第1788回「コンドラシンによるラフマニノフ、ハチャトゥリアン作品集」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃昨日3月6日はキリル・コンドラシンの誕生日で今年で生誕110年という年であり、本日3月7日はコンドラシンの命日で今年没後43年という年です。そんな本日ご紹介していくのはコンドラシンが残した有名は録音ではなく、珍しい録音を取り上げていきたいと思います。曲目はラフマニノフの合唱交響曲「鐘」と「交響的舞曲」、ハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」、交響曲第3番「シンフォニー・ポエム」、ピアノ協奏曲変ニ長調です。


「キリル・コンドラシン指揮/モスクワ交響楽団」

ラフマニノフ作曲:
合唱交響曲「鐘」作品35


「キリル・コンドラシン指揮/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団」

ラフマニノフ作曲:
交響的舞曲 作品45


「キリル・コンドラシン指揮/RCAビクター交響楽団」

ハチャトゥリアン作曲:
仮面舞踏会


「キリル・コンドラシン指揮/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団」

ハチャトゥリアン作曲:
交響曲第3番「シンフォニー・ポエム」


「ヤコフ・フリエール(ピアノ)、キリル・コンドラシン指揮/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団」

ハチャトゥリアン作曲:
ピアノ協奏曲 変ニ長調



 コンドラシンといえばショスタコーヴィチ交響曲全集やマーラー交響曲集、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」など有名な名盤を数多く残している。中でもバイエルン放送響とのショスタコーヴィチ交響曲第13番「バビ・ヤール」は決定盤としての地位を確立している名盤である。今回はあえてそれらの名盤を避ける形とはなっているがラフマニノフの合唱交響曲「鐘」と「交響的舞曲」やハチャトゥリアンの交響曲第3番「シンフォニー・ポエム」などをみていく。


・ラフマニノフ:合唱交響曲「鐘」

録音:1962年

・・・ロマンティックでなく、どこかホラー映画のような不気味さが蔓延する響きを全曲通して聴くことができる演奏となっている。ノイズもなく、ダイナミック・レンジの幅広さが増していることもあって非常に美しさと幻想的な世界観を感じ取ることができる。独特なオーケストラの音色や攻撃的なトゲトゲしいサウンドもそうだが、合唱含めて非常に面白い演奏を聴くことができるのは間違いない。現代的にも聴こえるこの演奏は他には類を見ない深淵を覗き込んだかのような奥深さがあるとも言えるかもしれない。


・ラフマニノフ:交響的舞曲

録音:1963年

・・・メリハリのあるキレ味の効いたサウンドや抜群なテンポの緩急からなる圧倒的な演奏を楽しむことができるようになっている。第1楽章冒頭より弦楽器による統一感のある音は鋭さも重なって素晴らしい威力を生み出していると言えるだろう。基本として前向きな姿勢からなる演奏を聴くことができるようになっているため、テンションは高い状態で維持されながら演奏を楽しむことができるようになっているのは非常に素晴らしいことにも思える。


・ハチャトゥリアン:仮面舞踏会

録音:1958年

・・・SACDハイブリッド盤にもなったRCAビクター交響楽団との「仮面舞踏会」。当盤は通常CD盤ながらにダイナミック・レンジの幅広さが増していることもあって非常に聴き外のある名盤だったと言えるだろうか。SACDハイブリッド盤にも引けを取らない高音質ぶりには聴き始めた際には大変驚かされた。テンポの緩急からなる変幻自在のダイナミクス変化も聴いていて圧巻の演奏となっており、柔軟性の高い弦楽器や活気ある金管楽器のサウンドも素晴らしい仕上がりとなっている。


・ハチャトゥリアン:交響曲第3番「シンフォニー・ポエム」

録音:1964年

・・・今回当盤を取り上げる理由の一つでもあるハチャトゥリアンの交響曲第3番「シンフォニー・ポエム」。ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルが初演した曲で、単一楽章からなる交響曲となっているが何より目をひくのは15本のトランペットを演奏として必要とすること。加えてオルガンも演奏には加わる。高難易度を要求するオルガンのトッカータは長いこともあって短縮されることは少なくない。オーケストラ内のトランペット以外に15本のトランペットを揃えるという点も含めて編成が大きすぎるが故に今日において滅多に演奏されることのない曲である。現代的かつ音の暴力にも思える過激なサウンドが聴くもの全てを圧倒する演奏となっており、ロシアのオーケストラによる演奏だからこそ味わえる破壊力がこの曲には備わっていると言えるだろう。言葉はいらない、まずはこの曲を聴いてほしいと個人的に思っている。


・ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲

録音:1963年

・・・クラシックの枠を超えた名曲と言っても過言ではないハチャトゥリアンのピアノ協奏曲。ジャズ的な要素も少なからず感じられるスタイルとなっており、演奏されるピアノの見事なタッチとオーケストラとの対話が聴いていて非常にワクワクさせられるものがある。テンポの緩急がそれぞれの楽章において繰り返し演奏されていることもあって映画音楽のような展開もそうだが爆発的なエネルギーを味わえる世界観からなる迫力は非常に素晴らしいと言える。


 コンドラシンの録音は調べてみるとまだまだ聴いたことのない演奏が多数存在していることに最近気付かされた。まさかブラームス交響曲全集まで存在しているとは思わなかった。これに関してはCDでは手に入りづらい代物となっているため、Apple Music Classicalにて音源は見つけたので近いうち聴いてみたいところ。マーラーの交響曲集に関してもまた聴き直したいと思っている。