第1774回「ボールト没後41年、《惑星》1966年録音とイギリス民謡組曲他がSACD化」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日2月22日は指揮者エイドリアン・ボールトの命日です。今年で没後41年となります。そんな本日ご紹介していくのは、先日取り上げた1978年録音の「惑星」と同じように昨年末タワーレコード企画の「Definition SACD Series」より復刻されたSACDハイブリッド盤、ホルストの組曲「惑星」1966年録音とヴォーン・ウィリアムズの「イギリス民謡組曲」、「グリーンスリーブス」による幻想曲です。ホルストはニュー・フィルハーモニア管弦楽団、ヴォーン・ウィリアムズはロンドン交響楽団がそれぞれ演奏しています。


「サー・エイドリアン・ボールト指揮/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団」

ホルスト作曲:
組曲「惑星」作品32


「サー・エイドリアン・ボールト指揮/ロンドン交響楽団」

ヴォーン・ウィリアムズ作曲:
イギリス民謡組曲(G.ジェイコブ編曲版)

「グリーンスリーブス」による幻想曲(R.グリーヴズ編曲版)



 ボールトによるホルストとヴォーン・ウィリアムズを聴くことができる。特にホルストの「惑星」に関してはエソテリック盤や旧EMI盤でのSACDハイブリッド盤との比較が気になるところではある。そのリマスターとして、「以前から発売されていたSACDではイギリスアビイ・ロード・スタジオでの94kHz/24bitリマスター音源を使用していたが、今回のSACDではフランスのアヌシーにあるArt&Studioにて最新のデジタル機材を用いた192kHz/24bitリマスター音源を使用している」との記載がある。ボールト没後40年企画(2023年)、ホルスト生誕150年&没後90年企画(2024年)として復刻された往年の時代における名盤がさらなる音質の進化と共に演奏を楽しむことができるようになって戻ってきた。


・ホルスト:組曲「惑星」

録音:1966年7月21,22日

・・・エソテリック盤にもなっていた上に「旧EMI」からSACDハイブリッド盤が発売されていたためすでに2種類のSACDハイブリッド盤が存在していたが、今回ついに3種類目のSACDハイブリッド盤がタワーレコードから復刻された。1978年録音とは違う勢いの良さと生き生きとしすぎてやや荒さが目立つ演奏ではあるが各曲ごとに明確なアプローチからなるテンポの緩急を感じ取ることができるようになっているため、ダイナミック・レンジの幅広さからなる細部まで細かく聴き込むことができる感覚を余すことなく堪能することができるようになっている。重厚的なサウンドはないものの、弦楽器によるスケールや歯切れの良い木管楽器と金管楽器による圧倒的な音圧を聴いた際の衝撃は誰しもが圧倒されるだろう。特に「火星」と「天王星」のインパクトは申し分ないと言える。


・ヴォーン・ウィリアムズ:イギリス民謡組曲(G.ジェイコブ編曲版)

録音:1970年8月8日

・・・吹奏楽における名曲中の名曲である「イギリス民謡組曲」。近年では演奏されることも大分減ってしまったが、オーケストラ編曲版とプラス・バンド版が存在している。オーケストレーションの変更があるため原曲の吹奏楽版に耳が慣れている方にとっては聴こえ方が変わってしまうかもしれないが、壮大なるスケールや各楽器による美しい音色は功を奏する形となって演奏されているため非常に素晴らしい編曲版と言える。オーケストラからなる吹奏楽編曲版は大変多くの曲が該当するが、今回のような吹奏楽からオーケストラ編曲になる曲は少ないようにも思えるので貴重な演奏という点としても楽しむことができた。


・ヴォーン・ウィリアムズ:「グリーンスリーブス」による幻想曲(R.グリーヴズ編曲版)

録音:1970年8月12〜13日

・・・この曲を聴くといつも下校時間を思い出す。中学校の下校時間になるといつも流れるのがこの曲だった。ヴォーン・ウィリアムズ作品の中で最も有名な曲であり誰しもが聴いたことがある名曲である。まさにヒーリング・ミュージックと言っても差し支えないような美しい音色と響きに包まれる感覚があり、今回2023年最新マスタリングが施されていることもあってダイナミック・レンジの幅広さが増していることにより弦楽器と木管楽器による美しい調和的な旋律と和音の響きをたっぷりと聴くことができるようになっている。疲れた時に聴くと非常に良い演奏であるという印象を受けた。


 前日取り上げたロンドン・フィルとの1978年録音の「惑星」と同時発売された当盤、2023年最新マスタリングが施されたSACDハイブリッド盤の高音質盤としての感覚が非常に素晴らしい演奏をきかせてくれるようになっている。手元にエソテリック盤や旧EMI盤のSACDハイブリッド盤も存在するので今回のタワーレコード盤ともぜひ聴き比べてみたいところ。今年はホルストのアニバーサリー・イヤーでもあるので、積極的に多くの「惑星」を聴きたいと思える名盤だった。

https://tower.jp/item/6242047/ホルスト:-惑星(1966年録音)、ヴォーン・ウィリアムズ:-イギリス民謡組曲、「グリーンスリーヴス」による幻想曲<タワーレコード限定>