第1641回「フルトヴェングラーRIAS放送録音全集:Disc 10」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、「フルトヴェングラーRIAS放送録音全集」の続きとなります。今回取り上げるのは、Disc 10に収録されているシューベルトの交響曲第8番「未完成」と第9番「ザ・グレイト」です。フルトヴェングラーによるシューベルトという時点で多くの人々が注目できると思います。1953年9月17日のライヴ録音となっています。



〜フルトヴェングラーRIAS放送録音全集:Disc 10〜


「ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」

シューベルト作曲:
交響曲第8番 ロ短調「未完成」

交響曲第9番 ハ長調「ザ・グレイト」



 フルトヴェングラーによるシューベルトの交響曲2種類を収録したのが今回のDisc 10である。シューベルトの「未完成」と「ザ・グレイト」はフルトヴェングラーによる録音でいえば、それぞれ複数の録音が残されている。今回の録音はいずれも晩年に演奏されたもので、この後に収録されているベートーヴェンの交響曲と一緒に聴きたくなるような素晴らしい名演であることは間違いないだろう。


[Disc 10]

・シューベルト:交響曲第8番「未完成」

録音:1953年9月15日(ライヴ)

・・・ベルリン・フィルによる分厚めな重厚的であるサウンドを奏でている弦楽器群の存在感があるからこそこの「未完成」が楽しめる演奏となっていると言っても過言ではない。マスタリングの効果もあるのだろう、ノイズはほとんどなく曲全体としても明瞭な状態で演奏を楽しめるようになっている。木管楽器による奥深い音色と、オーケストラ全体による調和的な響きが功を奏している。晩年に近い演奏だからこそあるフルトヴェングラーのシューベルトにおけるの良さが全面的に押し出させれた演奏といっても良いだろう。


・シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」

録音:1953年9月15日(ライヴ)

・・・先ほどの「未完成」と同日演奏されたフルトヴェングラーによるシューベルトの「ザ・グレイト」を聴くことができる。こちらも音質は比較的に明瞭な演奏となっており、晩年とはいえテンポが遅い演奏というわけではないということをまず述べておきたい。テンポの緩急に優れた演奏で、各楽章ごとに明確なテンポチェンジが行われている。特に第3楽章、第4楽章にかけては大分推進力を感じることのできるような快活さがあり、エネルギッシュで素晴らしい演奏となっているのは間違いない。第1楽章、第2楽章に関しても速すぎるわけではないが、重々しくも始まっていないのでこれから始まる長大なる交響曲としての姿を目の当たりにすることができた瞬間であると私は考えた。


 「フルトヴェングラーRIAS放送録音全集」も残すところ2枚のディスクのみとなった。しかし、今回のシューベルトの人気交響曲を演奏した記録をこうした形で聴くことができて個人的には大分満足している。フルトヴェングラーによるシューベルトの同曲録音は以前から何種類も聴いているが、その中でも聴きやすい演奏だったのではないか?と個人的には思っていたりする。残す2枚のディスクも最後まで楽しんでいきたいところである。


https://tower.jp/item/2565453/Edition-Wilhelm-Furtwangler---The-Complete-RIAS-Recordings