第1921回「バーンスタイン&NYPによるチャイコフスキー後期三大交響曲〜その2〜」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日も昨日から続けて取り上げているレナード・バーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニックによるチャイコフスキー後期三大交響曲の続きをみていきます。2日目となる本日は、交響曲第5番と幻想序曲「ロメオとジュリエット」の2曲です。こちらも昨年10月に発売されたUHQCD仕様の高音質盤となっています。


「レナード・バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック」

チャイコフスキー作曲:
交響曲第5番 ホ短調作品64

幻想序曲「ロメオとジュリエット」



 バーンスタインがニューヨーク・フィルハーモニックと録音したチャイコフスキーの交響曲第5番と幻想序曲「ロメオとジュリエット」。ダイナミック・レンジの幅広さが増していることによるインパクトの強さが凄まじく、上記2曲を聴く分には素晴らしい選曲であると言えるだろう。晩年のバーンスタインによる演奏ではあるが、ニューヨーク・フィルハーモニックとの大きな縁の深さが生み出したチャイコフスキーとなっている。

・チャイコフスキー:交響曲第5番
録音:1988年11月
 第1楽章から「緩→急」、「急→緩」におけるテンポの変化が非常に激しい演奏が展開される。特に「緩→急」へと変化した際に関しては、ダイナミクス変化も伴ってくるのでそのアプローチはより効果的に演奏へと落とされていたようにも感じられる。弦楽器の中でも特に低弦の音圧が凄まじく、やや太めに奏でられていることもあってインパクトは充分にあったと言える。金管楽器のサウンドもテンポの重みが加わるので、音圧へと反映されていた。

 有名なホルンのソロがある第2楽章。ホルンの演奏は芯のある太めなサウンドとなっており、非常に濃厚かつ分厚さを聴くことができるようになっている。また、オーケストラ全体にそれが広がった後は、ダイナミック・レンジの幅広さが増していることによる空間的な音の広がりがわかりやすく演奏されているので一音一音明確に演奏を楽しむことができるようになっているというのも非常に大きなインパクトであると言える。

 昨日取り上げた交響曲第4番の第3楽章がそうだったように、交響曲第5番の第3楽章に関しても同様に重く遅いテンポによって演奏されている感覚はそこまでない。強いて言えば何箇所か溜めがあるくらいで、その溜めに関してもダイナミクス変化などが効果的に演奏されているのでプラスの効果をもたらしている。弦楽器と木管楽器による調和的な美しさを再認識することができる演奏となっており、細部まで細かく聴き分けることができるため自由自在に変化するダイナミクス変化をわかりやすく聴くことができるのも面白い演奏の特徴だった。

 今回の演奏の中で最もテンポの緩急が激しく変化する楽章となった第4楽章。分厚い低弦の存在感も凄まじいが、それ以前に金管楽器のパワーサウンドにはやはり惚れ惚れするものを感じる。同時に生き生きとしたエネルギッシュな音色と響きも同時に奏でられながら演奏が展開されていくので、「緩→急」へとテンポの流れが変化した際のダイナミクス変化も重なって非常に面白い効果をもたらしてくれるようになっている。

・幻想序曲「ロメオとジュリエット」
録音:1989年10月
 テンポの緩急も多少はあるが、一音一音幅広さを持って演奏されているため壮大なるスケールと荘厳的な響きが混ざり合った演奏を聴くことができるようになっている。スイッチが入った瞬間の「緩→急」へと変化する瞬間はまさに圧倒的であるというべきだろうか。そして有名なトゥッティ部分に関してのインパクトは凄まじいサウンドとなっている。金管楽器と弦楽器の一体感が音の波を作り上げていると言えるだろう。

 バーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニックによるチャイコフスキー後期三大交響曲はやはり知名度としても高い演奏ということもあり、すぐに次を聴いてしまう傾向にある。早くも明日取り上げる予定の交響曲第6番「悲愴」で最後になる。バーンスタインによるUHQCDは他にもたくさん発売されているので、後日気になる代物は購入して聴きたいと思う。

https://tower.jp/item/4728949/チャイコフスキー:交響曲第5番-幻想序曲≪ロメオとジュリエット≫<初回限定盤>