第1902回「クーベリック&バイエルン放送響によるブラームス交響曲全集」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日6月29日はラファエル・クーベリックの誕生日です。今年で生誕110年となります。そんな本日ご紹介していくのは、先日SACDシングルレイヤーにもなったバイエルン放送交響楽団との唯一の録音となったブラームス交響曲全集です。「オルフェオ」から発売されたライヴ録音となっており、現在でも人気を誇る名演の一つとされています。


「ラファエル・クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団」

ブラームス作曲:
交響曲第1番 ハ短調作品68

交響曲第2番 ニ長調作品73

交響曲第3番 ヘ長調作品90

交響曲第4番 ホ短調作品98



 クーベリックによるブラームスの交響曲録音といえば、ウィーン・フィルとの全集が思い出される。複数のオーケストラと録音したベートーヴェン交響曲全集やベルリン・フィルとのドヴォルザーク交響曲全集などは注目されているが、ブラームスの交響曲全集があまり注目されていないのは意外に思えるかもしれない。当盤は、元々「オルフェオ」から発売されたライヴ録音だが、「Altus」がライセンスし2024年リマスターを施したSACDシングルレイヤーが発売されている。SACD対応プレイヤーを持っていないので比較はできないが、通常CD盤でも十二分に楽しむことができる名演となっているのは間違いない。


・ブラームス:交響曲第1番

録音:1983年4月26〜29日(ライヴ)

 テンポの緩急による各楽章の「緩→急」、「急→緩」における変化が非常に細かく演奏されており、骨太で重心のしっかりとした演奏を余すことなくたっぷりと味わえる演奏を聴くことができる。また、常にではないが、細かい溜めがあるというのも聴きやすいポイントになっているのは大きい。今回視聴しているのはSACDシングルレイヤーではないが、ノイズもなくライヴ録音としては非常に高音質盤となっているクーベリック&バイエルン放送響による交響曲第1番は、透明度の高い音色から奏でられる真っさらな響きが功を奏する形となっているのは間違いないだろう。


・交響曲第2番

録音:1983年4月26〜29日(ライヴ)

 細部にわたって細かく演奏され尽くされた演奏となっており、重厚的ではなく骨太にも感じられる伸びやかなサウンドをバイエルン放送響による演奏の元聴くことができるようになっている。オーケストラ全体としてまとまりやすい音色と響きによって展開されており、第1楽章から第4楽章まで常に透明度の高い美しい音色を味わうことができる。ライヴながら明瞭な高音質っぷりを味わうことができる臨場感を味わえる名演と言える。


・交響曲第3番

録音:1983年5月3〜6日(ライヴ)

 素朴ながらの美しさが感じられる演奏となっており、木管楽器や弦楽器をはじめとするアンサンブルに加えて、細部にわたり透明度の高い音色を奏でながら演奏が展開されていく。第2楽章と第3楽章が美しいというのもそうだが、第4楽章の強靭的なサウンドが何よりも聴きごたえを生んでいるのは言うまでもない。分厚い弦楽器が奏でるストイックは演奏には誰もがしびれてしまうだろう。


・交響曲第4番

録音:1983年5月3〜6日(ライヴ)

 厳格さからなる骨太で非常に重厚感のある演奏を聴くことができる演奏となっており、第1楽章から聴き進めた時に透明度の高い美しさに溢れた音色と響きを体感できるようになっているが、第4楽章まで進むと重心の安定した力強い交響曲第4番の姿をみることができるようになっている。細部にわたってこだわり抜かれたダイナミクス変化や高いアンサンブルなどによる技巧が功を奏する形となっているブラームスと言えるだろう。


 クーベリックによるブラームスは久しぶりに聴いたが、ウィーン・フィルとの録音と聴き比べてみるとバイエルン放送響との演奏はまた違うスタイルを演奏から通して聴くことができるようになっているのは間違いない。また定期的に聴きたい名演として記憶しておこうと思う。


https://classical.music.apple.com/jp/album/1088347874?l=ja-JP