第1213回「ジョナサン・ノット&東響による白熱のライヴ、マーラー交響曲第1番《巨人》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのはジョナサン・ノットと東京交響楽団によるマーラーの交響曲第1番「巨人」です。ジョナサン・ノットと東響のコンビといえば今日までに様々な演奏、録音を残しています。「Exton」から発売されたSACDハイブリッド盤の高音質盤によってライヴの臨場感をそのまま余すことなく味わえるようになっています。今回それにマーラーの交響曲第1番「巨人」が加わるということは目が離せないでしょう。


「ジョナサン・ノット指揮/東京交響楽団」

マーラー作曲:
交響曲第1番 ニ長調「巨人」



 ジョナサン・ノットがこれまで東響とライヴ録音としてCD化してきたマーラーは交響曲第10番が発売されている。他のオーケストラでいえばバンベルク交響楽団との交響曲全集が有名だろうか。こちらもSACDハイブリッド盤の高音質盤でノットによるマーラーを楽しむことができる。いずれ取り上げられれば取り上げたいと思っているが、そのほかにも東響とのライヴではCD化されていない名演が多いので今後ぜひCD化してほしいと個人的な願望を抱いている。


 マーラー:交響曲第1番「巨人」、2021年5月27日ライヴ録音

・・・SACDハイブリッド盤の高音質盤であるためダイナミック・レンジの幅広さが功を奏しており、マーラー最初の交響曲がみずみずしく、大変存在感のある形で演奏が行われている。第1楽章はテンポとしてはやや重心低めで安定感のあるアプローチで描かれながらも透き通るような美しい音色で演奏されており、それが非常に心地良い。また、冒頭の幻想的な雰囲気も弦楽器をベースとしてホルンやクラリネット、トランペットがその雰囲気にぴたりと当てはまる演奏を行なっている。第2楽章はユーモアたっぷりに、遊び心ある形で演奏がされており聴いているだけで上機嫌になってしまうような楽しさがある。テンポの緩急も備わっており、「急→緩→急」でそれぞれにあったバランスの良いテンポ設定、メロディを歌い上げるなど聴きごたえのある仕様となっている。有名な第3楽章では、第2楽章での要素がまだ音色に残っているのか遊び心が若干感じられる演奏となっていたり、落ち着きのある暖かみを持った演奏も行われている。その場面にあった演奏を聴くことができるようになっているため、この後にある荒々しくも壮大かつ圧倒的なフィナーレに向けて心の準備をすることができるといえるだろう。そして第4楽章では、基本的には重心が低いものの細かく変わるテンポとダイナミクスはまさに嵐のようなもので、キレ味、壮大なスケールを体感することができる弦楽器群や決めどころを逃すことなく豊かなサウンドで演奏をする金管楽器群、そして透明度の高い美しさ極まる音色の木管楽器。楽しめる。終盤に関してはテンポがやや遅いものの一音一音の重さは凄まじく、勢いはそれほどないかもしれないが圧倒されることは間違いない。これをライヴで聴くことができたのならば満足しないわけなどないだろう。


 ジョナサン・ノットと東響によるコンビによって演奏されてきた曲はどれも非常に素晴らしいものばかりで、その一つ一つは聴いているだけで鳥肌が立ってしまうようなものが多い。今後として時間があえばぜひ一度演奏会に行ってみたいと考えている。その時演奏されるのがマーラーの交響曲ならばなお良いのだが、ひとまずは過去にブルックナーの交響曲第9番と一緒に発売されたマーラーの交響曲第10番を聴きながらCDの情報を待ちたいと思う。


https://tower.jp/item/5429107/マーラー:交響曲-第1番「巨人」