みなさんこんにちは😃本日9月26日はシャルル・ミュンシュの誕生日です。今年で生誕131年となります。そんな本日はミュンシュがパリ管弦楽団と残した名盤の一つでもあるブラームスの交響曲第1番を取り上げていきます。この演奏に関してはすでにUHQCD × MQA-CDの高音質盤を取り上げていますが、今回は9月17日に発売したばかりのエソテリックSACDシリーズのSACDハイブリッド盤です。すでにSACDシングルレイヤー盤が発売されているため世界初SACD化ではないものの、SACD対応プレイヤーがなくとも聴くことができるという点では非常に大きいでしょう。
「シャルル・ミュンシュ指揮/パリ管弦楽団」
ブラームス作曲:
交響曲第1番 ハ短調作品68
ミュンシュとパリ管弦楽団による演奏といえばベルリオーズの「幻想交響曲」が特に有名である。「旧EMI」から発売されたSACDハイブリッド盤や当盤と同様にエソテリック盤となっているが、ピリオド楽器や室内楽編成による演奏が盛んに聴かれる中でも色あせることなく今でも愛されている名盤と言っても差し支えないだろう。
ブラームス:交響曲第1番、1968年1月8,12日録音
・・・以前はUHQCD × MQA-CDの高音質盤を聴いたが、今回のエソテリックSACDハイブリッド盤はよりダイナミック・レンジの幅広さが増し、空間的な響きに関してもわかりやすく明確な仕様になったという印象が強いかもしれない。それか私自身ミュンシュ指揮による演奏を大分久しぶりに聴いたためか非常に大きな衝撃を受けた。最晩年のミュンシュによるパリ管との熱演の記録がより明瞭さを増して甦ったと言えるだろう。テンポは比較的全楽章で重厚的なものとなっており、重さからくるダイナミクス変化が強烈である。もちろん常に重厚的かと言われるとそうではなく、「緩→急」や「急→緩」と言ったようなテンポの変化も多少はある。その点で言えば第3楽章と第4楽章がテンポの緩急をわかりやすく感じることができるようになっているし、オーケストラ全体のスケールを存分に味わうことができる。金管楽器、特にトロンボーンとホルンの豊かな音色を余すことなく味わえるのも良い点と言える。加えて同時に強烈な打撃を残すティンパニも素晴らしい。また、特に印象深く残ったのは第2楽章で、重厚的な音色と響きでアプローチをしていきながら弦楽器及び木管楽器がたっぷりとスケールのある壮大な演奏を展開している。こんな演奏過去に聴いたことがないくらいだ。そういう意味ではDSDマスタリングが功を奏しているのか非常に素晴らしい音質でミュンシュ&パリ管によるブラームスを堪能することができる。あとは強いて言えばマスタリングによるものか、空間が若干作られた感覚を覚えてしまうような仕様となっている。その分音質は向上してよりミュンシュのブラームスを壮大なスケールでたっぷりと楽しむことができるのだが、技術的な限界を多少感じた。
先ほども述べたが、ミュンシュ指揮の演奏を聴いたのは本当に久しぶりのことだった。そのためどこか懐かしさすら感じたが、同時にまたベルリオーズの「幻想交響曲」も含めて当盤も聴きたくなったので当分の間2曲を何回かリピートして聴き込みたいと思う。同時に他にまだミュンシュの録音で聴いていない代物が多数存在していると思うので、それらも探していきたい。9月17日に発売されたエソテリック盤は以前から多くの人々に愛されてきた盤なだけあって充分に期待していいと思う。おそらくすぐに廃盤になるのではないだろうか?今後の展開をゆっくりと見ていきたい。

