第1375回「ラトル&バーミンガム市響マーラー交響曲第7番ライヴ」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

こちらはクラシック音楽のCDの名盤をレビューするブログです!
年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



 みなさんこんにちは😃本日1月19日はサイモン・ラトルの誕生日です。今年で68歳となります。おめでとうございます🎉そんな本日はラトルが複数のオーケストラと完成させたマーラー交響曲全集から1991年6月21,22日にライヴ録音された交響曲第7番「夜の歌」を取り上げていきます。


「サイモン・ラトル指揮/バーミンガム市交響楽団」

マーラー作曲:
交響曲第7番 ホ短調「夜の歌」



 ラトルは「旧EMI」にマーラー交響曲全集を残した後にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と交響曲第2番「復活」、第9番を発売している。その後ベルリン・フィル初となったマーラー交響曲全集の中にもラトルによるマーラーはいくつか収録されている。今回はバーミンガム市響含む複数のオーケストラと完成させた交響曲全集の中からライヴ録音された「夜の歌」を取り上げる。同曲録音の中でも特に好評を博している名盤の一つでもある。


・マーラー:交響曲第7番「夜の歌」

録音:1991年6月21,22日ライヴ

・・・マーラーの交響曲第5番と同じ5楽章からなる構成であり、同じように「暗→明」へと向かっていく交響曲スタイルだが、難曲が故に頻繁に演奏されることはあまりない。特にトランペットの難易度は私個人としても非常に高いと考えている。しかし、同時に第4楽章の美しさは格別なもので、今回に関してはライヴの臨場感も加わるためより一層素晴らしい演奏となることは間違いない。


 第1楽章・・・印象的なテナーホルンのソロから始まる第1楽章。基本としては一定のテンポで進んでいくが金管楽器が加わった瞬間に勢いを増し、全体が活発に進行していく。特に終盤に関してはテンポの緩急は変化よ連続であり、ライヴであることも重なってダイレクトでなおかつ豪快な終わり方など曲の始まりにふさわしいダイナミクスとなっていることは聴くだけでよくわかると思う。


 第2楽章・・・穏やかなホルンと木管楽器によって構成される1曲目の「ナハトムジーク」。行進曲風に進行していくところやカウベルの使用などは先ほどの第1楽章や交響曲第6番「悲劇的」との関連性が非常に強いものとなっている。オーケストラ全体として芯のある音で演奏されており、ブレることのない安定感を演奏から通して聴くことができる。より空間的な美しさが重視されていることは演奏を聴くだけで理解することができるだろう。


 第3楽章・・・荒れ狂うような怒涛の連続からなる音の波が流れ込んでくるスケルツォ楽章。テンポの緩急はより一層明確に、ダイナミクスや音形はより鋭さを増している。土台となっている弦楽器の存在は非常に大きいもので、木管楽器や金管楽器はそれがあるからこそ抜群の存在感を発揮しているのだろうと聴いていて感じることができる。推進力からなるエネルギーを強く感じることができる演奏だったことは間違いない。


 第4楽章・・・2曲目の「ナハトムジーク」で、演奏スタイルが何種類か存在するこの第4楽章。今回の演奏ではやや速いテンポで演奏されるアプローチから始まり、各楽器が牧歌的で美しく穏やかな音色と響きを奏でている。そこに含まれるテンポの緩急や細かいダイナミクス、テンポの揺れ具合などどれもベストなものとなっていることは聴いていてよくわかる。


 第5楽章・・・強烈なインパクトを残すティンパニの打撃とトランペットのファンファーレから始まるテンポの緩急が激しい第5楽章。いろいろなものが詰め込まれた楽章と言ってもいいくらいの存在感と難易度の高さは聴き手に大きなインパクトを残すことだろう。金管楽器や木管楽器などそれぞれの特性が生かされており、その世界観は非常に理想的な形となっているようにも思える。これをライヴで聴くことができたのならば聴き終えた後の衝撃は凄まじいものとなっていることは間違いないだろう。


 ラトルによるマーラーの交響曲は随分前に聴いたっきりではあるが、どの演奏も非常に素晴らしいものであることは間違いない。今後も不定期で少しずつ取り上げたいと考えている。ベルリン・フィルとの録音も良いが、バーミンガム市響との息ぴったりの名演も外せないのは今回聴いていて改めて理解することができた。


https://tower.jp/item/4247392/マーラー:交響曲第7番「夜の歌」