第1922回「バーンスタイン&NYPによるチャイコフスキー後期三大交響曲〜その3〜」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃今回もレナード・バーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニックによるチャイコフスキーの後期三大交響曲の続きを取り上げていきます。3日目となる本日は、交響曲第6番「悲愴」です。第4番は「フランチェスカ・ダ・リミニ」、第5番は「ロメオとジュリエット」の管弦楽曲が収録されていましたが、「悲愴」にはカップリングは特に収録されていません。今回もUHQCD仕様の高音質盤を取り上げていきます。


「レナード・バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック」

チャイコフスキー作曲:
交響曲第6番 ロ短調作品74「悲愴」



 バーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニックによるチャイコフスキー後期三大交響曲も今回の交響曲第6番「悲愴」を取り上げたら終了となる。一番最後に取り上げられる作品が、今回取り上げた録音の中でも一番新しい録音であるというのが面白い。バーンスタインによる録音としては3度目になる。

・チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
録音:1986年8月
 ここまで交響曲第4番、第5番と続けて聴いているため、「悲愴」に関してもテンポは遅めなのかと想像して聴いていたがそこまで遅くないというのがよくわかった。確かに第1楽章の始まりや終わりに関してはたっぷりと幅広いスケールからなる演奏を弦楽器が中心となって奏でているが、「緩→急」へと変化する際も遅いのか?と問われると遅くはない。ただ、金管楽器の音色の細かな変化や弦楽器の柔軟性の高さは演奏から聴くことができるようになっていたので、インパクトは大きかった。

 第2楽章は比較的に緩やかかつ、伸びやかで優雅なサウンドを聴くことができたと言える。その際もやはり統一されたまろやかな音色と響きを奏でる弦楽器の演奏が功を奏する形となっているのがよくわかる。加えて木管楽器は軽快な音色を自然的な美しさで奏でているので、弦楽器と一体になって穏やかな演奏を展開している。

 他の演奏をイメージしながら聴くと多少驚かされることになる今回の第3楽章。やや重心の低さが感じられる重みがあり、勢いや推進力は感じることができないかもしれない。しかし、ニューヨーク・フィルハーモニックが奏でる一音一音の重みに関しては揺るぎないサウンドを感じることができ、聴き手に対しても明確にそれが届くようになっているのは間違いないだろう。

 第4楽章が始まった瞬間の音の広がり、透き通るように美しい音色と響きが重なり合う瞬間はやはりバーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニックによる長年演奏し続けた仲であるということと、晩年のバーンスタインに見られる重さのあるテンポからなるアプローチが功を奏する形となった瞬間である。やはり弦楽器のしつこさすら感じるような濃密なるスケールと、爆発的なダイナミクス変化が効果的に奏でられていたことがよくわかる。

 今回は晩年のチャイコフスキー後期三大交響曲だったが、両者の録音には唯一残されたチャイコフスキー交響曲全集も存在している。これに関してはまた後日購入した後に聴きたいと思う。また、バーンスタインのUHQCDシリーズに関しては引き続き今後も少しずつ取り上げることができればと考えているので、他の録音についても聴いていきたいと思う。

https://tower.jp/item/4728950/チャイコフスキー:交響曲第6番≪悲愴≫<初回限定盤>