第1669回「バックハウス、ベーム&ウィーンフィルによるブラームスピアノ協奏曲第1番」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ヴィルヘルム・バックハウスとカール・ベーム、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるブラームスのピアノ協奏曲第1番です。バックハウスとベームといえば、同じくウィーン・フィルと共に録音したブラームスのピアノ協奏曲第2番が今でもなお多くの人々に愛聴されていますが、このピアノ協奏曲第1番も忘れてはならない名盤です。


「ヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)、カール・ベーム指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」


ブラームス作曲:
ピアノ協奏曲第1番 ニ短調作品15



 バックハウスによるピアノ録音を聴くのは久しぶりにも思える。これまでにベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集やピアノ協奏曲全集、ブラームスのピアノ協奏曲第2番など主要な名盤を聴いてきた。今回はブラームスのピアノ協奏曲第2番に並ぶ重要な録音と言っても良いピアノ協奏曲第1番を満を辞してみていく。


・ブラームス:ピアノ協奏曲第1番

録音:1953年6月


 第1楽章・・・交響曲が始まったかのような重量感と壮大なるスケールはこの時代とバックハウス、ベーム&ウィーン・フィルによる演奏だからこそ成すことのできるものだというようにも思える。テンポの緩急はそれほどなく、基本として一定のテンポで進んでいく。バックハウスによる骨太なピアノはウィーン・フィルにも影響を与えており、両者の音色や響きが統一されているからこそ作り出すことのできるサウンドであると言える。細かいダイナミクス変化と安定感のある始まりを聴くには充分だ。


 第2楽章・・・重厚的なサウンドはそのままに、美しく透き通るような音色を奏でているたっぷりとした濃厚さのある演奏となっているのは間違いない。くもりと迷いのないバックハウスのピアノからは迷いを振り切るかのような感覚と、力強さを大きく味わうことができるようになっているので、この時代におけるウィーン・フィルによる木管楽器や弦楽器との相性も比較的に良いように感じられた。穏やかで牧歌的な音色をたっぷりと歌い上げる瞬間は非常に素晴らしいと言えるだろう。


 第3楽章・・・テンポに多少の勢いと緩急がつけられたことによって、曲の終わりへと突き進んでいくかのような姿勢とエネルギーの流れを演奏から体感できるようになっている。若干重々しさがなくなったことによって、機動力も感じられるブレのない演奏のようにも聴こえるかもしれないが、いずれにしても素晴らしい演奏を最後まで聴くことができるという面では十二分に楽しめる演奏であることに間違いはない。


 まさに期待していた通りと言っても良いだろう。非常に素晴らしいバックハウスによるブラームスのピアノ協奏曲第1番だった。このまま流れでピアノ協奏曲第2番もセットで聴きたくなるような面白さがあったので、この後ひとまず第2番も聴きたいと思う。また、ベームの録音について触れておくと、まだまだ聴いていないCDが多数手元にあるので今後少しずつ聴いていきたいと考えている。


https://tower.jp/item/1074230/不滅のバックハウス1000:-ブラームス:ピアノ協奏曲第1番<限定盤>