第1873回「伊福部昭生誕110年、ヤブロンスキーによる《シンフォニア・タプカーラ》他」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日5月31日は日本を代表する作曲家伊福部昭の誕生日です。今年で生誕110年になります。そんな本日ご紹介していくのは、ドミトリ・ヤブロンスキー&ロシア・フィルハーモニー管弦楽団による「シンフォニア・タプカーラ」、「ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ」、「SF交響ファンタジー第1番」です。普段伊福部作品を聴く時は日本のオーケストラによる演奏が多いかもしれませんが、当盤は貴重な国外のオーケストラによる演奏となっています。


「ドミトリ・ヤブロンスキー指揮/ロシア・フィルハーモニー管弦楽団」

伊福部昭作曲:
シンフォニア・タプカーラ

SF交響ファンタジー第1番


「エカテリーナ・サランツェヴァ(ピアノ)、ドミトリ・ヤブロンスキー指揮/ロシア・フィルハーモニー管弦楽団」

ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ



 伊福部昭作品のCDに関しては当ブログでも積極的に取り上げている。そのほとんどは日本のオーケストラによる演奏となっているが、今回取り上げるCDに関してはヤブロンスキー&ロシア・フィルによる演奏となっている。国外のオーケストラによる伊福部作品の演奏はYouTubeでみると比較的聴くことができなくもないが、CD化されている演奏は少ないようにも思えなくはない。


・伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ

録音:2004年5月3〜12日

 日本のオーケストラがよく演奏する印象を受けるこの曲だが、今回はロシア・フィルによる演奏となっている。そのためアプローチにも違いが出てくる。重厚的な演奏ではなく、躍動感溢れるエネルギッシュな演奏が第1楽章から展開されているため、人によってはややテンポが速く感じるかもしれない。また、サウンドに関しても芯がしっかりとしているため、アタックやアーティキレーション、ダイナミクス変化などが明確になっている。これには驚かされるというもの。また、第3楽章終盤は日本のオーケストラによる演奏になると狂った、狂乱した演奏が多々みられるようになるのだが、ヤブロンスキー&ロシア・フィルによる演奏は意外と冷静に一音一音しっかりと鳴らしているイメージがあり、おさまりの良さを体感することができた。

・ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ
録音:2004年5月3〜12日
 単一楽章からなるピアノ協奏曲となっている。不規則なリズムからなる変拍子によって繰り返される演奏は印象的な勢いを生み出しており、ややコンパクトながらテンポの緩急からなるダイナミクス変化が非常に素晴らしい。ピアノとオーケストラによる圧倒的な情報量からなる反復されるリズムが強く印象に残る演奏であることは間違いない。しつこさのない響きによって演奏されているのも特徴的で、すっきりとした透き通る透明度の高い音色、サウンドで演奏されているのも聴きやすいポイントとなっている。

・SF交響ファンタジー第1番
録音:2004年5月3〜12日
 昨年公開された「ゴジラ-1.0」をはじめとして今年で70周年を迎える日本の特撮映画を代表とする「ゴジラ」。今回の演奏に関しては現在大ヒット上映中の「ゴジラ×コング新たなる帝国」などを含めている「モンスターバース」シリーズによる映画を見ている感覚に近かったと言えるだろうか。スケール感は間違いなくあるが、溜めがそこまでなくシャープな演奏となっていることもあってコンパクトすぎる気もしなくはなかった。たんたんと進められていくのも良いが、もう少し重厚感が欲しいと思ってしまった。

 「伊福部昭の芸術」をはじめとしたCDはすでに聴いているが、まだ伊福部作品の名盤で聴くことができていない演奏が多数ある。それらを今後少しずつ聴いていきたいところ。そして、私が伊福部作品で愛聴盤としている「伊福部昭の純音楽」もまた改めて聴き直したいのでまた改めて聴こうと思う。


https://classical.music.apple.com/jp/album/82861598?l=ja-JP