第1549回「パッパーノ&サンタチェチーリア管とのラフマニノフ交響曲第2番」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、アントニオ・パッパーノとローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団によるラフマニノフの交響曲第2番とリャードフの「魔法にかけられた湖」〜おとぎ話の絵です。パッパーノとサンタ・チェチーリア管は比較的に多くの名盤を残しており、このコンビによる演奏は非常に素晴らしい評価を得ています。今年2023年はラフマニノフのアニバーサリー・イヤーということで私自身様々なラフマニノフ作品を聴いていきたいと考えているので、今回はパッパーノによるラフマニノフを見ていきたいと思います。


「アントニオ・パッパーノ指揮/ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団」

ラフマニノフ作曲:
交響曲第2番 ホ短調作品27

リャードフ作曲:
「魔法にかけられた湖」〜おとぎ話の絵 作品62



 パッパーノとサンタ・チェチーリア管による録音は数多く残されているが、今回のラフマニノフに関しても非常に素晴らしい名盤の一つである。通常CD盤のHQCDが発売されており、今回取り上げるのは後者であるHQCD仕様の高音質盤となっている。


・ラフマニノフ:交響曲第2番

録音:2009年11月、12月(ライヴ)


 第1楽章・・・非常に安定感のあるテンポで演奏が進められていくやや固さのある演奏となっており、劇的で甘さたっぷりのラフマニノフではないという印象を強く受けた。今回聴いているのはHQCD盤となっていることもそれは影響しているのかもしれない。低弦の太めで重厚的なサウンドは非常に素晴らしく、オーケストラ全体の一体感としては申し分ない存在感であると言えるだろう。ロマンティックさよりもややあっさりとしている演奏というようにも聴こえるかもしれないが、こういう始まり方もありのように思えた。


 第2楽章・・・やや早めのテンポで描かれている推進力に満ち溢れたスケルツォ楽章。鋭いテンポの緩急が非常に素晴らしく、「急」では筋肉質にすら感じられるオーケストラ全体の固いサウンドによってパワフルかつ豪快に演奏されており、「緩」ではたっぷりと幅広さが取られた美しさからなるスケールを味わえる。そこから加速して「緩→急」へと変化していく流れは何回聞いても圧巻である。金管楽器の音色に関してもベストなもので、弦楽器群からは俊敏な演奏を楽しめるようになっている。


 第3楽章・・・この曲において最も深みのある美しい楽章である。弦楽器によって作り上げられたしっかりとした土台からなるスケールは非常に美しく、その上に木管楽器があり、演奏を行なっていることから非常に安定感のあるスケールを持って演奏を聴くことができるようになっている。HQCDということもあってダイナミック・レンジの幅広さが増しており、細かいダイナミクス変化を逃すことなく味わえるようになっている。甘さやたっぷりとした演奏は功を奏していることは間違いなく、細かい溜めに関しても垣間見えることから映画音楽に近い美しさのある世界観を完成させているのは間違いない。


 第4楽章・・・第4楽章が始まった瞬間にキラキラとした映画音楽が始まる。これには思わず鳥肌が立ってしまうくらいの大きな衝撃と感動を味わえるようになっている。たっぷりと美しい音色によって旋律を奏でていた第3楽章からすると、推進力からなるエネルギーに満ち溢れた鮮明さや明確なサウンドを力強く楽しむことができる。何よりも弦楽器や木管楽器、金管楽器などオーケストラ全体から聴くことができる音楽が非常に生き生きと演奏をしているので、聴いている我々としても勇気などを分けてもらっているような感覚を味わうことができるようになっていふ。最初から最後まで変わることない美しさと感動を余すことなく味わえるラフマニノフだった。


・リャードフ:「魔法にかけられた湖」

録音:2009年11月、12月

・・・非常に幻想的かつ劇的な演奏となっている。冒頭の弱奏から始まり音が徐々に広がっていく世界観は一瞬始まっているかわからなくなってしまうがしれないが、これは非常に素晴らしいほどに美しい演奏であると言える。奥行きや深みのあるサウンド、ダイナミック・レンジの幅広さが目立つ美しい世界観など功を奏している瞬間が非常に多く聴くことができる。自然な始まりであり、自然な終わりが演奏から聴くことができることによってラフマニノフの交響曲第2番へと橋渡しが非常にうまく展開されている。


 パッパーノによるラフマニノフ自体大分久しぶりに聴いたが、やはり息のあったコンビだからこそ成せる素晴らしい世界観というものがなんとも聴きごたえのある仕上がりとなっているのは間違いない。同じ「旧EMI」でいうと当盤は度々ラトルによる旧盤のラフマニノフ交響曲第2番と比較されることが多いが、パッパーノのラフマニノフはスタンダードながらも壮大なスケールからなる世界観をうまく作り出せていたと聴いていて感じることができたと思う。


https://tower.jp/item/2889087/ラフマニノフ:交響曲-第2番-ホ短調-作品27