沖澤のどかさんは、2019年のブザンソン国際指揮者コンクールで優勝、2018年東京国際音楽コンクール優勝、特別賞、齋藤秀雄賞を受賞してから国内のオーケストラでは、NHK交響楽団や読売日本交響楽団など多くのオーケストラと共演し、世界ではトーンキュンストラー管弦楽団、MDR交響楽団などと共演している。2022年にはセイジ・オザワ松本フェスティバルに「フィガロの結婚」で指揮をしている今まさに注目されている指揮者である。
・シベリウス:交響曲第2番
録音:2021年10月9〜10日(ライヴ)
第1楽章・・・オーケストラ全体の音色は非常にリアリティある生々しさが伝わってくる演奏となっており、テンポの緩急も変幻自在となっているため非常に聴きやすい印象を受ける。残響はそれほどなくやや固めのサウンドとなっているが、研ぎ澄まされた感覚含めて綺麗な演奏を聴くことができるようになっているので大分楽しめるシベリウスの第1楽章となっている。
第2楽章・・・力強さを感じ取ることのできる第2楽章となっており、金管楽器と打楽器が特にその軸を担う形となっているのは間違いない。弦楽器はその都度ダイナミクス変化を細部まで細かく演奏しているため、厚みのある演奏を聴くことができる。重みと共に深みのある演奏を聴くことができるようになっているため、重量感はさらに増していることが聴いているとよくわかる。
第3楽章・・・疾走感と共に演奏される鋭さのある弦楽器の音色は、残響を少なくしているため大分固さのある演奏を聴くことができるようになっているが、テンポの緩急が加えられた演奏ということもあって、その変化は緩やかなものとなっている。第4楽章へとアタッカする音楽的な流れも違和感なく、非常に美しい音の広がりを聴くことができる。
第4楽章・・・滑らかかつ美しい音楽の流れが展開されていく第4楽章。壮大かつ伸びやかな弦楽器によるスケールは、日本のオーケストラが奏でているとは思えないような凄みのあるたっぷりとした演奏であると言える。歯切れ良さも演奏から聴くことができるようになっており、奥深いサウンド共に演奏される凄まじいエネルギーは両者だからこそ作り出すことのできた世界観であると言えるだろう。
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