マスタリングが施されて甦ります。
「朝比奈隆指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団」
ドヴォルザーク作曲:
交響曲第8番 ト長調作品88
交響曲第9番 ホ短調作品95「新世界より」
今回のドヴォルザークの交響曲第8番は5回振っているが、そのうち唯一録音が残されている演奏。「新世界より」は3種類録音が残されている中の一番最後に録音された演奏となっている。幅広いレパートリーを指揮している朝比奈隆の演奏の中でも得意な作品であるということもあって今回SACDハイブリッド盤となったのは多くの人々が嬉しいはず。
・ドヴォルザーク:交響曲第8番
録音:1999年2月21日(ライヴ)
2024年最新マスタリングが施されたことにより、ダイナミック・レンジの幅広さが増した。それによってオーケストラ全体をより空間的にも演奏を楽しむことができるようになったのは間違いない。伸びやかで明るめなサウンドが功を奏する形となっており、楽章によってはたっぷりと歌い上げながらも時によっては軽快さやテンポの緩急からなる鋭さを感じ取ることができる場面もある。晩年の演奏ではあるがテンポに関してもそこまで遅くない。残響に関してはそこまで強すぎないため、スマートに聴こえるかもしれないがこれは比較的にベストなマスタリングであると考えてよいだろう。
・ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
録音:1997年1月7日(ライヴ)
個人的には交響曲第8番よりも、「新世界より」の演奏に強く朝比奈隆らしいアプローチを感じたように思える。それはベートーヴェンやブラームスを聴いている時と同じような感覚であり、それはどこか不安定な演奏も含めて特徴を抑えたアプローチからなる演奏といえるのかもしれない。特に第1楽章はその傾向にあった。ただ、有名な第2楽章での重心の低さからなるテンポの重みには、非常に深みある演奏を聴くことができ、濃厚な音色そのものを体感できるようになっていたのは間違いない。第4楽章では想像以上のエネルギーを感じることができ、冒頭の旋律は徐々にテンポがゆっくりと加速していく。その際一瞬ジョーズか何かと勘違いしてしまう人もいるかもしれないが、これはかなりの重量級によって楽しめる演奏である。
タワーレコードから復刻された朝比奈隆のSACDハイブリッド盤も大分多くなってきた。まだ聴くことができていない名演もあるので、それらに関してはこれから少しずつ聴いていきたいところ。また、他のレーベルにも朝比奈隆はいくつか録音を行なっているので、そちらもSACDハイブリッド盤として復刻してくれると嬉しいところなのだが…続報を待ちたいと思う。