第1829回「上岡敏之&新日本フィルによる《ツァラトゥストラ》と《英雄の生涯》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、上岡敏之&新日本フィルハーモニー交響楽団によるリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」、交響詩「英雄の生涯」です。上岡さんといえば強烈なマーラーの交響曲第1番「巨人」が特に印象的に残っており、ブルックナーの交響曲も同じレーベルの「Exton」から発売されています。今回当盤を取り上げるのはリヒャルト・シュトラウス作品が聴きたくなったからということが理由の一つになりますが、理想的な演奏であったことに間違いはありません。


「上岡敏之指揮/新日本フィルハーモニー交響楽団」

リヒャルト・シュトラウス作曲:
交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30

交響詩「英雄の生涯」作品40



 2016年9月に新日本フィルの第4代音楽監督に就任した上岡さんによる新日本フィルとのリヒャルト・シュトラウス作品を収録している当盤。「ツァラトゥストラ」と「英雄の生涯」というリヒャルト・シュトラウス作品の中でも代表格の作品が演奏されている。マーラーの交響曲第1番「巨人」のインパクト性も凄まじいエネルギーだったが、今回の2曲もそれに引けを取らないと言えるだろう。


・リヒャルト・シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」

録音:2016年9月9日、11日(ライヴ)

 重厚的かつ骨太で非常に濃厚な音色と響きを合わせてたっぷりと味わうことができるようになっている「ツァラトゥストラ」。金管楽器の音色が非常に好みであるように聴こえる演奏となっており、今回はApple Music Classicalのロスレス音源で聴いているが感覚としてはSACDハイブリッド仕様の高音質盤で聴いているような奥深い音色とどっしりとしたサウンド、やや前向きなテンポからなる躍動的な演奏が功を奏している。個々の楽器による演奏に関しても非常に豊かな音色によって奏でられていることもあって細部にわたって聴きやすい演奏だ。


・交響詩「英雄の生涯」

録音:2016年9月9日、11日(ライヴ)
 「ツァラトゥストラ」を聴いた後に「英雄の生涯」が収録されており、これは正解であると感じた選曲のように思える。ダイナミック・レンジの幅広さが名一杯使われており、「英雄の戦場」におけるバンダトランペットとの距離も幾分か取れている。まとまりのある重厚的でたっぷりとした土台が形成されている弦楽器であったり、密度の濃い濃厚な金管楽器の音色は凄まじいエネルギーとなっているのがよくわかる。奥行きが幅広く取られているため音響的な空間としても聴きやすく、濃厚で豊かなサウンドを味わうには十二分であると言える。これがライヴで聴くことができたと言うのだから非常に羨ましい限りである。

 上岡さんによる録音は今回大分久しぶりに聴いたが、個人的には大きく好みなリヒャルト・シュトラウス作品の解釈だったとも言える。ケンペ&シュターツカペレ・ドレスデンによる演奏を思い出すかのような豊かな音色からなる重厚的なサウンドであった。これは繰り返し聴き続けていきたい名演である。


https://classical.music.apple.com/jp/album/1225074961?l=ja-JP