第1631回「フルトヴェングラーRIAS放送録音全集:Disc 7,8」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、「フルトヴェングラーRIAS放送録音全集」の続きです。その中からDisc7に収録されたベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」、グルックの「アルチェステ」序曲、ヘンデルの合奏協奏曲とDisc 8に収録されたウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲、ヒンデミットの交響曲「世界の調和」です。このうちヒンデミットの交響曲「世界の調和」に関しては、以前取り上げた「King International」から発売されたSACDハイブリッド盤と別録音となりますので、そちらについても触れつつみていきたいと思います。


〜フルトヴェングラーRIAS放送録音全集:Disc 7,8〜


「ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」

[Disc 7]
ベートーヴェン作曲:
交響曲第3番 変ホ長調作品55「英雄」

グルック作曲:
「アルチェステ」序曲

ヘンデル作曲:
合奏協奏曲 ニ長調作品6-5


[Disc 8]
ウェーバー作曲:
歌劇「魔弾の射手」序曲

ヒンデミット作曲:
交響曲「世界の調和」



 フルトヴェングラーによる主要なレパートリーと現代的な要素が含まれる作品も収録されているDisc 7,8。ベートーヴェンの「英雄」から始まり、ウェーバーの「魔弾の射手」序曲やヒンデミットの交響曲「世界の調和」を聴くことができるようになっている。この時代あたりからフルトヴェングラー率いるベルリン・フィルのサウンドは特徴なものが多く登場し、さらに名演が増えていくこととなる。それらをこうして「アウディーテ」から発売されたマスタリングで楽しむことができるのは個人的にも非常に満足いく代物と言えるだろう。


[Disc 7]

・ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

録音:1950年6月20日(ライヴ)

・・・フルトヴェングラーによる「英雄」の中でも特に人気のある名演の一つである1950年6月20日のライヴ。弦楽器、特に低弦の重厚的なサウンドがありながらも、ベルリン・フィル全体の音色としては透明度のある美しさに満ち溢れた演奏となっている印象を受ける。それとしても豊かな音色を各楽章ごとに聴くことができるようになっているのは非常に素晴らしいポイントで、「急→緩」へと音楽の流れが変化した際のスケールは特に美しくて仕方がない。第4楽章でいえば7:00あたりからは木管楽器、弦楽器共に美しすぎて鳥肌が立ってしまうくらいと言えるだろう。


・グルック:「アルチェステ」序曲

録音:1950年9月5日(ライヴ)

・・・活気と華やかさがある序曲ではなく、どちらかといえば荘厳的かつ暗めな構成となっている「アルチェステ」序曲。しかし、ベルリン・フィルによるピラミッド型による分厚い低弦による重厚感たっぷりな演奏でこの演奏を聴くことができるということを考えると、非常に素晴らしいと思わざるおえない凄みがあると言えるのは間違いない。ノイズもほとんどなく、まろやかな音色と濃厚なスケールを味わえるようになっているので、普段あまり聴かない曲だからこそ味わえる素晴らしい名演だったことは間違いない。


・ヘンデル:合奏協奏曲

録音:1954年4月27日(ライヴ)

・・・演奏として、変わらず弦楽器による重心のたっぷりとしたスケールを味わえる素晴らしい演奏を聴くことができるようになっている。弦楽器のみによる演奏だからこそ聴くことができる素晴らしい音色や響きが功を奏する瞬間がこの演奏には非常に多い。各曲ごとに聴くことができるキャッチーさもありながら、多少ダイナミック・レンジが幅広いことによって非常に素晴らしい奥深いサウンドと、柔軟性のある弦楽器を楽しめるのは大きなポイントとなっている。


[Disc 8]

・ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲

録音:1952年12月8日(ライヴ)

・・・フルトヴェングラーは初期録音時代から繰り返し演奏を行っている曲の一つであるウェーバーの「魔弾の射手」序曲。オペラ本編の録音も残されているが、序曲だけとしてもその存在感の大きさは言うまでもなく非常に素晴らしい世界観となっているのは間違いない。重厚的なサウンドを奏でるベルリン・フィルのサウンドだからこそ楽しむことができる重量感の感じられる素晴らしい演奏で、弦楽器による土台がしっかりとしているからこそある素晴らしいサウンドとなっている。


・ヒンデミット:交響曲「世界の調和」

録音:1951年12月8日(ライヴ)

・・・以前取り上げたウィーン・フィルとの1950年8月のザルツブルクライヴとは違い、マスタリングの効果もあるだろうが比較的に音質が良くなっている印象を受ける今回のベルリン・フィルとのライヴ。その点では、ザルツブルクでのライヴは音質も多少あらかったため、破壊的なサウンドとなっていたが今回はよりオーケストラ全体を見渡せるようになっており、細部まで細かく聴き込みやすくなった印象である。各楽器ごとに音色や響きも明確かつ輪郭もハッキリとした状態での演奏を楽しめるようになっているので、最初から最後まで楽しめる演奏だったことは間違いない。


 さて、残すディスクも4枚なり、「フルトヴェングラーRIAS放送録音全集」も終盤となってきた。しかし、聴けば聴くほどに虜となっていくのがよくわかる上に、以前からよく聞いていた名演もマスタリングが違うことによって新しい角度で楽しめるようになっている。それもあって常にフルトヴェングラーの演奏を楽しめる。次回取り上げる際は、Disc 9のみかDisc 10も含めて取り上げる予定だ。


https://tower.jp/item/2565453/Edition-Wilhelm-Furtwangler---The-Complete-RIAS-Recordings