第1871回「ゲルシュタインによるラフマニノフピアノ協奏曲第2番他」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

こちらはクラシック音楽のCDの名盤をレビューするブログです!
年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、昨年2023年にラフマニノフ生誕150年を記念して「ベルリン・フィル・レコーディングス」より発売されたキリル・ゲルシュタインのキリル・ペトレンコ&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるラフマニノフ生誕150年周年記念アルバム第1弾を取り上げていきます。メインはやはりピアノ協奏曲第2番であり、それ以降はピアノ曲が多数収録されています。以前ペトレンコ&ベルリン・フィルによる交響曲第2番などを取り上げていますが、今回SACDハイブリッド盤で発売された第1弾を取り上げていきたいと思います。


「キリル・ゲルシュタイン(ピアノ)、キリル・ペトレンコ指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」

ラフマニノフ作曲:
ピアノ協奏曲第2番 ハ短調作品18


「キリル・ゲルシュタイン(ピアノ)」

ラフマニノフ作曲:
幻想的小品 作品3より第3番メロディ

コレッリの主題による変奏曲 ニ短調作品42

6つの歌 作品4より第3曲 ニ長調(ゲルシュタイン編)

クライスラー作曲:
愛の悲しみ(ラフマニノフ編)




 ベルリン・フィルによるラフマニノフ作品の録音が収録されている当盤。以前交響曲第2番や交響的舞曲を取り上げているが、その前に発売されたCDこそ当盤になる。普段聴き慣れたロマンティックさの濃い演奏とは違う濃厚なピアノ協奏曲第2番をメインに置き、ラフマニノフによるピアノ曲を一緒に収録している。


・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

録音:2022年6月25日

 ややかけ足で進んでいるようにも感じられなくはない演奏となっている。大きな溜めはなく以外とあっさりとしているようにも感じられなくはない。むしろテンポを加速させる場面が多々見受けられるため、その都度打楽器の強烈な打撃や金管楽器の咆哮、統一された弦楽器群の演奏を聴くことができるので驚かされるダイナミクス変化が多数盛り込まれている。もちろん第2楽章をはじめとして、感動的なスケールもある。その際はSACDハイブリッド盤となっていることによるダイナミック・レンジの幅広さが功を奏する演奏となっているのは間違いない。


・ラフマニノフ:5つの幻想的小品より第3番メロディ

録音:2023年2月6日

 さっぱりとしたしつこさのない甘さというべきか、いずれにしても美しいゲルシュタインによるピアノ演奏を聴くことができるようになっているのは間違いない。小品ではあるが、その美しくもはかない世界観はラフマニノフが描く世界観でありロマンティックに聴こえる素晴らしい演奏だった。


・クライスラー、ラフマニノフ編:ウィーン古典舞曲集より愛の悲しみ

録音:2023年2月6日

 フリッツ・クライスラーによる名作「愛の悲しみ」がラフマニノフの手によってピアノ曲として新しい演奏を聴くことができるようになっている。軽快でありユーモアを感じることもできる演奏となっているため、聴いていて面白さとしても充分にある演奏だった。ポピュラー作品のようにも聴こえ、個人的には面白い作品だったことは間違いない。


・コレルリの主題による変奏曲

録音:2023年2月6日

 ピアノ協奏曲を聴いているかのような壮大なるスケールと荘厳的な演奏が非常に素晴らしく、聴いている全ての人を魅了することに違いない。ダイナミック・レンジの幅広さが増していることが功を奏する形となっており、各変奏においてテンポの緩急からなるダイナミクス変化が明確に演奏されているというのも聴きごたえを生んでいる一つの理由となるだろう。


・6つの歌

録音:2023年2月6日

 ゲルシュタインによる編曲版で聴くことができる今回の演奏。非常にロマンティックで聴いていて美しさが溢れ出るピアノタッチとなっていることもあって、聴いていてうっとりしてしまう瞬間は幾度もあった。ダイナミック・レンジの幅広さが増していることも功を奏する形となっており、このラフマニノフアルバムを締めくくるにふさわしい名演ばかりだったと言える。


 ラフマニノフのピアノ協奏曲自体非常に有名な作品であるため、これまでに様々な録音が残されているが、ゲルシュタインの演奏は自作自演によるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番に近いものを感じた。以前アバド&ベルリン・フィルによるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、第3番の録音を聴いた際も同じようなアプローチがされていたが、たまには今回のような演奏も良いなと感じさせてくれた演奏である。

https://tower.jp/item/5854571/ラフマニノフ:-ピアノ協奏曲第2番、他