第1639回「キャニオンクラシックスからのSACD、フェドセーエフ交響曲録音集:Disc3〜5」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日は昨日から取り上げている「フェドセーエフ交響曲録音集」(キャニオンクラシックス原盤)の続きを見ていきます。今回取り上げるのは、Disc 3に収録されたショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」、Disc 4に収録されたショスタコーヴィチの交響曲第5番と第6番、Disc 5に収録されたプロコフィエフの交響曲第5番と第1番「古典交響曲」です。フェドセーエフとモスクワ放送響渾身のロシア人作曲家による交響曲作品を最後まで楽しめる仕様となっています。



〜フェドセーエフ交響曲録音集:Disc 3〜5〜


「ヴラディーミル・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団」


[Disc 3]
ショスタコーヴィチ作曲:
交響曲第7番 ハ長調作品60「レニングラード」

[Disc 4]
ショスタコーヴィチ作曲:
交響曲第5番 ニ短調作品47

交響曲第6番 ロ短調作品54

[Disc 5]
プロコフィエフ作曲:
交響曲第5番 変ロ長調作品100

交響曲第1番 ニ長調作品25「古典交響曲」



 フェドセーエフによるショスタコーヴィチといえば、随分前に当ブログでも交響曲第7番「レニングラード」を取り上げている。それが今回収録されているDisc 3に収録されているわけだが、2022年最新マスタリングが施されて復刻されているのだからこれはこれで楽しめるようになっているのは間違いない。また、今回の復刻はシリアル・ナンバー付700セット限定発売となっている。


[Disc 3]

・ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」

録音:1996年12月13〜15日

・・・第1楽章が始まった瞬間や、「戦争の主題」などのテンポはこれまでに聴いてきたどの同曲録音よりも圧倒的な前向きであり、速いテンポで演奏が行われている。その分、「レクイエム」として演奏される楽章及び場面では、たっぷりとしたスケールと重厚的な分厚さのある演奏を聴くことができる。その際に演奏される弦楽器や個々の楽器におけるソロも叙情的で、儚さもありつつ深みのある音色と響きを聴くことができるようになっている。ダイナミック・レンジの幅広さが増していることもあって、オーケストラ全体のボルテージが頂点に達した際のダイナミクスは想像している以上の破壊力となって演奏を楽しむことができるようになっているのは間違いないだろう。


[Disc 4]

・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

録音:1997年4月3〜5日

・・・ショスタコーヴィチの交響曲といえばこの曲と言っても良いくらいの知名度と、人気を誇る名曲である。かつてムラヴィンスキー&レニングラード・フィルによる演奏が非常に素晴らしい名盤、名演として多くの人々に知られたが、フェドセーエフ&モスクワ放送響による演奏も素晴らしい。SACDハイブリッド盤であり、2022年最新マスタリングが施されたことによるダイナミック・レンジの幅広さが増していることによるダイナミクス変化と、音の広がりが明確化された演奏は非常に聴きやすく、壮大なスケールを味わえるようになっている。テンポに関してはそれほど速くない分安定感が増しており、交響曲としての長大なる姿を演奏から体感することができるようになっているのは間違いないだろう。


・ショスタコーヴィチ:交響曲第6番

録音:1997年4月3〜5日

・・・演奏として、テンポの緩急が鋭い変化をみせるわけではなく、他の同曲録音と比べてもやや遅めで重い印象を受ける交響曲第6番であったことは間違いない。しかし、2022年最新マスタリングが施されたことによる明瞭なサウンドと俊敏かつ細かい細部までこだわり抜かれた演奏は、素晴らしい緊迫感を生み出している。今回の演奏では、特に木管楽器と弦楽器による統一感のある演奏が光っていたことは間違いない。


[Disc 5]

・プロコフィエフ:交響曲第5番

録音:1994年5月19,22日

・・・プロコフィエフが作曲した交響曲の中でも特に演奏される頻度の高い名曲である交響曲第5番。個人的にはバーンスタインによるテンポの遅い重量級な演奏が印象的な曲ではあるが、今回のフェドセーエフ&モスクワ放送響の演奏は真逆に近いくらいの演奏となっている。スムーズな足運びと俊敏かつ推進力を感じ取ることができるような抜群のアプローチは、より一層聴きやすい感覚を覚える。細部まで細かいダイナミクス変化を聴くこともできるようになっており、弦楽器と木管楽器を中心として統一されたロシアのオーケストラらしい研ぎ澄まされたアンサンブルを楽しめるようになっている。加えて金管楽器による音圧と分厚いサウンドが功を奏している。


・プロコフィエフ:交響曲第1番「古典交響曲」

録音:1994年5月19,22日

・・・プロコフィエフによる古典風を追求した交響曲で、他の作品と比べると演奏時間も確かに少ない。しかし、モスクワ放送響にしては特徴的なロシアのオーケストラらしいサウンドというよりも、後味のスッキリとした冷静な演奏を聴くことができるようになっている。テンポの緩急に関しても明確に聴くことができるようになっており、重々しい感覚は基本的にはないものとなっている。弦楽器のスケールは他の録音と同じように感じられるようになっているのと、木管楽器による俊敏さが素晴らしい。


 フェドセーエフ生誕90年記念企画としてタワーレコードで復刻された名盤は数多く復刻された。その一つ一つが非常に強い印象を残しているので、今回取り上げた交響曲録音集含めて全てがオススメしたい名盤であることは間違いない。いずれまた聴き直したい演奏であるとここで述べておきたい。


https://tower.jp/item/5528011/フェドセーエフ-交響曲録音集(キャニオンクラシックス原盤)<タワーレコード限定>