第1878回「カラヤン&ベルリン・フィルによるバッハ《ブランデンブルク協奏曲》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ヘルベルト・フォン・カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるバッハの「ブランデンブルク協奏曲全曲」です。2回目の録音となった当盤は近年におけるオリジナル楽器での演奏とは真逆と言って良いくらいの濃厚かつたっぷりと取られたスケール感を味わえる演奏となっています。


「ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」

バッハ作曲:
ブランデンブルク協奏曲第1番 ヘ長調 BWV1046

ブランデンブルク協奏曲第2番 ヘ長調 BWV1047

ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調 BWV1048

ブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調 BWV1049

ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV1050

ブランデンブルク協奏曲第6番 変ロ長調 BWV1051



 思えばカラヤンによるバッハ演奏を聴いたことがなかった。そういう意味で今回2回目にあたる「ブランデンブルク協奏曲全曲」を聴くに至っている。それ以前に「ブランデンブルク協奏曲」自体聴いている回数も少ない上に、モダン・オーケストラによる演奏ではおそらく今回が初になる?ようにも思えるので積極的な気持ちで聴いていたのは間違いない。


・バッハ:ブランデンブルク協奏曲第1番

録音:1978年7月、1979年1月

 固さはなく一切なく、非常に緩やかで滑らかな曲線を描くかのような美しい音色と響きによって演奏が進められていく。弦楽器群による分厚くしっかりとした土台があるからこそという面もあるかもしれないが、現代におけるブランデンブルク協奏曲の演奏とは全く違う神秘的にも感じられるような美しさがあると言えるだろう。ダイナミック・レンジの幅広さが増しているのと響きが大分プラスされているがそれに負けないくらいの安定感とバランスの良さが演奏から聴くことができる。


・ブランデンブルク協奏曲第2番

録音:1978年7月、1979年1月

 トランペットにおける演奏難易度が非常なる高い第2番だが、オリジナル楽器での演奏では比較的にはっきりとした明確さと明瞭さを合わせ持つやや固めな演奏を聴くことができた。今回の演奏では透き通るように美しい透明度の高さからなる明瞭さを聴くことができた。それが他の楽器による演奏の妨げになるのかと問われればそういうわけではない。むしろトランペットの演奏があるからこそ全体の音楽の流れが向かう方向を明確にしているとも言える。


・ブランデンブルク協奏曲第3番

録音:1978年7月、1979年1月

 演奏時間が他の曲よりも短いため気づいた時には第3楽章にあることが書いている間に何回もあった。しかし、それだけ自然で美しい演奏であることには変わりない。弦楽器群におけるまとまりある重厚的で分厚い音の波が凄まじいエネルギーとなっており、この演奏は間違いなくベルリン・フィルによる演奏でしか聴くことはできないだろうと体感させられる。


・ブランデンブルク協奏曲第4番

録音:1978年7月、1979年1月

 全体的にスマートであり、バランスの取れた優美さ溢れる演奏となっている。重厚的な低弦の存在感に加えて、軽快感と豊かなサウンドからなる木管楽器の音色と響きが多くの人々の心を掴むような美しい音色に磨き上げられていると言っても良い。響きが大分足されていることもあり、濃厚さがより増している印象も受けることに間違いない。


・ブランデンブルク協奏曲第5番

録音:1978年7月、1979年1月

 遊び心があると言おうか、軽快でテンポの緩急に満ち溢れた濃密な演奏となっているようにも思える面白さがある。その中でチェンバロもそうだが、ベルリン・フィルによる卓越された弦楽器の圧倒的な存在感からなる演奏が功を奏する形となっているのは聴いていて驚かされるポイントと言えるだろう。最初から最後まで一貫性も感じることができたので聴いていて面白い演奏となっていた。


・ブランデンブルク協奏曲第6番

録音:1978年7月、1979年1月

 軽やかでしつこさのない透き通るような美しい音色によって奏でられる演奏となっており、オリジナル楽器で聴くことのできるような固さや筋肉質のような演奏とはまた違う緩急とダイナミクス変化を味わうことができるようになっている。一音一音における重みや重厚的なサウンドは他の協奏曲と同様に味わうことができるようになっているので、最後まで親しみやすくみずみずしい美しさを味わえることは間違いない。


 SACDシングルレイヤーとなるほどに有名なカラヤン&ベルリン・フィルによる2回目の「ブランデンブルク協奏曲」。1回目の録音に関してはいずれ聴くとして、今回の録音は想像していた以上に楽しむことができる演奏だったことは間違いない。また繰り返し聴きたい名盤である。


https://classical.music.apple.com/jp/album/1452208608?l=ja-JP